【山域山名】 笛吹川東沢・釜ノ沢(奥秩父)
【山行形態】 沢登り
【山行日程】 1997年7月31日(木)[N]〜8月2日(土)
【メンバー】 住吉 匡、浅井 裕貴


8月1日(金) 晴れ後曇り

駐車場──遡行開始──ほら貝のゴルジュ──釜の沢分岐──魚留滝[8m]──両門の滝──■ビバーク適地(1,655m) 【8:30】
7:00
8:00
10:15
13:00


14:30
15:30

快晴の中、出発です!!
左から、住吉、浅井
 6:00起床。7:00に駐車場を出発。河原に下り、沢足袋に履き替えて8:00溯行開始。水量はさすがに多い。ガイドブックに従い左岸につけられた山道を簡単に探すが見つからない。しかたなく本流通しに溯る。本流は水量が多く河道が蛇行していて徒渉の連続となる。といってもひざ下ぐらいで危険を感じる程でもない。30分程歩くと、大きな釜をもった8mの滝が現れる。さすがに、この水量での滝は大迫力。左岸に巻き道が付けられていたのでこれを登ると、よく踏まれた前述の山道にでた。しかし、しばらく歩くとこの山道は河原に下りてしまった。そこからまた本流通しに徒渉の連続。釜をもった2m程の滝?が現れ最初泳いで突破しようとザイルを出して挑戦するが簡単に押し流戻される。その後右端は足が立つことが解りしらける。ザックを下して右端の岩と岩の間を通りぬける。その後また5m程の滝が現れる。ここの沢は人が多いはずなのに、はっきりとした巻き道が確認できない。こんなのガイドブックに載っていないのにおかしいなーと思いながら、その滝を見ると少し弱気になり、ここで敗退かと思う。左岸に踏み後らしきものがあるので、空身で偵察。何とか行けるようなので登攀具を付け巻く。途中一個所荷物が重くどうしても体が持ちあがらない。浅井が笹を掴み強引に上がるが少しやばかった。そこを上がると何とまたよく踏まれた山道にでた。どうなっているのかさっぱり解らない。しばらく行くと朽ちた丸太橋がある。
 10:15ここを下りほら貝のゴルジュを見に行く。ちょっと覗くことしかできないがきれいとかより、側壁の岩、水の音、水流が大迫力で少しびびる。また山道に戻りここを巻く、河原に下りるとやっとガイドブックの溯行開始地点である。ここから河原歩きが続くはずだったか大きな釜をもった1mの滝?が現れる。こんなのガイドブックにも載っていない最近出来たのだろうか。水流が強いので見た所右岸の岩に這い上がるしかなさそうだ。しかし右岸すれすれに流心があるのでそこをさけ少し上流に泳いでから流されつつ岩を掴めば良さそう。ザイルを出しザックの軽い浅井にトップを任せるが、泳がないで流心を越えいきなり飛びつき岩を掴む。自分も同じようにやってみるが簡単に流された。その後は本当に長い河原歩きで、左右から入ってくるなめ滝を見ながら「おーすごい」、「わーすごい」である。
 13:00釜ノ沢の分岐。すぐに左に折れる8m魚留滝がある。左のフェースにとりつき簡単に登る。時間があれば水流のすぐ左を登ってみたい。無理かな?。その次の滝は右から。この後ガイドブックに載っていた写真と同じなめ床の沢。しばらくは今までと違ってすごいなめなめ歩きである。その次の滝は左から巻くが途中いやらしい5mくらいのトラバースがありザイルを出す。その次の6m曲がり滝は右から。水量が多くとても滑ってドボンして遊ぶ気にもなれない。
 14:30両門ノ滝は右から巻くが踏み後をたどると上に登りすぎ、引き返して滝上にトラバースするが、ここの数歩が苔が生えていていやらしい。シュリンゲを繋ぎ合わせて簡単に確保する。ヤゲンノ滝は中間の尾根を登る。6mの滝を左から越えると今日の滝登りは終了。ここから伸びる尾根はエスケープに使えそうなので、目印に赤布を付けておく。後は河原歩きである。曇っているので夕立がくる前に早くツエルトを張ってしまいたい。
 15:30ビバーク適地(H1655m)を見つけ今日の行動を打ち切る。ツエルトを張り、焚き火と食事の準備。単独で下降している20代後半の人と会う。ここはみんなビバークするらしく薪が少ないのには困った。火がなかなか点かないため、暗くなる前にとりあえずガスで食事を作る。ヒレステーキは最高にうまかった。この後薪に火が点き始め焚き火を大きくし、酒を飲む。空を見上げると満点の星が見える。この日は星が出たり隠れたりと随分雲が流れているようであった。夕立がこなくて本当に良かった。いつもながら焚き火の側で飲む酒は最高。疲れたのか浅井は焚き火の側で1時間以上も寝ていた。後片付けをして、22:00過ぎにツエルトに入り就寝。昨日も(駐車場にて)シュラフカバーで寝たが寒かったので、今日はカッパを着て寝た。


