【最も初期のページですので、枠線を拡大せず、このまま残します】 

                                       (2012年1月23日・・・ボス/岡田)

AA

 

 wpeD.jpg (17256 バイト)  競 馬 コ ー ナ ー    wpeA.jpg (42909 バイト)

 

    wpeA.jpg (13875 バイト) 1998年・秋G1シリーズ  wpeC.jpg (18013 バイト)

                                                       

                                     担当: 大川 慶三郎

           

 

(1)秋華賞     <京都.2000m>       (1998.10.25/早朝)

 

 

 

 大川慶三郎は、プレゼンテーション用に作成したスクリーンの方

を振り返った。

 「さて、さっそく予想にはいるわけだが、この京都内回り2000メ

ートルのコース特性というものを一応説明しておこう」

「それ、芝コースですか?」マチコが聞いた。

「もちろんだ。まず...これは、非常に紛れのあるコースだという

ことだ。逆にいえば、ジョッキーでさえ、読みにくいレースになって

いる」

「つまり、荒れやすいということですか?」中西卓が聞いた。

「簡単に言ってしまえばそうだ。しかし、それには理由がある。色

々なジョッキーの話を総合しても、このコースは第4コーナーで内

が開かない。つまり、ゴール前の直線を向き、内ラチ沿いが開く

のを待ち、インを強襲する戦法にはむりがある...」

「絶対に開かないんですか?」支折がスクリーンで第4コーナーを

見ながら聞いた。

「うむ、いい質問だ...そこが問題だ」大川はタバコを吹かしな

がら、スクリーンの前へ歩いて行った。「絶対開かないというのな

ら、それはそれで問題はない。いいかね、ジョッキーとしてはだ、

開きにくい、あるいは開かないかもしれないインを狙っていけるも

のではない。特に人気のある実力馬は、そんな当てにならない

戦法は取れないだろう。分かるかね?」

「はい...」

「ところがだ、逆に人気のない馬なら、負けてもともとだ。コース

ロスのないインを狙って、一発逆転を狙えるわけだ。それもまた、

ギャンブルというものでな...、」

「うーん、」マチコが、腕組みをして首をひねった。「そうすると、ど

ういうことになるわけ?最初からインにいた馬は?」

「ま、人気をかぶった内枠の“差し”馬には不利だということだな。

つまり、何故こんなことを言ったかというとだ、今回は、たコース

特性というものも、勝敗を大きく左右する重要な要因になっている

ということだ。さて、そこで、おれの本命は、桜花賞馬・14番・ファ

レノプシス。ジョッキーは武豊。6週連続重賞制覇の日本新記録

がかかっている...」

「一番人気の5番・エアデジャブーはどうするの?」マチコが聞い

た。

「うむ。それが、さっき言ったコース特性にひっかかる。さあ、各

自検討に入ってくれ」

「はーい」

「マチコ、軸は何にするの?」支折が言った。

「私はもう決まってるの。2番のマルカコマチよ。コマチというの

が、マチコと似てるのよ」

「あら、そうね。私は、17番のナオミシャインかな...」

「うーん...」

 

マチコ......2番から  〜4、8、9、11、14、17 (推奨  2−14)

支 折......17番から 〜4、5、7、8、9、14   (推奨 14−17)

    中西 卓.....枠連ボックス < 3、4、7、8>      (推奨 4−7)

    大川 慶三郎..14番から 〜2、5、7、8、11、17

 

  皆さんの推奨馬券各1点を加味し、このように決定します。

         <14> から 2、5、7、8、11、17、と流します。

 

        

  Big News         

  wpe5.jpg (29611 バイト) 大川慶三郎、秋華賞で万馬券を的中!

