Menu資源.未来工学未来工学人間の巣の考察〔人減の巣〕の方程式に導入

                              <2007・ 参議院選挙対談>      
      

      全問題〔人間の巣〕 方程式 に導入


            
 中東の紛争も・・・・・・〔人間の巣〕方程式に導入すれば


  
                    

 トップページHot SpotMenu最新のアップロード                                      担当 : 津田 真 

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プロローグ         〔国民主権発動の場〕を確保... 2007. 7. 7
No.1 〔1〕 “国民主権”正常に機能する社会に 2007. 7. 7
No.2 〔2〕 社会混乱の全てを、 〔人間の巣〕 方程式に導入すると・・・ 2007. 7. 7
No.3     ≪中東の紛争も、〔人間の巣〕方程式に導入すれば・・・≫ 2007. 7. 7
No.4     〔21世紀・維新〕・・・〔人間の巣〕2007・参議院選挙 2007. 7. 7
No.5 〔3〕 〔極楽浄土/理想郷〕への、 遠かった回り道・・・/道草・・・  2007. 7.17
No.6 〔4〕 生命潮流/・・・進化・複雑化のベクトル

     資本主義/社会主義/大宗教・・・巨大組織化の限界

2007. 7.17

      

    プロローグ          

 

   壮大な年金問題の混乱/国会の紛糾/政治力の著しい低下...

  日本文化の堕落と空洞化...格差社会...深刻な生活苦...

     これらへの、早急な対応が、国民から、真剣に求められています

 

「お久しぶりです理論研究員/秋月茜です

  いよいよ、2007参議院選挙となりました。有権者としても、非常に難しい、しか

決定的に重要な選挙になりそうです。単純に、与野党の決戦では、割り切れない選挙

になるのではないでしょうか...

  そこで、私たちも、1つの仕掛けを用意しました。以下で、その仕掛けを考察して行き

ます。でも、その前に、まず私たちの見解を簡単に述べておきましょう...」

 

「ええ...

  最近の日本社会の混乱は、大規模かつ、常軌を逸したものになりつつあります。まさ

に、今、壮大な社会崩壊が起りつつあります。そして、政治は、この社会崩壊を止める事

ができるのでしょうか。政治は、エンジンが空転していて、どこかが大きくズレている気が

します...

  私は...本当のところは...政治による改革よりも、次の時代を担う、若者の行動力

の方に期待しています。若者が、〔人間の巣〕を展開していく純粋な情熱に、期待をか

けています。20世紀の残滓(ざんし)にしがみついている政治には、ほとばしるような若い

エネルギーが感じられないからです。

  くり返しますが...私は、日本列島〔人間の巣〕が展開していく、その創造的なエ

ネルギーに、日本社会復元の姿を見ています。それは、後ろ向きの年金問題や、戦前

へ回帰するような憲法問題とは、別のステージにあります。

  この、若く新しいエネルギーは、未来志向で起動して行くでしょう。また、ミサイル防衛

構想などと言っている、覇権主義の玩具の問題でも、〔人間の巣〕の方が、はるかに

璧な防御力をもちます。そして、あらゆる将来的な環境圧力に対しても、ほぼ完璧な防

御体制を確立します。

  年金問題も、憲法問題も、〔人間の巣〕方程式に導入すれば、それは“イコール・ゼ

ロ”となってしまいます。“イコール・ゼロ”とは、ほとんど問題にならないということです。

〔人間の巣のパラダイム〕が進行して行けば...そうした問題は、大局的な流れの中

で、何の問題も無く、根本解決して行くということです。

  年金問題は、コトの是非や、責任問題はともかく、〔人間の巣〕が展開していけば、

大な空騒ぎとなるのかも知れません。何故なら、〔人間の巣〕は、非常に社会的コスト

低い、安定した、未来型の、〔極楽浄土/理想郷〕となるからです...

  また、憲法改正も、現在考えられているものとは、およそ異質なものとなるはずです。

憲法9条は、まず問題にならないと思います。何故なら、それは20世紀の遺物(いぶつ)

からです。そうしたものは、急速に過去のものとなりつつあります。人類文明は、すでに

新しい局面に入りつつあります。

  それゆえ、私は...未来社会を建設して行く、若者の行動力に...大いに期待して

います...今回の2007参議院選挙においても、私としては、このスタンスで考え

て行きたいと思っています」

                             

My Weekly Journal》・政治部長/青木昌一です...

  まさに、日本の社会は、曾有の大混乱”の様相です...もともと、こうした傾向

は、自民党・長期政権下で、古くから存在し、批判されてきたものです。それが、小泉・

前政権で、タガが外れたように加速しました。そして、阿部・政権がそれを引き継ぎ...

さらに、2007年度/4月スタートの頃からでしょうか。いよいよ、様相が一変した観があ

ります。

  国民弾圧的社会の擾乱が始まったようです...テレビ媒体も、公共放送・NHK

をはじめとして、良質なコンテンツ極端に減少してきました...これは、国民自身が、

つぶさに体験していることで、あえて言うまでもないことです...マスメディアも、社会混

に非常に拍車をかけています...

  特に、公共放送・NHKは、この未曾有の社会混乱の中で、いったい何をしているので

しょうか...肝心のNHKは、何故か国民の方ではなく野球の方を向いています“浄

財”によって、国民の立場“運営”していると思っていた公共放送は、体制側・財界主

で、何かを“経営”しているような様子です。

  一体、何故なのでしょうか...国民が求めていた“民主主義の牙城”“日本文化の

守護神”“社会的慣習法の執行機関”とは、ますます“乖離”していく方向にあります。

この、現状を猛省し...大きく方向転換しようとしないのは、何故なのでしょうか...

  このため...建国以来未曾有の国難と言われている中で、〔国民主権発動の場〕

が、欠如する状況に陥っています。本来なら、“公共放送の全放送時間”を使って、“国

民的な大議論を展開していいはずです。それが、何故、野球放送に執着なのでしょう

か。何故、あえて、“国民的な大議論封殺する方向なのでしょうか...

  国民としては、不可解で、非常に理解に苦しみます...まさに、何故なのか、“正直

な本音”を聞きたいものです。しかし、自らが、マスメディアでありながら、その本音は、

“口が裂けても言えない”ということでしょうか?何故、自画自賛をやっているのでしょう

か。

  さて...こんなことで、“理解に苦しんでいる”のも、まさにバカげた話です...ともか

く、NHK本来任務放棄し...さらに、野球放送集中するなら...“浄財を完全に

遮断”し、“解体・再編成”断行するしかありません。現状のNHK国民が“浄財”

支える必要はありません。国家が大混乱の折、すでに“遅きに失した観”があります。し

かし、ともかく、公共放送を立て直さなければなりません。本来の公共放送を、取り戻さ

なければなりません...

