ブリーフケースの中から、ノートとシャープペンシルを取り出した。

目的の頁を開き、シャープペンシルを2度ノックした。

その頁には、3つの名前があった。

美穂子・美保子・美穂の順で縦書きに書き込まれていた。

しばらくその頁をながめた康明は、美紗・美佐子と書き加えた。

美という字を名前として使用する事を、康明は、はじめから決めていた。