 10月25日、98秋G1シリーズ第1弾/秋華賞が京都

競馬場で行われました。当ホームページの競馬コーナ

ー担当主任である大川慶三郎は、初戦でみごと馬連万

馬券を的中しました。

<14> から 2、5、7、8、11、17、

     ( 7−14 ) が的中です。

1着/14番は、桜花賞馬ファレノプシス

2着/7番は、ナリタルナパーク

(両馬とも、先日急死したナリタブライアンと同じブライアンズタイ

ム産駒です。)

 

< 大川慶三郎の一言 >

「兄貴分の大川慶次郎(氏、競馬の神様)は、桜花賞馬ファレ

ノプシスを無印としていましたが、私は自信の2重丸を

打ちました。京都競馬場/内回り2000mは、第4コー

ナーでインコースが開いてくれません。そのため私は、

人気の差し馬・エアデジャブーは不利を受けると見てい

ました。予想もピタリでした。

 さて、秋華賞馬に騎乗した武豊ジョッキーも言ってい

ましたが、私も秋G1シリーズ初戦でいいスタートが切

れました。今後の予想にご期待ください」

 

  

(1998.11.1/早朝)

 

 (2) 天 皇 賞  東京/芝2000m  (1998.11.1/早朝)

 

 

   wpe7A.jpg (25506 バイト)         98・秋華賞/万馬券

   <98・秋華賞の万馬券的中で、ボスからのプレゼントされました。>

****************************************************************

 

 R−3会議室/スペース         

wpe7.jpg (15420 バイト)

 大川はタバコを吹かしながら、新しく準備した作戦会議テーブ

ル近づいた。その大型テーブルの上には、整理されたスクラップ

資料がキチンと並べられている。また、テーブルの中央はスクリ

ーンになっていて、東京競馬場の3D画像が表示されている。こ

こでJRAからオンラインでデータを取り寄せ、あらゆるシミュレー

ションが可能になっている。この新しく導入したシステムが他と違

っているのは、スクリーンがテーブル型だということである。しか

し、実際の競馬中継等は、壁面のスクリーンに映し出される。

「会議室は、これから少しづつ作り上げていく...」大川は、まだ

殺風景な会議室を見回して言った。 

「カウチがほしいわね」マチコが言った。「テーブルも、」

「お茶もほしいわ」支折が言った。

「お茶なら、外に自動販売機がある」大川は言った。

「うーん、給湯室が必要なのよ。ねえ、マチコ」

「そ、缶ジュースのお茶なんて。そうそう、冷蔵庫もほしいわね」

 

 

  会 議                

 