  ええ...2007参議院選挙とは、関係のない話になってしまいましたが、選挙

のことは、この後で詳しく考察します...」

                                  

「ええ... My Weekly Journal》・編集長/津田真です...

  青木さんの言う通りですねえ...これは、今回の2007参議院選挙とは、確か

に、直接関係はありません。しかし、国民は、〔新・公共放送〕を、インターネットの中に

創設する時期かも知れません。ひたすら、政治に期待するだけでは、この壮大な社会の

崩壊は、止められません。国民は、信頼できるものが、非常に少なくなって来ています。

  真に、“国民による、国民のための”...“第2・公共放送”が必要かも知れません。例

えば、消費者団体のような、真に中立的な組織を創設するだけでいいのです。しっかりと

した基本理念中核組織だけで、インターネットの中に簡単に創ることができます。

  ともかく、こうした行動を起こすことが、NHK“解体・再編成”を促進します。また、

そうした組織が複数あることが、社会を安定させて行くことになります。いずれにしても、

国民の覚醒と、直接行動が、安定した新しい社会を作り出します。

  私たちは、真に、〔国民主権発動の場〕となるものを、新たに創設する必要がありま

す。修正改革では、既得権が絡み、純粋に理想とする組織は作れないでしょう。した

がって、若者の世代が、“第2・公共放送”を、インターネットのネットの中に新設すること

を提案します。

  私たちの世代は、それを、しっかりとサポートして行くのがいいでしょう。いずれにして

も、やがて、若者の時代がやってくるわけです。ここは思いきって、若者の世代に、主導

を移譲することを提案します。

  思い返せば...〔明治維新〕というのも...若い下級武士主導した革命だったわ

けです。〔21世紀・維新〕も...まさに青臭いほどの...若い情熱と、ほとばしるような

若いエネルギーを必要としています...」

 

 

  〔1〕 “国民主権”正常に機能する社会に

                  

 

「ええ...」茜が、赤いメモ帳に手をかけた。「ともかく...参議院選挙です...

  今回は...高杉・塾長に来ていただきました。そして、津田・編集長と、政治部長

/青木昌一さんと共に、2007参議院選挙課題を、大胆に考察して行きたいと

思います...

  あらためて、高杉・塾長、よろしくお願いします。どこか、緩んだ選挙戦の突入ですが、

非常に大事な、難しい選挙になります。そこで、是非、高杉・塾長の、般若(はんにゃ/仏智)

の知恵を、お借りしたいと思います」

般若の知恵ですか...」高杉が笑った。「ともかく... My Weekly Journal》に来る

のは、久しぶりですねえ...前回は、いつだったか、覚えていませんが...」

「長くなりますから、」津田が、高杉に言った。「それにしても...今回は、いろいろな意

味で、大変な選挙になりそうです」

「確かに、」高杉が、うなづいた。

「いよいよ、始まりました」青木が、高杉に言った。「いよいよ、動き出したわけですが、

混乱の様相です...

  しかも、今のところ...中身がカラッポの選挙です。卵の中身がなく...“殻だけの選

挙”のようです。その上、モラルハザードと来ています。何が飛び出すのでしょうか、」

「はい、」茜が、窓の外の梅雨空を眺めた。

「私たちも、」青木が言った。「それなりに、はっきりとした方向性を打ち出して行きたいと

思います」

「うーむ...」高杉が、手で口を押さえた。「ともかく...先ほども言っていたように、〔国

民主権発動の場〕を、しっかりと確保することですね。社会混乱を収拾するには、絶対

条件となります。むろん、政治の舞台も、その1つですが...」

国民は...」津田が、天井を見上げた。「“溺れていて...まさに、ワラをも掴みたい状

況”です...多くの若者たちが、“インターネットカフェ・難民”となっている状況です...

多くの国民が、病院から溢れ出しています...住居さえ、確保できない状況です...

める者はますます富み...弱者は、死ねという状況が、現実のものとなっています...

  この状況に対し...“理想とする社会モデル”が...政治の中にも、そしてマスメディ

の中にも見当たりません...ただ、現状を批判しているのみです...その具体的社

会モデルの無い中で...国民何を信じ何を選択すればいいのでしょうか...まさ

に、問題は、そこにあります!」

「はい...」茜が、口を引きむすんだ。「でも、国民は...未来を信じ...2007参議

院選挙でも、何かを決断して行かなければなりませんわ。私たちとしては、私たちなり

に...その何かを、明示して行かなければなりません...」

「その通りです...」高杉が言った。「私たちとしては、《緊急避難/過疎地に集合!》

と、〔人間の巣のパラダイム〕を提示しているわけですね、」

「そうです...」津田が言った。「政治の方は、“理想とする社会モデル”を明示せず、急

ぐ必要もない、“憲法問題”で話題を盛り上げています...長い、空理空論の結果、成り

行き上、そうなってしまった観のあるものです...

  それゆえに、“政治の空洞化”“国民との乖離”“政治の弱体化”を感じます...

主主義が、ほとんど形骸化しています」

「うーん...」茜が、口にコブシを当てた。「そうですね...これは、マスメディアにも、非

常に大きな責任がありますわ。テレビ・コンテンツの崩壊で、国民のマスメディアへの視

は、非常に厳しくなっています。

  特に、公共放送という立場上、NHK責任は非常に大きいですね...一体何故、

“運営委員会”が廃止され、“経営委員会”になってしまったのでしょうか。また、何故、

球というスポーツに、1極集中なのでしょうか...“浄財”を拠出している国民は、そうし

たことは、全く承知していませんわ。

  こんなことでは、NHKへの“浄財”は、拠出されなくて当然です。社会を大混乱に陥れ

たという責任を考えれば、学校給食費問題とは比較になりませんわ。NHK本来任務

の放棄は、まさに詐欺的です。それは、社会保険庁同レベルか、それ以上ではないで

しょうか」

「茜さんの言う通りです」青木が、眼鏡を押し上げた。「しだいに、そのことが明確になっ

てきました...

  公共放送問題は、年金問題とは異なり、生活習慣病のように日本社会を蝕んできまし

た。社会が、こんなデタラメにならないために、国民は長年にわたり、“浄財”を拠出し続

けて来たわけです。

  NHKを、まさに“民主主義の牙城”“日本文化の守護神”“社会的慣習法の執行

機関”として、その運営を支え続けて来たわけです...それが、裏切られているわけで

す。放置しておくことはできません」

「まさに、」津田が言った。「こんな事態に陥らないための...民主主義社会の安全装置

安定システムだったわけですからねえ...それが、社会保険庁同様に、単に莫大

な予算を食いつぶし、“自分たちの好きなこと”をやっているわけですねえ...

