My Weekly Journal/第1編集室/時事対談/時事対談・2009/2009・総選挙/総選挙−2 |
日本の社会インフラが崩壊する! 〔人間の巣/未来型都市/千年都市〕 の建設へ! |
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No.1 | 〔1〕 あらためて・・・〔人間の巣〕とは・・・ | 2009. 8. 1 |
No.2 | <人間の巣/・・・基本的概念> | 2009. 8. 1 |
No.3 | 〔2〕 気象の激烈化!/生活・社会基盤の崩壊! | 2009. 8. 1 |
No.4 | <安定した地形・地盤/頑丈な防災構造> | 2009. 8. 1 |
No.5 | 維新・始動!・・・・・2009/総選挙! | 2009. 8. 1 |
〔1〕 あらためて・・・〔人間の巣〕 とは・・・ 「ええ...」支折が言った。「〔人間の巣〕については、これまで何度も説明して来ていますが、あ らめて簡単に説明しておきましょう...これは、茜さんの方で用意しました。茜さん、お願いしま す」 「はい...」茜がうなづき、肩を回してスクリーン・ボードを眺めた。「では...簡単に説明します。 詳しくは、《人間の巣の考察》の方をご覧ください...
<人間の巣/・・・
基本的概念>
安定した地形・地盤に...頑丈/コンパクト/高機能...な都市空間を作 り、適量の土壌をかぶた、新しい都市の概念です。 上は、公園/スポーツ施設などの、野外公共施設を作ります。また周囲に は、基本的に自給自足農業を展開します。 都市機能には...クリーン・エネルギー・システムや、ハイテク・都市システ ムを組み込見ます。でも、そうしたものが組み込まれなくても、基本的機能は 変わりません。こうした自給自足型/〔未来型都市〕は、発展途上国でも自力 で建設できます。 こうした自立=自律システムは...他に依存=連携しなくても、自立/孤 立して社会を維持できます。自給自足型社会ですから、経済には左右されず に、世界中で何処でも建設が可能です。 〔人間の巣〕/小さな自給自足社会は...私たちがかつて歩いてきた、古 き良き時代の風景と重なります。ここには、かつての、慣習法的にしっかりとし た社会が復活します。 実は...大自然/生態系/動植物や昆虫などの世界は...こうした、小 単位の自給自足型社会で構成されているのです。つまり〔人間の巣〕は、生 態系と、非常に親和性の良いシステムなのです...
<人間の巣の機能 ・・・ 威力>
ム”は...“地球温暖化・対策”の王道と考えています...
“万能型・防護力”を発揮します。私たちは、〔未来型都市/千年都市〕を獲得 します...
症ウイルスに対し、〔人間の巣〕の単位で、高度な隔離/コントロールが可能 になります... HIV(エイズ・ウイルス)や、西ナイル熱、デング熱などのウイルスに対しても、反 グローバル化/自給自足社会になれば、戦略的な克服が可能です...
備蓄も高めて行きます。このような自給自足の世界構造になれば、人口爆発も 抑制されて行きます...
年都市〕で備えます。気候に左右されない食糧の確保も、研究する方向です。
て行きます。これは、“科学技術文明/エネルギー・産業革命”の流れから脱し て...次の文明ステージへシフトして行く、関門と考えられます...
ての、軍事戦略的な側面を持ちます。この“万能型・防護力”は、専守防衛外 交の手段として...“日本独自の国際平和戦略”の主柱となり得ます...