 Inner Story の中西卓が、ドアを押し開けて入ってきた。

「さあ、始めるか!」大川は言った。「天皇賞も頑張っていくぞ。 

データはこれだけか?」

「あとは、コンピューター処理したデータです」支折が、テーブル

に両手をついて言った。

「中西、まず君の意見から聞こうか」

「ええ...そうですね、まず今回の第118回天皇賞は、1枠1番

のサイレンススズカを信じきれるかどうかです。まず、ここからで

すね」

 中西は、胸のポケットからキャスターの箱を取り出した。そして

1本抜き出して、ゆっくりとライターで火をつけた。

「うーむ、まあ、そういうことだ...」大川は、慎重な顔になって言

った。コミカルな顔が、予想のときだけは真剣になる。「1枠1番

は、逃げ馬にとって絶対的に有利だ。それに、仮柵が取られ、イ

ンコースは新しい芝生になった。これもサイレンススズカに味方し

ている...あとは何だ?」

「ま、絶好調だということですね。それと、距離適正でも有利。大

逃げしても、終いがバタバタにならない脚質...」

「うーむ、あえて言えば、好条件がそろいすぎているぐらいのこと

か...」

「いや、大事なことがありますよ」中西は、タバコの灰を灰皿に落

とした。「ジンクスです」

「おう、ジンクスか...」

「ええ、1番人気は、天皇賞では勝てないというヤツです。それ

と、逃げ馬では勝てないというヤツ。1番人気の逃げ馬で勝った

のは、ニッポーテイオーにまで遡ると言います。僕の知らない時

代ですが、」

「で、どうする?」

「武豊(ジョッキー)も、ジンクスを気にしていたわね」マチコが言った。

「でも、本当に何が起こるか分からないわ」支折が言った。「ガチ

ガチの1番人気だって、」

「その通りだ」大川は言った。「しかし、今回は1番人気の大逃げ

だ。まず、ゴチャつく展開にはならない」

「馬券的には、面白みのないレースですね」

「でも、サイレンススズカが外れると大きいわ」支折が言った。

「競馬はギャンブルよ」マチコが言った。「硬い馬券なんか買うこと

ないわ。穴を買うべきよ」

「しかし、今回はどうかね、」中西が言った。

「しかし、中西、圧倒的な1番人気、ビワハヤヒデが馬群に沈んだ

のを覚えているか?マイルチャンピオンシップで、10万馬券が出

たのも、記憶に新しい。ガチガチの1番人気が崩れると、即大穴

になる」

「ま、そうです。そこでサイレンススズカを軸にして、乗れるかどう

かです」

「よし、分かった。やはり、スズカの軸でいくか...さ、マチコ、支

折、連下の検討にはいるぞ。ここでひとつ言っておくが、頭が硬

く、鉄板の場合は、連下は大穴になることが多い」

「はーい」マチコが言った。

「考えてあるの、マチコ?」支折が、マチコの方に体を寄せた。

「まだ...4番のローゼンカバリーなんかどうかしら?」

「ジョッキーは、横典ね...そう言えば、武豊と横典で決まりそう

ね...」

「うーん...ねえ、支折、秋華賞はブライアンズタイム産駒2頭で

決まったでしょう。だから今度は、サンデーサイレンス産駒2頭な

んじゃないかしら」

「うーん...」

 

4人の意見を集約し、このように結論を出しました。

     本線    1−9  1−10 、9−10

     以下    1−4 、1−6  、1−7

マチコと支折の推奨

     単勝    10番/ステイゴールド     

                  9番/シルクジャスティス

 

 

天皇賞        (結果)   (1998.11.2)

  

 劇的終了競馬史上に残るドラマが一つ.....

 <大川慶三郎の一言>

 まさか、サイレンススズカが.....と、書きたいとこ

ろですが、我々ギャンブラーは、まさにその1点に集中

してこの天皇賞に臨んできたわけです。当会議室の検

証も、まさにサイレンススズカで大丈夫かということが

中心テーマでした。ま、不安を感じつつも、最終的にス

ズカを決断したのは、この私です。深く反省するところ

です。

 

 それにしても、ジンクスは果たされ、今年も1番人気

馬は退けられました。やはり、このレースには魔物が潜

んでいるのでしょうか...

 ちなみに兄貴分の神様(大川慶次郎氏)は、馬連4点ボッ

クスでこの万馬券を的中しています。やはり、神様の称

号にふさわしいお方なのでしょうか...?

 

1着   6番/オフサイドトラップ

2着  10番/ステイゴールド

      (万馬券)

                               

 

 

(3) 菊 花 賞  京都/芝3000m  (1998.11.8/早朝)

 

 

