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更新203.2.13mf
弁護士河原崎弘

債務者に民事再生手続きが開始された場合、保証人の責任は

相談:民事再生手続きの保証人への影響


私は、友人の会社の保証人になっていました。友人の会社は、民事再生の申立てをし、私にも通知が来ました。
民事再生手続きでは、会社の債務が大幅に減額されると聞きました。そうすると、私の責任も減額されるのでしょうか(民事再生手続きはの効力は、私にも及びますか)。
相談者は、弁護士会に行き、弁護士から話を聞きました。

回答:民事再生手続きは、保証人に影響しない

弁護士は次のように説明しました: 民事再生手続きでは、債務者は、「債務の2%を分割で支払い、残りの債務は免除する」などの債務の支払いについての民事再生計画をたてます。債権者の過半数が民事再生計画に賛成し、裁判所が認可すると、債権者の債権(再生債権)は、再生計画通りに変更されます(民事再生法179条1項、232条1項)。言い換えれば、債務者の責任は、その減額された債務の支払いで終わり、残りは免除されます。
しかし、債務者の債務が減額されても、これは保証人には影響しません(民事再生法177条2項)。保証人の責任は、依然として、保証した債務全額に及びます。

同様に、会社更生法に基づく更正計画で主たる債務者である更正会社が免責を受けた場合も、同じです。更正会社が免責されても、保証人は免責されません(会社更生法203条2項)。

また、破産手続きでも同じです。債務者が破産宣告を受け、清算が終わり、免責決定を得て、債務につき責任を免除されます。しかし、破産手続きでも、免責の効力が保証人に及びません(破産法253条2項)。 保証人は、依然として責任を負います。

法律

民事再生法
第177条 (再生計画の効力範囲)  
再生計画は、再生債務者、すべての再生債権者及び再生のために債務を負担し、又は担保を提供する者のために、かつ、それらの者に対して効力を有する。
再生計画は、別除権者が有する第53条第1項に規定する担保権、再生債権者が再生債務者の保証人その他再生債務者と共に債務を負担する者に対して有する権利及び再生債務者以外の者が再生債権者のために提供した担保に影響を及ぼさない。
2010.6.25