「車を買った」

「えっ、どうして・・・」

「明日、納車される」

「何を買ったんだ」

「さて何だろう、今よりは良くなる」

武弘は、もったいぶる様な口調で言った。

「今の車も十分に良い車だ」

「それは、そうなのだが、飽きてしまった」

「何が気に入らない訳では無く、飽きた」

俊之は、自分に説明する様に言った。

「そう」

「分かる様な気もする」

「うん」

「飽きない車ってあるのかな」

「基本的には無いと思うけど、初めから魅力の無い車は飽きないと思う」

「なるほど、で、何を買ったんだ」