...簡単に言えば...〔人間の巣/未来型都市/千年都市〕とは、こういうものです...」 「はい、」支折が、頭を下げた。「茜さん、ありがとうございます...」 支折が、隣のマチコを見る...マチコはコーヒー横に置き、一心不乱でキーボードを叩いてい た。 「マチコ...」支折が言った。「コーヒーが冷めるわよ、」 「あ、うん...」マチコが、コーヒーを手探りした。
〔2〕 気象の激烈化!/生活・社会基盤の崩壊! 「さあ...」支折が、スクリーン・ボードを切り替えた。「“土砂災害”は...現在進行中です... 西日本/九州・中国地方における“集中豪雨災害”は、まさに非常事態に陥っています。 山口県/防府市では...老人ホーム等の土砂災害で14人が死亡、3人が行方不明となって いる様子です...でも、さらに雨が降り続き...2次災害の恐れがあり...関係機関は26日の 不明者の捜索を断念している様子です... 2009年7月26日現在で...再び活性化した梅雨前線による大雨に襲われて...福岡県で は、新たな死者・行方不明者が続出している様子です...福岡市では、一時、約3万5000世帯 /6万8000人に避難勧告・指示を出してようです。山口県の方は、県の集計では...避難勧告 ・指示の対象は、約2万世帯/4万7000人ということです...」 支折が、作業テーブルの方に顔を戻した。 「日本全国で...」茜が耳に手を当て、スクリーン・ボードを眺めた。「地盤全体が...梅雨前線 の集中豪雨で、すっかり緩んでしまっているようですね、」 「はい...」支折が、うなづて、スクリーン・ボードを見た。「地形に、ベッタリと張り付いて...無 制限に拡散していった都市や住宅が...大自然の水害や土砂災害に襲われている形です。 これまでの河川管理の技術水準を超えような集中豪雨が、毎年、各地で頻発しています。気象 の激烈化が起こっています」 「そうですね...」茜が、首筋に手を置いた。「これまでの河川管理...そして、都市というものの 概念を...発想を変えて再構成する必要があります... 集中豪雨被害は、西日本に限りませんわ。首都/東京などでも、ゲリラ豪雨・集中豪雨は、大 きな脅威になっている様子です。地下に巨大な貯水施設を建設したり、河川の堤防を強化したり しています... でも、中長期的には、構造的な人口減少問題があります。こうした資本投下を続行し、それを 維持管理して行けるどうかは、非常に疑問だということですわ...それと、日本はこれまでのよ うな先進工業国から、大きく変質しつつあります...」 「首都/東京は...」支折が言った。「大震災なども、予想されるわけですよね...そうした観点 でも、コンクリートで固めた都市要塞(ようさい)化は、疑問符が付くのではないかしら...」 「そう思いますわ... 大自然の水のエネルギーは...都市要塞化で押しとどめるのではなくて...軽いタッチで受 け流す方が良いのです...でも、こうなってしまったメガロポリスを、どうするかとなると...」
「そうですね...」支折が肩を回し、スクリーン・ボードを見た。「ええ...話は飛びますが、私たち の考察ですと... “過渡期の状況”として...都市の1極集中化を低減し...メガロポリス(巨帯都市)に、〔人間の 巣型・災害対策拠点〕を展開していくことを提唱しています。この〔災害対策拠点〕は、通常はコ ンサートホールやイベント会場として使えます。 〔土壌をかぶせた・・・頑丈な施設〕は...関東大震災級の震災・火災にも、十分に耐えられ ます。そこに、バイオハザード等の施設・資材も、保管・管理します...そして、施設の1部を、コ ンサートホールやスポーツ施設などとして、管理・運営するわけですね... 土壌をかぶせた上の部分は...公園や、野外スポーツ施設として利用できます。また、ヘリポ ートとしても使用できます。こうした施設のネットワークが、大災害の時には、大きな威力を発揮す るものと思います...これは、メガロポリスの保険のようなものですね?」 支折が、大川の方を見た。 「まあ...」大川が言った。「そうですな... 普段から、救急病院・救急ヘリポートを常設して置くのもいいでしょう...非常時には、自衛隊 の空中機動・基地として使えます...首都を守るなら、“PACK・3/ミサイル防衛システム”の 展開よりも、こうした方面の、国民防護を整備して欲しいものですな」 「そうですね...」津田が言った。「第一、“戦争ゴッコ”などは、もう止めるべきでしょう... この地球上では、もう戦争などはできない状態です。ましてや、核兵器を使った戦争などは、論 外です。オバマ大統領(アメリカ合衆国/第44代大統領)は、“核廃絶”という良い方向へアクションを起こ しました」 「その通りです、」大川が、大きくうなづいた。「いずれにしても...大国が“戦争ゴッコ”をやって いる時ではありません。すでに、人類文明の重さで、地球生態系は沈没しつつあるわけです」 津田が、悩ましげにうなづいた。