「さあ、いよいよ菊花賞だが、その前にニューフェイスを紹介して

おこう」大川慶三郎は、白石夏美の肩をたたいた。

「はじめまして。白石夏美です。4日前に、“イベント・ショッピン

グ・生活”で採用になりました。マチコとは、学校時代からの友達

です」

「そういうわけだ。マチコ、よく教えてやれ」

「はい。夏美、こっちよ」マチコが言った。

「うん」

 白石夏美は、マチコの隣へ行き、椅子を引いた。

「星野支折です」支折は立ちあがって、はにかみながらあいさつ

した。「よろしく」

「こちらこそ。色々教えてください」

「支折は、“文芸・フリートーク”の担当よ」マチコが言った。

「ところで、白石...」大川が、テーブル型スクリーンの反対側

から言った。

「はい?」

「競馬はやったことはあるのか?」

「ええ」夏美は、にっこりと笑った。「ギャンブルは嫌いな方じゃな

いです」

「ほう、そいつは頼もしいのう」大川は、プカリとタバコを吹かし

て笑った。「ふむ...ま、ともかく、始めよう。菊花賞はぜひ取り

たいからな」

「そうですね」中西卓が言った。「天皇賞は、不安を感じながら

も、結局サイレンススズカから行ってしまいました。あれは反省

材料ですね」

「ああ...」大川は両手をつき、テーブル型スクリーンに映し出

された京都競馬場の俯瞰図を覗き込んだ。「さて、まずこのシミ

ュレーションを見てから検討しよう。支折、スタートだ」

「はい」支折は、コンソールのキイをいくつかたたいた。

 5人は、ジッと京都の芝3000メートルを疾走する17頭の馬を

見つめた。JRAから取った基本データに、独自の予想が加えら

れている。シミュレーションは5本用意されている。

「2本目行きます」支折が言った。

「うむ...」

 3本まで見ると、

「やっぱり、スペシャルウイークかしら?」と、マチコが言った。

「常識的に見れば、だ...」大川慶三郎は、2本目のタバコに火

を付けながら言った。「しかし問題は、ジョッキーの武豊のツキが

落ちていることだ。昨日は3レースで斜行し、騎乗停止処分を受

けているしな。ま、サイレンススズカの事故以来何かが変だ。い

や、実は、天皇賞のサイレンススズカにかなり強い不安を感じた

のも、このツキが落ちているのではないかと感じたからなんだ。

いかに名手でも、この精神状態ではどうか...」

「競馬というギャンブルは、」と、中西卓が言った。「堅く決まるよ

うに見えていて、意外とその確率は低いですね」

「うむ...」

「ここは、考えてみる必要があります」

「しかし、菊花賞は本当に強い馬が勝つといわれてる。白石、君

の意見はどうだ?」

「私は、6番のレオリュウホウが気になります」

「ほう...悪くない。ジョッキーは、江田か...マチコは?」

「うーん、私はボックスがいいわね」

「よーし、分かった。白石、君は単勝で1点勝負だ。複勝でもか

まわんが。それから、マチコと支折は、ボックスで勝負しろ。おれ

と中西は、流し馬券でいく。これでいいかな?」

「そんなに買うんですか?」支折が聞いた。

「うむ。おそらく、大荒れになるかもしれん。これでも当たるかどう

かだ」

「本当に難しいわねえ、」白石夏美が、唇に手をやってつぶやい

た。「ま、こんなに買い目が多いと、当たらないかもね」

「いや、当てるさ」中西が言った。

「大当たりだと、ボスからプレゼントがあるぞ」

「よーし、私たちは自転車をもらおうか、支折」

「自転車か。よーし、当てるわよ」支折は、4つ目のシミュレーショ

ンをスタートさせた。

 

<結論>

    (大川慶三郎、中西卓)

      17番から...2、6、8、10、11、18 ( 薄めに、6点流し)

    (折原マチコ、星野支折)                              

       2、4、6、8、10、の5点ボックス  (薄めに、10点)

   (白石夏美)

       6番/単賞(江田照).....約85倍

 

 

 

                               (1998.11.11)

   <大川慶三郎の一言>.....惨敗

 

 武豊ジョッキーと同じように、私も“98秋・G1”は、秋

華賞を万馬券で飾る好スタートでした。ところが天皇

賞、菊花賞と惨敗し、暗澹たる雲行きになってきまし

た。ま、武豊ジョッキーと同じように、ここはじっと耐え

る時節かもしれません。これもまた、人生の妙味という

ものでしょう。

 したがって、2連敗した私は一度後ろに引き下がり、

次のエリザベス女王杯は、折原マチコ君に陣頭指揮を

取ってもらおうと思います。女王杯なので、女性軍に任

せるのも、また一考かと思います。

 

 

                               (1998.11.15/早朝)

(4) エリザベス女王杯   京都/芝・外2200m  

 

 

