弁護士(ホーム)遺言、相続法律相談 > 胎児に遺産を与える遺言
2015.7.19mf更新

胎児に遺産を与える遺言/弁護士の法律相談

弁護士河原崎弘

相談:生まれてくる子に確実に遺産を与えたい

私は、ある女性と懇意になり、女性は妊娠しました。事情があり、すぐ結婚ができません。
これから生まれてくる子に、遺言で、確実に、遺産を与えることができますか。
相談者は、法律事務所を尋ね、弁護士の意見を聴きました。

回答

(認知)

胎児は、相続に関してはすでに生まれたものとみなされ、胎児に相続させる旨の遺言をすることも可能です(民法886条)。遺贈を受けることも可能です(民法965条)。
まず、胎児があなたの子どもであることを認めるために、認知届けをするか、あるいは、遺言で認知 をします。 これにより、胎児はあなたの相続人となり、遺産を相続します。

(遺贈)

認知しない場合や、不動産とか預金など特定の遺産を胎児に与えたい場合は、遺言で遺贈をします。
ただし、胎児は、出生前なので戸籍に名前を記載することはできずません。遺言書にも胎児の名前を記載して特定することはできません。そこで、遺言書中では、母親の名前を記載して胎児を特定します。例えば、「後記不動産を、 ○○○○子の胎児に相続させる」と、特定して、遺言書を書きます。
死産であった場合には、この遺言は無効です(民法886条2項)が、子供が生まれた後に、死亡した場合は(子供が短い期間でも生きていた場合)、その子供の法定相続人がその遺産を相続します。この場合は、母親が子供の相続人として相続します。

法律の規定 民法 第886条〔胎児の相続権〕
@胎児は、相続については、既に生まれたものとみなす。
A前項の規定は、胎児が死体で生まれたときは、これを適用しない。


東京都港区虎ノ門3丁目18-12-301(神谷町駅1分)河原崎法律事務所 03-3431-7161