こ の 旅 の 「ま と め」 と 「感 想」


 出会った人達で世界中を旅している人の多さには驚かされた。アジアから渡ってきた人が多かった。私は2カ国しか行かないし、期間も3週間とちょっとということで、すべてにおいて迫力負けした。一人の女の子でもなにげなく 「南アフリカ) () 」まで行くと言うし、 「マダガスカル) 」に行った子もいた。しかし(!!)、こういった多くの人がアフリカ大陸を縦断する水平の旅をしているのに対し、自分はあまりいないであろう「アフリカ最高峰の標高5951m」から「インド洋で水深18m」の縦の旅ができた(無理矢理考えた)ので満足。

 2月17日北沢さんを訪ねた時に、部屋に5人の日本人がいたのだが、ここでいろいろな話を聞いた。最初はレートの話などをしていたのだが、自分の回ってきた国のことや、そこで会った人のこと、アフリカの国々のこと、世界の国々のこと、日本人や日本のこと、いろんな話しになった。みんないろんなことを知っていたり、考えていたりして感心した。この日の深夜、自分の部屋で大阪の人と亀山さんと話をしたが、この人も世界のこと国連のこと経済のことアフリカ各国の現状等を知っていてまた感心した。このような話をみんながこんなに真剣に話したり聞いたり意見を言ったりする機会は日本では得られない。しかも、このような話をしたり聞いたりする相手は同年代の若い人たちである。なんだか、こんな人たちと一緒にいると少し興奮する。亀山さんは 「ルワンダ) () 」でいろんなボランティアの人にあったり、話したりしたそうだ。彼らが入国した日にフランス人四人が国境沿いで殺されたそうだ。地雷の話や、国連の話など、なかなか興味深い。
 今までの日本での暮らしの中でこんなことを考えたり、感じることもなかった。学生の時に海外に出たことのなかった自分は、あのまま名古屋にいたら、こういうことに触れることはなかった。それを思うと少し怖い。そしてそれは、日本が島国なのだからだと思った。
 世界の中に日本という自分の国があるのだ、と言うことを生まれて初めて実感がした。このことが、すごく新鮮だった。そして、日本とアフリカの国、日本人とアフリカの人の良い所、悪い所を多く感じることができた。

 単純にアフリカでは教育が遅れていると思う。町には何をするわけでもない、たくさんの子供たちがいるからだ。そういえば、「 中国) () 」でも教育が遅れていてどうしようもないと、芦屋さんは言っていた。FRINDS CORNERに行けば夜遅くまで子供たちがたむろっている。
 初等教育は教会などで受けられる子もいるかもしれないが、それ以上の教育を望むとワタムにいたときに話した大学生がそうであったし、そういうチャンスはさらに少ない。金があればどこの国にいてもこういうチャンスを手に入れることが出来る。しかし、サファリの勧誘をして働いていた明治の大学生も言っていたそうだが、金儲けするチャンスがここの人たちにはなさすぎる。
 貧しいからといってアフリカの人は暗くない。なんか不思議だけど、ほんとのんびりしていて、楽しんでいるような雰囲気がある。彼らにも十分な金があればたいていの物やチャンスは手に入れることはできるが、それだけがすべてではない、ということなのではないだろうか。自分にははっきりと解らないのだけれど。

 T/Cをなくしてイクバルに帰ったとき、物や金を盗られた人が何人もいて、その中でもモンバサ方面のコースト沿いが危ないという見方ができた。だから、モンバサに行ったときはかなり緊張感があり、こんなに警戒していては楽しめないと思った。この時は本当に日本て良い国だなと思った。しかし、飛行機を降りて日本に着いて電車に乗ったとき、なんか緊張感がなさすぎるな、と思った。この感覚はどういうことなんだろう。ナイフを取られたときもそうであったが、アフリカでは油断をすれば確実に隙をつかれてしまう。アフリカではみんな日本ではする必要のないマネーベルト等をしているが、もしかしたらそんな非日常の緊張感を楽しんでいる所があるのだろうか。

 日本の自然は本当にすばらしいと思った。本当にこれはすごく感じた。もしかしたら、これが一番大きな発見かもしれない。キリマンジャロは全体としてはのっぺりと大きくて変化に乏しい。水も少ない。(※私が見たのは極一部ですが)アフリカの自然はすごく大きくて、変化がない。水のある所も少ない。それに比べて日本はどうであろうか。本当に風景が次々に小気味よく変わって、美しく、楽しい。豊富に水もあり、またこれが美しい。そして、どこにでもある緑はアフリカにはない(といってもタンザニア)、ケニア)の一部しか知らないが)自然のみずみずしい生命力を感じる。日本の自然は、実はとびっきり繊細で美しいのだということを本当に感じた。モンバサからナイロビまでのバスからのサバンナの風景はずーっと同じで、本当につまらなかった。外を見ていて飽きてしまうし、眠くなる。アフリカの自然は大きすぎて、本当に楽しむためにはよく研究しなければ、そうそう日本のようには楽しめない。建設省や林野庁等によって日本における自然はどんどん壊されてしまった。彼らには彼らの言い分があるのだが・・・。しかし、まだ各山岳エリアはすばらしい自然が残されている所があるので、これから存分に楽しんでいきたい。

 ナイロビを離れてしまえば、日本人に会う機会は滅多にない。しかし、イクバルではアフリカにはこんなに一人で旅している日本人が多いのかと感じた。それはとても頼もしく感じた。そして、彼らがそれぞれいろいろなことを感じて考えていて興味深い。話をしていて楽しいし、何か刺激がある。日本という国はあまりに平和すぎて、こういう環境がないのだと思った。


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