  まあ、NHKも、社会保険庁と同様に、この際、断固、“解体・再編成”を進めるべきで

しょう。NHK社会保険庁は、異質のものですが、いずれも社会の根幹に深くかかわる

ものです。放置しておけば、それだけで、社会全体が腐って行きます」

「はい!」茜が、深くうなづいた。「マスメディアは、国民の審判を受けるということがあり

ませんわ!でも、その審判を下す必要が出てきました!国民は、強硬手段に出る必要

がありますわ!」

「そうです、」津田が言った。「NHKは、公共放送として、常に国民の側にいるフリをして

いたわけです。しかし実態は、を裏切り続けていたわけです。“浄財”で運営され

ながら、社会の体制側となってしまっていたわけです。平気で、財界人理事に迎え入

れたりたりしているわけです。

  そして、いつの間にか、“運営”ではなくて、“経営”に変わってしまいました。挙句の果

ては、国民の方ではなく、野球の方を向いてしまっています。こんなNHKを、放置してお

くわけにはいきません。ケジメをつける必要があります」

「はい!」茜が、強くうなづいた。「このぐらいのことができなくては、未曾有の社会混乱

らの脱出など、できるはずがありませんわ!」

「そういうことですね、」高杉が言った。「ともかく、社会を正しく活性化して行かなくてはな

りません。そのためには、公共放送を正常化させることです」

「はい...」津田が、唇を引き結んだ。

 

〔2〕 社会混乱の全てを、

   〔人間の巣〕 方程式に導入すると・・・

                 

「ええ...」茜が、ノートパソコンに両手を添えた。「話を、本筋の、参議院選挙に戻しま

しょう...

  そこで、やはり...“過疎地への緊急避難”/〔人間の巣の展開〕が...“時代の

大きな選択肢”ということになるのでしょうか...日本の社会混乱を、全て〔人間の巣〕

方程式導入してみると...“非常に明確な解”が得られますね...これほど明確

なると、間違いということは、非常に少ないと思います。ほぼ、間違いないと思います。

  まず...〔半・地下都市/人間的・高機能空間〕の建設により、莫大な経済効果/

社会福祉効果/自然災害対策効果/“地球温暖化”対策効果が生まれてきます。ま

た、地球の全生態系も、しだいに濃密な多様性を取り戻し、回復に向かうのではないで

しょうか...

  〔人間の巣〕が、幾らかでも実現して行けば...日本のCOの排出量も、理想値を

軽くクリアできますわ...また、“脱・冷暖房”ですから、エネルギーの諸問題もクリアで

きます。それから、当面の問題としても、多方面で社会的な余裕が生まれます。もちろ

ん、最終的には、世界中〔人間の巣〕へシフトしていくことが、望まれます...」

「色々な意味で...」高杉が言った。「余裕が生まれて来ることは、重要なことです。何

よりも、明確な目標ができることがいいですねえ。

  1つでも、2つでも、〔人間の巣〕〔極楽浄土/理想郷〕が創出されれば...それ

日本全体世界全体に及ぼす波及効果は、計り知れないものがあります...“文明

の折り返し”が、一気に、世界標準となって流れ出します」

「そうですね、」津田が、うなづいた。「それが、私たちの示す“理想とする社会モデル”

いうことになりますね、」

「はい、」茜が言った。「この、根本解決策以外は、2007参議院選挙スローガン

としては、どれも色あせて見えますわ...各政党のスローガンは、どれも対処療法的

社会病理面での改革です。根本解決策ではありません。

  もちろん、それも必要なことですが、この状況下では長期展望に基づいた、文明史的

な視野が、不可欠ではないでしょうか、」

“地球温暖化対策”まで考えると、」高杉が言った。「そうなりますねえ...

  また、壮大な社会崩壊が進行していている日本の現状では...おそらく、政治による

“修正主義的な改革”では、実質的にもラチが開かないでしょう...まあ、相変わらずと

言えば、相変わらずです。まさに、政治の弱体化を体現している姿と言えますね...

  したがって、ここは...政治を越えた社会革命...〔21世紀・維新〕を必要としてい

ます...《緊急避難/過疎地へ集合!》〔人間の巣の展開〕は、まさに、〔21世

紀・維新〕への、第1歩でもあるのです...」

「はい...」茜は、コブシを握り、高杉を見つめた。

「そのために、」高杉が言った。「私たちは、昨年、2007マニフェストを作成しました。

世界日本の、グランドデザインを提示しました...大混乱に陥っている日本の現状

そして、グローバル化・“地球温暖化”現状に対して、1つの明確な方向性を提唱して

きたわけです」

「はい!」

「したがって...日本社会の全ての混乱は、〔人間の巣のパラダイム〕の中で...つ

まり、未来型社会の建設の中で...根本解決して行くはずです。

  こうした大きな流れの中でなければ、各国においても、実質的に動かないのではない

でしょうか...こうした事は、これまでの様々な“改革”や、“革命の歴史”が証明してい

ます...しかし、今度こそ、〔極楽浄土/理想郷〕実現する可能性が大きいのです。

  したがって...ハード面での、〔人間の巣〕の展開と同時に...ソフト面での、適正な

社会規模その関係性社会構成のデザイン、そして最小単位の家族構成も含めて、

会工学学問的な夢を、十分に発揮してもらいたいと考えています。また、“世界政府”

も、実現してほしいと考えています...」

「そうですね、」津田が、うなづいた。「しかし、まずは、《緊急避難/過疎地へ集合!》

です。そして、日本での“自給自足のニュー・コミュニティー”の立ち上げです」

  高杉が、コクリとうなづいた。

〔極楽浄土/パラダイス〕は、」青木が、言った。「もう、私たちの視界に入って来てい

ます...理想の未来社会も...そのコース展開も...おぼろげながらも、見えて来て

います。

  後は、試行錯誤を重ねながらも...無駄な寄り道をせず、建設に邁進していくべきで

す。《緊急避難/過疎地へ集合!》は、間違った選択ではありません」

「その先に...」津田が、顎に手を当てた。「〔人間の巣/千年都市〕の、大きな文明の

安定期がやって来ます...そうなのですね、高杉・塾長?」

「そうです!」高杉が微笑し、大きくうなづいた。「“文明のステージ”が、間違いなく、大き

ステージ・アップし始めるでしょう...

  何度も説明しましたが...人類文明は、“第1ステージ/農耕・文明の曙”から、“第2

ステージ/エネルギー・産業革命”へと、大きな舞台変遷がありました。そして今、人類

文明は、“第3ステージ/意識・情報革命”の段階へと、ステージ・アップしようとしていま

す。

  これは、別な言い方をすれば...粗暴暴力的“物質的威力/パワー表示のス

ージ”から、より微細知性的な、“主体性の覚醒/物と心の融合のステージ”へと、

ステージ・アップして行くとうことです。

  さらに、別な言い方をすれば...“覇権主義・戦争のステージ”から、“覚醒・超越的

意識のステージ”へと、大きく変貌して行く過程にあるということです...