「ヤッホー!マチコです!担当主任の大川さんが2度はずしたの

で、今週は、私に総指揮を取れとのことです。大川さんは、日刊

スポーツの競馬の神様・大川慶次郎氏を目標としていますが、

私はスポニチの女馬券師・諸星由美さんを目標としています。彼

女は秋のG1は3回すべてはずしていますが、今度こそ注目で

す。ただし、ずっと穴を買っていて、今回もし1番人気を軸にする

ようなら、彼女は見放します。その馬はおそらく来ません。もし来

るとしたら、1番人気と2番人気で決まりのケースです。この競馬

コーナーでは、この組み合わせは買わないことになっているそう

です。こんなのは、ギャンブルではないと大川さんが言っていま

すが、私も賛成です。ええ...まず、この当たりからスタートで

す」

 パチパチと、拍手が鳴った。

「ま、よろしく頼む...」大川は、白石夏美の持っている盆からコ

ーヒーカップを取った。「もし、万馬券が当たったら、ボスが車を

買ってくれる」

「うーん、車かあ!」マチコは、ドンとテーブルに両拳をつき、大き

く息を吸い込んだ。

「ほしいわね」支折が、パンと両手を会わせて言った。

「車があれば便利ね」白石夏美は、コーヒーカップを中西卓の前

に置いた。「中西さんは、最初からジープがあるからいいわね」

「ああ。あるのは車だけだがね」

「私はショッピング担当だから、なにか足があるべきよ」

「足はあるんだろ?」

「そりゃ、ま、幽霊じゃないものね」

「さ、まず、軸だけど、」マチコが言った。「どの馬がいいかしら?」

「エアグルーヴの取捨がまた問題になるわね...」枝折が、口

元に拳を当てて考えた。「この1番人気は、どう見たらいいかし

ら?」

「うーん、この馬は強いわね。メジロドーベルは勝ち味に遅いし、

圧倒的な強さが無いけど、この馬は違うわ」

「そうね。鋭いじゃない、マチコ」夏美が、片手で頬杖をつきなが

ら言った。「野球で言えば、原辰徳ね。ホームランは打つけど、

こわい感じがしないのよね」

「今は、イチローじゃないかしら?」枝折が言った。

「うーん、どうしようか?」

「やっぱり、押さえておくべきよ」夏美が言った。「この馬は、強い

わ」

「エガオオミセテはどうかしら?」マチコが聞いた。

「名前はいいわね」枝折が言った。

「エリモエクセルは?」

「おう、そうだ、」大川が言った。「さっきデータが入った。スポニチ

の諸星由美は、エリモエクセルが軸だ。我々が、オークスで的中

した馬だ」

「そう...あの馬かあ...」

「私は、メジロランバダに注目してるの」枝折が言った。

「うーん、ナリタルナパークも捨てがたいわね。再度2着の可能

性が濃厚なのよ」

 

 ワイワイ、ガヤガヤ、ペチャクチャペチャクチャ.....

 

 大川慶三郎と中西卓は、テーブル型スクリーンを動かし、別の

買い目を検討中...

「大丈夫ですかね、あんなで、」中西が、彼女立ちの方をアゴで

しゃくって言った。

「ま、しっかり考えたって、負けるときは負けるさ...」大川は、

口元を崩し、くわえていたタバコに火をつけた。「いいかね、ギャ

ンブルで大儲けをするには、いかにバカをやるかだ。ところが、我

々教養のある人間には、その理由付けが一苦労だ。その点、あ

いつらには天性のものがある」

「はあ、」

 

「はーい!」マチコが、ドンとテーブルをたたいた。「それでは、私

が決定しまーす!4点ボックスで行きます!」

 

結論   馬連・4点ボックス.....2、3、6、12、(6通り)

          2/メジロランバダ

          3/エアグルーヴ

          6/エリモエクセル

         12/ナリタルナパーク

                

 

 

                                  (1998.11.16)

    大川慶三郎の一言.....惨敗

 メジロドーベルはこないと思っていました...まさに

惨敗です。折原マチコ君もズバリはずしましたが、ま、

競馬とはこうしたものです。毎回、終わってみて、よくよ

く考えてみると、なるほどと思うこともしばしばです。こ

の反省が次に活かされればいいのですが、なかな

か...

 ええ、私も2回はずしていますので、次回も折原マチ

コ君の総指揮で行きます。彼女は、My Workstation

にいる高杉光一塾長の次に採用になった大先輩で

す。いわば先任将校ですので、一応敬意を表しての総

指揮の依頼です。 

 

 

                                      (1998.11.22/早朝)

(5) マイルチャンピオンシップ

                   京都/芝・外2200m  

                                  

                                        (1998.11.18)

