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           釈迦・・・10大弟子 (1~498)        

                                    

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 6月  1日

 

岡田健吉‏@zu5kokd1                            

《仏教/雑学》・・・(165)

【釈迦・・・10大弟子】 (1)


さて、今回は…

釈尊その人ではなく、その周囲から仏教教団成立当時の、<原始仏教(/ 釈迦が生きていた

時代を含む初期のおよそ150年から200年の間の仏教をいう。根本仏教、主流仏教とも呼よばれる)の風景>を考

察してみます。

お釈迦様直接的弟子は、1250人とも2000人超えるとも言われます。中でも

れた者を、<500羅漢>(らかん/阿羅漢の略。仏教において、尊敬や施しを受けるに相応しい聖者のこと)

 

岡田健吉‏@zu5kokd1                

《仏教/雑学》・・・(166)

【釈迦・・・10大弟子】 (2)


<16羅漢><10大弟子>などと、呼んでいた様です。

今回<釈迦10大弟子>考察しますが、この10人は、どの様にして定められたの

でしょうか。

『維摩経』(ゆいまきょう/大乗仏教経典の1つ。別名『不可思議解脱経』(ふかしぎげだつきょう)・・・一般に用いられる

のは鳩摩羅什(くまらじゅう)の訳。)による説では…お釈迦様がある時、病臥(びょうが)する維摩居

(ゆいまこじ/古代インドの豪商、毘舎離城(びしゃり・じょう)の富豪で、釈迦の在家の弟子。 )見舞いに…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1                            

《仏教/雑学》・・・(167)

【釈迦・・・10大弟子】 (3)


舎利弗(しゃりほつ)目犍連(もくけんれん)をはじめとする、10人高弟を遣わされしました。

その時の10名をもって、<10大弟子>と定める…とある様です。

ええと…

まず、その<10大弟子>紹介しておきましょう。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1                

《仏教/雑学》・・・(168)

【釈迦・・・10大弟子】 (4)


● 舎利弗(しゃりほつ/シャーリプッタ)・・・<智慧(ちえ)第一>

● 目犍連(もくけんれん/モッガラーナ)・・・<神通(じんつう)第一>

● 優波離(うぱり/ウパーリ)・・・<持律(じりつ)第一>

● 富楼那(ふるな/プールナ)・・・<説法(せっぽう)第一>

 

岡田健吉‏@zu5kokd1                            

《仏教/雑学》・・・(169)

【釈迦・・・10大弟子】 (5)


● 阿那律(あなりつ/アヌルッダ)・・・<天眼(てんげん)第一>

● 迦旃延(かせんねん/カッチャーナ)・・・<論議(ろんき)第一>

● 須菩提(しゅぼだい/スブーティ)・・・<解空(げくう)第一>

● 羅睺羅(らごら/ラーフラ)・・・<密行(みつぎょう)第一>

 

岡田健吉‏@zu5kokd1        

《仏教/雑学》・・・(170)

【釈迦・・・10大弟子】 (6)


● 阿難陀(あなんだ/アーナンダ)・・・<多聞(たもん)第一>

● 大迦葉(だいかしょう/マハー・カッサパ)・・・<頭陀(ずだ)第一>


…の10人です。



 6月  2日

岡田健吉‏@zu5kokd1        

《仏教/雑学》・・・(171)

【釈迦・・・10大弟子】 (7)


紀元前500年頃

釈迦族の王子/ゴータマ・シッダールタは…多感少年時代を過ごし、ついに出家して

王宮を出…空前絶後苦行の果てに絶望し…

苦行の地/伽耶山(がやーせん)を下りて尼連禅河(にれんぜんが)のほとりを彷徨(さまよ)

やがて、金剛座(こんごうざ/行者たちの正座の場所)菩提樹(ぼだいじゅ)の下<覚醒/悟り>

に至ります。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1                

《仏教/雑学》・・・(172)

【釈迦・・・10大弟子】 (8)


その後…

苦行仲間達の去って行った鹿野苑(ろくやおん/古来より仙人の住処として名高い所)へ赴(おもむ)き、

彼等を見つけて、<初転法輪>(しょてんほうりん/釈尊が初めて仏教の教義/法輪を、人々に説いた出

来事。)が行われます。

じきに、その中から覚醒する者が出て来て、釈尊<布教/・・・自らが覚醒した真理

を他社に伝える事>に、自信を得ます。

<釈迦10大弟子>たちが参集して来るのは、その少し後の事になります。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1        

《仏教/雑学》・・・(173)

【釈迦・・・10大弟子】 (9)

・・・舎利弗 (しゃりほつ/サーリプッタ、シャーリプッタ)・・・<智慧第一>


舎利弗
は…

摩訶陀国(まがだこく/仏典にある国名)の都/王舎城(おうしゃじょう)の近く、霊鷲山(りょうじゅせん/

古代インドのマガダ国の首都、王舎城の北東にあり、釈尊が法華経などを説いた山。山頂の形が鷲(わし)に似るので、ま

た、山中に鷲がいたので、この名があると言います。)の麓(ふもと)ナーラカ村で、バラモン階級(/バラ

モン教の僧侶)の子として生まれています。当時インドでは、子供名前母親名前

らとる…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1                

《仏教/雑学》・・・(174)

【釈迦・・・10大弟子】 (10)


風習がありました。サーリプッタは、母の名/ルーパサーリーから取り、サーリーの子

の意味だと言います。

舎利弗は…

バラモンの子のとして、宗教哲学を学び、十代の頃から近隣に名が轟いていたと言い

ます。そして、近くのクーリカ村に…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1        

《仏教/雑学》・・・(175)

【釈迦・・・10大弟子】 (11)


コーリタというバラモン聡明少年がいて、2人仲が良かったと言います。

実は、この少年が…

● 目犍連(もくけんれん/モッガラーナ・・・神通(じんつう)第一)でした。2人は同じバラ

モンの子として、一緒に行動する事が多かったのだと…思われます。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1                            

《仏教/雑学》・・・(176)

【釈迦・・・10大弟子】 12)


そしてついに、一緒に出家し、<懐疑論者/サンジャヤ>師事しています。これは、

後に、<六師外道>(ろくげどう/当時、マガダ国一帯で活躍した6人の思想家たち。仏教の側から見て異端)

1人になるサンジャヤです。

この当時…

摩訶陀国/王舎城の一帯には…バラモンの教えに満足しない新興思想家が…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1        

《仏教/雑学》・・・(177)

【釈迦・・・10大弟子】 (13)


<バラモンの根本聖典/ヴェーダ>に従わずに、自説を賑やかに主張しあっていま

した。2人も、その時代の空気の中で、<自らの・・・心の安住の地>を求めていたわけ

です。

その、<懐疑論者/サンジャヤ>教えと言うのは…



 6月  3日

岡田健吉‏@zu5kokd1        

《仏教/雑学》・・・(178)

【釈迦・・・10大弟子】 (14)


<人間は一切の真理を知ることはできない。全ては疑わしいものである>

…と、<懐疑論(かいぎろん)/不可知論(ふかちろん)提唱して、250人弟子があった

と言います。サーリプッタコーリタも、それに含まれていたわけですね。

<懐疑主義>というのは…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1              
                        
舎利弗 (国宝) 奈良/興福寺・国宝館/制作年代: 奈良時代

《仏教/雑学》・・・(179)

【釈迦・・・10大弟子】 (15)


簡単に言えば…

基本的原理・認識に対して、その普遍性・客観性吟味し、根拠のないあらゆる独断/

ドクサ排除しようとする主義です。

これに対して…

絶対的明証性をもつとされる基本的原理/ドグマ根底におき、そこから世界の構造

を…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1                            

《仏教/雑学》・・・(180)

【釈迦・・・10大弟子】 (16)


…明らかにしようとする立場を、<独断主義>と言います。まあ、ここでは、これ以上深

入りしないことにしましょう。ただ、この懐疑主義/懐疑論は、<無神論>へとつながる

ことが多かった様です。

さて…

<六師外道(ろくしげどう)六師の教えは、いずれも、バラモン教カースト制束縛

嫌っていていた様です。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1             
                        
舎利弗 (国宝) 奈良/興福寺・国宝館/制作年代: 奈良時代

《仏教/雑学》・・・(181)

【釈迦・・・10大弟子】 (17)


後に、お釈迦様が説かれた…

<人は生まれによって尊からず>言葉は、当時の、こうした先進的思想育まれた

ものと、思われます。

舎利弗目犍連は…

近隣名が轟くほどの若者達でしたから、<懐疑論者/サンジャヤ>の下でも高弟

上り詰めています。


 6月  4日

岡田健吉‏@zu5kokd1              
                          
   舎利弗 (国宝) 奈良/興福寺・国宝館  制作: 奈良時代

《仏教/雑学》・・・(182)

【釈迦・・・10大弟子】 (18)


しかしその懐疑論は、2人にとって、真に満足の出来るものではなかったのです。

彼等が、<懐疑論者/サンジャヤ>の下で数年を過ごした頃…最初舎利弗が、

舎城托鉢(たくはつ/僧が修行のため、鉢(はち)を持って、家の前に立ち、経文を唱えて米や金銭の施しを受けて

回ること)釈尊の弟子/アッサジと出会います。

アッサジは、<釈尊の教え>とは…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                        
     舎利弗 (国宝) 奈良/興福寺・国宝館  制作: 奈良時代

《仏教/雑学》・・・(183)

【釈迦・・・10大弟子】 (19)


<全てのものは・・・原因/因果があって生ずる。

この世の中のあらゆる物事・現象は・・・すべて互いに関連し合っていて・・・何ひと

つ孤立したものは無い・・・>

…と、<釈尊の教えの中心/縁起(えんぎ/ものごとの起こり。吉凶の前兆→縁起が悪い)の思想

・・・>を述べました。

現代人/科学的パラダイムの中にいる私達には、当然のことと思われますが、当時

新鮮な思想だったのでしょう。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1          
                        
     舎利弗  奈良/薬師寺  製作: 平成14年(2002年)に彫刻家/中村晋也

《仏教/雑学》・・・(184)

【釈迦・・・10大弟子】 (20)


もっとも…

さらに詳しく言えば、<科学的懐疑主義>(/言説が経験(実証)にもとづいた研究によって支持されて

いるのか、再現性を備えているのかを吟味・検討する活動。科学的懐疑主義は哲学の懐疑主義とは異なります。厳格な

哲学的懐疑主義は、世界の性質を知るための我々の知識や能力をも疑います。科学的懐疑主義というのは妥当な証拠

を欠いていると思われる主張に反対しはするが、批判的思考と帰納的推論は(懐疑せず、受け入れて)利用する。)など

…というものもあるわけですが、それはまた、別の機会考察する事にします。

ともかく舎利弗は…

即座に、アッサジ言葉の要旨(ようし/述べられた事の大事な筋)理解しました。そして、その

教え素晴らしさ感動しました。舎利弗目犍連は、<釈尊の教団>加わる事を

決めました。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1          
                             
舎利弗  奈良/薬師寺  製作: 平成14年(2002年)に彫刻家/中村晋也

《仏教/雑学》・・・(185)

【釈迦・・・10大弟子】 (21)


そして…

師/サンジャヤにも、一緒<釈尊の教団>移る事を勧めます。しかし、サンジャヤ

は、頑として、受け容れませんでした。

そこで…

高弟である舎利弗目犍連は、サンジャヤ弟子250人を引き連れて、<懐疑論者/

サンジャヤ>の下を出て行きます。その時、サンジャヤは…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1         
                      
釈迦10大弟子  奈良/薬師寺  製作: 平成14年(2002年)に彫刻家/中村晋也

《仏教/雑学》・・・(186)

【釈迦・・・10大弟子】 (22)


口から血を吐いて悶絶(もんぜつ/もだえ苦しんで気絶すること)した、と伝えられています。

舎利弗目犍連は…

これまでの長い研鑽(けんさん/学問などを、みがき深めること)もあり、<釈尊の教え>吸収は、

目覚ましいものでした。目犍連は、7日<阿羅漢(あらかん/略して羅漢・・・阿羅漢は悟りを開いた

聖者であり、菩薩は仏の下の位のことですが、意味は同じです。)/悟りを開いた人・・・仏教において、

尊敬や施しを受けるに相応しい聖者のこと・・・>の域に達し、舎利弗半月到達

したと言います。



 6月  5日

岡田健吉‏@zu5kokd1              
                          
   舎利弗 (国宝) 奈良/興福寺・国宝館  制作: 奈良時代

《仏教/雑学》・・・(187)

【釈迦・・・10大弟子】 (23)


<母親である・・・サーリーの子>という意味だそうです。

お釈迦様は…

舎利弗<善友/よき同道者>と呼ばれ、非常信頼されていました。お釈迦様

子/羅睺羅(らごら/釈迦10大弟子の1人)出家した時は、沙弥戒(しゃみ・かい/沙弥とは、出家はし

たがまだ具足戒を受けず、出家修行者である比丘になる以前の少年・・・沙弥戒とは、沙弥がたもつべき不殺生戒等の

を内容とする、仏教において沙弥および沙弥尼が守るべき10ヶ条の戒律をいう。)戒師(かいし/戒律を授ける法

師)となって末永い指導を、依頼しています。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1        

《仏教/雑学》・・・(188)

【釈迦・・・10大弟子】 (24)


仏教教団本拠は…

<祇園精舎の鐘の音は・・・>と…琵琶法師(びわほうし/琵琶を弾くことを職業とした盲目僧の芸人で、

平安時代中期におこった。)に歌われる、祇園精舎に置かれていましたが、この精舎(しょうじゃ/仏

教の比丘(びく/出家修行者)が住する寺院・僧院のこと。また、その異名。)建築指揮を命じられたのも

利弗でした。

この精舎は…摩訶陀国(まがだ・こく)長者/スダッタ寄進ですが、舎利弗建築の才

あった様ですね。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1        

《仏教/雑学》・・・(189)

【釈迦・・・10大弟子】 (25)


また、この時…

その地方は、バラモンの一大勢力下にあり、その強大反対圧力とも戦う必要もありま

した。それで、遂に、公開問答決着をつけることになり、仏教教団舎利弗バラモン

修行者/赤眼(せきげん)対座しました。

赤眼も、ひとかどの人物であり…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1             
                          
   舎利弗 (国宝) 奈良/興福寺・国宝館  制作: 奈良時代

《仏教/雑学》・・・(190)

【釈迦・・・10大弟子】 (26)


…いさぎよく負けを認めた後に、舎利弗弟子入りを申し出ています。サンジャヤとは違

いますね。こうした話で、思い出すのは、道元禅師エピソードです。

道元は…

中国/宋で、天童如浄(てんどう・にょじょう)印可(いんか/精進した弟子に、師が力量の証明を与えること)

を受けて帰朝し、京都/建仁寺(/開山は、日本臨済宗の祖/栄西禅師。日本曹洞宗の祖/道元はその孫

弟子です。直接会ったことがあるかどうかは、微妙といいます。)に入りました。その道元に挑んできたのが

 

岡田健吉‏@zu5kokd1                

《仏教/雑学》・・・(191)

【釈迦・・・10大弟子】 (27)


孤雲懐奘(こうん・えしょう/永平寺2世。道元よりも年上で、最初の弟子)です。

そして、論破された懐奘は、道元弟子入りを申し出ます。建仁寺に身を寄せている

道元はそれを断りますが、京都/深草を結ぶと、それを受け入れています。

の頃から、『正法眼蔵』執筆を始めています。


 6月  6日

岡田健吉‏@zu5kokd1              
                          
   舎利弗 (国宝) 奈良/興福寺・国宝館  制作: 奈良時代

《仏教/雑学》・・・(192)

【釈迦・・・10大弟子】 (28)


それから、道元は…

京都/深草/興聖寺(こうしょうじ/京都府宇治市にある曹洞宗の寺院。日本曹洞宗最初の寺院)で…比叡

山/天台宗強大宗教的圧力を受ける事になります。

やがて…

道元帰依者で、有力武士越前地頭・六波羅(ろくはら)評定衆波多野氏(はたの・し/・・・

波多野義重)招聘(しょうへい/人を丁重な態度で招くこと)され…雪深い深山幽谷(しんざんゆうこく)

前の地で、永平寺(日本曹洞宗の中心寺院)開山します。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1        

《仏教/雑学》・・・(193)

【釈迦・・・10大弟子】 (29)


それも、祇園精舎の建設と同様に…壮大寺院建築、布教の仕事になるわけですね。

さて…

当時のインドでは、篤信者(とくしんしゃ/篤信とは、信仰のあついこと)施食所(せじきしょ)施宿所

(せしゅくしょ)各所に設けていて、<釈迦教団>比丘たちも利用していました。しかし、

そうした施(ほどこ)しに…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1                

《仏教/雑学》・・・(194)

【釈迦・・・10大弟子】 (30)


甘え過ぎるのを戒め、<1カ所で・・・食の供養を受けるのは1食>と、定められてい

ました。

舎利弗は、をおしてその戒律を守り、病気を悪化させた事がありました。それ以後は、

<病んでいない比丘は>の、1語が付け加えられたと言います。


 6月  7日

岡田健吉‏@zu5kokd1          
                        
     舎利弗  奈良/薬師寺  製作: 平成14年(2002年)に彫刻家/中村晋也

《仏教/雑学》・・・(195)

【釈迦・・・10大弟子】 (31)


こうした舎利弗ですから、<何処にいても・・・行動・所作に乱れがなかった>と言いま

す。その清浄托鉢の姿もまた、人々の帰依を集めたものと思われます。

晩年…

お釈迦様疲労などから、説法中断される事がしばしばありました。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1        

《仏教/雑学》・・・(196)

【釈迦・・・10大弟子】 (32)


その説法引き継ぎ、続けたのは、たいがい舎利弗目犍連だったと言います。しかし、

早く亡くなったのは目犍連であり、次に舎利弗お釈迦様80歳入滅しています。

舎利弗は…

自らの死期を悟ると、故郷ナーラカ村で死を迎えたいと考え…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1                

《仏教/雑学》・・・(197)

【釈迦・・・10大弟子】 (33)


