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証拠は大切に扱う

弁護士河原崎弘

証拠を大切に扱わない依頼者

相談者が、こんな相談をします。
「こんな証拠ですが、裁判したらどうなりますか」、「この証拠で勝てますか」などの質問をよく受けます。 弁護士が、こんなことを言います。では、写しを送って下さい。ファックスでも、郵便でも、メールでも良いです。
このような会話の後、写しが届きます。しかし、稀ですが、原本が届くこことがあります。
これには驚きますが、弁護士は、原本の保管義務と返還義務を負い、神経を使い、費用を使います。弁護士としては、最低限書留郵便で返送し、 このような依頼者(相談者 )と気を付ける必要があります。依頼者は、原本ではなく、写しを送るべきでした。
原本の存在の有無は大事なことです。写しがあっても、原本がないと貸金の存在は否定されます。法律の世界では、証拠は大切に扱い、保管しましょう。原本の送付の過程で紛失の危険に備える必要があります。
弁護士は、証拠物の保管、返還に当たり、次の注意義務を負います。

法律の根拠

民法は、2つの種類の保管義務(注意義務)を定めています。
  • 善管注意義務
    受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う(民法644)。 民法644条の善管注意義務は、委任契約の受任者に課せられた義務です。委任契約以外にも民法644条が準用されています。
  • 自己のものと同一の注意義務
    無報酬の受寄者の注意義務
    無報酬の受寄者は、自己の財産に対するのと同一の注意をもって、寄託物を保管する義務を負う(民法659条)。

    有償の受寄者、報酬を得て他人の物を預かる場合は、644条、無償の受寄者の場合は、659条が適用されます。
  • 2026.7.5
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