  <11月18日、水曜日>...My Asisstant Desk (折原マチコ) のロビー              

「今度ははずせないぞ、マチコ」白石夏美が、ドサッ、とソファー

に腰を落として言った。

「うん...」マチコは、腰に両手を当て、クルリと体を回した。「今

度は絶対にはずせないわ」

「私たち、ちょっと考えが甘かったかしら」枝折が言った。「エリザ

ベス女王杯では、メジロドーベルとランフォザドリームを、2頭とも

はずしているわ。これは反省すべきよ」

「うん...」

「もっと、緻密に考えなきゃだめよ」夏美が言った。「強気なだけ

では、ギャンブルがうまいとは言えないわよ」

「うーん...そ...」マチコが、考えながら言った。「私たちだけ

では無理ね...よし、響子を呼ぼう!」

「会議室の里中響子さん?」夏美が聞いた。

「あの人、競馬なんかするかしら?」枝折が言った。

「多分するわね。秋華賞馬のファレノプシスを知っていたわ。う

ん。多分、大丈夫よ」

「そう。里中さんなら、頼りになりそうね」枝折が言った。

「夏美、コーヒーを入れといて。私、里中さんの所へ行ってくるか

ら、」

「あいよ」

 

 しばらくして、里中響子とマチコがロビーに入ってきた。

「アラ、皆さんおそろいなのね」里中響子は言い、ぐるりとロビー

を見まわした。それから、「まだ殺風景ね...ミケ、ミケ、いらっ

しゃい...」

 ミケは彼女の方を見たが、ニャー、とひとこと言い、ソッポを向

いて窓の方へ行った。それから、ヒョイと出窓へ飛び上がった。

「それで?」響子は、ソファーに片手を置き、腰を沈めた。

「今度ははずせないのよ」マチコが言った。

「そうでしょうね。会議室の様子は全て分かってますわ。私の担

当ですから」

 夏美が、コーヒーを盆にのせてきて、テーブルに置いた。4人と

も、黙ってコーヒーカップを取り、口へ運んだ。

「いいわ」響子が、コーヒーを一口飲んで言った。「まず、データを

集めてちょうだい。それから、データを慎重にチェックするわ。そ

して、真に強い馬をピックアップするの。穴馬や、ジンクスや、勝

負運の判定はそれからよ」

「はーい」

 

 

  <予想>  総指揮:  折原 マチコ 

                   里中 響子  /星野 枝折  /白石  夏美 

                      

 <里中  響子の選択>

 さ、いよいよ結論を出さなくてはなりません。結局、タイキシャト

ルには、死角がありませんでした。これで、あえてマギレがある

とすれば、それは不可知の領域です。サイレンススズカのように

骨折をするとか、他馬からの影響で、不利を受ける等とかです。

従って、軸不動という事になります。あえて大本命から流す勇気

も必要ということでしょうか.....

 

 <マチコの決断>

 軸が鉄板の時、ヒモは人気薄というのは、いわば常識中の常

識。また、一番人気と2番人気の組み合わせは、いつものように

除外。さらに、海外G1制覇組み同志の決着というのも、まず無

いものと考えます。うーん、シーキングザパールは、タイキシャト

ルより好きな馬なんだけど、残念です。エアグルーヴと同じよう

に、主戦の武豊ジョッキーを失ったことで、ツキも落ちているとい

うことで、意見が一致しました。ただ、単勝を担当している夏美

が、シーキングザパールを信じているようです。また、100円で

保険を任された枝折も、この馬が主力です。

 

 <枝折の保険/>

 コホン...ええ、私は保険を任されました。98・秋G1では、1

番人気が全て沈んでいます。ということは、新聞の大方の予想

は、100パーセント外れていたということです。競馬の予想とはそ

れほど不確かなもので、危険なものだということです。そこで保

険が必要です。予算は、100円で6点です。でも、これで、何年か

前のトロットサンダーとメイショウテゾロの組み合わせのように、

10万馬券になるかもしれません。そのぐらいが当たれば、ボス

がヘリコプターを買ってくれるかもしれません。

 

 <夏美の単勝>

 競馬は普通、単勝で勝負をするものです。少しづつ実績を上

げ、この方向へ予算を持って来たいと思っています。うーん、予

算的に苦しいけど、頑張ります。

 予算は、100円1点勝負.....

