はじめに

 昔から「海外で行ってみたい所は?」と聞かれると、なぜか、いつも「アフリカ」が頭に浮かんだ。しかし、海外に行った経験は一度もない。知識もない。海外とはどんな所なのか、行ってみたいという好奇心はある。しかし、実際に海外に行く自分を想像してみると、言葉の問題がまず頭に浮かび気が重い。不安が好奇心を上回る。「行ってみたい」と「実際に行く」ことのギャップは、自分にはとても大きかった。しかし、ひょんなことからきっかけを掴んだ。

 一身上の都合で仕事を辞めることになり、生きているうちに一度は行ってみたいと思っていた海外に行こうと考えた。しかし、英語もできない、知識もない私は考えただけで不安になり、なかなか行動に移すまでの決心がつかない。そこで、山登りの好きな私は、今回小さいころからの憧れの山である「キリマンジャロ」を登ることを目標に据えることにした。あの「さだまさし」の名曲(少なくとも私の中では)、「風に立つライオン)」に出てくる「キリマンジャロ」に登れるのだと思うと、なんとも言えずうれしい。ただ海外に行くというと、不安が先に立ち行動に移せない私も、山のことだけ考えていると断然わくわくしてくる。ということで、不安を打ち消すために「キリマンジャロ」と「ケニア山」に登ることを目標にして、今回の旅の準備を始めた。いや、始めることが出来た。

 かくして初めての海外旅行に旅立つことができたのでした。

 しかし、実際に行ってみると色々なことがあり、アフリカはきっちりと手強く(椎名誠ふう)、すんなりと計画どおりにはいかせてくれなかった。山を目標に行った私は、途中でなぜか方向転換し海に向かったのでした。なぜかって?、それは成り行きです。

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