日本で協議離婚しても、ペルーでは裁判が必要/跛行婚

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2013.11.11mf更新
弁護士河原崎弘
相談
私(日本国籍、日本に居住)は、 外国人との離婚手続きについて悩んでいます。
ペルー人男性と結婚していましたが、2002年12月、日本で協議離婚しました。しかし、まだ、ペルーでの離婚手続きはしていません。
ペルーでは協議離婚制度はなく、裁判離婚しかないからです。 ペルーでの離婚手続きを進めるには、ペルーで日本語のわかる弁護士に依頼し、裁判を起こす必要があるそうです。
日本語が理解でき、信頼できるペルー人弁護士を見つけるのも困難ですが、さらに裁判には何年もかかるそうで、とても気が重いです。
国際結婚が増えており、他方で、国際離婚も増えている中で、日本での離婚手続きだけでなく、配偶者の母国での離婚手続きも必要だそうですね。しかし、外国での離婚情報は少ないのが現状です。
何らかのヒントでも結構ですので、アドバイスがいただければ幸いです。

回答
誤解があるようです。 あなた方の場合、次の、いずれかの条件があるので、日本法が適用され、日本で協議離婚ができたのです( 法の適用に関する通則法 27条)。現在、あなた方は、日本では離婚が成立していますが、ペルーでは結婚していることになります。いわゆる跛行婚(limping marriage )という状態になっています。
現在の状態で、将来、あなたは、例えば、日本では再婚できます。
他方、彼は、再婚する場合、ペルー国では結婚していることになりますから、独身証明書が取れないので、再婚できないでしょう。
彼は、ペルーで有効な離婚手続きをする必要がありますが、あなたには、(ペルーで再婚するのでない限り)、その必要はありません。

他国での離婚裁判をする場合、通訳の助けを借りればよいのであって、それほど難しいことではありません。
一般論ですが、現地にある日本大使館、領事館、現地の弁護士会、現地の法律扶助協会(Legal aid)に弁護士の紹介を頼べばよいでしょう。

協議離婚を認めない(裁判離婚のみ認める)国の配偶者との離婚は、日本で、調停離婚ないし審判離婚をするとよいとの意見が多いです。これは、裁判離婚と同じ効力があるからです。
下記判決は、ペルー人の夫との日本人妻との離婚につき、ペルー法を調査し、家事審判法24条(現在は、家事事件手続法284条、調停に代わる審判)により離婚審判をしました。

判例
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登録 2003. 1. 19