My Weekly Journal 21世紀型・日本社会の器ロードマップ評価システムの窓口

             評価システム窓口          

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  トップページHot SpotMenu最新のアップロード/                              編集長:  津田 真 

     INDEX                                                                           

プロローグ   2004. 9. 7
No.1 〔1〕 システムと、“身分の特定”   2004. 9. 7
No.2     ≪1≫“地域・評価NPO”による登録 2004. 9. 7
No.3     ≪2≫ “コードネーム”の発行と、プライバシーの管理 2004. 9. 7
No.4 〔2〕 システムの顔と窓口               <準備中>  

  

  プロローグ   index.1102.1.jpg (3137 バイト) lobby4.1119.1.jpg (2391 バイト) wpe4F.jpg (12230 バイト)  

 

「星野支折です...

  ええ、ここでは、“評価システムの窓口”を考察します。国民に開かれた信頼性の高

い窓口の創設は、“評価システムの顔”にも相当するもので、非常に重要です。私たち

は、1つの試案をまとめてみました。これを“たたき台”として、さらに試行錯誤を繰り

返し、より良いシステムを構築していって欲しいと思います...

  さて、今回は、ゲストとして、堀内秀雄さんと、白石夏美さんに来ていただきまし

た。堀内さんは、ご存知のように、“環境・資源・未来工学”を担当しております。“生

活・ショッピング・図書”担当の白石夏美さんとは、一緒に仕事をなさる機会が多い

ので、今回はお二人一緒ということで、お願いしました。この“国民参加型・評価シス

テム”を考察して行く上では、ともかく、より多くの知恵を必要としています...」

 

「ええ...堀内さん、それから、夏美...よろしくお願いします!」支折は、作業テーブ

ルについている二人の方を向き、小さく頭を下げた。

「はい...」堀内が、生真面目な顔でうなづいた。「私は“未来工学”を担当していま

すが、それは“環境や資源”の方面の事で、いわゆる社会工学の分野ではありませ

ん。しかし、器を作る者にとっては、そこに入る中身の社会形態も、興味がないわけで

はありません。何処まで力になれるかは分りませんが、頑張ってみましよう...」

「はい!ええ、夏美も、よろしくお願いします!」

「はい!」夏美が、作業テーブルの上で、資料の本をそろえた。

「夏美は、さすがに、図書の担当よね...」支折が言った。

「私は、昔から本が好きなの。ただ、それだけよ」

「はい...

  ええ、編集長、青木さん、それでは、さっそく始めたいと思います。ええと、ポンちゃ

ん、プラズマ・スクリーンのセットをお願いね。ブラッキー、インターネット・カメラの方は、

オーケイかしら?」

  ブラッキーが、プカリとタバコの煙を吐いた。そして、

「オーケイだぜ」と、言った。

「では、編集長、お願いします」

 

  〔1〕 システムと、身分の特定”     

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「まず...」津田が、作業テーブルから、ポン助がセットしたプラズマ・スクリーンの方

に肩を回した。「日本国民...1億3000万人が参加する評価システムを動かすに

は...“参加者の身分を特定”しなければなりません...これは、システムを動かす

のには、不可欠の要素です...

  ええ...政府は、“住基ネット”によって、国民総背番号制を動かそうとしていま

す。しかし、私たちはそれは使わないつもりです...その代わりに、“地域・評価NP

O”における、自己申告による登録制 を考案してみました...

  ええと、支折さん...君の方から、まず、それを簡単に説明してもらえるかな、」

  ≪1≫“地域・評価NPO”による登録    wpe4F.jpg (12230 バイト)  

 

「はい!」支折が、ノートパソコンのキーボードを叩き、プラズマ・スクリーンに関連デー

タを表示した。

「ええ...