  したがって、新しいステージでは、“核爆弾”“エネルギーの大量消費システム”は、

必要のないものだということです。眼前する、生態系の深淵覚醒し、それと協調し、

し...もはや、粗暴な、大エネルギーを振り回す時代ではなくなるということです」

                       

「それで、高杉・塾長...」茜が、頭をかしげて、高杉を眺めた。「本当に...〔人間の

巣〕は、実現するのでしょうか?理論が、上滑りをしているということはないのでしょう

か?」

「そうですね...」高杉が、微笑した。「それが、最も肝心な所です...検証が必要な所

です...ええ、いいですか...

  現在の人類には...もう、それほど多くの選択肢があるわけではありません。どのよ

うな形をとるにせよ、〔人間の巣の形態は、どこかに出現し、それは次第に増えて行く

でしょう。生態系と協調し、生存して行くには、〔人間の巣の形態は、自然な姿だから

です。これは、他の生物種同じ形態で、生きていくということなのです...

  今後、激変する地球環境の中で、人類が生き残っていくには、“脱・エネルギー”の、

頑丈〔人間の巣の形態は、最適なのです。食糧不足で、飢餓が襲ってくれば、和見

(ひよりみ)感染症でさえ、非常な脅威になってくるのです。そのためには、人間社会の防波

が、強固なものでなければなりません。

  そうした、あらゆる脅威から、人間社会を最適な形で防衛するのが、〔人間の巣〕なの

です。当面は、〔人間の巣〕の単位で、自給自足農業を展開し、食糧備蓄を進め、文明

の安定期を待つことになります...多様性のある〔人間の巣の形態で、間もなくやっ

て来る、“大艱難の時代”を乗り切って行くということです...

  こうした、独立的で、強いアイデンティティーを持つ、〔多様な人間の巣の形態〕をとっ

ていれば、人類が急速に絶滅することはないでしょう。生態系の中で、種として安定する

のです。

  他の生物種に対しても、畏敬の念をもって、大切に扱うということです。むやみに家畜

したり、その肉をむさぼったり、無用な遺伝子組み換えは、控えることです。そこが、

常に大事なことになります...」

「はい!」茜が言った。

 

  中東の紛争も、〔人間の巣〕方程式に導入すれば・・・≫

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「それから...」高杉が言った。「話は少し違いますが...

  あの、根の深い中東の紛争も、〔人間の巣〕方程式に導入すれば、“根本解決の

解”が得られるかも知れません...これは、 My Weekly Journal》・第2編集部

事担当/大川慶三郎と、国際部/北原和也が研究を進めているものです、」

「ああ、はい...」津田が言った。「じゃあ、私の方から話しましょう」

「お願いします。〔人間の巣〕方程式に導入するということでは、同じ課題です。ここで

も、理論的な側面効果として、簡単に取り上げておきましょう...」

「はい...」津田が、キイボードをたたき、データを呼び出しながらうなづいた。「これは、

まだ、 My Weekly Journal》・第2編集部で、研究中の課題ですが、概略を説明して

おきます。

  ええと、つまり...内戦の様相を呈してきたイラク...それから、終わりのない

レスチナとイスラエルの紛争...そして、周辺のレバノン等の紛争地域にも...〔人

間の巣〕を展開し...紛争を終息させて行く構想です...

  これらの、泥沼と化した紛争地域に...〔人間の巣〕展開し...それ以外の土地

は、大自然に還元して行くという、〔人間の巣のパラダイム〕の導入です...そうするこ

とによって、構造的な根深い紛争も、根本的に終息させることが可能というのもです」

「そうですね、」茜が、顔をかしげた。「この研究には、私も参加しています...」

「はい...」津田が、マウスをクリックした。「こうした、泥沼の紛争の場合...

  〔人間の巣〕の、“耐核シェルター”のような強固な防護能力が、無辜(むこ/罪のない)

を、紛争から守ります。その上で、周囲で自給自足農業を確立し、自立して行くわけで

〔人間の巣〕の、非常に安定した、低コスト社会なら、それが可能です。

  それはまた、“未来型都市の世界標準”をも、満たしています。“地球温暖化対策”

も、大いに貢献できるわけです。国際社会は、こうした紛争地域〔人間の巣〕展開す

ることにより...恒久平和を実現し、さらに“地球温暖化対策”にも、貢献することが可

能です」

「はい、」茜が言った。「〔人間の巣〕なら、紛争地域の人たちも、安全に暮らせますわ。

ともかく、強固なシェルターが必要です。そして、安定した生活基盤です...」

「そうですね、」津田が、うなづいた。「日本国内と同じような、〔人間の巣〕の展開で、

深い紛争も、根本解決されるはずです。たいした費用はかかりません。既存の技術だけ

で、簡単に実現できる、新しい総合社会システムです。やる気にさえあれば、可能です」

「そうですわ...」茜が、うなづいた。

“同じ価値観”の人々が集い...」津田が、モニターを見ながら言った。「それぞれに、

〔人間の巣〕〔理想郷〕を建設するのです。そのこと事態に、文句のあるはずがありま

せん...

  そして、集約的自給自足農業を確立し、生態系と協調して暮らして行くのです。肝心

なのは...他の〔人間の巣〕のことは、“干渉しない”ということです。それぞれの〔理想

郷〕を、自立的に運営して行くということです」

〔人間の巣〕特徴の1つは...」茜が言った。「これを、“一方的に開始”することも可

能だということですわ...日本でもそうですが、いわゆる“負け組み”が、既存の社会シ

ステムを離脱し、“孤立システム”を確立できるというところに、“弱者の強み”が発揮され

ます...

  生態系と強調して、自給自足農業を確立するわけです。交易が盛んになる以前の、村

や町は、本来はこのように自給自足で自立していたのです。ここに、〔人間の巣/未来

型・高機能空間〕を投入するわけですわ...」

「そうです、」津田が、マウスを動かした。「国家というような、大きな単位とせず...

  数千〜数万人規模の、頑丈〔人間の巣〕を展開するわけですね...“専守防衛”

〔人間の巣〕は、あらゆるトラブルに対して、最強の盾となります...〔人間の巣〕は、そ

れができれば、社会的コストのかからない、非常に安定な都市になるということです...

まず、防護の方は、完璧です...中東の紛争地域には、最適かもしれません...」

「なるほど...」高杉が、ゆっくりと、脚を組み上げた。「やってみる価値は、ありそうです

ねえ...」

「まあ...」津田が言った。「本格的な展開となれば...

  伝統的な古い都市は、捨てることになります。そして、新しい都市/〔人間の巣〕が展

開して行くことになります。それが、紛争を根本解決して行きます。そのための、国際支

なら、大いに効果が上がるのではないでしょうか...また、新しい希望も、生まれてく

るのではないでしょうか...