最晩年お釈迦様お暇乞い(おひまごい)をします。お釈迦様<この竹林精舎で、

病を養うように>と、幾度も勧めました。しかし舎利弗は、<まだ、母が存命していま

すので・・・>と、あえて師のもとを辞します。

舎利弗は…

<お釈迦様を深々と拝し・・・

 

岡田健吉‏@zu5kokd1          
                        
     舎利弗  奈良/薬師寺  製作: 平成14年(2002年)に彫刻家/中村晋也

《仏教/雑学》・・・(198)

【釈迦・・・10大弟子】 (34)


・・・合唱したまま、一歩下がり・・・さらにまた頭を下げて、一歩下がり・・・さらにま

た、一歩下がり・・・道場の出口までの百歩ほどを・・・決してお釈迦様に背を向け

ず、後ずさりで退場した・・・>と、言われています。

舎利弗は…

故郷の家自分の部屋で…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1        

《仏教/雑学》・・・(199)

【釈迦・・・10大弟子】 (35)


をはじめとする近親の者に、渾身の力最期の説法をし…大きな満月のもと、息を

引き取ったと言う事です。舎利弗遺骨衣鉢は、付き添ってきたマハーチュンダが捧

げ持ち、お釈迦様のもとに運びました。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1         
                      
釈迦10大弟子  奈良/薬師寺  製作: 平成14年(2002年)に彫刻家/中村晋也

《仏教/雑学》・・・(200)

【釈迦・・・10大弟子】 (36)


舎利弗最後は…

これも、また…道元禅師死期を悟った時と似ています。道元享年54歳早世(そう

せい/若くて死ぬこと)しますが、彼もまた…生まれ育った京都に帰り…8月28日遷化(せんげ

/高僧が死ぬこと)しています。(★/・・・これは、私/岡田の誕生日で、些細な御縁に心を和ませています・・・★)

 

岡田健吉‏@zu5kokd1                

《仏教/雑学》・・・(201)

【釈迦・・・10大弟子】 (37)


道元に…

京都行きを勧めたのは、<永平寺の地>提供した波多野義重でした。道元は、

病気の診断を受けています。しかし当時の医術では、どうにもならなかったようです。

道元は…

火葬され…付添(つきそ)って来た懐奘(えじょう/永平寺2世)の手で、遺骨永平寺に運

ばれてました。これも、舎利弗の例と似ています。



 6月 15日

岡田健吉‏@zu5kokd1        
                    
        木造千手観音坐像  京都/三十三間堂   (/ネットより画像借用)

《仏教/雑学》・・・(202)

【釈迦・・・10大弟子】 (38)

・・・目犍連(もくけんれん/モッガラーナ)・・・<神通第一(じんつう・だいいち)


前に述べたように…

目犍連は…舎利弗幼馴染(おさななじみ)で、7日<阿羅漢>(あらかん/悟りに達した聖者)

に達した人物です。

阿羅漢お釈迦様弟子であり、<菩薩>(ぼさつ)とは、<仏の下の位>のことですが、

意味としては同じ位置にあります。

<観音菩薩>(かんのんぼさつ/観音様)<弥勒菩薩>(みろくぼさつ/現在は兜率天(とそつてん)で説

法していいますが・・・釈迦入滅後56億7000万年後に、仏となってこの世に出現する菩薩様です。/弥勒菩薩→弥勒仏

などといいますが…阿羅漢/羅漢と、菩薩同じ意味です。

目犍連は…

舎利弗と共にお釈迦様片腕となり、仏教教団を支えました。特に、この2人は別格であ

り…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1        
                    
      目犍連 (国宝) 奈良/興福寺・国宝館  /制作年代: 奈良時代

《仏教/雑学》・・・(203)

【釈迦・・・10大弟子】 (39)


<仏教教団の・・・2大長老>だった様です。

舎利弗祇園精舎の建築を進めたように、目犍連東園精舎(とうえん・しょうじゃ)/鹿子母

講堂(ろくしも・こうどう/お釈迦さまが在世中にあった寺院(/精舎・伽藍/がらん)の1つ。コーサラ国の長者、ミガーラ

(彌伽羅と音写し、鹿子と訳す)の夫人であるヴィサーカー(毘舎佉)という女性の在家信者が寄進。舎衛城外の東部にあ

り、2階上下にそれぞれ500の部屋があったといいます。)の建築を、指導しました。

竹林精舎祇園精舎に、東園精舎が加わり、布教の3拠点が確立して、仏教教団はさら

拡大していきます。



 6月 16日

岡田健吉‏@zu5kokd1          
                    
      釈迦10大弟子 (国宝) 奈良/興福寺・国宝館  /制作年代: 奈良時代

《仏教/雑学》・・・(204)

【釈迦・・・10大弟子】 (40)


さて…

目犍連<神通第一>と称されています。<神通力>などと言いますが、<神通>

はどういうものなのでしょうか。

こんな例が示されています…

摩訶陀国(マガダ・こく)首都/王舎城(おうしゃじょう/ビハール州首府・ラージギール)竹林精舎

いた目犍連と、コーサラ国(/現在のインドのウッタル・プラデーシュ州に相当)首都/舎衛城(しゃえい

じょう)の…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1           
                    
      目犍連 (国宝) 奈良/興福寺・国宝館  /制作年代: 奈良時代

《仏教/雑学》・・・(205)

【釈迦・・・10大弟子】 (41)


祇園精舎にいたお釈迦様は、神通力会話していたと言います。ある時、来訪した

利弗に、目犍連が言ったといいます。


「お釈迦様が・・・舎利弗は智慧と戒
(かい/いましめ)をよく知ることと、心の平静さにお

いて、最高の者である・・・と褒(ほ)めておられたぞ」

 

岡田健吉‏@zu5kokd1               
                    
    目犍連 (国宝) 奈良/興福寺・国宝館  /制作年代: 奈良時代

《仏教/雑学》・・・(206)

【釈迦・・・10大弟子】 (42)


…つまり…

こうした会話がなされるぐらい、目犍連神通力優れていたと言われます。

あらためて…

仏教における<神通力>何かと調べてみると、<仏や菩薩などの具備する・・・六

つの不思議な力>とあります。その<6つの・・・神通力>とは…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1   
                    
   釈迦10大弟子 奈良/薬師寺  製作: 平成14年(2002年)に彫刻家/中村晋也

《仏教/雑学》・・・(207)

【釈迦・・・10大弟子】 (43)


1、<天眼通/(てんげんつう)・・・人々の未来、死後の世界などを見通すことができる

    眼力>

2、<天耳通/(てんにつう)・・・自在に、一切の言語・音声などを聴くことができる聴

    力>

3、<他心通/(たしんつう)・・・他人の心を知ることができる能力>

 

岡田健吉‏@zu5kokd1            
                    
      釈迦10大弟子 (国宝) 奈良/興福寺・国宝館  /制作年代: 奈良時代

《仏教/雑学》・・・(208)

【釈迦・・・10大弟子】 (44)


4、<宿命通/(しゅくみょうつう)・・・前世は何であったか、前世で何をなしたかを知る能

    力>

5、<漏尽通/(ろじんつう)・・・煩悩を絶ち、この世と人生の、真理を悟りうる智慧>

6、<神足通/(じんそくつう)・・・空を飛び、身を隠すなどを・・・

 

岡田健吉‏@zu5kokd1        
                    
      目犍連 (国宝) 奈良/興福寺・国宝館  /制作年代: 奈良時代

《仏教/雑学》・・・(209)

【釈迦・・・10大弟子】 (45)


   ・・・意のままの行動が、自由にできる能力>


この中で<漏尽通(ろじんつう)だけが別格であり、<真理を悟りうる智慧>です。当然、

仏教で、最も重視されるのも、<漏尽通/・・・悟りの智慧>です。

さすがに…

<神通第一>目犍連が、7日<阿羅漢>に達したというのも、納得できます。



 6月 17日

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                                                 地獄の母を助けようとする目犍連     (/ネットより画像借用)

王をかばい《仏教/雑学》・・・(210)

【釈迦・・・10大弟子】 (46)


目犍連<神通第一/・・・漏尽通(ろじんつう)の智慧>とは…

清廉で、托鉢(たくはつ)の所作も美しい舎利弗<智慧第一>とは、<形態の違う・・・

智慧の姿>がうかがえます。

目犍連<他の神通力>で、地獄にいるのもとへ飛んで行ったり、王舎城(ろう)

幽閉されている…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                               韋提希夫人      (/ネットより画像借用)

《仏教/雑学》・・・(211)

【釈迦・・・10大弟子】 (47)


韋提希夫人(いだいけ・ぶにん/摩訶陀国ビンビサーラ王の妃・・・王子が王を幽閉し、その王をかばい、自らも幽

閉されます。絶望する彼女の前にお釈迦様が出現し、阿弥陀仏や浄土を観想する方法を教えます。この時の教えが、『観

無量寿経』(かん・むりょうじゅ・きょう)です。)の前に現れて、慰めたりと…不思議な能力を示したこと

が伝わります。

しかし、お釈迦様は…

弟子たちが<漏尽通>以外<神通力>を、むやみに使うことを禁止していました。

晩年お釈迦様故国/カピラ城(/ネパールとインドの国境付近)コーサラ国に滅ぼされた時

も…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1         
 
六道輪廻をあらわしたチベット仏教の仏画。恐ろしい形相をした「死」が輪廻世界を支配している  (/ネットより画像借用)

《仏教/雑学》・・・(212)

【釈迦・・・10大弟子】 (48)


<神通力/奇跡>によって救済することはしませんでした。

お釈迦様苦しまれますが…

故国滅亡するのも、それまでの<業(ごう)/カルマ・・・因縁・因果>によるものであり、

<神通力/奇跡>によって解決するのは間違いである、と説きました。<神通力によ

る解決>では、その因縁・因果・輪廻(りんね/サンサーラ・・・人が何度も転生し、動物を含めた生物に生ま

れ変わること)からは、抜けられないとしたのです。



 6月 18日

岡田健吉‏@zu5kokd1        
                    
      目犍連 (国宝) 奈良/興福寺・国宝館  /制作年代: 奈良時代

《仏教/雑学》・・・(213)

【釈迦・・・10大弟子】 (49)


それゆえに…

仏教は、<智慧・・・を説く宗教>であり、<奇跡・・・を説かない宗教>とも言われま

す。

もう1つ…

目犍連といえば、お盆を思い出す人が多いと思います。それは、盂蘭盆会(うらぼんえ/7月

15日を中心に7月13日から16日の4日間に行われる仏教行事。旧暦7月15日を中心に行われていたが、改暦にともない

新暦(/グレゴリオ暦)の日付に合わせたり、1カ月遅れの新暦8月15日や、旧暦のまま行っている場合に分かれていま

す )縁起(えんぎ/ものごとの起こり)に関わっているからです。伝説では、次の様に語られて

います…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                                                 地獄の母を助けようとする目犍連     (/ネットより画像借用)

《仏教/雑学》・・・(214)

【釈迦・・・10大弟子】 (50)


目犍連
が…

お釈迦様と共に祇園精舎にいた時…

<天眼通(てんげんつう)を探すと、なんと餓鬼道に堕ち、地獄にいました。食物

を受け付けなくなっていて、ばかりになり、痩せ衰えていました。

目犍連は、すぐに<神通力>で飛んで行き、ご飯を差し出しました。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1       
                    
      目犍連 (国宝) 奈良/興福寺・国宝館  /制作年代: 奈良時代

《仏教/雑学》・・・(215)

【釈迦・・・10大弟子】 (51)


喜びご飯を食べようとすると…それはに入れる直前に、となりました。では…

を与えようとすると…沸騰したお湯となり、飲むことができません。

そこで…

目犍連は、お釈迦様に助けを求めました。すると、お釈迦様が言われました…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                                                 地獄の母を助けようとする目犍連     (/ネットより画像借用)

《仏教/雑学》・・・(216)

【釈迦・・・10大弟子】 (52)


「そなたの母は・・・犯した罪が非常に深く、また貪(むさぼ)りの心も強かった。そなた

の孝行心が如何に篤(あつ)くても、そなた1人の力では、いかようにもし難(がた)い」

「では・・・どの様にすれば、母を救うことが出来るのでしょうか?」



 6月 19日

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                                                 地獄の母を助けようとする目犍連     (/ネットより画像借用)

《仏教/雑学》・・・(217)

【釈迦・・・10大弟子】 (53)


お釈迦様は、次のように、その方法を示されたと言われます。


「多くの僧が夏安居
(げあんご/夏の3カ月の間、僧が1カ所にこもって修行すること。夏行(げぎよう)、夏籠(げ

ごもり)を終え、懺悔(ざんげ/自分の以前の行いが悪い事だったと気づき、それを悔いて神仏などに告白すること)

のために集う7月15日に・・・

ご飯と、できる限りのご馳走と、香油(こうゆ/精油を混ぜた芳香のある油)・燈明(とうみょう)・敷物

を用意し、そなたの母に代わって、皆に供養(くよう/仏、菩薩、諸天などに、香・華・燈明・飲食などの

供物を、真心から捧げること。)するがよい。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                                                 地獄の母を助けようとする目犍連     (/ネットより画像借用)

《仏教/雑学》・・・(218)

【釈迦・・・10大弟子】 (54)


この日は・・・

90日間を座禅などで過ごした心身清浄な僧の中に・・・

<6神通を自由に発揮し得る・・・高徳の僧>、あるいは、<僧に姿を変えた・・・高

位の菩薩>も、混じっていよう・・・

これらの人々が、全ての力を合わせれば、その力は海のごとく広大である。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                                                 地獄の母を助けようとする目犍連     (/ネットより画像借用)

《仏教/雑学》・・・(219)

【釈迦・・・10大弟子】 (55)


したがって・・・

これらの僧に、心をこめて供養すれば、父母、六親眷属(ろくしん・けんぞく/父母・兄弟・妻子の

六親と親類の者)の人々までが、三途(さんず/死者が行くべき3つの場所。猛火に焼かれる火途(かず)、刀剣・

杖で強迫される刀途(とうず)、互いに食い合う血途(けつず)の3つで・・・それぞれ<地獄道・畜生道・餓鬼道>にあたる。)

の苦しみから救われるであろう。

父母が健在であれば、100年にわたって福徳の楽しみを受け・・・父母が亡くなって

いれば、天に生まれることが出来よう・・・」

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                                                 地獄の母を助けようとする目犍連     (/ネットより画像借用)

《仏教/雑学》・・・(220)

【釈迦・・・10大弟子】 (56)


一方、お釈迦様は…

比丘(びく/僧)たちに対しては、その供養を受ける時は…


「まず、施主(せしゅ/法事・供養をする主人役の人。また、寺や僧などに物をほどこす人。)の家のために祈

願の言葉を唱え、7世の父母たちの福を願い、座禅して心を静め、その後に、飲食

の供養を受けよ」


…と命じられました。



 6月 20日

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                                                原始仏教の舞台となった北東インドとネパール南部  (/ネットより画像借用)

《仏教/雑学》・・・(221)

【釈迦・・・10大弟子】 (57)


この時から…

毎年7月15日法要を行って供養し、父母の恩感謝し、餓鬼たちにも施し/施餓鬼

(せがき/施餓鬼会(せがきえ)。飢え苦しむ生類(しょうるい)や弔う者のない死者の霊に、飲食物を供えて経を読む供養)

が行われるようになりました。


仏教教団
勢力強大になって行くと…

既存<バラモン教><六師外道>(ろくしげどう/当時活躍した6人の代表的な自由思想家。王

権が伸張して旧来のバラモンの威信が次第に衰え、また貨幣経済が発展し、物質的生活が豊かになっていった時代を

背景に現れた思想家たち。)などの宗教勢力は、衰退することになります。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1    
                                                 原始仏教の舞台となった北東インドとネパール南部  (/ネットより画像借用)

《仏教/雑学》・・・(222)

【釈迦・・・10大弟子】 (58)


特に<懐疑論者/サンジャヤ>は、舎利弗目犍連250人の弟子仏教教団に連

れて行かれたわけで、恨みは深かったと言われます。

ある経典には、このように非難が記されていると言います…


「沙門しゃもん、Samana、 サマナ/出家して修行する人。仏教では、比丘と同義語/ゴータマ(/ゴータマ・シッ

ダールタ・・・お釈迦様の本名が、摩訶陀国(/マガダ国・・・摩掲陀国・摩伽陀国、とも漢字が当てられます)の山

に囲まれた…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                                                 王舎城/ラージギールの霊鷲山    (/ネットより画像借用)

《仏教/雑学》・・・(223)

【釈迦・・・10大弟子】 (59)


・・・都/王舎城(おうしゃじょう/現在のビハール州首府ラージギール)にやってきて、サンジャヤの

徒は全て引き入れた。今後は誰を誘うのか?」


この非難に対して、お釈迦様御自身が、この様に比丘たちを諭されています…



「如来(にょらい/釈迦を指す10の名称の1つ)は、正法(しょうぼう/正しい教え)をもって誘い給う。法

をもって誘う智者を、何故、妬(ねた)むことがあろうか・・・」

 

岡田健吉‏@zu5kokd1    
                                                   現在の祇園精舎     (/ネットより画像借用)

《仏教/雑学》・・・(224)

【釈迦・・・10大弟子】 (60)


これに対し、対抗勢力も黙ってはいなかった様です。当時、王舎城にあって、幅広い布教

推進力となっていた目犍連が、特に<敵視第一>とされていました。それに関連し、

こんな話も、経典によって伝わっています。


ある時…

お釈迦様<東園精舎>(竹林精舎、祇園精舎についで建てられた、第3番目の精舎/・・・祇園精舎は舎衛

城にありましたが、東園精舎は舎衛城の外側で、東部にありました。)で…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1    
                                                    現在/竹林精舎の跡     (/ネットより画像借用)

《仏教/雑学》・・・(225)

【釈迦・・・10大弟子】 (61)


<布薩(ふさつ/僧伽(そうぎゃ、サンガ・・・仏教教団)において、比丘・比丘尼たちが、月に2回集まり、具足戒の戒

本を読み上げ、抵触していないか確認し、反省・懺悔(ざんげ)する儀式)の日>のために集まった、弟子

ちに囲まれて座っておられました。

夜も更け9時が過ぎたので、<阿南陀(あなんだ、アーナンダ/釈迦10大弟子の1人で、<多聞第一>

であり、仏教における第3祖)が…


「皆も、待っておりますが・・・」



…と説法をお願いしました。しかし、お釈迦様無言のままです。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1    
                                                 原始仏教の舞台となった北東インドとネパール南部  (/ネットより画像借用)