「ええと...」支折がいった。「話を戻しますが... この、翌日/7月27日には...北関東に位置する群馬県/館林市でも、“竜巻被害”が発生 しています。これも、居残っている梅雨前線が影響しているのでしょうか... この竜巻では...家屋419棟が損壊/車20台が横転...奇跡的に犠牲者は出ていません が、21人の重軽傷者が出ています。こうした“竜巻の災害”というのも、防ぐ方法というものがあ りません。今の所は、ただ逃げることだけです」 「はい...」茜が、うなづいた。「8月1日には、京都府/宇治市でも竜巻のようなものがあったよ うですね。まだ、竜巻とは断定されていませんが...」 「はい...」支折が言った。「ええ... アメリカ中西部の竜巻地帯や...南部/ニューオーリンズのハリケーンによる水害...オー ストラリアの乾燥による山火事など...既存の人類文明のインフラでは、対処できないものが多 くあります。 始まりつつある、気候変動の猛威/気象の激烈化に対応できなくなっているのは、ヨーロッパ でも起こっています。“2003年/ヨーロッパの熱波”では、死者3万5118人をだしたいます。こ の死者数については...2005年に、5万2000人以上に訂正された様子です...」 「ヨーロッパでは...」茜が言った。「日本のように湿度が高くないために、クーラーが普及してい なかった事も、1因のようですね、」 「はい...でも、おおぜいの人が死にましたよね... ともかく、何百万〜億単位の大被害が起きてしまう前に...早急に対応しておく必要がありま す。特に、開発途上国では、インフラが非常に脆弱です」 「対策は...」茜が言った。「私たちとしては... 言うまでもなく...〔人間の巣/未来型都市〕の世界展開ということですね。それが、いよい よ、急務の状況になって来ているということですね」 「〔人間の巣〕は... 国際機関のアドバイスさえあれば、簡単に作って見せることはできるはずです。その後は、自 分たちで作ることができるでしょう。多少の、資材や資金の支援は必要でしょうが、これで自給自 足が進めば、この方がはるかにいいのではないかしら、」 「はい...そうですね、」茜が、赤いメモ帳に手をのせた。 「ええ...」支折が言った。「ともかく、日本が、私たちが、動いて行かなければなりません... 日本の政治は、“非常におかしなこと”になっていますが...国民が立て直し、〔人間の巣/ 未来型都市〕を展開し...そのことで、“文明社会の水先案内人”になって行く必要があります。 そのための、“維新・始動!”であり...その決戦の場が、“2009/衆議院・選挙”です」
「さて...」津田が、自分のモニターを見ながら言った。「そうですねえ... ともかく、“日本社会インフラが・・・中長期的な気候変動に、耐えられない可能性”が、濃厚と なって来ました。できるだけ早く、“対応できるインフラ整備”に着手すべきです。人口減少の中で 高速道路を作り続けるなら、この方に予算を振り向けるべきです。 “少子化対策”といい、“高速道路・建設”といい...“年金問題”といい...“労働問題”とい い...現在の“官僚政治/自民党・長期政権”は、ほとんど当事者能力をなくしていますねえ」 「ハハ...」大川が笑った。「ともかく、... 西日本では、今回の集中豪雨被害で...今後、どのように社会インフラを再建していくかは、 まさに大問題でしょう。それを、どうするのか...“2009/衆議院・選挙”の争点に...して欲 しいと思いますねえ」 「そうですね...」津田が言った。「それから... “新潟県・中越地震(/2004年)”や、“新潟県・中越沖地震(/2007年)”などで...地震災害をくり 返し受けている、新潟県/柏崎市のような地域なども...再度、脆弱な市街を復旧するのかとい うことですねえ... 放置しておけば...いずれも、これまで通りのインフラ整備になり...大きな不安の中で暮ら すことになります。これが、これまでの政治であり、政策ということです。これは、“穴を掘って埋め る”のではなく、“砂の上に楼閣を建てる”の例えになるでしょう」 「そうですな、」 「 私たちは... 〔人間の巣/未来型都市〕の展開を、強く提唱しているわけですが...こうした“大戦略的 な青写真”については...政治の動きはニブいですねえ。何故か、政治は大きな夢を描かず、 目先の小銭の配分で争っています...それが、まずもって、分かりませんねえ...」 「はい...」支折が、小さくうなづいた。「それを、“中・長期の展望”へ持って行くのが、当面の、 私たちの仕事ですね、」 「そう言うことになります」津田が言った。 <安定した地形・地盤/頑丈な防災構造>