  後は、既存の国家なり、“地球政府/世界政府”なりが、ゆるく管理して行くことにな

ります。また、その他のあらゆる国際援助も、対処的な援助から、恒久的な、〔人間の巣

のパラダイム〕に切り替えることを、彼等は提唱して行くようです。

  “地球温暖化”の問題もあり、国際的な人道支援活動でも、そのように“未来型システ

ム”にシフトして行くのが、望ましいのではないかということです」

パレスチナ人イスラエル人も、」茜が言った。「そんな風に、あの土地で、平和に共存

が可能、ということですね、」

「そうです...

  エルサレムのような共通の聖地は、過去においても、上手に住み分けていたわけで

す。その点は、心配することはありません」

「はい!」

         

あらゆる紛争地域がそうです...」青木が言った。「昔は、そうやって、住み分けていた

のです...

  それが、“行き過ぎたグローバル化の時代”がやって来て、経済で全てをかき回してし

まったのです。“文化”“宗教”“感染症”も、グローバル化のミキサーに入れ、“経済”

という共通の砂糖で味付けをし、グラスに注ぎ分けたのです...

  バナナも、オレンジも、リンゴも...イチゴも、ブドウ、みんなミキサーに入れてかき回

し...さあ、どうぞ、と大量のグラスを、世界中にばらまいたのです。さて...これで、

儲けをしているのは、なのでしょうか?」

  茜が、笑って、口に手をやった。

文句を言うやつに鉄砲を向け...グラスを押し付け...資源を搾取しているのは、

なのでしょうか?」

「その脇で、せっせと商売に精を出している国もありました」津田が言った。

「面白いアナロジー(比喩)ですわ」

「ところが...」青木が手を振った。「こんな、安っぽい味は、すぐに飽きてしまいます。そ

れが、現状ですね...」

「はい...」茜が、笑いをおさめた。

                     wpe8.jpg (3670 バイト)house5.114.2.jpg (1340 バイト)   

「さて...」津田が、全員を見まわした。「話を、選挙に戻しましょう...

  大自然と協調する、“文明の第3ステージ/意識・情報革命の時代は、必ずやって来

ます...その未来は、もうすぐそこに、足音が聞こえいます...時代の局面/文明のス

テージは、今、大きくシフトしつつあります...

  くり返しますが...“覇権主義”・“経済至上主義”は、“文明の第2ステージの遺物(い

ぶつ)です...“20世紀の残滓(ざんし)です...この、文明史的な視点を欠いては、30

年後の社会の姿を、語ることはできません...

  やがて、“核爆弾”廃棄されて行くでしょう...何故ならそれは、“文明の第3ステー

ジ”では、必要のないものだからです。時代は、高杉・塾長が言うように...“覇権主義・

戦争のステージ”から、“覚醒・超越的意識のステージ”へと、大きくシフトして行くからで

す...」

「そうですね...」茜が、肩をかしげた。

2007参議院選挙でも...」津田が、続けた。「“憲法9条”を変えることが話題と

なっていますが、あえて“戦争のできる国”にするなどは、壮大な時代錯誤です...

  民族主義をあおり、右傾化を扇動するのも、前時代的な古い思想です。こうした時代

錯誤の思想は、いたずらに混乱を煽(あお)だけです...

  “文明の第3ステージ”では、軍事力民族主義は、はるか過去のものになります。し

たがって、現在、それを扇動するような、軍需産業等があるとすれば...それは、人類

文明の名の下に...しっかりと監視し、抑制して行かなければなりません...戦争は、

人類の誰もが、望んでいないからです...」

「そうです...」青木が言った。「若者は、20世紀の遺物に踊らされることなく...自分

たちの21世紀の足元を、しっかりと見つめて欲しいですね...

  九州では、今年もまた、大水害となっています。“地球温暖化”で、気候変動が始まっ

ているからです。社会基盤都市基盤を、根本から〔未来型都市/人間の巣〕に造り変

えていくことが急務となっています。今、私たちは、〔人間の巣〕急速に展開して行くこ

とが、日本の大改革につながり、そしてそれは“子孫への最大の遺産”となります

「はい、」茜が、青木にうなづいた。「私たちも、そのために、汗を流してきました...

  《緊急避難・過疎地へ集合!》では、私たちは“政治は後からついてくる”ということ

で、“即・行動!緊急避難!”を提唱してきました。

  そこで、さあ...2007参議院選挙という、政治の大舞台がやって来ました...

問題は、この政治の大波と、理想社会の建設を、どう結びつけるかですわ...後からつ

いてくると言っても、放置しておくことは、得策ではありませんわ...」

「さて、それが課題です...」津田が、コブシを顎に当てた。

政治に頼ることは...」茜が言った。「そもそも、非常に危険ですわ...いつものよう

に、直接関係のない人事や、派閥争いで、肝心のエネルギーが分散します。それで、

トが膠着してしまいます。でも、できる限り、政治を巻き込んでいくことが必要です...

  青木さん...これは、〔21世紀・維新〕ということにもなりますが...ここは、国民

しては、どう動いたらいいのでしょうか?」

 

〔21世紀・維新〕・・・ 〔人間の巣〕2007参議院選挙 

          

「そうですね...」青木が、眼鏡の縁に手をかけた。「色々と考えてみました...

  確かに、“政治は後からついてくる”ということですが...2007参議院選挙

は、まさに政治の大舞台です...そして、それ以後も、政治は激変の時代に突入して

行くでしょう...いずれにしても、必ず、“長期的展望”が課題として浮上してきます」

「はい...」茜がうなづいた。「そうですよね...」

「まず...」青木が言った。「問題を、整理しましょう...

  2007参議院選挙でも...“年金”“憲法改正”が焦点で、近視眼的な問題

終始しています。国民の不安は、確かに、目先のことですが、本質は将来への大きな不

なのです。その事に、今の所、政治は答えていません...

  “30年後の日本の形”...“50年後の世界の形”というものを考え...その大きな潮

流の中で“年金問題”や、“憲法問題”を考えて行くのが、政治本来の仕事です。今の

金問題の追及などは、本来は横領使い込みであり、事件の問題です。そして、行政機

関の大スキャンダルの問題です。政治本来の仕事とは思えません...」

「はい、」

政治/国政の本来の仕事は、国家の青写真作成し、それを提示し、遂行することで

す。大局的国家の舵取りが、政治の仕事です。しかし、それに関しては、一向に明確

なモデル/国民が納得するモデルがありませんねえ...現在の“年金問題”“憲法問

題”は、きわめて近視眼的な、修正主義的な展望しかありません...」

「はい、」

「そのために、小泉・前政権下で、“100年安心の年金構想”とか言われたものも、実

は、最初からその土台が崩壊していたという有様です...しっかりとした、グランドデザ

インがないから、こんなことになるわけです。

  つまり...現在の年金問題や、憲法問題のというのは、私たちから見れば、砂上の

楼閣のような話なのです。むろん、それをどう見るかは、国民が判断することですが、」

「そうですね...」茜が、マウスの上に手を置いた。

「そこで...私たちは...