《仏教/雑学》・・・(226)

【釈迦・・・10大弟子】 (62)


さらに時が過ぎ…夜明け近くなっても、お釈迦様沈黙しています。阿南陀3度目にお

願いすると、お釈迦様が言われました。


「今日の会は、清浄ではない・・・」


そこで…目犍連<神通力>比丘(びく/僧)たちのを全て観てみると、1人が…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1       
                    
      目犍連 (国宝) 奈良/興福寺・国宝館  /制作年代: 奈良時代

《仏教/雑学》・・・(227)

【釈迦・・・10大弟子】 (63)


<破戒僧>(はかいそう)であり、悪事を働き、隠していて、修行(おろそ)かにしている

事が分かりした。


「立ちなさい!」目犍連が、言いました。「世尊(せそん/釈迦の尊称・・・如来の10称号の1つ)は、

そなたの悪事を、全て知っておられる!そなたは、ここにいる資格はない!」


 6月 21日

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
      お釈迦様 彫刻  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(228)

【釈迦・・・10大弟子】 (64)


しかし<破戒僧>は出て行かず、さらに言葉を重ねても出て行きません。そこで目犍連

を取り、門外に引きずり出しました。そして、改めて説法をお願いすると、お釈迦様

説法を始められたという事です。

経典に書かれている事であり…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
  目犍連の頭上に、石を落とそうと狙っているのでしょうか? (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(229)

【釈迦・・・10大弟子】 (65)


当時の、仏教教団/僧伽(そうぎゃ、サンガ)空気感が伝わって来ます。


 ★ 目犍連の死 ★

当時反仏教勢力の中に、<裸形外道>(らぎょう・げどう)と呼ばれる過激グループがあっ

て、<敵視第一>目犍連テロの標的に定めていました。目犍連が選ばれたのに

は、人気のない山中での座禅を…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1   
                    
       目犍連への襲撃        (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(230)

【釈迦・・・10大弟子】 (66)


…好んだために、襲撃しやすかったという事も、あるのかも知れません。

<裸形外道>は、浮浪者たちをで雇い、暗殺計画を練っていました。

最初の襲撃は…

イシギリ山/仙呑山(せんどんさん/王舎城にあります。仙呑山の名前は、古来から500人にものぼる、独覚(ど

っかく/師がなく独りで悟ること)・聖仙たち呑み込んできたことで、この名があります。)の山中で、座禅中

犍連に対して行われました。50~60人浮浪者が…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
     当時の座禅風景            (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(231)

【釈迦・・・10大弟子】 (67)


を使って襲いかかりました。

しかし…

目犍連(にら)みつけると、その覇気(はき)全員脱落し、ヘナヘナと座り込んでしま

いました。

2度目襲撃は…

距離をおいて、を投げるという、飛び道具に変更して行われました。



 6月 22日

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
      お釈迦様 彫刻  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(232)

【釈迦・・・10大弟子】 (68)


しかしこの襲撃も、<神通力>途中で反れ、手前で落ちてしまい、に立ち

ませんでした。目犍連<神通力>威力です。

そこで、3度目襲撃は…

に変えて行われました。遠くから、小石雨霰(あめあられ)と投げつけました。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
  目犍連の頭上に、石を落とそうと狙っているのでしょうか? (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(233)

【釈迦・・・10大弟子】 (69)


1つ2つ当たると…

少し前へ出て、少し大きめの石を投げつけました。それが当たると、さらに前へ出て、

らに大きめの石を投げつけました。それから、どんどん石を投げ続け、ついに人の形

止めぬほどに、惨殺したと言われます。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
      お釈迦様 彫刻  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(234)

【釈迦・・・10大弟子】 (70)


何故…目犍連3度目襲撃も、<神通力>対処しなかったのでしょうか?

それには、お釈迦様自身が答えておられます…


「人の命は・・・

無常であることを、誰よりもよく知っていたのが目犍連である。

それは、病で死のうと、殺されようと、同じであろう。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1   
                    
       目犍連への襲撃        (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(235)

【釈迦・・・10大弟子】 (71)


2度までは・・・

法難を避けながら、3度目には神通力を使わずに、従容として死を受け入れたの

は・・・3度までも、襲撃される我が身の因縁を・・・内観して、知っていたからである。

目犍連ほどの人は、いかに残虐非道な殺され方であっても・・・

 

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
      お釈迦様 彫刻  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(236)

【釈迦・・・10大弟子】 (72)


・・・心安らかに、涅槃(ねはん)の時を、迎えられるのである・・・」


お釈迦様は…

<目犍連の非業の死・・・殉教>もまた、<業(ごう)/カルマ・・・因果応報>絶つ

めだったと、<智慧の道>を説いておられます。

目犍連も、お釈迦様も…

<神通力/奇跡で救われれば・・・

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
     当時の座禅風景            (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(237)

【釈迦・・・10大弟子】 (73)


・・・それでよし・・・ 一件落着!>…とは、しなかったのです。現象の起こる背後まで

抜き、その因果応報にまで対処したわけです。こうした因果分析的探求が、現代物理

科学的手法とよく似ています。

仏教は…

<神通力/奇跡>で、<即決/救済する・・・神の業>ではなく、<智慧の道を説く

宗教>…と言われるゆえんです。



 7月 8日

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
     優波離立像  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(238)

【釈迦・・・10大弟子】 (74)

・・・優波離(うぱり/ウパーリ)・・・<持律第一(じりつ・だいいち)


さて…<釈迦10大弟子>3番目優波離(うぱり)です。

優波離出自(しゅつじ/生まれ)で、最も象徴的なことは…

は、お釈迦様の故国/カピラ城では理髪師であり、<カースト制度・最下層/シュ

ードラ(奴隷)出身という事です。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
      お釈迦様 彫刻  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(239)

【釈迦・・・10大弟子】 (75)


お釈迦様は、何度か布教のために故国/カピラ国/カピラ城(/現在の、インドとネパール国

境付近に位置し、紀元前4-6世紀頃に存在した小国。)を訪れています。

そのな、ある時の帰路

7人若者がひそかにを出て、お釈迦様の後を追いかけました。1人<阿難陀/

・・・お釈迦様のいとこで、10大弟子の1人>で、5人良家の青年でした。そして、

優波離だけが、シュードラだったのです。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1
                    
     優波離  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(240)

【釈迦・・・10大弟子】 (76)


ここで、どうしても…

現在インドに残る、<社会的身分制度/カースト制度>というものを考えなければ

なりません。これは何故インド仏教衰退したのかとも、深く関係している様です。


現在
インド人に聞けば…

仏教は、もともとヒンドゥー教1派であり、ヒンドゥー教中に含まれると言います。

ラモン教/ヒンドゥー教という名前は、もともとインドにはなく、ヨーロッパ人が付けたも

のなのです。どちらも、<ヴェーダ聖典に依る・・・宗教>です。

<仏教以前のヴェーダの宗教を・・・バラモン教>といい、<仏教が起こった後のも

のを・・・ヒンドゥー教>と呼んでいます。そして、『ヴェーダ聖典』(/バラモン教の根本聖典)

は、インド土着の宗教ではなく、インド侵入して征服したアーリア人たちが編纂(へんさ

ん)したものです。

ドラヴィダ人インダス文明(/紀元前2300~紀元前1800年頃)終焉した後紀元前1500

年頃からインドに、イラン高原アーリア人侵入して来ます。

ドラヴィダ人肌の色が濃くアーリア人肌の色が白かった事から<ヴァルナ制

(/層の種姓に分割する宗教的身分制度・・・共同体の単位であるジャーティも併せ、カーストと総称されます。)

生まれています。紀元前800年頃から、青銅器に次いで、<初めて・・・鉄器を使い始

めて>います。


話を戻しますが、つまり

優波離だけが、<被征服民を主体とする・・・隷属民階級/・・・シュードラ>だった

のです。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1
                    
     当時の座禅風景            (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(241)

【釈迦・・・10大弟子】 (77)


しかし、お釈迦様の教えは…

<仏教は、ヒンドゥー教の一派・・・などというものではなかった>…のです。<お釈

迦様は・・・カースト制度を否定>されていました。それを、如実示されているのが、

優波離なのです。

<お釈迦様は・・・カースト制度を無視し・・・人間はみな平等>…と言われています。



 7月 9日

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
      お釈迦様 彫刻  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(242)

【釈迦・・・10大弟子】 (78)


<因果応報>は、原因結果を明らかにするもので、科学と似ています。また、<人

間はみな平等・・・生きとし生けるものは、みな平等>…とは、現代民主主義や、

科学的生物観とも似ています。

ちなみに…

インドにおいて、仏教繁栄継続しなかったのは、仏教<出家の宗教>であり…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1    
                    
                       (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(243)

【釈迦・・・10大弟子】 (79)


民衆の誰もが、出家できるものではなかったのです。

つまり…

<智慧の道・・・覚醒/悟り・・・は非常に困難な道だったから>…と、理解して

来ました。しかしそれに加えて、現実社会において、<カースト制度の抵抗圧力>

いうものが、非常に大きかったという…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
      上座部仏教  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(244)

【釈迦・・・10大弟子】 (80)


…事がある様です。

これは、今後とも、心に留めて置きたいと思います。なぜなら、その<困難な・・・覚醒

/悟り・・・智慧の道>…を、上座部仏教(/旧・小乗仏教・・・根本仏教、原始仏教とも言われます)

セイロン東南アジアへ…そして大乗仏教は、ガンダーラ(/現在のアフガニスタン東部からパキ

スタン北西部にかけて存在した、古代王国)から、シルクロードを経て、中国大陸を席巻し、朝鮮半

を通って、日本にまで伝来し、世界的宗教となっているからです。

<覚醒/悟り・・・智慧の道>…が、大衆にとって困難な宗教というのであれば、上座

部仏教南方に広がらなかったはずです。大乗仏教も、北方・東方には拡大しなかった

はずです。

おそらく、インドにおいては…

それに加えて、特殊事情の、<カースト制度の・・・抵抗圧力>が、あったのでしょう

か?


カースト制度
では…

人の身分は、生まれながらに決まっています。これは、生涯変える事ができません。

職業・結婚にも、厳しい制約がありました。日本近世/江戸時代においても…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1    
                    
    上座部仏教は、スリランカ、東南アジアに・・・  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(245)

【釈迦・・・10大弟子】 (81)


<士・農・工・商>という明確身分制度がありました。しかし、明治になって<平

民・新平民(/明治時代に四民平等を嫌がる平民の間から自然発生した、旧賤民(穢多・非人・部落民)に対する

蔑称)統一され…さらに<平民>完全平等になりました。

こうした日本の様な身分制度は、ヨーロッパ諸国にもありましたし、イギリスには現在

 

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
      お釈迦様 彫刻  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(246)

【釈迦・・・10大弟子】 (82)


貴族階級があります。また、王制/国王をいただく国家は、現在も世界中に多くあり

ます。そこには、一定の身分制度があるわけで、日本天皇制もそうした中に含まれ

ます。

ただし…

インドの様な、<強力な身分制度/・・・カースト制度>を敷く国家/社会で…それ

が、紀元前から継続して…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
    仏教の聖地            (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(247)

【釈迦・・・10大弟子】 (83)


…いるのは、おそらくインドだけでしょう。

混血血が混じり合い、文化的融合する中でも、紀元前から約3500年も続いて来て

いる、<ヴァルナ制(/ヴァルナは、肌の色の白いアーリヤ人が有色の非アーリヤ人を区別するために用いられ

た言葉で・・・後に、本来の意味を離れ、身分(種姓)やその制度をさす言葉となった。)/・・・カースト制度>は、

日本人には想像が絶するほどに、社会慣習深く根を張っている様です。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
     優波離立像  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(248)

【釈迦・・・10大弟子】 (84)


さて、優波離(うぱり/ウパーリ)に話を戻しますが…

<カースト制度・最下層/シュードラ(奴隷)優波離を含む7人カピラ城を出て、

お釈迦様のもとで出家しています。

しかも、仏教教団入門するにあたって、優波離は他の6人よりも上位に座しています。

普通なら、カピラ城王子であった…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1
                    
     優波離  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(249)

【釈迦・・・10大弟子】 (85)


お釈迦様いとこ/阿難陀が、自然と上位に来て然るべきです。彼等も、そのように

行動をとっていたはずです。

この事は…

仏教教団として、<階級制度を嫌い・・・人間の質を尊ぶ>という姿を、如実に示し

ています。7人の内、優波離上位に座した、その経緯については、幾つかの説があり

ます。


1つは…



 7月 10日

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
      お釈迦様 彫刻  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(250)

【釈迦・・・10大弟子】 (86)


優波離近道をして、6人よりも先にお釈迦様の所に着いたという話です。

7人カピラ城脱出した一行は、国境を越えた所で優波離以外6人が、身に付け

ていた装身具を全て外し、上着に包み、それらを優波離に与えました。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1                    
                    
      インドの古代装身具                   (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(251)

【釈迦・・・10大弟子】 (87)


「さあ…」阿難陀(あなんだ/アーナンダ)が言いました。「これを持ってに帰るがよい。これ

だけあれば、今後安楽に暮らせるだろう」

6人は、先を急ぎ…

優波離は、長い間呆然としていました。そして、全てを捨てるのなら、自分出家したい

という、願望決意が湧いて来ました。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1       

《仏教/雑学》・・・(252)

【釈迦・・・10大弟子】 (88)


そこで…

優波離荷物を木の枝にかけ、一刻も早くお釈迦様の元へ行きたいと急ぎ、近道をし

て、6人よりも先に着いていました。

優波離は…

カピラ城ではシュードラの身分でしたが、お釈迦様のもとで受戒(じゅかい/信者・出家が戒を

受けること)したいと、必死に願い出ます。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
      お釈迦様 彫刻  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(253)

【釈迦・・・10大弟子】 (89)


お釈迦様は…

それを快く受け入れ<具足戒(ぐそくかい/出家した比丘が遵守(じゅんしゅ)すべき戒のこと)

(さず)けました。

少し遅れてやって来た6人にも、<具足戒>を授け…優波離先輩比丘として拝する

ようにと言いました。

優波離にとっては、寝耳に水の話ですが、先輩先輩という事です。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
     優波離立像  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(254)

【釈迦・・・10大弟子】 (90)


2つ目の話は…

優波離6人を追いかけて、彼等合流し、共にお釈迦様のもとに着いたというもので

す。7人全員帰依(きえ/仏や神など、すぐれたものを頼みとして、その力にすがること)許されると、誰

最初に、<受戒の儀/具足戒の儀>を受けるのか、ということになりました。

にいた時は…」跋提(ばつだい)という者が、言いました。「私達には…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
      お釈迦様 彫刻  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(255)

【釈迦・・・10大弟子】 (91)


驕慢(きょうまん/人をあなどって勝手にふるまうさま)の行いがありました。優波離は、その私達に

よく仕えてくれました。今度は、優波離最初受戒を受ければ、先輩比丘として敬う

とができます。そのことをもって、これまでの(おご)の心を捨てた(あかし)とする事が、

できるのではあるまいか、」

他の5人も、これに賛成したという話です。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
    仏教の聖地            (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(256)

【釈迦・・・10大弟子】 (92)


3つ目の話は…

この7人の、<受戒の儀>順序は…お釈迦様が深いお考えの末、お釈迦様みずか

らがお決めになられた、とするです。


いずれにしても…

シュードラである優波離は、最初<受戒の儀>を受けて、6人より先輩格の比丘

なり、彼等の…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
      お釈迦様 彫刻  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(257)

【釈迦・・・10大弟子】 (93)


<三拝の礼(さんぱいの・れい/3拝3拍手1拝)を受けます。

むろん…

優波離驕ることなく、お釈迦様<四姓平等(しせい・びょうどう/バラモン・クシャトリヤ・ヴァイシュ

ヤ・シュードラ の、4つの姓は平等ということ)根本思想体現して行く、規範(きはん/判断・評価・行

為などの、よるべき規則・規準)となりました。

仏教教団では…

シュードラである優波離が、<三拝の礼>を受けることが、人々に示されたのです。


 7月 11日

岡田健吉‏@zu5kokd1
                    
     優波離  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(258)

【釈迦・・・10大弟子】 (94)

<★ 自律第一>


仏教教団
における規律は、優波離によって設けられたものが多く、優波離戒律をよく

守り、かつ精通していました。それで<自律第一>と称せられています。

当時…

お釈迦様御自身が、山頂での瞑想を好まれていました。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
      お釈迦様 彫刻  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(259)

【釈迦・・・10大弟子】 (95)


それを見習い…

静かな林間山頂洞窟に住んで修行し、ひたすら<求道(ぐどう)に励む比丘達も多

くいました。優波離も、最初はそんな修行に励んだ様です。

ところが…

お釈迦様はこう言われました。


「優波離よ、人里離れて住むことは淋しく・・・

 

岡田健吉‏@zu5kokd1
                    
     優波離  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(260)

【釈迦・・・10大弟子】 (96)


…独りの暮らしには心の楽しみが得にくい。時には、自然の荒々しさに心を揺さぶ

られ、修行が進まない者もいる。優波離よ、そなたには荒野での修行は向かない」


また、お釈迦様が語られたという、こんな寓話
(ぐうわ/教訓的な内容を、他の事柄にかこつけて表した、

たとえ話。)も残されています。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
      お釈迦様 彫刻  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(261)

【釈迦・・・10大弟子】 (97)


「ここに池があるとしよう。

そこに像がやって来て、気持ち良さそうに水浴びをする。兎がそれを見ていて、像

の真似をして池に入った。しかし、水が深すぎて背が立たない。兎は怖くなって逃

げ出した。

だから、人里はなれた所での修行も・・・

 

岡田健吉‏@zu5kokd1       

《仏教/雑学》・・・(262)

【釈迦・・・10大弟子】 (98)


