六月第三週目の水曜日だった。

恭平の運転する白いセダンは、島へ渡るフェリー乗り場の

駐車場へ進入していった。

乗船用の駐車スペースが4レーンあった。

一本のレーンには、六台程度の車を停車する事ができた。

各レーンのアスファルト上に、数字が書かれていた。

左のレーンから順に1、2、3、4だった。

1番のレーンに二台の車が停車していた。

先頭の一台は、グレイのライトバンだった。

サラリーマン風の男が携帯電話で話をしていた。

もう一台は、観光ホテルの送迎バスだった。

人は乗っていなかった。

恭平は、駐車場の奥で車をUターンさせ、二台の車の後ろに停車させた。

乗船手続きにあたって、車検書が必要であるだろうと、恭平は思った。

そして、ダッシュボード下のコンパートメントから書類を取り出した。

車検書がある事を確認した恭平は、車のドアを開け外へ出た。

雨はすでにやんでいた。