支折がリモコンで、スクリーン・ボードをスクロールした。それから、ジャンプして、別のページを スクロールした。 「ええと...」支折が言った。「あ、ここですね...」 スクリーン・ボードに、スケッチが2枚表示された。精密な線画に、水彩で色付けをしたものだ。 彼女自身が、< 「わあ...」茜が言った。「なかなかのものですね...」 「ふふ...水彩画の方は、得意ではないんです。右の方は、一部が油彩になっています...」 「はい...絵を描けるって、いいですね」 「絵を描きたいのなら、いつでもどうぞ...」 「はい、」
「ええと... 〔人間の巣/未来型都市〕を建設するに当たっては...地形/地盤/水利/周囲の耕作地 面積など...十分な検討が必要です。 そうした土地の上に...例えば...頑丈な地上3層程度のコンパクトな都市空間を建造し、土 をかぶせます。この場合、1体構造にする必要はなく、適度なサイズの構造物の組み合わせでい いわけですね。山間地などでは、こうした集合型の〔人間の巣/未来型都市〕が発達して行くの かも知れません。ともかく、長い時間を経て、洗練されたものになると考えます」 「はい...」茜が、まだスクリーン・ボードの水彩画を眺めていた。 「肝心なことは...」支折が続けた。「コンパクト/高機能/プライベートの確保です。これは、最 適な人間サイズの居住空間ということです。将来的には、想像を絶した進化をして行く可能性が あります。 そして、隣接する屋外空間への解放感ということでしょうか。都市のすぐ隣が農場であり、その 向こうには大自然に還元されて行く野性の山野が広がります。 都市構造は、都市プランナーの仕事になります。でも、〔千年都市〕とするわけですから、基本 構造は単純なもので、芸術性の香りのするものがいいと思います。つまり、人間的な感性の波長 を、合わせて欲しいということです」 「そうですね...」茜が、顔を和ませた。「ゆるやかな...遊びも欲しいですね...」 「はい... そうした所に、強いアイデンティティーが生まれるのかも知れません...南側屋上のテラスの 優しいカーブだとか...風の吹き抜ける地下通路だとか...美味しい清水が引かれているとか ですね...」 「春や秋には... 新鮮な風が吹き抜けるような都市空間にして欲しいですね...風の流れを考慮して、大扉を 開放すれは風が吹き抜けるような建造物です...それでいて、厚く土をかぶせるわけですから、 夏は涼しく冬は暖かいわけですわ... そうした高原や海辺の、〔人の巣/未来型都市/千年都市〕が、私たちの遠い子孫の故郷 になるのかも知れませんね...」 「そして... そこに、アイデンティティーを持ち...大自然と協調した生活をし...“存在の覚醒”をさらに 深めて行く...そういう未来社会になるのでしょうか」 「それは...」茜が言った。「競争社会ではない、ということですね?」 「はい、そうです... でも、そうした情熱やエネルギーもあるわけですから...スポーツやゲームが盛んな所もあっ ていいわけですわ...あるいは、そうした独立した〔未来型都市〕が運営されてもいいわけです。 ただ...そうした所でも、経済原理・至上主義ではなく...原則的には自給自足社会である べきでしょう。自給自足という大原則の上で...〔人間の巣〕の単位で、自由にやればいいと思 います...それに見合った、芸術的な都市を作って、開放系システムとして...」
「芸術的な建築というと...」大川が、口髭を撫でた。「スペイン/バルセロナの...彼は、何と 言ったかな...アントニ・ガウディですか...あんな、芸術性(/世界遺産に登録)のある街ですか?」 「うーん...」支折が、満面に微笑を作り、頭をかしげた。「もちろん...あれほどのものが、作ら れればいいのですが... でも、あまり凝ったものではなく...単純なもので、芸術性のあるのもがいいと思います。後は その時代の人たちが、愛着を持って、その都市をデザインして行けるようなものですわ。そうした ものは、意図してできるものではないのかも知れません。ちょっとした、遊び心なのかも知れませ ん...」 「ふーむ...」大川が、深くうなづいた。「芸術というものは、難しいものですな...」