  まず、私たちは、“評価NPO”というものを、全国3000余の“地域・評価NPO”

と、スポーツや学術などの各分野・評価NPOの、2種類に分類しました。

  そこで、“評価に参加する人”の身分を特定するのは、“地域・評価NPO”の仕事と

しました...これは、住民基本台帳がそうであるように、地域割のきめ細かな管理体

制が、すでに社会的に確立されているからです...」

  支折は、トントン、とキーボードを叩き、プラズマ・スクリーンの画像を上にスクロール

した。

「ええと...この辺でいいかしら...」支折が、首をかしげ、つぶやいた。「ええ...

“国民参加型・評価システム”では...この“地域・評価NPO”が、最も重要な“基本

形”となります...これが如何に重要かを、生物体を構成する“細胞”にたとえて説明

したいと思います」支折は、夏美の方を見た。

  夏美が、黙ってうなづいた。

「ご存知のように、細胞の中には、小胞体、ミトコンドリア、ゴルジ体、葉緑体などがあ

り、の中には染色体があって、DNAの二重螺旋が詰まっています。つまり、この小さ

な細胞の中に、いわば生命のほぼ全てが詰まっているわけです。言い換えれば、細胞

こそが、“命の最小単位”なのです。

  その証拠に、単細胞生物というものが存在し、その単体でも、立派に生物体として

生きていけるわけですね...呼吸し、増殖し、独立系として1人立ちしています。そうし

た意味でも、“地域・評価NPO”は、生物体における“細胞”と非常によく似ていると思

っています...」

「なるほど...」作業テーブルに片肘を置き、堀内が感心してうなづいた。「たしかに、

“国民参加型・評価システム”全体の中で、“地域・評価NPO”を“細胞”に例えるの

は、ピタリですね。私も、予備知識として、これまでの経緯については、一応目を通して

来ているので、それはよく分ります」

「はい、ありがとうございます!その方面に詳しい堀内さんに言っていただくと、嬉し

いですわ...」

「恐縮ですね」

「“細胞”という言葉は、社会システムの言葉としては、どうかと、編集長が言われまし

た。でも、表現として使うのなら、いいということで、了解を得ています」支折は、津田

の方を見た。

「うむ、」津田がうなづいた。

「地球上に生命が誕生したのは...」堀内が、膝を組み上げた。「35億年前とも、36

億年前とも言われます...最初は、単細胞だったわけです。それも、“原核生物”とい

って、核がなかった。それから、およそ20億年前に、“真核生物”が登場します。これ

は、生命進化の歴史上でも、特筆すべき驚異的な進化の1つでした...」

「はい、」支折が、うなづいた。

「それから、次の大きな進化として、およそ10億年前に、“多細胞生物”が登場してくる

わけです。“国民参加型・評価NPO”は、さしずめ、この多細胞生物のレベルを目指し

ているわけでしょうか?」

「とりあえずは、そうかも知れません...」支折が、チラリとノートパソコンを見た。「そ

のレベルで、評価システムが、有機的に機能してくれる事を願っています」

「生命進化の歴史では...およそ5億年前の時点で、“脊椎動物”が登場して来ま

す...“第3の波・情報革命”は、やがてその領域へも入って行くわけでしょう」

「はい...将来的には、そうかも知れません...

  でも、ともかく今は、生命誕生の段階であり、“原核生物”が生まれて来る以前の状

態です...単細胞の“地域・評価NPO”を設計している段階ですわ...」

「なるほど、」堀内は、思慮深くうなづいた。「それから、“真核生物”、“多細胞生物”、

“脊椎動物”へと、システムを進化させて行きたいわけですね」

「はい...ええ、話を進めていいでしょうか?」

「うむ、」堀内が、うなづいた。

 

「その、“地域・評価NPO”に、私たちは、“身分”“自己申告で登録”します。NPO

は、住民基本台帳や、運転免許証、パスポート、学生証、その他の地域情報“本人

確認”をし、それを“評価システム”の“ネットワークの中で保証”していく事になります。

ここが、信頼性の高いシステムを築く上で、非常に重要なポイントになります。つまり、

ここが“評価の土台”の部分になって行くわけですね」

「なるほど」堀内が言った。「“自己申告で登録”ですか、」

「はい!