  〔人間の巣〕を展開し...そのパラダイムの中で、“年金”“医療”、それから“食料・

人口問題”など...全ての個別の問題を、まったく別の形で、根本から解決していくこと

提案しているわけです...〔人間の巣〕が展開して行けば、黙っていても、おのずと

“未来社会の建設”の中で、根本解決して行くでしょう...」

「はい、」

「そこで、です...」青木が、体を前に乗り出した。「まず...

  “コノコト.../根本解決の事...”を...2007参議院選挙政治の大舞台

で...各政党や、政治家や、候補者に、質問することです...“コノコト.../根本解

決の事...はどうなのか?”と、明確な回答を、選挙の大舞台で、明確に引き出していく

ことです...

  また、〔人間の巣〕に、難点があるのなら、その理由を聞き出すことです。あるいは、

反対ということなら、他にどのような“具体的将来ビジョン”があるのか、また検討中なの

か、それを正していけばいいわけです...何もしていないということはないはずです。

  “国家の舵取り”を預けるわけですから、こうした質問は当然です。また、各政党

補者は、答える義務があります...」

「まず、そのあたりから、始めるということですね...」茜が、頭をかしげた。

「そうです...

  〔人間の巣のパラダイム〕賛成なら...むろん、こうした政策を、国政レベルで推

してもらうということになります。それこそ大歓迎です」

大勢の国民が、正式に質問を寄せた場合、無視するわけにはいきませんね、」

「そうです...

 

30年後、50年後の、社会・国家モデル”は、どうなのか?

 

  と、質問をするわけです...気候変動による自然災害の増加格差社会の深刻化

“地球温暖化対策”は、“具体的にどうするのか?”と質問をするわけです」

“本音の議論”を、仕掛けるわけですね?」

「そうです!

  〔人間の巣〕の展開は、国家レベルの政策としてどうなのかと...政治の大舞台で正

していくということです...〔人間の巣のパラダイム〕を、国が推進すれば、日本の社会

は急速に変わって行きます...現在の日本の大混乱は、このぐらいの大きな流れでな

いと、収拾がつかないということです」

「はい!」茜が、うなづいた。「でも...政治に、全てを預けてしまうことは、非常に危険

ですわ...〔21世紀・維新〕“核の部分”は、あくまでも“サイレント・マジョリティー”

の側に残しておきたいですね...

  時代大きくシフトして行くわけですが、大企業などの資本主義社会既得権勢力

が、黙っているとは思えません...」

「その通りです...

  しかし、この国の主権者は、国民です。大企業選挙権があるわけではありません。

特に若者には、自分たちの未来社会が、〔人間の巣〕展開にかかっているということ

で、真剣に取り組んでほしいと思います」

「はい!

  まず、“30年後、50年後の社会・国家モデル”はどうなのかと...各政党政治

候補者に、質問するということですことですね?直接質問すればいいのかしら?」

「そうですね...

  何か、答えが返って来るはずです。それによって、2007参議院選挙、そして、

今後の政治の方向が、劇的に変化して行きます。国民が求めている、長期的ビジョン

/国家モデを、政治も真剣に考えざるを得なくなります...

  そこで、どうするかということです...ごまかしは、ききません...」

「はい!時代が大きく前進することを、期待しています!」

 

  〔3〕 〔極楽浄土/理想郷〕への   

          遠かった回り道・・・/道草・・・ 

                  

 

「ええ...」茜が、体を乗り出した。「2007参議院選挙が...いよいよ激戦の様

です...

  でも、テーマは、“年金問題の整理”...“政治家のカネの問題”...そして空中に

ワフワ浮いているような、国民とは乖離した、急ぐ必要もない、憲法問題...

  うーん...どれも後ろ向きのような、“夢のない話”です。私たちは、30年後“未来

の社会モデル/国家モデル”の話を聞きたいのですが...」

「うーむ...」津田が、ゆっくりと肩を回した。「確かに...“夢のない話”ですねえ...

そうかといって、放置も出来ない...ともかく、政治“夢”を語らなくなりました...」

「まあ...」青木が、眼鏡をハンカチで拭きながら言った。「2007参議院選挙の論

戦というわけですが、中身が乏しいですねえ...ロケット・スタートかと思っていたら、

雨空での花火だったという感じです...」

「そうこうしているうちに、」茜が言った。「4号台風が襲い、新潟県中越沖地震が襲い、

影が薄くなってきた感じですわ...阿部・首相の後釜の話が、公然と出てきたり...」

一方で、」青木が言った。「政治のエンジンは、焼け付きそうなほど高速回転していま

す。まるで、大シケの海で、波に乗り上げ、スクリューが空転しているかのようです...」

「国民は、」津田が言った。「その大シケの海で、日々、必死で泳いでいます。一枚の板

切れを探して、浪間で喘いでいます...様々な犯罪が多発していますが、加害者である

彼等もまた、現状の日本社会の犠牲者なのです...」

「そうですね...」青木が、今度は深刻な顔でうなずいた。

 

「私たちが...」茜が言った。「提唱している、〔人間の巣〕は...

  個人に対しては、特別なケアは何もしません...ただ、誰もが、そこで存在すること

保証します。つまり、人生そのものを完全に保証します...私たちの望みは、ただそ

れだけなのですわ。非常に単純なことです...複雑で、有り余るような贅沢を望んでい

るわけではありません。ただ、安定した秩序ある社会を求めているだけです...

  人間の巣/半・地下都市/高機能空間〕は、全ての災害を克服し、気候変動にも

対処します。全ての社会福祉は、〔未来型・都市システム〕平等に保証します。頑丈

〔千年都市ですから、建て替えのコストもかかりません。エネルギーは、クリーン・エ

ネルギーで、十分に賄えるでしょう...

  自給自足農業と、多少の特産物を流通させ...あるいは、質素なリゾートを提供すれ

ば...心豊かな暮らしが保障されます。かつては、そのような村や町は、日本中のいた

る所に実在していたのです。ですから、難しいシステムではありませんわ...

  人類文明は...この、〔人間の巣という簡単なシステム...〔理想郷〕に到達する

のに、随分と遠回りをして来たのではないでしょうか...私たちは、長い間、まさにこの

〔理想郷〕を追い求めてきたわけです...

  でも、気がつけば、それはこんなに簡単に手に入るものだったのです...簡単なシス

テムだけに、非常に強固なものです。人間の、ごく自然な生活スタイルだから、非常に強

なのです...“貪る”ということを、止めることです...

  私たちは、今まで、このことに、“気付かなかった”のですわ...それは何故か...そ

れは、これまでは、その“機が熟していなかった”のだと思います。それには、“文明の

折り返し”という、“時”を待つ必要があったのでしょう...」

  茜が、モニターに見入っている、高杉の方に目を流した...

「塾長は...」茜が、高杉に話しかけた。「禅修行における“覚醒/悟り”について...

