ポン助とブラッキーとP公は、滑走路の向こうの山に沈む夕日を見ていた。雨上が
りの夕空に、にわかに夕焼け雲が赤く染まり、山の端の残照が今にも消えようとして
いた。
「うーむ...また、地球が一回転していくぜ...」ブラッキーは、ゆっくりとタバコを吹
かしながら言った。
「時間が流れていくよな...」ポン助が言った。「どうして、時間が流れていくのか
な...」
「そりゃあ、難しい問題だぜ。塾長に聞いて見な、」
「おう...」
「ヘリコ君が来るよ」P公が言った。「山の向こうから、」
「野郎、何をしてやがるのか、」ブラッキーが言った。
ヘリコ君が接近してくる間にも、夕焼け雲が変化し、茜色が美しく広がってきた。