8月2日(土) 晴れ後曇り

■ビバーク適地(1,655m)──なめ滝[10m]──滝[30×50m]──■甲武信岳小屋水場──甲武信岳(2,475m)──駐車場 【7:40】
7:30
8:50


10:00
11:00
15:10

良い天気と、冷たい水!!
 6:00起床。空は晴れ渡って夏空を取り戻したようだ。朝飯のラーメンを食べ、7:30出発。今日は昨日の河原歩きと違い沢登りである。このあたりは地図から想像する限り昨日の河原みたいになっていると思ったが、大違い。まともに歩けるのは水流通しだけで両サイドは完全に森になっている。よって当初考えていたここからのエスケープルートは視界がなく全く確認できなかった。
 8:50に10mなめ滝。このあたりから小屋の水場までさらに傾斜が増す。30×50mはなるべく水流通しに登りシャワークライミングを楽しむ。水は冷たいが沢登りに来たという感じでとてもいい気持ち。木賊沢との出会い付近は高度感がある。
 10:00に甲武信岳小屋水場。12:00までには沢を抜けたいと考えていたが、それよりも早く着き余裕があったのは良かった。登攀具を外し小屋へ。4年前に奥秩父縦走でここにテントを張ったことがあるので懐かしかった。少し休憩してから山頂に向かう。11:00甲武信岳山頂。ビールを小屋で買ってくるのを忘れたのが悔やまれる。ここでも4年前と同様ガスがかかり金峰の方まで見えないが、多少ましである。時間もあるのでのんびりする。小屋に戻りここでものんびりと、ビールを飲む。
 下りは途中で最近できたのか登山地図にはない徳ちゃん新道に入り軽快に下る。地図にある道より途中で徳ちゃん新道に入った方が時間の短縮になる。駐車場に15:10到着。温泉を探すと学生の時に入ったことのある公衆浴場(塩山温泉)で懐かしかった。


【反省・感想】
□行く前日まで1週間近く雨が降り続いたため水量が多かったと思う。
□最初、もっと真剣に左岸の山道を見つけるべきだった。
□本流通しは水量が多くちょっとしたゴルジュや滝でまったく手が出ず、とても楽しんで溯行とはいかない。
□この沢の遊び所、見所、登り所は、釜ノ沢に入ってからで、出来ればここでもっと時間を使いたかった。最初のロスは大きかった。
□最初(本流部分)以外は進むべき沢が解りやすく、高度な地図読みの技術は求められない。
□考えていたエスケープルートのうちの1つの尾根のとりつきは確認できなかった。よってエスケープルートは複数考えておかないと危険。
□ビバーク地は多く、広くツエルトではなく楽勝でテントが張れたが、軽量化を考えれば妥当か。
□初級のコースではあるが、ザイル(補助ザイル)の欲しい所が数箇所あり単独では不安だと思った。
□沢登りの際、持つべき水の量が難しい。未だに良く解らない。今後研究が必要。
□全体的にもう少し軽量化を図れば良かった。
□換気扇パックは少し厚めに塗らないとだめ。
□安全のためと、時間の短縮に、20m位(6mmでも良さそうだが、水流に引込まれた時に引張るには8mmの方が良いかな?)の補助ザイルがあると良いとおもった。50mのザイルでは出入れにも、使用にも時間がかかる。
□爪を切るのを忘れた。
□もっと簡単に写真を撮れるよう、カメラの収納に工夫が必要。
□ツエルトを貼るのに6本ペグがあると便利だと思った。
□まな板はとても有効で作っていって良かった。沢では必携。ベニヤ板は2枚分で250円。
□酒は軽量化のためにもアルコールの高いウイスキーが良い。
□新聞紙がもう少しあると良いかなと思った。
□前の日に雨が降って焚き火に火が点きにくいときには、木を敷いて床を作りその上で焚き火をした方が火がつきやすく有効であると思った。
□やっぱり焚き火にのこぎりは欠かせない。



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