NON−NFB 

SRPPラインアンプ 

 
超小型管球アンプ

NON-NFB SRPP方式採用

使用した筐体

配線上の工夫

苦労した点

音質は



超小型管球アンプ

以前、製作した本格的?管球プリアンプ(12AX74本構成)は、EQアンプ、トーンコントロール、モード切替、バランスアウト、ダイレクトスルーモードスイッチ等必要な機能を満載し、更にTAPE2系統、RECOUT2系統を搭載しており、現用ののシステムでは重宝していますが、同時に、音の鮮度が気になり始めました。トーンコントロール機能は、ソースによってバランスが悪いものがあるので必要な機能ですが、同時の音の鮮度の劣化は免れません。ダイレクトアウトスイッチを入れると総てのアンプの機能をとばして直結のアッテネータ的な機能だけになるのですが、それでもCDプレイヤー直接接続に比べると音の切れ味が鈍くなっています。これは、先日、オークションで入手した新しいSPシステムで再生するとよけいに気になります。それで今回は、前回の様な機能を欲張らずに、ラインアンプだけの機能でどれだけ高音質なものになるかチャレンジしてみました。

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NON−NFB SRPP方式採用

今回採用した回路は、NON−NFB、SRPP方式回路です。SRPP回路では、無駄なCR類を通さず、直結に近い形で増幅段を結合し、更に高感度を得る事が可能です。この回路は非常に簡単なので製作も容易と言うメリットがありました。また、採用している真空管は、12BH7A(GE社製)でもともとTVの発振回路として採用されていたものですが、最近では中程度の増幅管として、ドライブ回路に良く使用されています。コンデンサの一部にはブラックゲートを使用して高音質化を図っています。

電源回路は、本来は安定回路が望ましいのですが、スペースと技術の関係で採用せず、通常のT型フィルター方式としました。電源トランスはPMC35E(ノグチトランス)で280V、35ミリアンペアのB電源を得ています。整流方式は、今回もブリッジダイオード(600V耐圧品)、コンデンサ容量は、100μf2本です。(これでは、ややリップルが残ったので後で、100μfwを追加しました。12BH7Aのヒータ電源は通常の直流電源でこちらも6.3VでT型フィルター(2200μfx4)のおきまりの方式でセンタータップの変わりにボリュームを使用してあります。

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使用した筐体

使用した筐体はタカチ製で横幅320x70x220ミリの管球ラインアンプとしても小型のものを採用しました。この筐体は組立式で側板と前面、背面番、天板、底板がそれぞれネジで組合せる方式ですが、仕上がりは上品も強度の点で不安がありました。また、今回はサイドウッドも欲張りました。これで外見は、あのキットに似た感じとなりました。

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配線上の工夫

配線は、増幅部はウエスギ方式(怒られるかな)端子板に部品を配置し、総てを青いリード線で配線しました。真空管は、スペースが無いので2本とも横に寝かせてソケットに差し込んであります。真空管交換の際のスペース等考えたつもりですが、交換は苦労しそうです。配線は、この方法が非常に洗練されており、配線もやりやすいので驚きました。電源部はこれまで通りの基盤方式ですが、今後は、電源部もウエスギ方式を採用したいと思っています。

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苦労した点

増幅部の配線はスムーズに行きましたが、トランスがこの筐体では横に寝かせても高さがギリギリで留め金の分の厚みだけでも天板に干渉してしまい、大きなノイズが出ました。これをなんとかやりくりして2ミリだけスペースを作りなんとか配置しています。この筐体の大きさだと外部電源の方が良いと思います。また、アースラインとアースを落とすポイントでかなり苦労しました。試行錯誤を重ねて殆どノイズが出ない点を発見しました。それでもどうしても取りきれない残留ノイズがあります。前回は、チョークを採用して成功しました。今回も一番小型なチョークだと入るスペースがあるので試して見ようと思っています。また、12BH7Aは、マイクロフォニックノイズに神経質だとか、ゲインが上がりすぎたり予想しなかった問題もありましたが、ゲインについては、バランスボリュームのロスでちょうど良い程度に落ち着きました。

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音質は

現時点でマーラーの9番の終楽章の最後の部分でノイズに気が付きます。アンプにスイッチが入っているなと言う感じです。私はこの程度のノイズも気になるのでこれを追い込まねばなりません。自作の6BQ5ppと組合せた音は、音の鮮度が全く違うと言う事、高域に張りがある音、切れ味もある、レンジはやや高域よりだが、必要な低音は出ている。直結にして聴いた時に比べると押し出し感が強くダイナミックレンジが拡大した様な印象を受ける。今後、ボリュームをデテントに交換したり、更に高音質化を行えば、常用システムに耐えうる水準にもなりそうです。やはり、NON−NFBで音が生きているなと言うのが実感です。

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前面から見たところ

上面から見たところ

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はらわたです

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回路略図

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背面図