養子縁組すると在留資格を得ることができるのは特別養子です

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2011.8.1mf更新

相談
私の婚約者のペルー人の男性が 5 月 30 日に市内で車を停車中に職務質問され、不法残留(オーバーステイ)で捕まり、その日のうちに東京入管に連れて行かれました。
私たちは結婚に必要な書類などが揃い次第結婚し、特別在留許可を願い出る予定でした。その矢先の出来事で、どうしたらよいのか分かりません。
彼は町でコンクリート工場で仕事をしていましたが、朝 6 時から夜 1 0〜11 時までという過酷な労働を強いられ、休みは日曜日だけだったため、大使館に行くことなど至難の業で、どうしても揃わない書類があったのです。
6 月 1 日に私と母で東京入管に面会に行きました。そのとき母が、「結婚の書類が足りなければ、自分(母)の養子になって特別在留許可を願い出てはどうか」と、言いました。そんなことは可能でしょうか。

前述しました様に、過酷な仕事だったため、彼は頭を打ち、腰も傷めてしまいました。その治療を理由に仮放免を申請することはできますか。
それと、結婚なり、養子縁組なりに必要な資料を得るため、という理由もあるように感じます。 先ほど申しました、頭と腰の具合が悪かったため、彼は仕事を休んでいて、たまたま行った友達のアパートの近くの駐車場で捕まってしまいました。なんともやり切れない思いです。 母の養子という件や、私との結婚によって、特別在留許可がいただけるのなら、どんなことでもします。 彼は 31 歳、私は 32 歳、母は 56 歳です。

回答
出入国管理及び難民認定法(以下,法)別表第二で在留資格を認めている、「日本人の配偶者等」とは、日本人の配偶者、特別養子、日本人の子供です。
特別養子とは、通常の養子とは違い,実父母との親族関係はなくなります(民法 817 条 2 項)。それだけ、親子関係が強い養子縁組です。特別養子になるには子が 6 歳未満である必要があります。例外的に 6 歳になる前から養父母の下で監護されている場合は、 8 歳未満であれば特別養子になれます。
従って、 31 歳の彼は特別養子になれません。 彼の場合、養子を理由とする在留特別許可取得は難しいでしょう。
そのため、一旦帰国し、時間がかかりますが、通常の方法で、婚姻後、在留資格認定を受けるとよいでしょう(法 7 条の 2 )。

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