何度も話されています...」

  高杉が、茜の方を見た。

「人類が...」茜が言った。「〔理想郷〕を追い求めながら...それが見えなかったの

は、そういうことなのでしょうか?」

「うーむ...そうですね...“機が熟していなかった”とは、言えるでしょう...」

「塾長は、何度も言われていますわ...

  “覚醒/悟り”とは、“即・そこにあるもの”だと...私には、まだ、それが分らないので

すが...“機が熟していない”のだと、塾長は言われました。でも、その、まさに求め続

けているものとは、“覚醒”してみれば、そのようなものだということですね?」

「その通りです...」

〔人間の巣という簡単なシステムも...人類にとっては、そのようなものなのでしょう

か?」

「うーむ...」高杉が、顎に手を当てた。「そうかも知れません...

  人類文明も、〔人間の巣〕を必要とするには、その“機が熟す”まで、待たなければな

らなかったのでしょう...それが、“反・グローバル化/文明の折り返し”だったので

しょう...茜さんの言う通り、“悟り”と似ているかも知れません...今、人類全体が、そ

のことを“覚醒”しつつあるのかも知れません...」

「はい、」

「しかし...

  この、“大艱難の人類文明史”を完成させ...“ストーリイの原型”の中へ回帰させて

行くのは、この時代の、壮大なロマンです...大冒険です。私たちは、まさに、そうした

時代の、“永遠の今”の上に存在しています...

  もし、この“文明の折り返し”に失敗すれば、人類文明崩壊して行くでしょう。ニュー

トンが予言していたように、あと50年ほどで終末が来るとすれば...22世では、

類文明の廃墟を見ることになります...その時、どの程度の人間が、生き残っているの

かは分りませんが...」

「はい...」茜が、ボンヤリと言った。

「まあ、激減しても、多少は残っているでしょう...

  しかし、それとても、安定して存在しているとは限りません。もし、生態系そのものが

安定していれば、現生人類/ホモサピエンスは、ゆるやかに次の新人類へと、その“空

きニッチ”を譲って行く過程とも考えられます...」

「でも、生態系そのものが、激変した場合はどうなのでしょうか?」

「うーむ...

  高度に発達したDNA/生命進化の記憶は...“36億年の彼”の中には残るでしょ

う...そして、さらに、次のステップの、生命潮流を形成して行くと思われます。しかし、

激変が、《6度目の種の大量絶滅》となった場合、そのダメージは、計り知れないもの

になります...」

「はい...」茜が、肩をかしげた。

                                

「そうですねえ...」津田が、天井を見上げた。「今思えば...“核爆弾”を作ったり、

戦争をくり広げたり、バカなことをしてきたものです...」

「そうですね...」茜が、津田にうなづいた。「宗教の時代があり...神の裁きと、理想

を説き...命がけの布教がありましたわ...

  そして、数多くの戦争がありました...芸術スポー平和を訴えもしました...

産業革命(18世紀後半)があり、緑の革命(1960年代の農業技術革新/この後、人口爆発)があり、それ

でも、〔理想郷/パラダイス〕は、やってこなかったわけです...

  それに...国際連盟か創設され...続いて、国際連合が創設され...共産主義革

も試みられました...でも、結局、〔理想郷/パラダイス〕は、そこにはありませんで

した。むしろ、機動力火力飛躍的増大で、戦争地球規模にまで拡大しましたわ」

「そうです...」津田が、固く手を組んだ。「水素爆弾中性子爆弾を搭載した、大陸間

弾道ミサイルという、大破壊力/地球戦略兵器にまで到達してしまいました...それ

は、現在も、そのが完了していません...

  そうした冷戦構造を勝ち残った、“資本主義・市場経済原理”も、結局、〔理想郷〕を与

えてはくれませんでしたねえ...“欲望の原理”が表面化しただけでした。“資本主義・

市場経済原理”ダイナミズムは、有限な地球表面で、“地球温暖化”の壁にぶつかっ

ています...」

「そして...」茜が、明るい顔で言った。「その極限状況の中で見えてきたのが...〔人

間の巣という単純なシステムでした...その、ごく、単純なシステムの中に、〔理

郷/パラダイス〕可能性が見えてきました。

  〔人間の巣〕による、〔極楽浄土〕の姿です。自然と調和した、適正な人口による、

立性の高い...多様な、〔人間の巣〕への“分散”です...生態系と同調する“多様性”

への回帰です...

  結局、何の事はありませんわ...これは、“生態系の姿そのもの”だったのですわ。

かって、“人類文明が歩んできた道程”に、“確かに存在していた過去の姿”だったので

す。このことに気付くのに...人類文明は、ずい分と遠回りをしてきた様ですわ...私

は、このことを言いたかったのです...」

「まあ、しかし...」津田が、慎重に言った。「これには、“世界政府/地球政府”の創

設が、重要になります...地球上での戦争・紛争の克服です。それがあった上での、

20世紀初頭の、素朴な農村風景”...それが、〔理想郷/パラダイス〕の姿だったわ

けです」

「はい!」茜が、うなづいた。

「そして...人口爆発と、“地球温暖化”の中で...その時代へ回帰するには、〔人間

の巣のパラダイム〕が必要だということですね」

「その通りですわ!

  確かに...これは、“文明の第2ステージ”から、“文明の第3ステージ”への、パラダ

イム・シフトがあってこそ、実現するのだと思います。そこに、“近道”は確かに存在して

いたかも知れませんが、人類納得しませんでした。

  “地球温暖化”の現実が突きつけられて、ようやく、重い腰を上げたのですわ。その

“機が熟し”、それでようやく、“脱・車社会”を現実のものとして、直視するようになったの

です...確かに、私自身もそうでした、」

「ともかく...」高杉が言った。「この、“反・グローバル化/文明の折り返し”の波は、

本物でしょう...日本は、世界に先駆けて、〔人間の巣〕を展開して行くことになるでしょ

う...

  日本の若者が、人類の未来社会へ、“文明の舵”を大きく切って行くことになると思い

ます。そうした未来型社会を、切り開いていくことになると思います」

「はい!」茜が、コクリとうなづいた。

 

 

  〔4〕 生命潮流/・・・進化・複雑化のベクトル 

     資本主義/社会主義/大宗教・・・巨大組織化の限界

            wpeA.jpg (57117 バイト)      

「さて...」高杉が言った。「茜さんの要望ですので...生態系におけるシステムの巨

大化について、ここで話しておきましょう」

「あ、お願いします」茜が、頭を下げた。「それと、〔人間の巣〕の関係ですね、」

「そうです...

  “生態系空間”は...多様性・複雑化のベクトル(力と方向)の場です...そういう強力な

バイアス(偏向)が働いている場です。

  これは、熱力学の第2法則/エントロピーの増大と拮抗する...生命潮流/進化・構

造化奔流の中にあるということです...本来的に、そういうベクトルが働いているとい

うことです...