「デザインよりも...」支折が、自分のモニターを見て言った。「このテーマで肝心なことは... 安定した地形・地盤に...頑丈な建造物を建設することですわ。こういう建造物というのは、 すでに相当の実績があるので、難しくはないと思います。数十階のビルを建設するのに比べれ ば、たかだか3層程度の頑丈な構造物に、適量の土壌をかぶせるだけのものです。 でも、コンパクトな高機能・都市空間というものは、試行錯誤が必要だと思います。これは、長 い時間の中で洗練されて行くものだと思います。そこに組み込むシステムも、未来型システムを 駆使したものから、動力は最低限におさえるものまで、様々あっていいと思います。でも、基本構 造は、しっかりと作っておくことが必要です。 で...その基本構造としては...“集中豪雨による・・・水害・土砂災害を完全に克服”し... “巨大地震、火山噴火にも耐久性を持ち・・・短期/長期の気候変動にも備える”というものです。 頑丈な構造物が...厚い土壌で保護されますから...この基本構造だけで、これらの諸問題 はクリアしています。“地球温暖化”の炎熱の外気にも耐えられるものですわ。こうした〔人間の巣 /頑丈な都市空間〕が、赤道域の発展途上国にも必要になります...」
「ま...」大川が、スクリーン・ボードの水彩画を眺めた。「軍事戦略的なコトを言えば... これだけで、“耐・核シェルター”になりますな...他の大量破壊兵器にも強いでしょう...そ れから、台風や竜巻だけでなく...“地球近傍天体/小惑星・彗星などの衝突の衝撃波にも・・・ 直撃を受けなければ耐えられる”、でしょう」 「はい、」支折が言った。 「これは...」津田が言った。「“日本独自の国際平和戦略”の有力な柱になりますね... 〔人間の巣/未来型都市〕が世界展開して行けば...覇権主義というものは有効性を失い ます。過渡期の問題はありますが...食料も自給自足体制ですから、戦略物質ではなくなってき ます...大資本による支配も、自給自足社会であれば関係ないわけです。 ただ、国家や、世界政府/地球政府が、ゆるく管理して行く必要はあります。例えば、“地球温 暖化”や“海洋の酸性化”などの問題を、統括的に管理して行く必要があります。それに、様々な 支援や、紛争の調停などの仕事もあります...」 「まあ、しかし...」大川が、眼鏡の隅を押した。「世界が、ずいぶんと、落ち着いてきますな」 「世界経済も、」津田が言った。「縮小して行きます」 「そう... 軍産複合体などというものも、原則的には必要のないものになりますな。さて、その辺りが、今 後どう推移して行くかは、軍事・担当者として注目して行かなければなりません」 「はい...」支折が言った。「それから... これは、《危機管理センター》の里中響子さんの指摘ですが...人為的な事故・災害につい ても、対処を忘れないで欲しいということでした。 これは、火災・ガス中毒・システム障害、そして...科学的なクライシスやバイオハザードなど への対処のことだと思います。〔人間の巣/未来型都市〕は、基本的に可燃性の構造物ではあ りませんが...強力な隔壁、単純な機械構造などの、非常回路は必要だと思います。 それから...そもそも...感染病棟や工場や倉庫などは、別の建造物として作った方がいい わけですね。バイオマス利用や、クリーン・エネルギー施設なども、居住空間からは少し離してお いた方が安全です...細かなことですが...」 「はい、」茜が言った。
「そして、もちろん... 〔人間の巣/未来型都市〕の周辺には、自給自足農業が展開するわけですね。あるいは、工 場群や観光産業や漁業なども展開するわけです...ともかく、過渡期の段階ということもありま すから...こうした、自立した〔未来型都市〕が、先行的に出現して行くことになるのでしょうか」 「はい...」茜が、うなづいた。「そうすると... 現在...“2009/衆議院・選挙”で叫ばれている...“政治・行政システムの風景”とは、ず いぶんと異なったものになるのかしら...?」 「いえ...」支折が、瞼を落とした。「統一されてくると思います... 地方分権のその先に、自立都市としての〔人間の巣/未来型都市〕があります。道州制の先 に、世界政府/地球政府があります。