・・・これと同じで、向く者と向かない者がいる。そなたには、ふさわしくない様だ」


優波離は…

お釈迦様言葉深く理解し、仏教教団の中での修行を続けました。集団の中でこそ、

その特質が光る人物がいます。優波離もそうした人間でした。



 7月 12日

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
     優波離立像  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(263)

【釈迦・・・10大弟子】 (99)


教団の中では…

優波離比丘達面倒見が良く、規律細かな決まり事に関しても一番詳しく、そうし

教団日常生活の中で、<悟り>を開いて行きました。


前の説話・寓話の様に…

お釈迦様対機説法(たいき・せっぽう/教えをきく人の能力・素質にふさわしく、法を説くこと。)名手でし

た。一方、優波離は…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
      お釈迦様 彫刻  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(264)

【釈迦・・・10大弟子】 (100)


…教えられた<戒律>を、少しも崩すことなく実践(じっせん/実際の情況のもとで、それを行うこ

と。)して行く人でした。

そうした優波離ですから、細かな点までいちいちお釈迦様質問し、それが僧伽(そう

ぎゃ/サンガ)/教団生活不文律(ふぶんりつ/明文化されていない法)になって行きました。

『増一阿含経』(ぞういつ・あごんきょう/仏教の漢訳 『阿含経』 の1つ。)にその風景が示されています。

それは、こういうものです…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
     優波離立像  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(265)

【釈迦・・・10大弟子】 (101)


お釈迦様が…

<八戒斎(はっかいさい)の話をされた事がありました。これは在家信者が守るべき戒め

で、1日1夜だけ、出家するというものです。その<八つの戒め>とは…


1) 生き物を殺さない

2) 盗みをしない

3) 性交をしない

4) 嘘をつかない

 

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
      お釈迦様 彫刻  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(266)

【釈迦・・・10大弟子】 (102)


5) 酒を呑まない

6) きらびやかに身を飾らない、歌舞を楽しまない

7) 高くゆったりとした寝台に寝ない

8) 昼以後は何も食べない


…と言うものです。優波離が、すかさずお釈迦様質問しました。


「それは・・・ いつ、どの様にして・・・



 7月 13日

岡田健吉‏@zu5kokd1       

《仏教/雑学》・・・(267)

【釈迦・・・10大弟子】 (103)


…行えばよろしいのでしょうか?」


「毎月・・・八日、十四日、十五日に・・・

沙門(しゃもん/仏教の修行僧)、あるいは長老の比丘のもとに行き・・・そこで、朝から夜ま

で<阿羅漢(あらかん/仏教において、尊敬や施しを受けるに相応しい聖者 )のように>、一切を慈(い

つく)しんで、修行しなさい」


…と、その日時と、修行の方法を説いています。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
     優波離立像  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(268)

【釈迦・・・10大弟子】 (104)


そして優波離は、それを忠実実行して行きました。

また、こんな事もありました…

夏安居(げあんご/僧が、夏の期間、一所にこもって修行をすること。夏籠もり。夏行(げぎょう)。)に、ある精舎

争議が起きた時、お釈迦様優波離解決してくる様に命じられました。その時、

波離お釈迦様に聞きました。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
      お釈迦様 彫刻  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(269)

【釈迦・・・10大弟子】 (105)


「持って行くには衣(ころも)が重く、夏安居中の精舎に衣を置いて行けば、<捨てる

>を犯すことになります。どうすれば良いでしょうか?」

「解決には、どのぐらいの日数がかかるのか」

「往復の2日づつを入れて、6日間ほどです」

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
     優波離立像  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(270)

【釈迦・・・10大弟子】 (106)


「6日間ならば、衣を手元から離しても良い」


その許可を得て、優波離は出発しましたが、争議が長引きました。優波離はいったん

釈迦様のもとに帰り、仔細を報告しました。

お釈迦様は彼に、1カ月<不失衣白ニ羯磨(ふしつえ・ひゃくにこんま)をあたえ…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
      お釈迦様 彫刻  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(271)

【釈迦・・・10大弟子】 (107)


…さらに次の<新たな規則>を作られました。


「衣が盗まれる心配がある時には、家の中に置いても良い」


また、祇園精舎におられたお釈迦様は…

ある時、<律>重要性を説かれました。そして<戒律>詳しく

 

岡田健吉‏@zu5kokd1       

《仏教/雑学》・・・(272)

【釈迦・・・10大弟子】 (108)


…またそれを忠実実践する優波離を、特に賞賛されました。以後、上座・中座・下座

ともども、優波離のもとに来て、<律>を学ぶうになったと言われます。

優波離戒律の実践が、仏教教団生活の中核を形成して行く過程が、よく分かりま

す。



 7月 14日

岡田健吉‏@zu5kokd1
                    
      釈迦涅槃図                  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(273)

【釈迦・・・10大弟子】 (109)


さて…お釈迦様入滅し、3カ月が過ぎた頃…

<第一結集(だいいち・けつじゅう)/・・・第一回経典編纂会議>が、<七葉窟>(しつようくつ)

で開かれました。

すでに、舎利弗目犍連もこの世にはなく、司会をした<大迦葉/(だいかしょう/マハー・カッ

サバ)・・・頭陀第一>は…まず、<優波離(うぱり/ウパーリ)/・・・自律第一>前に呼び

出しました。


★ 七葉窟(しつようくつ)・・・

古代インドの摩訶陀国の首都/王舎城(ラージギール)は、ガンジス川の中流域に位置します。仏教が布教された町とし

て有名で、多くの仏典に登場に登場します。外輪山に囲まれた盆地は、周囲に・・・霊鷲山、負重山、イシギリ(仙人掘山)、

廣普山、白善山という5つの山に囲まれています。

この外輪山の中に<七葉窟>と呼ばれる洞窟があり、釈迦入滅後に、ここに弟子たちが集まり、<伝えられた教えを

確認しあう・・・第一回結集>が行われます。仏典編纂の原点となった地です。)

 

岡田健吉‏@zu5kokd1
             
   貝葉経/椰子などの植物の葉を加工して、紙の代わりに用いた   (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(274)

【釈迦・・・10大弟子】 (110)


そして、優波離が…


<お釈迦様は・・・

何年の何月何日の、この様な事件の時に、こうした定めを作られた。

また・・・

何年の何月何日の、教団放逐の事件折には、この様な戒めを申し渡された>


…と言う様に、記憶に留めたお釈迦様言葉戒律を述べ…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1
                    
     優波離  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(275)

【釈迦・・・10大弟子】 (111)


一同が…


<その通り!>


…と同意すると、それがお釈迦様なき後の、教団<律>となりました。不文律戒律

文字にまとめられ、教団屋台骨となって行きます。ここが<仏典編纂の・・・原点

の地>となります。


仏教経典には…

<経蔵・律蔵・論蔵>の、<三蔵/・・・大別して3種類経典>

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
             
          玄奘三蔵像 (東京国立博物館蔵  鎌倉時代  重文  (/パブリック・ドメイン) 

《仏教/雑学》・・・(276)

【釈迦・・・10大弟子】 (112)


…があります。<三蔵法師>とは、その三蔵全てに精通した法師という意味です。

そして、ここから転じて…

三蔵<訳経僧(やくきょうそう/経典の翻訳に従事する僧())指す言葉になった様です。最も

有名三蔵は、チベットを超えてインド求道大冒険をした、玄奘三蔵(げんじょう・さんぞ

う)でしょう。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1
                 
キジル石窟の入り口前の広場に、最近建てられた鳩摩羅什の像  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(277)

【釈迦・・・10大弟子】 (113)


この大冒険は、中国伝奇小説/『西遊記』モデルになっています。


歴史上<四大・・・訳経僧>と呼ばれているのは…


<鳩摩羅什
(くまらじゅう/(344年~413年)/亀茲国(きじこく・・・新疆ウイグル自治区クチャ県)の西域僧、後秦

の時代に長安に来て約300巻の仏典を漢訳し、仏教普及に貢献した訳経僧で・・・最初の三蔵法師。)

<真諦(しんてい/真諦三蔵/499年~569年)/西インド生まれで中国に渡来した訳経僧)

<不空金剛(ふくう・こんごう/(705年~774年)・・・唐の高僧、訳経僧/不空三蔵

<玄奘三蔵(げんじょう・さんぞう/(602年~664年3月7日)唐代の中国の訳経僧。玄奘は戒名であり、俗名は

陳褘(チンイ)


…の4人です。様々な古代インド文字経典を、漢訳した人々です。その経典が、シル

クロードの終着点/日本にも、伝来しています。



 7月 15日

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
     富楼那  国宝  興福寺/国宝館  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(278)

【釈迦・・・10大弟子】 (114)

・・・富楼那(ふるな/プールナ)・・・<説法第一>


舎利弗
(しゃりほつ)目犍連(もっけんれん)は…

摩掲陀国(まがだ・こく)/王舎城(おうしゃじょう)/霊鷲山(りょうじゅせん)の麓で、近隣に聞こえた

バラモン青年達でした。

優波離(うぱり)は…

お釈迦様故郷/カピラ城で、王宮に仕える理髪師シュードラでした。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
     富楼那  国宝  興福寺/国宝館  (/ネットより画像借用)

《仏教/雑学》・・・(279)

【釈迦・・・10大弟子】 (115)


そして富楼那(ふるな)は…

出生地は、コーサラ国/カピラ城(お釈迦様の故郷)近郊で、バラモン種族とも言われますが

別の説では…インド大陸西岸/ボンベイの北の古代貿易都市/スナーパランタ国スッ

パーラカと言われます。

ここでは、多様な出自という事で面白そうなので、後者の方、ボンベイの北の古代貿易

都市の方をとることにします。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
     富楼那  国宝  興福寺/国宝館  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(280)

【釈迦・・・10大弟子】 (116)


富楼那は…

裕福貿易商ですが、召使の女性に産ませた子で、両親には恵まれま

せんでした。が死ぬとから出され、身ひとつで、果敢貿易の仕事を始めます。ま

た、1説では、長兄の妻駆け落ちした、という伝承もあります。


 7月 16日

岡田健吉‏@zu5kokd1 
   蘭奢待(らんじゃたい) 東大寺/正倉院に収蔵の香木。天下第一の名香。近くは信長明治天皇が切り取っている。

《仏教/雑学》・・・(281)

【釈迦・・・10大弟子】 (117)


ともかく富楼那は…

その境遇から、人の気持ち寄り添い商才にも長けていた様です。そして、たまたま

手に入れた香木(こうぼく/心地よい芳香を持つ木材のこと。沈香(じんこう)と白檀(びゃくだん)が有名。)で、

大な利益を得たというい伝承があります。

当時インドの貿易商人は、アラビア海ペルシア湾を越え…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1    
                    
     インド大陸西部から、アラビア海、ペルシア湾  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(282)

【釈迦・・・10大弟子】 (118)


…その奥に栄えていた<メソポタミア地方/チグリス・ユーフラテス川のほとり/・・・

イラク>にまで、交易の足を伸ばしていた様です。

富楼那は、そうした海の荒くれ男達をよく統率し、財力を蓄え、ひとかどの商人成長

ます。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1       
                    
     富楼那  国宝  興福寺/国宝館  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(283)

【釈迦・・・10大弟子】 (119)


そして、7度目の航海の時…

コーサラ国舎衛城(しゃえいじょう/・・・祇園精舎のあった所)から来た商人達が、朝夕に、しきり

<歌の様なもの>を口ずさんでいるのを耳にしました。

何の歌か、と尋ねると、<これは・・・お釈迦様の教えを・・・唱和しているのです>

と教えてくれました。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
     富楼那  国宝  興福寺/国宝館  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(284)

【釈迦・・・10大弟子】 (120)



富楼那は…

その<お釈迦様の教えの・・・概略>を聞き、その教えが非常に優れていることを、

理解しました。

これは…

舎利弗目犍連、そして優波離とも本質的共通する、直観力による行動風景です。

新興宗教を受け入れる、<求道(ぐどう)の・・・人間性の高まりと・・・直観力>が働き


 7月 17日

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
     現在の・・・祇園精舎の遺跡  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(285)

【釈迦・・・10大弟子】 (121)


<機が熟している所に…良き仏縁があった>…という事でしょう。

帰着すると…

直ぐに、富楼那全財産長兄に譲り、コーサラ国/舎衛城祇園精舎に向います。

そこで、貿易の仕事でつながりのあった長者スダッタ(/…祇園精舎の寄進者)を訪ね…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
        祇園精舎         (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(286)

【釈迦・・・10大弟子】 (122)


…その紹介で、お釈迦様の教えを聴く事ができました。そして、願いがかなって入門

許され、仏教教団に加わります。

この一連の経緯から…

富楼那は、<全てを捨てて出家したいという・・・心に重荷を抱いていた>…とする

もあります。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     

《仏教/雑学》・・・(287)

【釈迦・・・10大弟子】 (123)


荒くれた海の男達統率し、交易を得ても、<心の重荷/心の闇>が、深かった

のでしょうか。

出家後…

お釈迦様良き弟子となった富楼那は、異色の経歴の持ち主でした。身ひとつ貿易

企業を起こし、異文明メソポタミアあたりにまで…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1       
                    
     富楼那  国宝  興福寺/国宝館  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(288)

【釈迦・・・10大弟子】 (124)


大航海をし、大勢の人々様々に渡り合って来ました。

そうした中で、交渉ごとや、人々の統率方法意思伝達方法にも精通したのでしょう。

つまり、実践の中で、話術・行動様式が巧みになったものと思われます。それで、お釈

迦様弟子となった後も、何処にでも気軽に飛び込んで行く、大らかさがありました。

大航海貿易苦労を重ね、人々の機微をも深く理解し、それゆえに、対話説法も、

人々の心に沁みるも、でした。



 7月 18日

岡田健吉‏@zu5kokd1       
                    
     富楼那  国宝  興福寺/国宝館  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(289)

【釈迦・・・10大弟子】 (125)


やがて富楼那は、多くの信者信頼を集めます。

お釈迦様対機説法(たいきせっぽう/教えをきく人の能力・素質にふさわしく法を説くこと)名手ですが、

富楼那も、独特の自由闊達的を外さない説法で、説法第一称号を獲得してい

ます。

摩掲陀国(まがだ・こく)

王舎城(おうしゃじょう/ラージギール)霊鷲山(りょうじゅせん)で修行をしていた富楼那(ふるな)のも

とに…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1    
                    
     現在の霊鷲山         (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(290)

【釈迦・・・10大弟子】 (126)


多数<外道(げどう/仏教徒の立場から見て、仏教以外の教え。異端。)の修行者>がやって来

ました。広い世界を歩いてきた富楼那は、外道にとっても親しみやすいものがあったの

でしょう。その外道達が、富楼那に聞きました…


「釈尊は・・・ <有
(/・・・ 輪廻で生死をくり返す迷いの世界)を断ち切れ>・・・と説くのか?」

 

岡田健吉‏@zu5kokd1    
                    
     現在の霊鷲山         (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(291)

【釈迦・・・10大弟子】 (127)


「釈尊は・・・

<有我の見解(うがの・けんげ/・・・変わらぬ自我は、存在し続けるという考え方)を、断ずるように、>

・・・説かれています」


その外道達が立ち去った後…

富楼那は、直ぐお釈迦様のもとへ向かい…

<自分が・・・お釈迦様の言葉として・・・

 

岡田健吉‏@zu5kokd1    
                    
     現在の霊鷲山         (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(292)

【釈迦・・・10大弟子】 (128)


・・・外道たちに説いたことは、正しかったのでしょうか?>…と伺(うかが)いを立てて

います。

『雑阿含経』(ぞう・あごんきょう/仏教の漢訳 『阿含経』 の1つ )には、お釈迦様はこれを是認された、

とあります。教理真髄に関して、多少でも自信の持てないものは、お釈迦様裁可

仰ぐということですね。

優波離(うぱり)が…

6日間争議解決して帰れると言った時、6日間では帰れなくなった時がありました。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1    
                    
     現在の霊鷲山         (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(293)

【釈迦・・・10大弟子】 (129)


その時、優波離は一旦、お釈迦様のもとに帰り、再度、お釈迦様指示を仰いでいま

す。

富楼那も…

<自分の説いた言葉が・・・正確であり、正しかったのでしょうか?>…と、すぐに

お釈迦様のもとを訪れ、確認しています。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1    
                    
     富楼那  国宝  興福寺/国宝館  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(294)

【釈迦・・・10大弟子】 (130)


こうした…

<間違いを起こさない・・・弟子達の真摯(しんし)な姿勢>…から、仏教教団若い純

粋性と、深い誠実さが感じられます。

また、それゆえに<智慧の道>として、世界宗教発展した、とも言えるのでしょう。

宗教には…

<儀礼の道・・・信仰の道・・・

 

岡田健吉‏@zu5kokd1       
                    
     富楼那  国宝  興福寺/国宝館  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(295)

【釈迦・・・10大弟子】 (131)


・・・智慧の道>3つ流れがあります。その何処重点を置くかで、その宗教

が現れます。

神道(しんとう/日本の古来の宗教・・・伊勢神宮を頂点とする神社)は、おそらくに対する<儀礼の道

重点が置かれ…キリスト教<信仰の道>であり…仏教はその意味で、<智慧

の道>だと…言われています。



 7月 19日

岡田健吉‏@zu5kokd1       
                    
     富楼那  国宝  興福寺/国宝館  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(296)

【釈迦・・・10大弟子】 (132)


富楼那仏教教団に入って、どのぐらい経った頃かは分かりませんが、ある時

富楼那姿を改め、お釈迦様の前に進み出ました。

そして…

<故郷/スナーパランタ>布教したい、と決心を述べました。そのお釈迦様との

が…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
      お釈迦様 彫刻  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(297)

【釈迦・・・10大弟子】 (133)


『雑阿含経』などに、残されています。それを記してみます。


「世尊よ・・・

私は故郷のスナーパランタ国に帰って、そこで布教に励みたいと思います。どうか

最後の教えを、お説きください」

「富楼那よ・・・

あの地方の人は気が荒く、粗暴だと聞いている。もし、人々が・・・

 

岡田健吉‏@zu5kokd1       
                    
     富楼那  国宝  興福寺/国宝館  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(298)

【釈迦・・・10大弟子】 (134)


