海沿いの国道から、ドライブインへ進入するための右折ウィンカーをだした。

一台の車をやり過ごし、知美はドライブインの敷地の中に入って行った。

普通乗用車なら50台は駐車できる規模のドライブインだった。

駐車場には、1台の車が停車してあった。

空の色と同じような銀色の、ハードトップだった。

知美は、その車から4台分の距離をおき、車を停車させた。

車から降りた知美は、ドライブインの建物に向けて歩いた。

風が吹いた。冷たさがやわらいだ風を、知美は感じていた。