末摘花(ツバル発行2002年4月)

葵の上との冷たい夫婦関係、夕顔の突然の死、心中晴れぬ光源氏が耳にしたのは、故常陸宮の姫君の話である。姫君は、荒れた邸に今では時代遅れの楽器となってしまった琴(きん)を唯一の友として暮らしている。早速、興味を抱いた光源氏は、春のおぼろ月夜にこの邸を訪れたが、そこにはライバルの頭中将と出逢う。二人は競って姫君に手紙を贈るのだがなかなか返事をもらう事が出来ない。姫となんとか逢瀬を迎える事が出来たのだが、その実際の姿と来たら.....普賢菩薩の乗り物を思わせる長く、真っ赤な花、異常に高い座高等目を覆うばかりの有様だった。しかし、光源氏は、この後も貧しい、末摘花の面倒を色々と見るなど厚情を示す。

切手の画像は、琴を弾く末摘花と小柴垣を隔ててこちら側を向いているのが光源氏、向こうを向いているのが頭中将