・・・そなたを罵(のの)しり、嘲(あざけ)るようなことがあれば、どうするつもりか?」

「世尊よ・・・

その時は、彼等はいい人だ。手や棒で私を殴ったりしないから、と考えます」

「では・・・

手や棒で、彼等が殴ったら、どう考えるか?」

「その時は・・・

 

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
      お釈迦様 彫刻  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(299)

【釈迦・・・10大弟子】 (135)


・・・彼等はいい人だ。刀で私を傷つけないから、と思うことにします」

「では・・・

刀で、彼等が切りつけたら、どうするか?」

「その時は・・・

彼等はいい人だ。私を殺さなかったから、と思うようにします」

「では・・・刀で、彼等がそなたを・・・

 

岡田健吉‏@zu5kokd1       
                    
     富楼那  国宝  興福寺/国宝館  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(300)

【釈迦・・・10大弟子】 (136)


・・・殺した時は、どうするか?」

「その時は・・・

彼等はいい人だ。世の中には、人生の様々な苦悩に押しつぶされ、刀や毒で自ら

の命を絶つ者もあります。誰かが自分を殺してくれれば、楽になれるのに、と願っ

ている人もいます。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
      お釈迦様 彫刻  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(301)

【釈迦・・・10大弟子】 (137)


・・・ですから、彼等は私の命を絶って、自ら命を絶つ労を省いてくれた、と思う事に

します」

「富楼那よ・・・よろしい・・・

そなたに、それだけの覚悟があるのなら、大丈夫であろう。スナーパランタ国へ行

ったら、多くの信者を得るであろう」



 7月 20日

岡田健吉‏@zu5kokd1       
                    
     富楼那  国宝  興福寺/国宝館  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(302)

【釈迦・・・10大弟子】 (138)


お釈迦様の…

富楼那に対する念入りの問答は、<富楼那が、かって長兄の妻と駆け落ちした>

という過去がある事を、心配されたのかも知れません。

一方、富楼那は…

<過去の罪業を・・・懺悔(ざんげ)しつつ生きる>…という選択をしたのでしょうか。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
      お釈迦様 彫刻  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(303)

【釈迦・・・10大弟子】 (139)


それにしても…

その長兄の妻とはどの様な人だったのでしょうか。また、駆け落ちの後、どの様な人生

の経路をたどったのでしょうか。当然、出家した富楼那の身の回りにはいません。とうに、

亡くなっているのでしょうか。

ともかく、富楼那頑強な人格に、それ程の陰を落とすとは、よほどの事があったもの

と思われます。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1   
                    
                                 (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(304)

【釈迦・・・10大弟子】 (140)


また、この時期

富楼那に限らず、多くの弟子達全インド布教に赴(おもむ)き、仏教拡大して行くわ

けです。

この、<お釈迦様と・・・富楼那との対話>は、決死の覚悟辺境の地布教に旅立

つ、弟子達への覚悟提示しているのかも知れません。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1
                    
                                (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(305)

【釈迦・・・10大弟子】 (141)


これは、<初期仏教/原始仏教>の、そのまさに、黎明期の風景です。


やがて…

富楼那は、スナーパランタ国に帰り、500人余在家信者教化し、亡くなったと言わ

れます。その、亡くなった時、多くの比丘達お釈迦様のもとにやって来て、聞きました


 7月 21日

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
      お釈迦様 彫刻  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(306)

【釈迦・・・10大弟子】 (142)


「富楼那の来世は・・・どの様になったのでしょうか?」

「富楼那は・・・般涅槃(はつねはん)した」


…とお釈迦様は言われました。これは、<仏として安らかに・・・輪廻の環/境界を越

え、涅槃に到達した>…ということです。

人々は、富楼那<心の闇>と、<悟り/覚醒/・・・6つの神通力のうち、天眼通

(てんげんつう/人々の未来、死後の世界などを見通すことができる眼力)・宿命通(しゅくみょうつう/前世は、何で

あったか、前世で何をなしたかを知る能力>)・漏尽通(ろじんつう/煩悩を絶ち、この世と人生の真理を悟りうる智慧)

の獲得>…を知っていて…

それで、輪廻(りんね/サンサーラ/・・・人が何度も転生し、また動物なども含めた生類に生まれ変わること)

ルマ(/業・宿業)断ち切ることができたのかと…お釈迦様にお伺いを立てた、のでしょう

か。


さて…

お釈迦様は…バラモンをはじめとする…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1       
                    
     富楼那  国宝  興福寺/国宝館  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(307)

【釈迦・・・10大弟子】 (143)


<外道に対しても・・・邪教と決めつけて・・・強く排斥すること>…は、なされませ

んでした。ここは、キリスト教イスラム教などとは本質的異なる所で、<仏教は・・・

他宗教とは・・・敵対しない宗教>…でした。これは歴史的な様々な宗教紛争や、

の、世界構造にも現れています。

富楼那が…

お釈迦様のもとに、<外道の質問>を持って行っても、それに真摯に答えている様子

からも分かります。それゆえ、仏教<信仰の道>というより、<智慧の道>に…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      苦行中の釈尊/お釈迦様            (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(308)

【釈迦・・・10大弟子】 (144)


重点が置かれている…と言われるゆえんなのでしょう。

仏教は…

<悟り/覚醒>という…<真理の・・・体験的伝承の系譜>からなり…

<初天法輪(しょてんほうりん/釈迦が菩提樹下で悟りを開いた後・・・鹿野苑/サールナートの中で、苦行仲間の

5人に初めて教えを説いた出来事)以来・・・釈尊の悟り/覚醒が・・・営々と受け継がれてき

た・・・体験的伝承の宗教>…だという事です。

それが真髄なわけですが…

<初期仏教/原始仏教/根本仏教>に対し、<大乗仏教(だいじょう・ぶっきょう)

します。これは、古来仏陀の教えを拡大し、新しい解釈を加えた教派で…

<自分1人だけの悟りのためではなく・・・多くの人々を・・・理想世界である彼岸に

運ぶ・・・大きなすぐれた乗物> …という考え方です。

日本伝来したのは、この大乗仏教の方です。

これに対し…既存の仏教<小乗仏教>と呼びましたが、不適切という事で、現在

<上座仏教/上座部仏教/・・・南伝仏教(スリランカ/セイロン、東南アジアへ伝播)と呼ん

でいます。

この意味では、<大乗仏教は・・・北伝仏教(ガンダーラ、チベット、シルクロードを経て、中国大陸、朝

鮮半島を経て、シルクロードの終着点/日本に伝来)…と呼ばれます。



 7月 27日

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
      阿那律 (あなりつ)  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(309)

【釈迦・・・10大弟子】 (145)

・・・ 阿那律(あなりつ/アヌルッダ)・・・<天眼第一>


阿那律出自で…

最も特徴的なことは、お釈迦様いとこに当ると言う事です。お釈迦様は、布教のため

何度カピラ国を訪れていますが、ある時7人の若者が後を追いました。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
      お釈迦様 彫刻  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(310)

【釈迦・・・10大弟子】 (146)


その時に、シュードラ/奴隷階級宮廷の理髪師/優波離(うぱり)もいたわけですが、

阿那律(あなりつ)もいました。後に、羅睺羅(らごら/お釈迦様の実子で、10大弟子の1人)、も出家

るわけですが、釈尊に続き、多くの近親者仏教教団加わっています。

ちなみに、この時いた7人は…

跋提(ばつたい)金毘羅(きんぴら)難提耶(なんでいや)婆咎(ばぐ)阿難陀(あなんだ)、…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1   
                    
   釈迦10大弟子 奈良/薬師寺  製作: 平成14年(2002年)に彫刻家/中村晋也

《仏教/雑学》・・・(311)

【釈迦・・・10大弟子】 (147)


提婆達多(だいばだつた)、そしてシュードラ優波離(うぱり)です。

阿難陀<釈迦10大弟子>1人ですから、後で述べますが、お釈迦様いと

です。

それから、提婆達多ですが…

お釈迦様いとこで…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
    お釈迦様の殺害を企てる提婆達多   (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(312)

【釈迦・・・10大弟子】 (148)


お釈迦様太子時代競争者(/ヤショーダラー姫を妻として迎えるために、釈尊と争って敗れていま

す。)です。提婆達多は、お釈迦様<悟り>を開き、弟子になりますが、離反して阿闍

世王(あじゃせ・おう/父の頻婆娑羅(びんばしゃら)王を殺して王位に就きますが、のち釈迦の教えに従い、仏教教団

の保護者になります。目犍連が神通力を使い、幽閉された王妃(/韋提希夫人・・・阿闍世王の母)を慰めに行ったのは、

この時です。結託して、お釈迦様殺害も企てます。

いわゆる、仏教のユダ/・・・イエス・キリストを銀貨30枚で売ったイスカリオテの

ユダに例えられています。・・・

 

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
     『ユダの接吻』  ジョット・ディ・ボンドーネ・画  (/パブリック・ドメイン) 

《仏教/雑学》・・・(313)

【釈迦・・・10大弟子】 (149)


・・・イエスが捕縛される時に行った、ユダの接吻は有名です。(/お釈迦様が生まれたの

は紀元前500年頃で、キリストが生まれたのは紀元0年ですから・・・時代としてはおしゃか様のほうが早いわけです)

…とも呼ばれる人物です。


さて…

阿那律に話を戻しますが、彼が出家意思を示すと母親猛烈に反対したと言われま

す。それを、押し切って出家した阿那律ですが、ある日


 7月 28日

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
      お釈迦様 彫刻  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(314)

【釈迦・・・10大弟子】 (150)


お釈迦様説法の座で、不覚にも居眠りをしました。しかもそこは、祇園精舎講堂

で、参集した大勢の比丘信者達も見ていました。

お釈迦様が言いました…


「気持ち良く眠っている間は、煩悩がない。それもまた、良いではないか・・・」

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      お釈迦様                       (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(315)

【釈迦・・・10大弟子】 (151)


お釈迦様は、このように人々の前では阿那律を庇(かば)われました。しかし、後に阿那

を呼び、言いました。


「阿那律よ・・・お前は何を求めて出家したのか?」

「世尊よ・・・私は<生・老・病・死>の4つの苦しみから逃れるために、出家しまし

た」

 

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
      阿那律 (あなりつ)  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(316)

【釈迦・・・10大弟子】 (152)


「そういうお前が・・・説法を聞きながら居眠りをするとは、最初の決意はどうなった

のか?」

「世尊よ・・・申し訳ございません。今日より以後、私はいかなる事があろうとも、世

尊の前では、眠る事はいたしません」

 

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
      お釈迦様 彫刻  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(317)

【釈迦・・・10大弟子】 (153)


自分自身失態を…

阿那律ほど深く恥じ入った人は、いないのかも知れません。阿那律睡魔と闘い始め

ました。眼がただれると、お釈迦様は教団の医師/耆婆(ぎば/名医として有名で、お釈迦様に

帰依し、多くの伝説が残されています。)治療を頼みます。しかし、いかに名医であっても、眠ら

なければ、治るものではありません。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
     阿那律    (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(318)

【釈迦・・・10大弟子】 (154)


そこで、お釈迦様説得されました。


「万物は・・・

食事によって、生きて行く事ができる。眼には、眠りが食事である。耳には声が食

事であり、鼻には香りが食事であり、舌には味が食事である。

阿那律よ・・・だから、眠りなさい、」

 

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
      お釈迦様 彫刻  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(319)

【釈迦・・・10大弟子】 (155)


しかし、阿那律が言いました。


「今は・・・睡眠をとる事が、耐えがたく感じられます」



それを聞き、お釈迦様はそれ以上の説得を止められました。それで阿那律は、完全

視力を失ってしまいました。

まあ…この短いエピソード(物語や事件の大筋の間にはさむ話。挿話)では…



 7月 29日

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      お釈迦様                       (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(320)

【釈迦・・・10大弟子】 (156)


…にわかには信じ難い話ですが、この様にして阿那律は、実際に視力を失った様です。

何故、お釈迦様はもっと強く止めなかったのか。しかし、お釈迦様は、そこに<人智を

超えた業(ごう)の深淵/深い仏縁>…を感じ取ったのでしょうか。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
     阿那律    (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(321)

【釈迦・・・10大弟子】 (157)


そして、阿那律は…

自らの信ずる道を進み…眼を失うことで、この世の真理を極め、<釈迦10大弟子>

と、呼ばれるまでになりました。

阿那律伝承では、女性に関わるものが多いと言われます。失明した肉体的弱者

には、一種の安心感と、優しさから…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
      お釈迦様 彫刻  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(322)

【釈迦・・・10大弟子】 (158)


女性手を差し伸べる事も多かったのでしょう。

その阿那律が、特にを犯したわけではありませんが、様々に告口(つげぐち)もされてい

ます。それに絡んで、お釈迦様比丘に対して、例えば、この様な戒律制定していま

す。


☆ <波逸提
(はいつだい/女性と同し宿に宿泊することを禁止)/・・・軽い罪>

 

岡田健吉‏@zu5kokd1    
                   
 第一結集の地/・・・マガダ国/王舎城郊外の・・・七葉窟  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(323)

【釈迦・・・10大弟子】 (159)


☆ <与女人同室宿学処戒(よ・にょにん・どうしつしゅく・がくしょ・かい/・・・女性と同部屋で宿泊すること

   の戒/いましめ)

☆ <与女人期同行戒(よ・にょにん・ごどうぎょう・かい/・・・女性と2人で同行することの戒/いましめ)


詳しい説明は省きますが…

仏教教団出家者/比丘の周囲には、折につけ女性との接触があります。とくに布教

旅に出た時には、この様な戒律が必要となって来たものと思われます。

また、この様に制定された戒律を、<優波離(うぱり)/・・・持律第一>記憶していて、

<第一結集(だいいちけつじゅう/・・・ブッダ入滅後、王舎城郊外に500人の比丘(/五百羅漢)が集まり、最初

の結集が開かれました。摩訶迦葉(マハーカーシャパ)が座長、阿難陀(アーナンダ)が経典を、優波離(ウパーリ)が戒

律の編集責任者となりました。)で…



 7月 30日

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
      お釈迦様 彫刻  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(324)

【釈迦・・・10大弟子】 (160)


さて…

初期/仏教教団での法衣は、捨てられた布をよく洗い、それを縫い合わせて着るのが

決まり<十二頭陀行の1つ>で、初期仏教の修行僧は、執着を離れるために、これを身に着けていました。)でし

た。それも、1人に許されるのは3枚まででした。

後には、竹林精舎祇園精舎のように、長者などから寄進されました。それでも、3枚

まで、と決められていた様です。

ええ…

お釈迦様カピラ城を出て、その法衣を得る前後の様子を、少しスケッチしましょうか。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1   
                    
      カピラ城跡         (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(325)

【釈迦・・・10大弟子】 (161)


悉達多(しっだるた/ゴータマ・シッダールタ/…お釈迦様の本名)は…

29歳の春…

夜陰に隠れて白馬に乗り、従者を1人ともなって、カピラ城を出たと言われます。東の

城門父王が見張りを退かせていて、人影はなく、かすかに星空が見えていました。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1    
                    
        カピラ城跡       (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(326)

【釈迦・・・10大弟子】 (162)


悉達多は城の影の落ちる野道を、へ馬で駆けました。行く先は恒河(ごうが/ガンジス川)

の彼方/摩掲陀国(まがだ・こく)のさらに南の山地

そこに阿羅々(アーラーラ)という瞑想の達人が、多くの弟子を率いている事を、商人

達多(スダッタ)から聞いていました。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1
                    
      末羅国/・・・クシナガラ               (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(327)

【釈迦・・・10大弟子】 (163)


末羅国(まつら・こく/古代インドの16大国の1つで、漢文の仏典での表記。釈迦入滅の地クシナガラで知られます。)

との国境あたりで、夜が明けました。

やがて、路傍の木の下で、旃陀羅(せんだら/チャンダーラ/・・・奴隷階級のシュードラのさらに下の階層

で、カーストの枠外の不可触民。汚物処理・死刑執行など、穢れた仕事を与えられていました。)老人が寝てい

るのが見えました。

悉達多は、そこでを降りました。そして、太子として身に付けている装身具を全

て外し、衣服も脱ぎました。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1         
                    
   古代インドの金貨/・・・表がカニシカ王、裏が仏陀   (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(328)

【釈迦・・・10大弟子】 (164)


旃陀羅老人は、横になったまま、その様子をボンヤリと眺めています。

それから、悉達多は、剣で(もとどり/髪の毛を頭の上に束ねた所)を切り落としました。そして、

旃陀羅の方に歩み寄り、金貨1枚を与え、汚れた鉢を譲ってもらいました。さらに自分

絹の下着と、旃陀羅襤褸(らんる/ぼろ)継ぎ合わせた衣服の、交換を頼みました。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     

《仏教/雑学》・・・(329)

【釈迦・・・10大弟子】 (165)


古代インドでは…

旃陀羅の着る糞掃衣(ふんぞうえ/糞塵の中に捨てられたぼろ切れの布でつくった衣。)こそが、いかなる

煩悩(ぼんのう)も染み付いていない、<出家者にとっては・・・最も清浄な衣>でした。

悉達多は…

これまでの全ての煩悩根元を捨て去り…清々しい朝の陽光の中で…赤子の様に生ま

れ変わりました。そして、しっかりと、大地2つの素足で立ちました。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
      お釈迦様 彫刻  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(330)

【釈迦・・・10大弟子】 (166)


悉達多は、荷物従者に託し、帰城を命じました。

すると…旃陀羅老人が言いました。


「王子よ・・・旃陀羅の鉢や衣は高い。誰が旃陀羅が手にする金貨で、新しい鉢や

衣を売ってくれようか」

「ふむ・・・」

「金貨を、もう1枚ではどうか?」



 7月 31日

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
      お釈迦様 彫刻  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(331)

【釈迦・・・10大弟子】 (167)


悉達多(シッダールタ)従者に命じ、金貨をもう10枚与えた。歓喜する旃陀羅に、悉達多

は微笑して言った。


「そなたも・・・

いつの日か、富の苦しみを知ることになろう。私は富も権勢も、一切の煩悩の根元

も捨て去り・・・最高の自由と平和の空気を・・・味わっている」

 