現在の政治は、鍔(つば)迫り合いの小手先の勝ち負けだけ で、“長期の青写真”は、まるで提示していません。 でも...時代は未来へ流れて行くということですわ。いずれ...早急に...私たちの提唱して いる、〔人間の巣/未来型都市〕が、“青写真の1つ”として、俎上に上って来るはずです」 「まあ...」津田が言った。「この問題は、避けて通れないですねえ...それでは、政治の責任が 果たせないでしょう...」 「はい...」茜が、赤いメモ帳に手を置いた。「“地球温暖化”で、国際世論が沸騰する中で... そして、国民が...現在の社会システムと将来に絶望している中で...政治は“アメ玉”を配 って歩いていますわ...それで、本当に、だませると思っているのでしょうか...?」 「うーん...」支折が口をすぼめ、手で押さえた。「子供たちに...“アメ玉”を...ですね?」 「そうです...」茜が、ほくそ笑むように笑った。「それで...お魚が釣るのでしょうか...?」 「うーん...」
維新・始動!・・・ 2009・総選挙
「さあ...」青木・政治部長が、息を止めた。「...まさに今...この、7月〜8月において... 気象の激烈化 によって...“日本の社会インフラが・・・崩壊の危機!”にあります。国 民の全てが、非常に不安に思い、“政治の舵取り”に注目しています。 ところが、肝心の各政党は...この集中豪雨災害/土砂災害/突風被害について...“国 家・社会の将来像=青写真”について...ほとんど発言せず...マニフェストにもそれらしいも のは掲載されていないようです。 予算配分/経済原理で社会を動かすことに終始し...“国家のインフラ再建”などは、論外 ということなのでしょうか...まるで、赤ん坊をあやすような選挙戦をやっていますねえ」 「うーん...」マチコが言った。「政治家はさあ、口はうまいのだけどさあ...全体が、どこかおか しいわよね...」 「まあ...これは... “驚くべき・・・政治の空洞化”ではないでしょうか...さらに、“地球環境負荷の・・・諸悪の根源 が・・・70億人にも到達する人口爆発”であるのに...日本では、“人口を増やすことを目的とした 少子化対策で・・・金をバラ撒くという政策”を、与野党で競っています。 “社会インフラ危機!”の放置いい...“少子化対策”といい...いずれも、驚くべき失政 であり...時代錯誤ですねえ...しかも、マスコミもこれに同調 し、一緒に神輿(みこし)を担い でいるフシがあります。 日本文化の空洞化は、もちろん文部省に責任がありますが...明らかに、“マスコミによる・・・ 慣習法の破壊”が感じられます。こういうものは、どのような罪に問えばいいのでしょうか。 テレビは、アナログ放送の地上デジタル放送への移行と重なって...経済の原理が非常に 色濃くなり、文化の原理が大きく後退しています。まあ、公共放送・NHKも、どうしたのでしょうか ねえ。公共放送の使命を放棄し、国会という権力の側にすり寄っていては、本末転倒です。 呆れた官僚に...政治も政治ですが...マスメディアもまた...こんなデタラメなことをして、 何になるというのでしょうか...パンの一切れでも、余分に口に入れたいというのでしょうか。 さて、マチコさん...こうした現象を、どう思いますか?」
「うーん...」マチコが、深く深く頭をかしげた。「もう、この国は...お終いじゃないかしら?」 「先日、辞職した...神奈川県/横浜・市長も...“この国は、本当にダメになってしまう”と言っ ていました...やはり、そう思いますか?」 「うーん...」マチコが、大きくうなづいた。「でも...それでは、困るわけだしさあ...」 「そうですねえ... 実は、デタラメをやっているのは、ラクに食べている人たち/勝ち組なのです...官僚や役人、 政治家は、税金で食べているわけですし...マスコミは上層部は非常に裕福ですが、現場は派 遣社員で溢れていると聞きます。 失礼を、承知で言いますが...社会の上流域にいる人々が...この国では、何故か頭がイカ レているのかも知れません。そうでなければ、こんなにメチャクチャにはならないはずです。むろ ん、玉石混合ですが、全体で清算してみると、国家がイカレています... しかし、まだ、“腐っても鯛”ということですか...おかしな官僚や、おかしな政治家や、おかし なマスメディアのドンが...いまだに健在ということなのでしょう...」 「もう、妖怪化しているわよね」 「ああ、そう言えば、マチコさん...《永田町・妖怪憑依説》は、どうなりましたか?私は、実際に そうではないかと、期待して待っているのですが、」 「うーん...色々と、忙しいわけよね」 「まあ、そうらしいですね」