  ですから、最初から全国3000余の地域で、一斉にスタートする必要はないのです。

NPOが設立された所から、随時“自己申告で登録”を受け付け、評価活動に参加して

行って欲しいと思います。NPOの無い所は、とりあえず、NPOのある所で、別枠で登

録できるような、柔軟性も欲しいですね...」

「いわゆる、原始地球の海で...初期の単細胞の生命が誕生し、長い揺籃期に入っ

て行くわけですね」

「はい!

  でも、日本社会の大混乱の現状を考えれば、そんな悠長な事を言っていられる状

態ではないと思いますわ。もちろん、国民が、この状態でいいと言うのなら、話は別で

すけど...でも、個人として、何とかしたいと思うのなら、即、行動を起こして欲しいと

思います」

「そうだね」

「それから...一言つけ加えておきます...

  いわゆる、この“地域・評価NPO”を、あえて市町村単位で仕切る必要はありませ

ん。コンピューターで管理するだけですから、もっと広い領域をカバーできると思いま

す。転居、新規加入、消息不明、死亡などもありますから、そのあたりの管理に、それ

相応の人員が必要になると思います」

「なるほど」堀内がうなづいた。「今、問題になっている“住基ネット”のように、全国の自

治体で、一斉にスタートというような必要はないわけですね?」

「はい、私たちは、非常に柔軟で、ダイナミックなシステムを考えています」

「それは、いいね」

「私たちは、“細胞”を基本単位とした、生物体をモデルにしています...大きな、柔軟

性を持ち、奥深い強靭なシステムを目指しています...」

  支折は、プラズマ・スクリーンの画像をスクロールした。

「それから、ええと...この、細胞である“地域・評価NPO”は、今後、非常に多彩な

側面を備えていく事が予想されています。それは、地域レベルの評価活動から、広域

レベル、全国レベル、国際レベルにまで対応して行くつもりです。あのロシア南部の、

チェチェンの独立紛争のような事についても、“世界的・評価システム”が公平に関与

していけるような日が来るかも知れません...」

「うーむ...なるほど、」

「それから...各分野・評価NPOでの“身分保障”ですが、これもこの“地域評

価・NPO”が発行する“コードネーム”を利用する事になります。

  次に、その事に関する私たちの試案を示します。あ、夏美も、意見がありましたら、お

願いします」

「ええ」夏美が、うなづいた。

  ≪2≫ “コードネーム”の発行と、プライバシーの管理

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「支折...」夏美が言った。「その“コードネーム”というのは、どんな風になるのかし

ら?」

「はい...まず、これは私たちの試案です。これを“たたき台”にして、より良いものを

作って行って欲しいと思います」

  夏美が、黙ってうなづいた。

「まず...

  “コードネーム”として、都道府県・市町村の分類を、そのまま使います。これは、住

民基本台帳とも一致し、本人を特定するには、最良の方法だと思います。ただし、その

先は暗証番号とします。これを、“地域・評価NPO”が管理して行くことになります」

「ふーん、」夏美がうなづいた。

「それから、次に...アルファベットを2文字。これは、各自の名前の頭文字でもいい

し、まあ、そんな程度のものでいいと思います。そして、4文字の暗証番号...この

あたりは、しっかりと試行錯誤をしていって欲しいと思います...あ、それから、住所

を変更した場合も、アルファベットと暗証番号は、同じものを使えると思います」

「都道府県と市町村だけを変更するわけね?」

「私たちの試案では、そうです...

  都道府県・市町村は、ナマで使ってもいいのですが、それに対応したコード番号

も、併用していくことになると思います。でも、その地域のNPOから発信するなら、都道

府県・市町村は、省略できるわけですね」

「それでは、どうして、アルファベットの2文字を入れるのかしら?」

「別に、深い意味はないの...