岡田健吉‏@zu5kokd1
                    
      末羅国/・・・クシナガラ               (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(332)

【釈迦・・・10大弟子】 (168)


悉達多1人托鉢をしながら南方を目指しました。そして、初めて見る広大な恒河(ご

うが/ガンジス川)を、流木につかまって泳ぎ渡り摩掲陀国(まがだ・こく)へ入りました。


ええ、ついでに…

カピラ城出る前の…悉達多・太子の状況も、簡単にスケッチして置きましょう。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
      仏陀と耶輸陀羅  (/パブリック・ドメイン) 

《仏教/雑学》・・・(333)

【釈迦・・・10大弟子】 (169)


悉達多・太子は…

自らの意志反して

妃/耶輸陀羅(ヤシュダラー)懐胎したのを知り、ついに倒れました。やがて、耶輸陀

の胸に抱かれた吾子対面すると、<羅睺羅(らごら/ラーフラ)と名づけます。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
      お釈迦様 彫刻  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(334)

【釈迦・・・10大弟子】 (170)


この名月蝕(げっしょく)を意味し、同時に、<業(ごう)の繋縛(けばく/心が煩悩や妄想あるいは外

界の事物のために束縛されて、自由を失った状態)をも意味する・・・呪いの名>…とも言われます。

そうした名吾子に与え、祝福する仙人を招こうともしない太子を、父王/浄飯王(じょう

ぼんのう)は、発狂したかと心配しました。


 8月  1日

岡田健吉‏@zu5kokd1         
                    
      お釈迦様 彫刻  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(335)

【釈迦・・・10大弟子】 (171)


太子宮殿を訪れた父王に、悉達多病床から言いました。


「父よ・・・

私は10万の国民を守るべき国王の義に、耐えきれる器ではありません。

自責の毒針のみが、いたずらに身心を刺し、私は床より起き上がる気力も失せて

います。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
      カピラ城跡         (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(336)

【釈迦・・・10大弟子】 (172)


父よ・・・

願わくば、私をあなたの繋縛(けばく/心が煩悩や妄想、外界の事物のために束縛されて、自由を失った状

態)からお解き下さい。父の意に背く、背徳の道を歩ませて下さい。

自らが真我(しんが)に目覚め、義に目覚め、力に満ちあふれて、故国に帰り得るま

で、遍歴(へんれき)をさせて下さい。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1         
                    
      お釈迦様 彫刻  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(337)

【釈迦・・・10大弟子】 (173)


私は・・・

あなたと祖国に対し、罪を犯して生きるか・・・あるいは、このまま業の鉄鎖に耐え

かねて死ぬか・・・いずれかの道しか、見えませぬ・・・」


悉達多・太子憔悴(しょうすい)し、もはや、疲れ果てていました。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
        カピラ城跡       (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(338)

【釈迦・・・10大弟子】 (174)


その、吾子の眼のを見た時…

父王/浄飯王(じょうぼんのう)は、このまま放置すれば、憔悴苦悩吾子滅ぼすと分かっ

た。もはや、なす術(すべ)がありませんでした。

父王は…<東の城門の・・・見張りを退いて置く>、と告げました。



 8月  2日

岡田健吉‏@zu5kokd1
                    
      末羅国(まつさらこく)/・・・クシナガラ        (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(339)

【釈迦・・・10大弟子】 (175)


その様にして…

カピラ城を出た悉達多・太子でしたが…旃陀羅(せんだら/チャンダーラ)として人々の蔑(さげす)

経験しつつ…摩掲陀国(まがだ・こく)に入った頃には、やつれた体もしだいに回復して

行きました。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
      阿那律 (あなりつ)  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(340)

【釈迦・・・10大弟子】 (176)


さて…

阿那律(あなりつ)<法衣>の話に戻ります。ともかく、汚れたら洗い破れたら繕(つくろ)

ます。

ある時…

盲目阿那律は、糸目に糸が通せずに困っていました。そこで、近づく足音に向っ

て言いました。


「どなたか、幸福を願われる方よ・・・

 

岡田健吉‏@zu5kokd1         
                    
      お釈迦様 彫刻  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(341)

【釈迦・・・10大弟子】 (177)


・・・私のために、針の糸目に糸を通し、功徳を積んでは頂けまいか?」


すると、お釈迦様の声がしました。



「では・・・私が、功徳を積ませてもらおう」

「世尊よ・・・申し訳ございません。

私は、どなたか他の僧がおられるかと思って、言ったことです」

 

岡田健吉‏@zu5kokd1         
                    
      お釈迦様 彫刻  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(342)

【釈迦・・・10大弟子】 (178)


「どうして・・・私ではいけないのか?」

「世尊よ・・・世尊はすでに、<悟りの彼岸>に到達されたお方です。この上、功徳

を積んで、幸福の道を求められる必要はございません」

「そうではないのだ、阿那律よ・・・



 8月  3日

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
      阿那律 (あなりつ)  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(343)

【釈迦・・・10大弟子】 (179)


・・・私は誰よりも、生きとし生けるものたちの、幸福を求めている者なのだ・・・」


そして、お釈迦様の手から阿那律の手に、長い糸を通したが手渡されました。お釈迦

優しい心と、<立ち位置>とが、伝わります。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1
                    
      末羅国(まつさらこく)/・・・クシナガラ        (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(344)

【釈迦・・・10大弟子】 (180)


さて…

悉達多・太子旃陀羅(せんだら/チャンダーラ)衣服を交換し、社会的にも出家したのは

羅国(まつらこく)との国境を越えあたたりです。

この隣国/末羅国は、お釈迦様<入滅の地・・・クシナガラ(/仏教4大聖地の1つ。現在のイ

ンドのウッタル・プラデーシュ州東端のカシア付近の村。)のある地でもあるのです。その時に、居合わ

せた最長老弟子は、阿那律でした。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1
                    
      釈迦涅槃図                     (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(345)

【釈迦・・・10大弟子】 (181)


いよいよ…

お釈迦様入滅されると、周りに集まる弟子達村人達悲嘆は、頂点に達しました。

いま修行の足りない比丘村人達は、身をよじって泣き叫びました。阿難陀お釈迦

枕辺に侍し、ただただ、泣崩れるばかりでした。



 8月  5日

岡田健吉‏@zu5kokd1
                    
      末羅国(まつさらこく)/・・・クシナガラ        (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(346)

【釈迦・・・10大弟子】 (182)


そこで最長老阿那律は、比丘村人達に、<お釈迦様の教え>を改めて説き示し

最初の一夜を過ごしました。

翌朝…

阿那律<阿難陀(あなんだ)/多聞第一>に命じて、クシナガラの住民/末羅族(まつら

ぞく/・・・末羅族の呼称に対し、釈迦国の住民を釈迦族とi呼んでいました。)に、お釈迦様入滅の知らせを

届け出ました。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
     阿那律    (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(347)

【釈迦・・・10大弟子】 (183)


そして<天眼第一(てんげん・だいいち)と呼ばれた阿那律は、<天眼>諸天の意向をう

かがい、お釈迦様遺骸末羅族(びょう/祖先・先人の霊を祭る建物)/天冠寺(てんかんじ)

に運び、安置しました。

香・華・楽で供養し、お釈迦様遺骸荼毘(だび)に付す段階になった時…導師(どうし/法

会などの時、衆僧の首座として儀式を執り行う僧。 葬儀のとき、死者の霊を弔い鎮める僧。)阿那律が、いかよ

うにしても…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1
           
    釈迦金棺出現図//京都国立博物館//平安時代後期//国宝   (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(348)

【釈迦・・・10大弟子】 (184)


<金棺(きんかん)の周囲に積んだ薪/香木に、松明(たいまつ)の火がつかないという

事態が起こりました。

この時も阿那律は、<天眼>で静かにお釈迦様御心を探り、参集する人々に告げま

した。

世尊は、<大迦葉(だいかしょう/マハー・カッサバ)/・・・

 

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                   
 第一結集の地/・・・マガダ国/王舎城郊外の・・・七葉窟  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(349)

【釈迦・・・10大弟子】 (185)


・・・頭陀第一>の、到着を待っておられる。それまで、はつかない」


前にも述べましたが…

お釈迦様入滅後3カ月が過ぎた時…大迦葉召集で、摩掲陀国/王舎城郊外/

七葉窟で、<第一結集(だいいちけつじゅう)が開かれます。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
      お釈迦様 彫刻  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(350)

【釈迦・・・10大弟子】 (186)


その時…

優波離<律/戒律>を、阿難陀<経/経典>を述べ…


<全員/500羅漢が・・・ お釈迦様の言葉として・・・ 異議なし



…と認めると、最後阿那律が、<天眼>お釈迦様裁可を仰いでいました。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1
                    
      末羅国(まつさらこく)/・・・クシナガラ        (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(351)

【釈迦・・・10大弟子】 (187)


阿那律は…

その後…お釈迦様荼毘所(だびじょ)を離れることができず…生涯この地に住み続け、

この地で亡くなっています。

その村の名を、<アヌルードワ村>と呼ぶそうですが、<阿那律/あなりつ・・・アヌ

ルッダ>…にちなんだ村名だと言われます。

クシナガラ涅槃堂から1kmほどの所に

ラーマーバルという饅頭型(まんじゅう)大きな塚があり、そこがお、釈迦様荼毘所と伝

えられています。


 8月  6日

岡田健吉‏@zu5kokd1        
       
      迦旃延(かせんねん)//製作: 奈良時代//奈良・興福寺//国宝   (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(352)

【釈迦・・・10大弟子】 (188)

・・・ 迦旃延(かせんねん/カッチャーナ、カッチャーヤナ)・・・<論議第一>


ええ…

6番目迦旃延です。彼の出自特徴的なことは、<インド中部の出身>という事で

す。インド大陸中部は、お釈迦様足跡の及んでいない所です。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1        
       
      迦旃延(かせんねん)//製作: 奈良時代//奈良・興福寺//国宝   (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(353)

【釈迦・・・10大弟子】 (189)


迦旃延(かせんねん)は…

当時インド16大国の1つアヴァンティ国首都/ウッジェーニー出身と言いま

す。父親国王補佐役という事ですから、もまた将来を嘱望されたエリートだったの

でしょう。

国王お釈迦様風聞を聞き…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
       
      迦旃延(かせんねん)//製作: 奈良時代//奈良・興福寺//国宝   (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(354)

【釈迦・・・10大弟子】 (190)


…ぜひ一度、自国に招いて教えを聞きたいと思いました。しかしそれが叶(かな)わぬなら、

その教えの概略なりとも知りたいと思い、使者派遣しました。その使者の1人迦旃延

だったという事です。

しかし、迦旃延お釈迦様の教えに感激し…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1   
                    
        インド                        (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(355)

【釈迦・・・10大弟子】 (191)


使者としての任務放棄したわけではないのでしょうが、出家してお釈迦様の方に

してしまいます。

お釈迦様の方としても…

この様な人々派遣されて来るのは、願ったり、かなったりという事でしょう。それもこれ

も…


 8月  7日

岡田健吉‏@zu5kokd1        
       
      迦旃延(かせんねん)//製作: 奈良時代//奈良・興福寺//国宝   (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(356)

【釈迦・・・10大弟子】 (192)


お釈迦様<覚醒/悟り>本物であり、異国の人々の心にも、<正しく・・・響くも

の>…であったという事でしょう。

仏教教団勢力が、この様に恒河(ごうが)/ガンジス川中流域をこえて拡大して行った

光景が、具体的に見えて来ます。富楼那は、ムンバイ/(ボンベイ)(/・・・英語での公式名称

が、1995年に、現地語のムンバイに変更になっています。)方向へ帰ったわけですから、西という事で

すね。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1   
                    
                    (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(357)

【釈迦・・・10大弟子】 (193)


そして、だいぶ後になりますが…

仏教<第28祖/菩提達磨(ぼだい・だるま)が…中国大陸/当時の北魏(ほくぎ/『三国

志演義』で、<劉備玄徳(りゅうび・げんとく)・諸葛孔明(しょかつこうめい)>の敵役、曹操の国でしょうか。)に入りま

す。

この出来事は、やがて唐の時代になり…

<インド文明の体臭の抜けた・・・中国文明独自の禅宗が・・・菩提達磨を初祖とし

て・・・大きく開花・・・> 

…して行きます。

その唐の時代に、逆に

<訳経僧(やくきょうそう)/玄奘三蔵(げんじょう・さんぞう)が、チベット高原を越えて単身で…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1       
                     
玄奘三蔵//東京国立博物館蔵//鎌倉時代// 重文 (/パブリック・ドメイン) 

《仏教/雑学》・・・(358)

【釈迦・・・10大弟子】 (194)


インド大陸を訪れています。玄奘三蔵は、当時世界最古の大学1つ/<ナーラン

ダ大学/ナーランダ大僧院>に招かれています。

そして16年間に及ぶ、求道のインド大冒険(/仏教の聖地巡礼)を終え、大量の経典とともに、

中国/唐帰還します。訳経僧としては…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
      お釈迦様 彫刻  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(359)

【釈迦・・・10大弟子】 (195)


…これからが、<経典の漢訳という・・・膨大な翻訳作業>になります。むろん、他の

訳経僧も加わり、文化的大事業になります。

日本からの遣唐使船は…

第9代玄宗皇帝(/有名な楊貴妃(ようきひ)は、玄宗の寵姫)に仕え、に骨をうずめた阿倍仲麻呂

(あべの・なかまろ/科挙(かきょ/中国の官僚登用試験)に合格し、玄宗に仕えました。)等を運んだ時代です。

しかし、当時隆盛してきた<禅宗>よりも、<天竺(てんじく)/インドからもたらされた、

膨大な経典の漢訳>…の方を移入した様です。

<禅宗>日本にもたらされるのは、の後の宋の時代であり、鎌倉時代栄西禅師

そして道元禅師という、入宋僧時代になります。

それにしても…

玄奘三蔵が、<ナーランダ大学/ナーランダ大僧院>入った頃には…仏教イン

ド大陸においては、ピークを過ぎた頃と言われています。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      慧可断臂図//雪舟//国宝         (/パブリック・ドメイン) 

《仏教/雑学》・・・(360)

【釈迦・・・10大弟子】 (196)


その少し前…

菩提達磨(ぼだい・だるま)も…師/般若多羅(はんにゃたら)今際(いまわ/死にぎわ)の指示に従

い…<布教の新天地>シナ/中国に求めています。指示は、未開な南方では

なく北方中国でした。

菩提達磨は、苦労を重ねながら海路シナ/中国に入り…<洛陽(らくよう/北魏の都・・・現

代の河南省北西部の都市)郊外の・・・嵩山(すうざん)少林寺>到達します。

以後…菩提達磨は、有名<九年面壁(くねん・めんぺき)を行うわけです。



 8月  8日

岡田健吉‏@zu5kokd1        
       
      迦旃延(かせんねん)//製作: 奈良時代//奈良・興福寺//国宝   (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(361)

【釈迦・・・10大弟子】 (197)


さて…

迦旃延(かせんねん)<論議第一>と言われます。これは富楼那(ふるな)<説法第一>

とどう違うのか?

うーむ…

これは、<論議第一/説法第一>という言葉の定義の問題よりも、<お釈迦様の教

えを・・・民衆に説く >…その、人間的なスタイルの違いなのでしょうか。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1       
                    
      富楼那    興福寺/国宝         (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(362)

【釈迦・・・10大弟子】 (198)


富楼那の場合は…

心に傷を持ち、貿易商として世界を渡り歩き、海の荒くれ男をも統率する、大きな人間性

話術があります。何処へでもフラリと飛び込み、誰とでも親密に話ができます。

一方、迦旃延は…

子供の頃より聡明で、一度聞いた内容は忘れず良く理解したと言われます。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
       
      迦旃延(かせんねん)//製作: 奈良時代//奈良・興福寺//国宝   (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(363)

【釈迦・・・10大弟子】 (199)


つまり、秀才肌エリートであり…<お釈迦様の、深遠で難解な教えを・・・誰にも分

かりやすく、噛み砕いて説明する事>…が巧みだった様です。


★ ・・・【一夜賢者の偈】・・・

そうした1例として…『一夜賢者の偈』(いちや・けんじゃの・げ)をしましょう。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      苦行中の釈尊/お釈迦様            (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(364)

【釈迦・・・10大弟子】 (200)


『一夜賢者の偈』 は…

私/(岡田)が、若い頃に書いた小説/『普遍時間』 の中で使った事があり、私にとっても

思い出深い詩偈(しげ/・・・偈とは・・・経文で仏徳をたたえ、または教理を説く詩。多く四句からなります。/禅宗

で、悟りの境地などの宗教的内容を表現する漢詩。)です。

                                 <・・・・・小説/『普遍時間』は、こちらへどうぞ>

これは、原始経典(/初期経典・・・初期仏教は、釈尊が覚醒し、鹿野苑(ろくやおん/サールナート)<初天法輪

を行った五比丘/<コンダンニャ、ワッパ、バッディヤ、マハーナーマン、アッサジ>の、都合6人が阿羅漢となり、創設

された初期仏教教団の頃から、150年~200年間をさし・・・その頃の経典。)1つ/『中部経典』の【大迦旃

延一夜賢者経】に出ている(げ)/詩です。



 8月  9日

岡田健吉‏@zu5kokd1   
                    
  現在の温泉精舎/ヒンドゥー教の寺院    (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(365)

【釈迦・・・10大弟子】 (201)


ある時…

お釈迦様ともども、摩掲陀国/王舎城南郊外<温泉精舎>にいた時の事です。

三弥提(さんみだい/サミッディ)という比丘が、迦旃延(かせんねん)の所に来て、『一夜賢者の偈』

(いちや・けんじゃの・げ)解説を頼みました。これはその頃…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1   
                    
      温泉を楽しむヒンドゥー教徒          (/ネットより画像借用)

《仏教/雑学》・・・(366)

【釈迦・・・10大弟子】 (202)


…巷(ちまた)に伝えられていた<読み人知らずの偈>でした。


過ぎ去れるを追うことなかれ・・・

未だ来たらざるを願うことなかれ・・・

過去、そはすでに捨てられたり・・・

未来、そは未だ至らざるなりなり・・・

されば、ただ現在するところのものを・・・

 