 

結論

    9番/タイキシャトルより、流し馬券

           5、12、13...(厚く)

           1、 2、 3...(薄く)

         (保険)...100円で10万馬券.....保険金600円

              4/シーキングザパールより、流し馬券

                        1、3、5、8、12、13

        (単勝)...アンチ・タイキシャトル.....予算100円

                    4/シーキングザパール

 

 

                               (1998.11.24)

    大川慶三郎の一言.....タイキシャトル圧勝

 うーむ、武豊ジョッキーの勝負運の低下と共に、われ

われの勝負運も低下しているようです。が、あえてマチ

コを弁護すれば、結論を選び間違えたということです。

わざわざ1番人気と2番人気の組み合わせを除外する

と断りながら、2番・シンコウスプレンダを入れてしまっ

ていたのです。これが、本来は2着馬/10番・ビッグ

サンデーのはずだったと言っています。

 しかし、こうした事になってしまうのも、勝負運の低下

です。つまり、ツキが落ちてしまっている典型的な形な

のです。ここ等あたりは、マチコは十分に気を使うべき

でした。

 さて、次はジャパンカップですが、武豊ジョッキーは、

まだ騎乗停止中です。今度は私が総指揮を取ります

が、どうも強気にはなれません。もっとも、このぐらい謙

虚な気持ちの方が、大当たりもあるというものでしょ

う。

 

                                     (1998.11.29/早朝)

(6) ジャパンカップ       東京・芝/2400M 

                                          (1998.11.27)

 折原マチコ、98・秋G1シリーズを2度外し、落ち込む      

                 wpe8B.jpg (26698 バイト)      wpe8C.jpg (2950 バイト)

「おーい、マチコ、いるかあ?」白石夏美が、ドンとロビーのドアを

押した。

「うん...」マチコは、ソファーの上で脚を伸ばし、ボンヤリしてい

た。夏美の方は見ずに、「フウー...」と、ため息をついた。

「なーんだ、マチコ、まだ落ち込んでるのかあ!」

「力が抜けちゃったのよ...」

「ま、しょうがないか」

「今度は、ジャパンカップね。うーん...」

「そんなに当たるもんじゃないわよ。さ、競馬コーナーへ行くわよ」

「うん...よいしょ、」マチコは両足をソファーから下ろした。「夏

美、ワインを一杯飲んでいこ」

「そうするか」

 夏美は、ワインとグラスを取りに行った。

 

                                     (1998.11.29/早朝)

 大川慶三郎です。

 いよいよ、寒くなってきました。そして、もうジャパンカップという

ことです。さて、このレースには、苦い思い出がいくつもありま

す。そして今は、ツキにも見放されています。そこで、ここはひと

つG1・2着コレクターの4枠7番/ステイゴールドあたりから狙っ

てみますか。なお、主戦が武豊ジョッキーのスペシャルウイーク

と、エアグルーヴは外します。今年は乗り替りで重賞制覇という

場面の多い年ですが、ここは1つの決断です。ま、そうは言って

も、1番人気と2番人気を抜くわけですから、一言コメントします。

まず、エアグルーヴは、どうも本調子には無いようです。それか

ら、スペシャルウイークは、4歳馬ということで敬遠です。しかし、

ツキがないので、弱気で勝負です。しかしそうはいっても、そろそ

ろツキが戻ってきている気配もあるのですが...

 いずれにせよ、次週から武豊ジョッキーも復活します。それで

私のツキも戻って来るはずです。連続で外しているので、マチコ

たちも今回は静かです。さあ、結論です。

 

結論

    馬連ボックス   4、6、7、8、11、

 

 

 

 

 完敗.......スジは良かったのですが...     

 

                                     (1998.12.6/早朝)

(7) 阪神3才牝馬S       阪神・芝/1600M 

                           

 

 さていよいよ武豊ジョッキーが復帰しました。これで私のツキも

回復するでしょうか。今回は、時間もあまり無いので結論を急ぎ

ます。

 

結論

   単勝.....10番/ヒシピナクル<武豊>

    馬番.....12番 〜 2、8、9、10、11、13、

 

 

 

 

  <大川慶三郎の一言>

 軸は12番/スティンガーで良かったのですが、1番

は逃がしてしまいました。ま、万馬券ですから、そう簡

単にゲットできるわけでもないのですが、取れない馬

券でもありませんでした。残念です。

     

 

                                     (1998.12.13/早朝)

(8) 朝日杯3才S       中山・芝/1600M 

                           

 

 さて今回も、どうも軸馬がはっきりしません。大荒れの予感がし

ます。こんなレースを当てるのは、まさに至難の技です。本来な

ら、こんなレースは避けるのが賢明なのかもしれません。しか

し、G1ですので、そうもいきません。そこで、薄めに、ボックス買

いといきます。

 

