インに入り鳴り始めた雷が、16番ホールでかなり近づいた。

コース脇の東屋へ、僕たちは避難した。

やがて雨が降り始め、森が深いグリーンに変っていった。

半袖のシャツではいられないほど気温が下がった。

君は、最後までプレーしたいと言った。

そう、あの時君は、雷に撃たれて死んでもいい、と言った。

僕には解らなかった、何故その様な無茶を言うのか。

結局、僕たちはゲームを中止した。

5年前の春だった。

あの日、春の嵐の中、プレーを続けていたならば、