岡田健吉‏@zu5kokd1        
       
      迦旃延(かせんねん)//製作: 奈良時代//奈良・興福寺//国宝   (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(367)

【釈迦・・・10大弟子】 (203)


そのところにおいて、よく観察すべし・・・

揺ぐことなく、動ずることなく・・・

そを見極め、そを実践(じっせん)すべし・・・

ただ今日、まさに為すべき事を熱心に為せ・・・

たれか明日、死のあることを知らんや・・・

まことに、かの死の大軍と・・・

 

岡田健吉‏@zu5kokd1        
       
      迦旃延(かせんねん)//製作: 奈良時代//奈良・興福寺//国宝   (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(368)

【釈迦・・・10大弟子】 (204)


(あ)わずという事は、あることなし・・・

よく、かくのごとく見極めたる者は・・・

心をこめ、昼夜おこたることなく、実践せん・・・

かくの如きを、一夜賢者といい・・・

また、心しずまれる者というなり・・・


迦旃延は…

まず、その第1句の…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1   
                    
       現在/王舎城・・・竹林精舎跡に残る竹      (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(369)

【釈迦・・・10大弟子】 (205)


<過ぎ去れるを追うことなかれ>を…【大迦旃延一夜賢者経】によれば、次の様に

解説しています。


「友よ・・・

では、過去を追うということは、如何なる事であろうか・・・

かくの如く、わが眼は過去の時にありき・・・

かくの如く、諸々(もろもろ)の色(しき)はありきと・・・



 8月  10日

岡田健吉‏@zu5kokd1        
       
      迦旃延(かせんねん)//製作: 奈良時代//奈良・興福寺//国宝   (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(370)

【釈迦・・・10大弟子】 (206)


そこに、欲貪(よくどん)によりて縛(ばく)せられたる意識がある・・・

意識が、欲貪によりて縛せられているがゆえに、それを喜ぶ・・・

それを喜ぶがゆえに、過去を追う・・・

友よ・・・

過去を追うというは、かかる事を言うのである・・・

 

岡田健吉‏@zu5kokd1        
       
      迦旃延(かせんねん)//製作: 奈良時代//奈良・興福寺//国宝   (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(371)

【釈迦・・・10大弟子】 (207)


友よ・・・

では過去を追わぬというは、どの様な事であろうか・・・

かくの如く、我が眼は過去の時にありき・・・

かくの如く、諸々の色(しき)はありきと・・・

そこに欲貪によりて意識が縛されていない・・・

意識が、欲貪によって縛せられていないがゆえに・・・

 

岡田健吉‏@zu5kokd1        
       
      迦旃延(かせんねん)//製作: 奈良時代//奈良・興福寺//国宝   (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(372)

【釈迦・・・10大弟子】 (208)


それを喜ぶ事がない・・・

それを喜ぶ事がないゆえに、過去を追う事がない・・・

友よ・・・

過去を追わずというは、かかる事をいうのである・・・


…と、まあ…

第1句だけで、ウンザリする様な煩瑣(はんさ/細かい点までこみいっていて、煩わしいこと)哲学(はんさ

・てつがく/・・・スコラ哲学を、ささいなことを無意味に細かく議論するものとして低く評価する際の蔑称。現在は・・・宗教哲

学的関心の対象として、一定の地位を確保している)/綿密な分析的説明です。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      苦行中の釈尊/お釈迦様            (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(373)

【釈迦・・・10大弟子】 (209)


しかし…

こうした思考が、初期/仏教教団において重きをなした所の…いわゆる<分別>であ

り、<論議>だった様です。その<論議第一>が、迦旃延でした。

ちなみに…

この様な分析的思惟で優れていたのが、<舎利弗/サーリプッタ/・・・智慧第一>

であり…<迦旃延/カッチャーナ/・・・論議第一>…だったと言われます。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
      お釈迦様 彫刻  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(374)

【釈迦・・・10大弟子】 (210)


迦旃延解説を聞いた比丘達が…

後に、お釈迦様に報告し、改めて尋ねると…お釈迦様はこう言われたといいます。


「迦旃延は、よく真理を知る者である・・・

私の所に来たとしても、同じ様に解説したであろう・・・」


後に、迦旃延阿羅漢(あらかん/仏教において、尊敬や施しを受けるに相応しい聖者/最高の修行者。菩薩

との違いは、菩薩は仏の下の位のことです。)となり…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1        
       
      迦旃延(かせんねん)//製作: 奈良時代//奈良・興福寺//国宝   (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(375)

【釈迦・・・10大弟子】 (211)


故国/インド大陸中部のアヴァンティ国に帰って行きます。

そして…

国王仏教帰依させ、多くの人々に教えを広げました。しかし、それは並大抵の事

はなかった様です。インド大陸は広く、言葉風習も様々に異なります。布教想像を絶

する苦労で、特に南方辺境の地では、ひとしおの苦労ではなかった事が、『法句経註』

(ほっくきょう・ちゅう/)などに記されている、と言います。

 

釈尊/お釈迦様が生まれたのは

紀元前5世紀頃であり、イエス・キリストの誕生よりも、500年も前風景です。その教え

が、やがて中国/黄河流域文明移植され、シルクロードの終着点/日本にも伝来して

来るわけです。



 8月  21日

岡田健吉‏@zu5kokd1         
                    
      須菩提/奈良・興福寺/国宝        (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(376)

【釈迦・・・10大弟子】 (212)

7・・・須菩提( しゅぼだい、すぼだい/スブーティ)・・・<解空第一>


7人目須菩提
(しゅぼだい)です。

須菩提出自(しゅつじ/生まれ、出所)での特徴は、何と言っても祇園精舎寄進者/スダッ

タ長者身内だという事です。父親スダッタの弟であり、商業莫大な財を…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
      須菩提/奈良・興福寺/国宝        (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(377)

【釈迦・・・10大弟子】 (213)


…蓄えた富裕な一族の子として育ちました。

舎利弗(しゃりほつ)目犍連(もっけんれん)の様に、バラモンの家系で、鍛えられて育ったので

はありません。また、迦旃延(かせんねん)の様に、父親王の補佐役で、エリートの家系

育ったわけでもありません。

須菩提(しゅぼだい)は…

いわゆる商人の家系の…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1         
                    
      須菩提/奈良・興福寺/国宝        (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(378)

【釈迦・・・10大弟子】 (214)


ボンボンであり、何不自由なく、我儘(わがまま)放題で育った様です。そして我儘放題

お決まりコースの様に、若い頃はその財力が災いし、荒れた暮らしぶりだったと伝えられ

ています。現代/グローバル経済の時代も、この種人間跋扈(ばっこ/思うままにのさばる

こと)している様です。

貧しい両親のもとに生まれても…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
      須菩提/奈良・興福寺/国宝        (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(379)

【釈迦・・・10大弟子】 (215)


向上心のある人生には、達成感ドラマがあります。一方、最初から莫大な財のある

場合は、逆に、幸福な人生とはならない様です。須菩提も、まさにそうした荒れた生活

していた様です。

ところが…

お釈迦様が、初めて祇園精舎入られた日に…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
      お釈迦様 彫刻  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(380)

【釈迦・・・10大弟子】 (216)


須菩提祇園精舎寄進した伯父/スダッタの傍(かたわ)らで、説法を聞きました。そし

て、ここがボンボン純粋な所なのでしょう。

お釈迦様説法深く心を動かされ即座出家決意した様です。これが仏縁(ぶつえ

ん/仏との間に結ばれる縁。仏の導き。)というものなのでしょう。


 8月  22日

岡田健吉‏@zu5kokd1         
                    
      須菩提/奈良・興福寺/国宝        (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(381)

【釈迦・・・10大弟子】 (217)


以後、須菩提心底から修行に励み、生活を一変させ、<解空第一>と言われるまで

に登り詰めます。

さて…

<解空第一>ですが、これは<空><解>することが<第一>という意味です。

奈良/薬師寺(/興福寺とともに法相宗の大本山。南都七大寺の1つ。本尊は薬師如来、開基(創立者)は天武

天皇。)の…

<平成の・・・釈迦十大弟子>制作された、彫刻師/…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1
                    
    釈迦十大弟子立像/奈良・薬師寺 (中村晋也)   (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(382)

【釈迦・・・10大弟子】 (218)


…中村晋也氏は、著書の中でこう述べられています…

<“空”とは、仏教の基本哲学であり・・・よく仏教の根本は“無”であると理解され

ているようだが・・・

私がこの十大弟子の製作を通じて、お近づきをいただいている薬師寺の方々は

・・・

 

岡田健吉‏@zu5kokd1         
                    
      須菩提/奈良・興福寺/国宝        (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(383)

【釈迦・・・10大弟子】 (219)


・・・けっして“無”ではありませんとおっしゃる。むしろ“空”。少なくとも虚無的な思

想ではない。>


…うーむ…<虚無的思想>ではない、というのは分かります。

しかし、<無>ではなく、むしろ<空>とはどういう事なのか。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1            
                    
       趙州禅師    (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(384)

【釈迦・・・10大弟子】 (220)


浅学/若輩者で…たった1人禅道を歩んで来た(/岡田)には、理解を超える言葉

す。まず、『無門関 - 第1則/趙州狗子(じょうしゅう・くし) には、こうあります…


<ある時、1人の僧が趙州和尚(じょうしゅう・おしょう)に問うた。

「犬には仏性(ぶっしょう/一切の衆生(しゅじょう)が備えている、仏になれる本性)が有るでしょうか・・・

 

岡田健吉‏@zu5kokd1         
                    
      須菩提/奈良・興福寺/国宝        (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(385)

【釈迦・・・10大弟子】 (221)


・・・それとも無いでしょうか。」

「〈無〉」と、趙州は答えた。>


趙州禅師は、中国/唐末期の時代の人です。120歳長寿を全うした、禅宗史有名

です。趙州は、『無門関 - 第14即/南泉斬猫(なんせん・ざんびょう/・・・<シュレーディンガ

ーの猫>と並ぶ、歴史的な猫の虐待)南泉禅師であり、は…



 8月  23日

岡田健吉‏@zu5kokd1   
                    
       趙州禅師    (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(386)

【釈迦・・・10大弟子】 (222)


趙州57歳の時に遷化(せんげ/高僧が死ぬこと)しています。第18代皇帝/武宗仏教

大弾圧845年で、趙州67歳の時。臨済義玄(りんざい・ぎげん/臨済宗の開祖)禅師遷化

866年で、趙州88歳の時。仰山(ぎょうざん/唐代の禅僧)禅師遷化890年で、趙州

112歳の時です。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      お釈迦様                       (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(387)

【釈迦・・・10大弟子】 (223)


つまり趙州禅師は…

中国/唐時代の末期において、禅宗黎明期(れいめいき/ある事柄が形になる前の始まりの時期)

から爛熟期(らんじゅくき/果実がくずれそうなまでに熟しきっている時期)にかけての、<独創的禅風の

最も盛んな時代>に生きた、長寿/120歳重鎮(じゅうちん)でした。

<趙州狗子(じょうしゅう・くし)…の“無”>は、その趙州従諗(しょうしゅう・じゅうしん)禅師<無

なのです。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
       趙州禅師    (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(388)

【釈迦・・・10大弟子】 (224)


その<無>考察は後回しにして…

まず、趙州師/南泉禅師に初めて参謁(さんえつ/参上して、目上の人や尊貴な人に会うこと)した

時のエピソードを紹介しておきましょう。


★★★


趙州は山東省の生まれ、少年の頃に寺に入りました。

そして、青年の頃になると、南泉禅師のもとで・・・

 

岡田健吉‏@zu5kokd1       
                    
      須菩提/奈良・興福寺/国宝        (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(389)

【釈迦・・・10大弟子】 (225)


・・・学ぶために池州(ちしゅう)に移ります。

趙州が、初めて南泉禅師に参謁(さんえつ)した時、南泉は横になって休息している所で

した。

南泉は、横になったまま問います。

「最近、何処にいたのか?」

「瑞像(ずいしょう/めでたいことが起こるという前兆。吉兆。)にいました」

「それでは、瑞像を見たか?」

 

岡田健吉‏@zu5kokd1   
                    
      臥如来/寝釈迦         (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(390)

【釈迦・・・10大弟子】 (226)


「瑞像は見ません。しかし臥如来(がにょらい/横になって寝ている如来)を見ました」

そこで、南泉は起き上がり、問いました。

「お前にはすでに、師事する師匠は有るのか、無いのか?」

「あります」

「それは誰か?」

趙州は、二、三歩南泉に近づいてお辞儀をし、言います。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
      須菩提/奈良・興福寺/国宝        (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(391)

【釈迦・・・10大弟子】 (227)


「寒さ厳しい折にもかかわらず、御機嫌うるわしく、お慶び申し上げます」

南泉は、趙州の人物を認め、弟子になることを許しました。そして、趙州が57歳の

時、師/南泉は遷化しています。


★★★



 8月  24日

岡田健吉‏@zu5kokd1        
                    
       趙州禅師    (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(392)

【釈迦・・・10大弟子】 (228)


さて…

話を戻して、【無門関 - 第1則/趙州狗子】<無>について考察しましょう。

彫刻師/中村晋也氏薬師寺の方々は、むろん、趙州禅師<無>は、百も承知

言っているわけです。

そして、言うところの<空>とは、<一切皆空(いっさい・かいくう/あらゆる現象や存在には実体がな

く、空であるということ)、であり、『般若心経/・・・

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
                 (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(393)

【釈迦・・・10大弟子】 (229)


・・・色即是空、空即是色』<空>である事は、明らかです。

まず…

【無門関 - 第1則/・・・「犬には仏性が有るでしょうか、無いでしょうか」 「無」 】とは、ど

ような事なのでしょうか?

<仏性>とは、<一切の衆生が備えている・・・

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(394)

【釈迦・・・10大弟子】 (230)


・・・仏になれる本性>…です。

<一切衆生悉有仏性(いっさい・しゅうじょう・しつう・ぶっしょう/・・・生きとし生けるものは、全て仏陀になる可

能性 “仏性”があり、全て悟りうるという・・・仏教の思想)とも言います。

そして、ここでは…

<狗子(くし)/犬>にも<仏性があるのでしょうか>

 

岡田健吉‏@zu5kokd1       
                    
       趙州禅師    (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(395)

【釈迦・・・10大弟子】 (231)


…と1人の僧が、趙州和尚に聞いています。

趙州和尚は、一言<無>…と答えています。

これは、いわゆる<禅問答(/禅宗の修行法の1つで・・・修行者が疑問を問い、師がこれに答えるもの。転じ

て、何を言っているのか、傍(はた)からは分からない問答)で、これに答え得るならば…と、無門禅師

は、『無門関/・・・巻頭の頌(じゅ)/偈(げ/仏の功徳(くどく)をほめたたえる詩・・偈頌(げじゅ) )で、高

らかに(うた)っています。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1        
                    
            (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(396)

【釈迦・・・10大弟子】 (232)


★ 【無門関・・・頌】 ★

大道無門

千差(せんさ)路あり

(こ)の関を透得(とうとく)せば

乾坤(けんこん)に独歩せん


★ 現代語訳 ★

大道は無門である・・・

そこには幾千もの道がある・・・

この関を通り得るならば・・・

宇宙を闊歩(かっぽ)する者となろう・・・

 

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
       趙州禅師    (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(397)

【釈迦・・・10大弟子】 (233)


つまり…

この<無/・・・無門の関・・・>通り得た者は、<覚醒/悟り>を得て、大宇宙を闊

(かっぽ/大またで堂々と歩くこと)することができる、と言います。さあ、その<無>とは何な

のか?

本来なら…

ここで解答を言うことは、あり得ません。修行僧はこの<公案>よりいただき…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      苦行中の釈尊/お釈迦様            (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(398)

【釈迦・・・10大弟子】 (234)


何年もの間、昼夜決死の覚悟参究(さんきゅう/仏前に静座し、悟りを求め、真理を究明すること)し、

この<大疑(たいぎ/大きな疑問)(いど)続けるわけです。

こうした…

【無門関】 【碧巌録(へきがんろく)】 【伝燈録/景徳伝燈録(けいとく・でんとうろく)<公案集

編集されて来るのは、しだいに禅宗体系化されて、修行僧たちの<覚醒/悟り

のための、道標(みちしるべ)整備されて来たからです。時代は、中国/宋時代に入っ

てからの事です。



 8月  25日

岡田健吉‏@zu5kokd1           
                    
       趙州禅師    (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(399)

【釈迦・・・10大弟子】 (235)


ところが現代は…

大量の出版物で溢れ、さらにインターネット時代になり、<禅の公案>決死の覚悟

<参究(さんきゅう/仏前に静座し、悟りを求め、真理を究明すること)をしようにも、最初から答え

レバレになっています。

むろん、(/岡田)も、そうした時代に生まれて来たわけです。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
  
禅宗/初祖・・・菩提達磨  月岡芳年筆 - 『月百姿』の内達磨を描いた「破窓月」 明治20年  (/パブリック・ドメイン) 

《仏教/雑学》・・・(400)

【釈迦・・・10大弟子】 (236)


<伝説的な・・・割れるような大覚醒/大悟>は、望むべくもなかったわけですが、

の様な時代でも、それなりの生き方というのもあるのでしょう。

さて、ともかく…

<狗子/犬><仏性>が、有るのか無いのかです。趙州和尚<無>と答えてい

ます。では、<無い>のかと言うと…実は、そうではありません。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1    
      
禅宗/2祖・慧可(えか)  『慧可断臂図(えかだんぴず)』雪舟筆/室町時代  国宝  (/パブリック・ドメイン) 

《仏教/雑学》・・・(401)

【釈迦・・・10大弟子】 (237)


じゃあ、<有る>のかと言うと…そうでもないのです。<では・・・一体、どっちなのか?