 

                                     (1998.12.20/早朝)

(9) スプリンターズS       中山・芝/1200M 

                           

 

 大川慶三郎です。とどうもまだ不調が続いています。次回の有馬記念は総

力戦でいきますので、今回はまた私が予想します。3点予想です。

 

結論    

馬連 (流し馬券)   13 〜 3、8、16

 

 

 

                                     (1998.12.27/早朝)

(10) 有馬記念    中山・芝/2500M 

                           

 

さあ、1998年のグランプリ、有馬記念です。

                今回はスタッフ全員の総力戦で行きます。

 

<大川慶三郎の短評>

「有馬記念には、必ずドラマがあります。今年はどん

な筋書きでしょうか...」

    推薦.....3番/エアグルーヴ

 

<西村卓の短評>

「軸がはっきりしませんねえ...ま、セイウンスカイが

逃げ切れるほど単純ではないでしょう」

    推薦.....14番/メジロドーベル

 

<折原マチコの短評>

「うーん...98年秋のG1は、万馬券が4本も出てい

ます。今回も、荒れると予想しています」

    推薦.....マチカネフクキタル

 

<星野支折の短評>

怪しいのは、

 ダイワオーシュウ、ステイゴールド、

 シルクジャスティス、 ユウセイトップラン、

 ともかく、これから再検討します。

 

<里中響子の短評>

    ズバリ、軸は長距離実績No.1のメジロブライトです。

 中山のでの実績もあり、最強馬はこの馬です。

 

<白石夏美の短評>

 一番強いのはどの馬か...すべての先入観を一度

捨てる必要があります。

       穴馬推薦.....エモシオン

 

 

  大川慶三郎です。

 さて、軸は3番人気、メジロブライトでどうでしょうか。1番人気

セイウンスカイ、2番人気エアグルーヴとなっていますが、どうも

もうひとつ信頼性に重みが足りません。ここはやはり、里中響子

女史の推薦するメジロブライトでいいと思います。

 

 さあ、連下ですが、こっちは大混戦です。私は中荒れから大波

乱まで予想しています。

 

結論                                 

  (馬連) 

   軸馬...10番 /メジロブライト より流し馬券

                〜4、5、14、16 (厚めに/勝負馬券)

                〜3、8、11、12 (薄めに/押さえ)

 

 

 

 

 

                              (1998.12.28)

大川慶三郎の一言

 

 メジロブライトを軸に8点流したのですが、取れませ

んでした。あのグラスワンダーだけは、あえてはずし

たわけでした。考えてみれば、そうった先入観があり、

詳しく検討する努力を怠ったわけです。大いに反省し

ています。

 ま、軸は大正解だったわけで、マイルCSの時のタイ

キシャトルに続く、里中響子女史の連続ヒットです。

 

 さて、これで今年も終わりです。これから春のG1が

始まるまでお休みします。うちのボスも、1、2、3月は

毎年的中率がグンと低下してしまいます。それで今年

は、誰か新聞の予想記者を選び、気楽に流して行こう

などと言っています。ま、その選択肢の中で、勝負馬

券を作っていくというのも、悪くはないと思います。

 

 

 

 

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   98秋G1シリーズ成績表  

 

(1) 秋華賞  ファレノプシス 〜 ナリタルナパーク Win / 10460円
(2) 天皇賞 オフサイドトラップ 〜 ステイゴールド        (万馬券)
(3) 菊花賞 セイウンスカイ 〜 スペシャルウイーク        510円
(4)エリザベス女王杯 メジロドーベル 〜  ランフォザドリーム       3890円 
(5)マイルCS タイキシャトル 〜  ビッグサンデー       1290円
(6)ジャパンカップ エルコンドルパサー 〜 エアグルーヴ       1980円
(7)阪神3才牝馬S スティンガー  〜エイシンレマース      15* * *円
(8)朝日杯3歳S エイシンキャメロン〜アドマイヤコジーン        6* *円
(9)スプリンターズS マイネルラヴ〜シーキングザハパール      15* * *円
(10) 有馬記念 グラスワンダー 〜 メジロブライト       4430円

 

 

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