JAPEX’98出品作品 コンサート音楽の流れ


はじめに


日本郵趣協会では、1966年以来、毎年全国切手展「JAPEX」を開催して、今年は、その第33回を迎える事になります。

この切手展は国際展への登竜門となるだけに非常に程度が高い作品が全国から応募されて来ます。競争出品は、大きく分けてチャンピオンと一般クラスに分かれています。一般クラスは、A日本部門(伝統郵趣、郵便史、マルコフィリー、郵便ステーショナリー、エアロフィラテリー)、B外国部門(細分は、日本部門と同じ、Cテーマチク部門、D、文献部門に分かれています。それぞれのテーマに分かれて各自の収集成果、郵趣知識、その他の技術を競うわけですが、私が現在進めている音楽切手収集は、テーマチク部門に該当します。この部門は、以前はトピカルと呼ばれていましたが、現在ではテーマチクと呼ばれています。名前の示す通り、出品者は各自のテーマを決め、それに関連する郵趣マテリアル、関連資料を収集、分類し作品を構成、展開して行く訳です。ですから従来のトピカル収集であれば、例えば、単に音楽切手と言う事で国別、年代順に作品を構成する事も可能だったのですが、テーマチクでは、今年から経過措置が無くなり、審査基準も新しいものとなります。

展示を見て受けた印象と日本郵趣協会パソコン部会のメンバーの中にもこのテーマチクに取り組まれている方がいらっしゃるのに触発されて私も昨年初出品しました。テーマは「オーケストラ音楽の流れ」です。音楽切手の場合、たしかに大作曲家に関連して相当数の切手が発行されていますが、テーマを効果的に見せる「動的な」要素を持ったマテリアルは意外にも少なく展示品作成に当たり、大変な苦労と、8月にやってようやく出品を決意し作業に取りかかった準備不足からなかなか思うような作品が出来ませんでした。

切手自体の入手も大阪で外国切手(テーマチク関連)を閲覧可能な状態で扱っている切手店は、2件程度と少なく、それぞれお世話にはなりましたがやはり東京の収集家に比べるとハンディがある事には変わりありません。テーマチクの場合はカタログデータ以外に切手そのものから受ける印象が非常に大事なのです。JPS外国切手例会のオークションや日本郵趣協会の機関誌である「郵趣」誌の広告、私が音楽切手収集家である事を知り、協力して下さった収友の方のお陰で貴重なマテリアルも若干ながら入手する事も出来ました。また、資料収集には近くの公共図書館や出身大学の図書館やインターネット等の情報等も利用しましたが、これ程、収集分野について熱心に調査を行ったのは初めてで、その意味でプラスになったと思います。とにかくパソコン部会の皆様を初め、大勢の収友の皆様のおかげで出品にこぎ着ける事が出来ました。この場でお礼申し上げます。

そして、初出品から早くも一年が過ぎて、今年も「コンサート音楽の流れ」を制作し、ようやく完成にこぎ着ける事が出来ました。昨年の段階で準備不足を自覚したのですが、今年も同様な事態に追い込まれました。テーマチクを毎年出品するとなると、テーマの設定から出品の準備の為の情報やマテリアルの収集を計画的に行う必要があり、限られた時間と予算の中で如何に無駄の無い収集を行うかと言う事が重要だと今更痛感しています。

作品が完成し、それを今回も画像データとしてホームページに収録する事にしました。作品を公開する事に是非の意見はあるでしょうが、せっかく作った作品ですから、より多くの人に見て頂く為にホームページに公開する事にしました。


JAPEX`98 出品作品

「コンサート音楽の流れ」画像データ(リーフをそのまま収録)

「コンサート音楽の流れ」は、従来の有名な作曲家中心の歴史の流れとは離れて、クラシック音楽の演奏自体がどの様に変化してきたか、政治社会、戦争と平和等さまざまな時代の流れの中でどの様に演奏と言うものが変わってきたかについて表現しています。音楽切手は作曲家の周年記念等が多く、演奏やコンサート自体を描いたものは意外に少なくマテリアルの収集にはかなり苦労しました。

入賞報告!

今回の作品もどうゆうわけか、高い評価を頂きおかげさまで銀賞を受賞する事が出来ました。作品の制作の際に、色々とアドヴァイスを戴いた方々や、ご支援を戴いた方々に篤く御礼申し上げます。今後もよりよい作品を作っていきますので宜しく。

 


JAPEX`97 出品作品

「オーケストラ音楽の流れ」画像データ(リーフをそのまま収録)

 


第1部 黎明期から第9交響曲まで

NO1   INDEX
NO2   オーケストラの語源
NO3   ルネサンス・バロック期(モンテヴェルディ、ビバルディ等バッハの音楽を準備した世代)
NO4   バッハの管弦楽曲(ブランデンブルク協奏曲)
NO5   古典派の限界に挑戦したモーツァルト 1 (交響曲自筆譜等)
NO6   古典派の限界に挑戦したモーツアルト2(死去200年他)
NO7   交響曲の父 ハイドン その1
NO8   交響曲の父 ハイドン その2
NO9   ベートーヴェンの肖像
NO10  ベートーヴェンの生涯
NO11  第9交響曲への道
NO12  歓喜の主題の誕生


第2部 ロマン派のオーケストラ音楽

NO13  シューベルトの幻想                                 
NO14  シューベルト生誕200年
NO15  ロマン派交響曲の幕開け
NO16  大規模オーケストラの誕生
NO17  時代を越えた奇才ベルリオーズ
NO18  フランスのオーケストラ音楽
NO19  標題音楽の新境地 リスト
NO20  リストとショパン
NO21  ゲルマン精神の昇華ワーグナー「楽劇」
NO22  ベートーヴェンに挑戦したブラームス
NO23  シンフォニックなピアノコンチェルト
NO24  ブラームスとクララシューマン


第3部 後期ロマン派から現代まで

NO25  後期ロマン派最大の作曲家ブルックナー
NO26  ブルックナーの第3交響曲初演
NO27  オーケストラ音楽と民族主義
NO28  世紀末の芸術と音楽家
NO29  20世紀への行進曲 マーラー
NO30  20世紀のオーケストラ音楽
NO31  大指揮者の時代 
NO32  ウィーンフィルハーモニーの誕生
NO33  ベルリンフィルハーモニー
NO34  世界に広がるオーケストラ その1
NO35  世界に広がるオーケストラ その2
NO36  日本におけるオーケストラ活動


入賞報告!


この作品がなんと銀銅賞を受賞する事が出来ました。初めての出品だけに驚きです。制作中には、苦労ばかりで、正直申してあまり楽しくありませんでしたが、賞を戴いてそれも報われた事に感謝しております。多くの方に私の作品を見て戴いた上に、入賞できるなんてこれ以上の光栄はありません。受賞は小学生の頃からの夢でしたので大変嬉しいです。今後ともよりよい作品を出品出来る様に努力する所存ですが、この作品が完成するまでに多くの方のアドヴァイスや収集の面でのご協力を受けました。改めて御礼申し上げます。

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