「でもさあ...」マチコが言った。「こんな国になってしまったのは、国民がそれを許してきた側面も あるわよね、」 「その通りです」 「でも...本当にどうしたのかしら?上流域の人たちは、頭がイカレてしまったのかしら?私はさ あ、“清濁を併せのみ過ぎた”と思うんだけど...」 「うーむ...マチコさんは、そんな川柳を投句していましたねえ...」 「うん、」 「私の考えでは... ワルをやりながらも、自分だけはマトモだと信じている所が、始末に負えないのだと思います。 “言うことと、やることが違う人々/言行不一致の人々”が、社会の上流域に蔓延しているのだと 思います。だから、選挙になっても...言葉に真実味というものを、吹き込めないのです...」 「ふーん...」
「それは、ともかく... 世界中の気象の激烈化は、“地球温暖化”の影響であることは、ほぼ定説になっています。こう した一大事の只中(ただ中)において...“政治決選の場/総選挙の場”で、このことがまるで“選挙 の争点”にならないというのは、どうしたことでしょうか? “社会インフラ崩壊の危機!”が、日本中で頻発している中で...“2009/総選挙”の争点 にならないというのは...どうしたことでしょうか?これはもはや、“漫才劇場のレベル”を越えて、 政治全体がアホウになり...ただ阿波踊りをやっている様に映ります...」 「うーん...」マチコが、顎に手を当てた。「踊るアホウに...見るアホウ...というわよねえ... それで、国民は、どうしたらいいのかしら? 年金問題はスッポかされるし...役人は、堂々と悪事をやるし...金も仕事もないし...住む 所もなくなるし...そして、政治は相変わらず、国民とは乖離しているし...」 「そうですねえ... そうした一方で、“日本の社会インフラが崩壊” して行くわけです...ここは国民の側が、政 治をしっかりと覚醒させなければなりません。 “今、目の前で起こっている・・・日本社会の崩壊”を、どのようにくい止めるか...“再び夢の持 てる社会”を、どのように作っていくかです。しかし、各政党のマニフェストからは、それが一向に見 えて来ないわけです。 しかし...まだ、選挙の序盤だと私は見ています。おそらく、これから、“維新・始動!”に なるのでしょう」 「うーん... ともかく、私たちは...“2009/衆議院・選挙”の中で...〔人間の巣〕の全国展開で、“国 民的な合意”を得て...〔人間の巣〕を実行段階にシフトして行くということよね... そのためには...外へ繰り出している“政党”や“候補者/政治家”に...“国民の側からくり 返し聞いてほしい”ということです...つまり...
〔未来型都市〕 の展開に・・・ “賛成か?” / “反対か?” “他に、代案となる 〔将来展望=青写真〕 はあるか?”
...ということです。 こうした“国民の真摯な質問”に、正面から答えられないような候補者/政治家は... 私たちの代議員になる資格があるのでしょうか。したがって、私たちとしては、“このことを、納得 の行くまで、くり返し質問して欲しい”、ということです。そうすれば...“時代が動く”...そ うですよ」 青木が、口を結び、深くうなづいた。
「ええ...マチコです。ご静聴ありがとうございました... このページは、激しくなった気象に対する、社会インフラの大転換ということでし た。本当に、日常の気象現象が、怖いものになって来ました。私たちは、安定した 〔人間の巣/未来型都市/千年都市〕のような...“万能型・防護力”を、全国 展開しておきたいですよね...」
「茜です... 次は、〔人間の巣のパラダイム〕の...社会福祉面の話をします。関心の高い、 年金問題や福祉・教育などについてです。〔人間の巣〕...自給自足社会の展開 で、それはどのようになるのかということですね... あ、それから...〔人間の巣〕はコンパクトな都市空間ですから、非常にお安く 上がるそうですよ。コンパクトで高機能...道路や河川工事もなく、維持費もほと んどかからなくなります...どうぞ、ご期待下さい!」
〔人間の巣〕 = 財源・・・企業は不要! 自給自足型/農業社会・・・・・慣習法の確立による相互扶助 共同社会・・・・・多様性/極楽浄土の建設
過渡期の調整・・・・・国民の緊急避難/国家負担の軽減
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