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2012.5.27mf
弁護士河原崎弘

婚姻としては無効な契約結婚

相談
私(34歳)は、ある男性(34歳)と契約結婚をしました。
しかし、籍は入れずに姓は別々、同居はしない、子供は作り、養育費はもらうが、生活費は別々。お互いの家を行き来していました。子供は、2人います。養育費は、現在、月額16万円をもらっています。子供が生まれた時には、いったん籍を入れ、すぐ離婚しました。
この状態で11年続きました。現在、彼には、恋人がいます。私は、彼に対して、慰謝料などを請求できますか。
私の年収は1300万円、彼の年収も同じくらいです。
女性は、法律事務所を訪れ、弁護士の意見を聴きました。

回答
あなたと彼の関係が、いわゆる結婚と認められるかにより、結論は異なります。当事者に婚姻意思があったか否かが、問題となります。
通常の離婚と異なる関係を、法律上の婚姻と見るかです。
あなた方の婚姻は、生まれた子に嫡出子としての地位を得させるための便法であって、夫婦関係の設定を欲する効果意思はなかつたとの印象を受けます。このような関係は、婚姻としては無効との判例 もあります。
さらに、 同棲の事実もなく、生計は別々であり、時折仕事面の協力や旅行などをともにし、2人の子を有する上告人(男、百貨店勤務)と被上告人(女、大学教員)のパートナーシップ関係は16年に亘っていたところ、上告人が別の女性と婚姻をし被上告人との関係を突然解消したことから、被上告人が上告人に対し損害賠償請求したケースの上告審において、
両者の間には民法上の婚姻をする意思の合致はなく意図的に婚姻を回避しており、関係存続に関する合意もないこと等、上記関係に婚姻及びこれに準ずるものと同様の存続の保障を認める余地はなく、上告人が被上告人に対して何らかの法的な義務を負うものともいえず、不法行為は成立しないとして、100万円の支払を認容した原判決を破棄した下記判決があります。

あなたの場合、婚姻として認められるかについて、判断は難しいです。仮に婚姻と認められても、慰謝料は、100万円〜200万円くらいでしょう。

判例
登録 2005.1.3
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