  アルファベットの2文字は、ごく簡単に覚えられるでしょう。これだけで、イタズラやト

ラブルを、大幅に防げると考えただけです。暗証番号の前に入れてもいいし、後に入れ

てもいいし...あるいは、“もっと長いもの”が必要かも知れません...」

「はい...」

「それでも、“コードネーム”を、“勝手に、他人に使われないか”という問題はのこるわ

けよね」

「ええ、」

「これには、外部から意図的に情報操作に使われる場合と、あまり意図せずに、“内

部”で漏れてしまう場合が想定されます...外部から情報操作される場合について

は、これはシステムのセキュリティーの問題ですので、別途考察します。

  それから、内部で漏れてしまう場合というのは...例えば、家族や、子供同志や、学

生なんかの間では、簡単に互いの暗証番号が漏れてしまうことが考えられます」

「実際に、そうですよね、」

「はい。こうした事に対しては、個人が常に、“自分はどんな評価に参加し、どんな内

容か”ということを、いつでもチェックできれば、まず問題はないと思います。つまり、

“自己管理”です。そして、評価全体の推移も、リアルタイムでチェックしているわけで、

まず、それほど大きな問題はないと思います」

「はい、」

「それから、子供なんかの場合は、最初から“先生”や、“親権者”などの“ガードの中

に入れておく”必要があるかも知れません。先生も親もイヤだという場合は、“NPO”

がそれを引き受ける選択肢もあると思います。このあたりも、試行錯誤になって行くと

思います...」

「支折、“プライバシーの侵害”はどうかしら?評価の内容で、その人の人格が分るわ

けだけど、」

「はい。そのために、4文字の暗証番号と、アルファベット2文字で、厳重に管理するわ

けです。ただし、“評価”なんか見られたって平気な子供たちもいれば、一方では非常

に神経質な人もいるかも知れません...

  でも、基本的には、“銀行カード”のように、莫大な資産を管理しているわけではな

いし、“住基ネット”のように、全てが分ってしまうわけでもないの。何を、どう評価した

かが分るだけよ...」

「うーん...そうよね」

「もちろん、“軽く”扱っていいものではないけれど、それほど“重い”ものでもないわけ

ね。それから、“評価”も、それほど重いものはないはずだし...

  ただし、いわゆる選挙権のように、一票の重さは相対的に小さなものだけど、それ

らが“集積”したものは、非常に重大な意味を持ってきます。そうした全体が、この国

の文化として、私たちの社会を動かしていく事になるわけですから...」

「うん、」

「この“国民参加型・評価システム”では...あらゆる領域において、膨大な件数に

関し、そして日常的に...“自主参加型の選挙権”を行使しているわけです。これで、

この国の文化と社会を、ダイナミックに波動させて行こうというものです...」

「うーん...それでは、“犯罪”に関しては、どうかしら?」

「はい...

  “プライバシーの侵害”や、意図的な“情報操作”に関しては、“地域・評価NPO”

が、しっかりと“監視”していく必要がありますただ、それは、私たちの仕事というよ

りも、次のステップの、専門的なセキュリティーの仕事になります」

「あ、はい...」

「それから、もう1つ、基本的なスタンスについて言って置きます...

 

  それは、この評価システムそのものが、“プライバシー”や“思想”や“意思”を保護

するためのものではなく、逆に積極的にオープンにし、万民が平等に表現する場なの

だということです。透明なシステムと、透明な議論、そして透明な評価...万民の公

平で自由な参加...これが、このシステムの姿です...

 

  ...この、透明な評価システムが、日本の社会を、ルネッサンスへ導いていくもの

と、私たちは考えています」

「うん...」夏美は、ゆっくりとうなづいた。

 

  〔2〕 システムの顔と窓口      

                                 

               全ての市民に開かれた、信頼性の高い窓口 

         ガラス張りの集計センター

   “全国ネットワーク”、“分野・評価”、“国際ネットワーク”への経路

     評価を地域社会に反映する、ガラス張りの推進委員会、

           評価に関する、広報活動