恭平の運転する白いセダンは、島へ渡るフェリー乗り場の
駐車場へ進入していった。
乗船用の駐車スペースが4レーンあった。
一本のレーンには、六台程度の車を停車する事ができた。
各レーンのアスファルト上に、数字が書かれていた。
左のレーンから順に1、2、3、4だった。
1番のレーンに二台の車が停車していた。
先頭の一台は、グレイのライトバンだった。
サラリーマン風の男が携帯電話で話をしていた。
もう一台は、観光ホテルの送迎バスだった。
人は乗っていなかった。
恭平は、駐車場の奥で車をUターンさせ、二台の車の後ろに停車させた。
乗船手続きにあたって、車検書が必要であるだろうと、恭平は思った。
そして、ダッシュボード下のコンパートメントから書類を取り出した。
車検書がある事を確認した恭平は、車のドアを開け外へ出た。
雨はすでにやんでいた。