  つまり、巨大化・単調化のリズムは、適さないし、それは崩壊して行き、安定しないと

いうことです。人類文明が構築してきた巨大な社会システムも、結局、安定したシステム

は、1つも作れなかったということです...

  何故かと言えば、生命潮流のベクトル/多様性・複雑化のベクトルの中にあったから

です。しかし、さらにそれを、科学文明強力な機械力で推し進めると、今度は地球生

態系システムの方が、崩壊し始めてたというわけです...これが、地球生命圏の現状

というわけですね...」

「はい...」

「さて...」高杉は、モニターの方に目を移した。「具体的に、話しましょう...

  資本主義システムの限界についてです。“資本の蓄積”というシステムは...本来、

悪いものではないのです。社会をダイナミックに波動させ、悲喜こもごも、豊かな文明

作り上げてきました。人間もまた、そうした文化・文明を受け入れ、愛してもきました。そ

れが、類の歴史の軌跡です...

  確かに、様々な確執も生みましたが、社会はそうしたシステムを受け入れ、またそれ

と、戦っても来ました...それが、良くも悪くも...情緒豊かな社会を紡(つむ)出し、

トーリイ歴史性を描き出して来ました...成功と情熱正義と邪悪の姿を、文明の鏡

に映し、そうした文明の精華を、歴史性の中に、情緒豊かに描いてきました...」

「はい...」茜が、まばたきした。

「しかし...現在...明らかに、“資本の蓄積”は、巨大化し過ぎてしまいました。同時

に、世界のグローバル化が進行し、資本主義肥大化し過ぎています。富の寡占

進行し...慣習法的社会秩序凌駕・破壊し...人類文明そのものを、押し潰そ

としています...

  その結果、複雑化・多様化のベクトルの中に、巨大で単調なリズムが成長し、機械力

で推進されています。それが、現在の世界の姿です...巨大資本巨大軍事組織

の寡占化...使いきれないほどの莫大な富が集中する人間の存在などは、まさに異常

な状況と言えます...また、生まれながらにして、そこが貧困とスラム社会だというの

も、正しい文明社会の姿とは言えません...」

「はい...」

「特に...

  グローバル化した中で、“投機的マネー”が世界中で暴れ回っている姿は、“資本主

義・経済至上主義”終末的現象でしょう。その欲望的側面が、社会や地球そのもの

を、破壊し始めています。巨大化した企業システムは、それが分かっていても、自らそれ

を停止することができません...」

「その通りですわ...

  巨大になり過ぎて、資本全体が堕落した観があります。でも、〔人間の巣〕の単位でな

ら、その長所が生かせるわけですね...だから、私たちは、〔人間の巣の単位で、

本主義を導入するのを、拒んではいません...多様性の一環として、それは、大いに認

めています...」

「そうですね...

  社会主義社会にしてもそうですが...それがあまりにも巨大化し、肥大化したからこ

そ、いわゆる社会主義革命も、失敗したのでしょう...つまり、資本主義も、社会主義

も、〔人間の巣のサイズ〕でなら...構造的に腐敗・停滞することもなく...十分に成功

すると言うことです...

  また、〔人間の巣のパラダイム〕でなら、それは安定するということです...“生態系

空間”での、複雑化・多様化の許容範囲だということです...ただし、“世界政府”が、

単一システムで、強力に管理しようとすると、それは崩れて行きます...多様化・複雑

は、失われて行くということです...これは、日本という国家レベルでも同様です」

「はい...」

「これは、宗教にしても、同じでしょう...〔人間の巣のパラダイム〕でなら...その

イズでなら、うまくゆくでしょう...」

「はい...」

“生態系空間”では...システムが肥大化すると...実質的に、うまくいかなかったよ

うですね。必ず、複雑化・多様化の芽が出てくるわけです...

  イデオロギーにおいては、社会は停滞し、文化は衰退します...宗教においては、

派的解釈が生まれてきます...現在、世界は、まさにその極致のような、混沌とした、

単調なトーンに陥っています。地球社会全体が、非常に大きな閉塞感の、ストレスの中

にあります...」

「うーん...」茜が、肩をかしげた。「でも...〔人間の巣〕による多様性への回帰で、

〔極楽浄土/理想郷/パラダイス〕が、いよいよ視界に入ってきたわけですね...こ

のことに気付くのに、人類は、“ずい分と遠回り”し、“道草”をして来たということですね」

「うーむ...そうです...」

 

           

「ええ...」青木が言った。「2007参議院選挙では...〔人間の巣〕の展開が、

政治的にも始動して行くと思われます...

  今後の、激動の政治状況の中でも、この潮流は消えることはないと考えます...“50

年後の地球の姿”を考える時、〔人間の巣のパラダイム〕は、必須のものとなります。

“地球温暖化対策”の中で、特別な技術大資本を必要とせず、急速に世界展開できる

のは、おそらくこの方法だと思われます...日本が、その先鞭をつけることになります」

「はい!」茜が、うなづいた。「ええ...現在、2007参議院選挙の真っ最中です。

  そうした中で、最大クラス“巨大台風4号”が、日本列島を縦断するように襲いまし

た。また、それと重なるように、新潟県中越沖地震”が発生しました。いずれも、大き

な被害が出ています...

 

犠牲になられた方々の、ご冥福をお祈りします...

また、被災された多くの方々に、お見舞い申し上げます...

 

  2007参議院選挙の只中で...まさに、立て続けに...大きな自然災害に襲

われています。私たちは、今後頻発すると思われる、こうした自然災害克服するため

にも、頑丈〔人間の巣〕の展開を急ぐことを提案します...

  今後、予想される、深刻な気候変動に対し...多発する自然災害に対し、私たちの

都市は、あまりにも脆弱(ぜいじゃく)なのではないでしょうか。

  私たちは、頑丈〔人間の巣/未来都市〕の展開を急ぎ...かつ、様々な社会問題

根本解決をも、〔人間の巣のパラダイム〕で対処して行くべきだと考えています...」

 

       wpeA.jpg (38590 バイト)   

「茜です...

  ありがとうございました。このページは、これで終わります。2007参議院選挙

決断に関しては、2007参議院選挙/決断と投票準備しています。どうぞ、ご期

待下さい

 

 

    

  この単位なら、社会は強いアイデンティティーを持ち、かつダイナミックに波動して行け

るだろうという事です。規模が小さ過ぎては、ムラ社会になってしまいますし、大き過ぎる

“慣習法的ネットワーク”が希薄になり、システムとしての比重が高まります。

 

 

  一定以上の規模以上に拡大して行くと、

 

 

  どんなに素晴らしい宗教でも、厳格な帝国でも、理論的なイデオロギーでも、規模が

拡大して行くと、たちまち内部的エントロピーが増大して来るわけです。その限界規模/

理想的な社会規模が、〔人間の巣〕だろうという事です...