と言うと…趙州和尚は重ねて、<無>…と言うでしょう。

さあ、ここから…

<禅的な・・・大疑/大疑問>が始まるわけです。構造単純なだけに、どうにも歯が

立たない難問です。ここで、修行僧悶々と苦しむわけです。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1   
        
                   禅宗/3祖・僧璨(そうさん)    (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(402)

【釈迦・・・10大弟子】 (238)


一方…

迫る、禅匠の立場からすれば、この【無門関 - 第1則/趙州狗子】 は、非常に鋭い問い

かけ、となります。

こうやって修行僧を…

<絶体絶命の・・・大疑問の崖っ淵>追い込み<最後に・・・崖っ淵で足を滑ら

せた瞬間・・・ フッ ・・・と思慮分別が吹っ飛ぶ瞬間に・・・覚醒/大悟が訪れる>

とも、言われています。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
        
                   禅宗/4祖・道信(どうしん)   (/パブリック・ドメイン) 

《仏教/雑学》・・・(403)

【釈迦・・・10大弟子】 (239)


しかし、これは、条件が整うまでが大苦労です。まして、小知(しょうち/浅い知恵、わずかな才知)

働く者は、今も昔も、<禅的な・・・大疑/大疑問>などは持たずに、ホイホイと、

日々面白可笑しく生きて行きます。

<禅的な・・・覚醒/大悟>難しいのは、こんな単純構造的風景から来ています。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1      
        
               禅宗/5祖・弘忍(ぐにん、こうにん)   (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(404)

【釈迦・・・10大弟子】 (240)


さて…

そろそろ、結論を言うと…

趙州和尚<無>は…<有る>とも、<無い>とも、言っていないわけです。

その<無>とは…

<有る無いの・・・有無の無>ではなく…それを超越した、“絶対無”の・・・無>

のです。趙州和尚<無>は、東洋思想



 8月  26日

岡田健吉‏@zu5kokd1    
   禅宗/6祖・慧能(えのう) ・・・はるばる南嶺/新州から、身一つで5祖/弘忍のもとに参上した慧能は、文字
も書けず、

   黄梅山で米つきの仕事をもらい、行者(あんじゃ)として修行しつつ・・・5祖の衣鉢を継承します。 (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(405)

【釈迦・・・10大弟子】 (241)


…における<絶対無>象徴的なもの、と言われます。

<一切衆生悉有仏性(いっさい・しゅうじょう・しつう・ぶっしょう)なのですから、当然、<狗子/

犬>にも<仏性>有るのです。

しかし、趙州禅師は何のためらいもなく、<無>と答えています。自己世界<無>

になりきり…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1    
 神秀/・・・慧能と競い敗れた。慧能の<頓悟(とんご)>に対し、<暫悟(ざんご)>。同じく6祖ともされ、北宗禅の開祖。

              この北宗禅から・・・趙州禅師と、臨済宗の臨在儀玄が生まれています。 (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(406)

【釈迦・・・10大弟子】 (242)


問僧の前に投げ出してしまった所に、禅匠(ぜんしょう)真骨頂(しんこっちょう/それの真価であ

る姿)があります。

これは別名で…

<趙州無字・・・の公案>と呼ばれています。真意は、<有・無・・・の二元的解釈>

の事ではなく、それを超越した所にある、<真理 = そのもの>を、見よと言っています。

 


岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
       趙州禅師    (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(407)

【釈迦・・・10大弟子】 (243)


つまり…

理屈思想概念超えた所にある、<即今/・・・現下の・・・真の仏性>…を示唆

(しさ)しているのです。

この公案について…

ある禅匠は、こう言っています…

<趙州の無字・・・真っ向から取り組んで、“無”になり切れただ、ひたすら・・・

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      苦行中の釈尊/お釈迦様            (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(408)

【釈迦・・・10大弟子】 (244)


・・・“無自己”になり切れ

…と。

さて、この<無>

<趙州無字>言葉説明するとなると、非常に難しいのです。これは論理的理解

するものではなく、<覚醒/悟り>同様に、最終的には<体験的・・・に習得>する

ものだからです。それゆえに、仏道/禅宗には修行が必要なのです。



 8月  27日

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
      お釈迦様 彫刻  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(409)

【釈迦・・・10大弟子】 (245)


そして、一方、<空>については…

実は、はまだ、<空>深く考察した経験が無いのです。『般若心経』 をはじめとし

て、仏典を見ていれば、しばしば<空>という言葉と出合うので、おおよその意味

しています。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
      お釈迦様 彫刻  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(410)

【釈迦・・・10大弟子】 (246)


<一切皆空>も、好きな言葉です。

しかし、<無>比較して、特に<空>学んだ事は無いわけです。気にはしていたの

ですが、勉強不足です。これを機会として、仏教根本思想/<空>についても学んで

行きます。

しかし、<空>について言及するのは別の機会にしましょう。ただ、インターネット辞典/

Wikipedia<空>検索すると、以下のように載っています。


<空とは・・・

固定的実体、もしくはアートマン(我)のないことや、実体性を欠いていることを意味す

る。

空は、時代や学派によっていくつかの概念にまとめられるが、その根本的な部分で

はほぼ変わらず、いずれも「縁起を成立せしめるための基礎状態」を指している。>


未熟は…

<無><空>比較するのではなく、逆に、同じ様な意味として、放置して来ました。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1         
                    
      須菩提/奈良・興福寺/国宝        (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(411)

【釈迦・・・10大弟子】 (247)


さて、そこで…

最初に戻すわけですが、彫刻師/中村晋也氏薬師寺の方々のいう…<無>

はなく、むしろ<空>という真意は…には荷が重過ぎるという事です。

<須菩提・・・解空第一>意味も、それに準じます。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
      須菩提/奈良・興福寺/国宝        (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(412)

【釈迦・・・10大弟子】 (248)


ちなみに…

須菩提が聞いた、祇園精舎でのお釈迦様<最初の説法>とは…<無財の七施(しち

せ)でした。

これは、例え金銭を持たずとも、お布施はできるというもので…次の7つです。


★ <和顔施
(わげん・せ)/・・・にっこりと微笑みかける布施>

 

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
      お釈迦様 彫刻  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(413)

【釈迦・・・10大弟子】 (249)


★ <愛語施(あいご・せ)/・・・優しい言葉をかける布施>

★ <床坐施(しょうざ・せ)/・・・疲れている人に席を譲る布施>

★ <慈眼施(じげん・せ)/・・・優しいまなざしで見る布施>

★ <捨身施(しゃしん・せ)/・・・ボランティアの布施>

★ <心慮施(しんりょ・せ)/・・・心配りをする布施>

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      お釈迦様                       (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(414)

【釈迦・・・10大弟子】 (250)


★ <房舎施(ぼうしゃ・せ)/・・・困っている人に宿を貸す布施>


それから、須菩提は…

<被供養第一(ひ・くよう・だいいち)とも呼ばれました。これは、多くの縁のおかげで現在

ある事に感謝し、信者からの供養誰よりも篤く(あつく/篤い・・・情に厚いこと)受けた事で、付

けられた呼び名と言われています。



 8月  28日

岡田健吉‏@zu5kokd1         
                    
      須菩提/奈良・興福寺/国宝        (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(415)

【釈迦・・・10大弟子】 (251)


何不自由のない暮らしから一転し、供養される事に心から感謝したのでしょう。ボンボン

育ちの、純粋一途の心から来たものでしょうか。

その1例として…

王舎城での、須菩提ビンビサーラ国王との話が、経典に載っています。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1         
                    
      須菩提/奈良・興福寺/国宝        (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(416)

【釈迦・・・10大弟子】 (252)


★★★

須菩提が…

遊行(ゆぎょう/僧が諸国をめぐり歩くこと)摩掲陀国(まがだ・こく)/王舎城(おうしゃじょう)を訪れた時、

須菩提説法を聞いて、感動した国王は…


「私の、感動をお伝えするために・・・須菩提尊者に草庵を作って寄進しましょう」


…と申し出ました。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
      お釈迦様 彫刻  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(417)

【釈迦・・・10大弟子】 (253)


お釈迦様はある時点から、比丘(びく/僧)個人が、小屋に住むことを許されています。大き

キチンと定められていて、1~2畳洞窟のような小空間です。日本の寺<方丈

(ほうじょう/寺の中にある住職の居所)も、ここから来ているのでしょうか。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1         
                    
      須菩提/奈良・興福寺/国宝        (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(418)

【釈迦・・・10大弟子】 (254)


くり返しますが…

須菩提は、祇園精舎のあるコーサラ国/舎衛城(しゃえいじょう)スダッタ長者一族です。

そして摩掲陀国は、当時のインド/16大強国の中で最大でした。

そのビンビサーラ国王は…

須菩提草庵寄進したものの、忙しさに紛れ、屋根を葺(ふ)のを失念していました。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
      須菩提/奈良・興福寺/国宝        (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(419)

【釈迦・・・10大弟子】 (255)


一方、須菩提の方は…

<供養されたものは・・・心から感謝していただく >…という決まり通り、その屋根

ない草庵に住みました。当然、風雨にさらされるわけですが、須菩提は気にもせず、

追加して欲しいと申し出ませんでした。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
      お釈迦様 彫刻  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(420)

【釈迦・・・10大弟子】 (256)


お釈迦様は、しばしば…

<死後の事は・・・死んだ時に考えれば良い・・・>

…と説いておられたように、須菩提もまた、<風雨もその時の事>…と考えていたのか

も知れません。

それにしても…

何故か、国王須菩提草庵寄進されて以来、一粒の雨も降らず、干ばつになってい

ました。



 8月  29日

岡田健吉‏@zu5kokd1         
                    
      須菩提/奈良・興福寺/国宝        (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(421)

【釈迦・・・10大弟子】 (257)


干ばつで困ったのは、作物が枯れてしまう農民です。何とかして欲しいと国王陳情

ました。

そこで役人原因を調べると、須菩提寄進した草庵屋根が葺かれていない事が

しました。それで竜王(/仏教における蛇形の鬼類であるナーガ(蛇)の王/ナーガラージャ ・・・下の画像)

を降らせなかった…と分かったのです。

 

       
  竜王・・・ナーガ(蛇)の王/ナーガラージャ像          ナーガラージャ像      (/ネットより画像借用)      


岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
      須菩提/奈良・興福寺/国宝        (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(422)

【釈迦・・・10大弟子】 (258)


そこで…

ビンビサーラ国王が、急いで草庵屋根を葺かせると、すぐにが降り、干ばつ大地

は雨水で潤いました。

役人原因究明方法も、その結論も大そうなものですが…約2500年も前のです。

須菩提<被供養第一(ひ・くよう・だいいち)と呼ばれたのは…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      苦行中の釈尊/お釈迦様            (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(423)

【釈迦・・・10大弟子】 (259)


…その供養ばかりでなく、与えられた供養心から喜び、それをに、さらなる修行

に打ち込んだからの様です。

須菩提は、 『般若経(はんにゃきょう) の中でお釈迦様<空>を説く相手として、しばしば

登場しています。



 9月  15日

岡田健吉‏@zu5kokd1       
                    
     釈迦と羅睺羅と彼の母  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(424)

【釈迦・・・10大弟子】 (260)

8・・・羅睺羅(らごら/ラーフラ)・・・<密行第一>


次は、羅睺羅(らごら)です。

羅睺羅出自特筆すべき事は、カピラ城シッダールタ太子/お釈迦様

という事です。ヤショーダラー妃で、太子出家した後はカピラ城継ぐ者でした。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1   
                    
      羅睺羅尊者-密行第一       (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(425)

【釈迦・・・10大弟子】 (261)


インド名<ラーフラ>とは、<障害、障り(さわり/じゃま)、束縛>意味すると言われ

ます。

これは、シッダールタ太子出家経緯とも深くかかわるもので、太子としては、産まれ

て来て欲しくなかった子供なのでしょう。それゆえに、<ラーフラ/…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
      お釈迦様 彫刻  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(426)

【釈迦・・・10大弟子】 (262)


・・・障害>…などと、不吉名前を命名された様です。

太子病床に臥(ふ)

いよいよ、このままでは、太子が失われてしまうと判断した父王/浄飯王(じょうぼん

のう)は、<羅睺羅/らごら、ラーフラ>後継者とし、太子出家することを黙認され

ました。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
            羅睺羅          (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(427)

【釈迦・・・10大弟子】 (263)


さて、ここは、ひとつ…

羅睺羅の身になって考えてみると、<偉大すぎる覚醒者・・・お釈迦様の子>…とい

うのは、仏教教団の中では、<非常に・・・生きにくかった>…と思われます。

これが、覇者/カピラ城の王の子としてなら、好き勝手に振る舞えるわけですが…


 9月  16日

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
      お釈迦様 彫刻  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(428)

【釈迦・・・10大弟子】 (264)


<覚醒者の子/お釈迦様の子>とは、非常に難しい立場です。

まず、普通に考えても…

教団の中で課せられる事は、お釈迦様を、<父として・・・普通に慕う事>許されず

<お釈迦様の子という・・・特権意識>捨て<1修行僧という・・・逆転した立

場>に身を置くという、<特別な苦行>です。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1   
                    
      羅睺羅尊者-密行第一       (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(429)

【釈迦・・・10大弟子】 (265)


これは、他の修行者にはないものです。

そうやって…出自のあらゆるプライド滅却(めっきゃく/すっかりなくすこと)して励んでも、その

努力成果は…<お釈迦様の子であるから・・・資質は当然>…と見られるわけで

す。そして、もし道を外せば<お釈迦様の・・・お子が・・・>という目で、見られてしま

うわけです。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1       
                    
     釈迦と羅睺羅と彼の母  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(430)

【釈迦・・・10大弟子】 (266)


<偉大すぎる父>というのは、子にとって大きな誇りと共に、何とも重荷な事です。

さて…

羅睺羅が、父/お釈迦様に会ったのは、経典によっても違う様ですが、9歳から12歳頃

の様です。

お釈迦様は、布教のために幾度カピラ国/…



 9月  17日

岡田健吉‏@zu5kokd1   
                    
      羅睺羅尊者-密行第一       (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(431)

【釈迦・・・10大弟子】 (267)


カピラ城を訪れていますが、その折に会ったのでしょうか。

羅睺羅(らごら、ラーフラ)母/ヤショーダラー妃に連れられて、お釈迦様の前に進み、こう

言ったと伝えられています。


「父よ、私はあなたの子のラーフラです。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      カピラ城跡                        (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(432)

【釈迦・・・10大弟子】 (268)


いずれ王位につけば、財宝が必要ですから、私に財宝をお譲りください」


これは、側近たちが前もって用意していた言葉でしょう。羅睺羅自身は…


「おそばにいると、とても気持ちがいい・・・」


…と言って、お釈迦様弟子たちと共に…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1   
                    
      羅睺羅尊者-密行第一       (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(433)

【釈迦・・・10大弟子】 (269)


…留まっていた、ニグローダ園に付いて行った、という事です。

お釈迦様は…

この子には、<欲望の根元となる・・・財宝>ではなく、<絶対価値を持つ・・・真実

という財宝>…を与えよう、と考えられた様です。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
    カピラ城跡/ニグローダ樹園と呼ばれていた所    (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(434)

【釈迦・・・10大弟子】 (270)


そして、そのまま…

高弟/舎利弗受戒の師として剃髪させました。それから、一人前比丘にはまだ

若いので、もう1人の高弟/目犍連指導を依頼しました。

仏教教団双璧で、刎頚の友(ふんけいのとも/中国の戦国時代の故事・・・お互いに首を斬られても後悔し

ないような仲 )である2人とした事で、羅睺羅教団での…



 9月  18日

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
      お釈迦様 彫刻  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(435)

【釈迦・・・10大弟子】 (271)


地位盤石のものにしています。

一方…

カピラ城では、羅睺羅姿が見えないと、大騒ぎになっていました。そこで、お釈迦様

いるニグローダ園に人を遣わしてみると、剃髪(ていはつ/仏教では、入門する者は必ず頭を丸剃りに

して、袈裟を授けられる。)し、沙弥(しゃみ/出家はしたが、まだ具足戒を受けず、出家修行者である比丘になる以前

の少年をいう。)黄衣姿(きごろも・すがた)の、羅睺羅がいました。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      お釈迦様                       (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(436)

【釈迦・・・10大弟子】 (272)


祖父/浄飯王(じょうぼんのう)は、大いに嘆き激怒しました。

それというのも、お釈迦様異母弟/阿難陀(あなんだ/・・・10大弟子の1人)がすでに出家

ていたからです。ここで、羅睺羅まで出家してしまえば、カピラ城正統王位継承者

いなくなってしまうからです。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
      お釈迦様 彫刻  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(437)

【釈迦・・・10大弟子】 (273)


浄飯王は…お釈迦様の前に出て、涙ながらに言いました。


「仏陀よ・・・

御身が出家した時、私の苦しみと悲しみは、言葉では言い尽くせないほどであっ

た。でも、まだ阿難陀がいると諦(あきら)めた。その阿難陀が出家した時も、同じ苦し

み悲しみで・・・

 

岡田健吉‏@zu5kokd1   
                    
      羅睺羅尊者-密行第一       (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(438)

【釈迦・・・10大弟子】 (274)


・・・あったが、まだ羅睺羅が残っていると思った。

今、その羅睺羅も出家したと知って、私の胸は張り裂けんばかりである。いかに御

身が、今は優れた存在であろうと、子を思う親の愛はまた別である。どうかこれから

は、両親の許可なしに・・・

 

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
      お釈迦様 彫刻  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(439)

【釈迦・・・10大弟子】 (275)


・・・子供を出家させて、かかる苦しみや嘆きを、与える事のない様にしていたたき

たい」


お釈迦様は、以後


<父母の許しのないものを、出家させてはならない>


…と定めました。これは、<仏教教団の・・・重要な規則の1つ> になりました。



 9月  19日 

岡田健吉‏@zu5kokd1       
                    
     釈迦と羅睺羅と彼の母  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(440)

【釈迦・・・10大弟子】 (276)


さて…

羅睺羅(らごら、ラーフラ)出家しましたが、王宮何不自由なく暮らしていた悪戯(いたずら)

の少年です。

当初はそうした境遇ゆえの驕慢(きょうまん/おごりたかぶること)もあった様です。また、たわい

のない(うそ)をつき、それを喜ぶ風のあった事が、『根本有部律』(/『根本説一切有部律』(こん

ぽんせつ・いっさい・うぶりつ)とは、仏教に伝わる律典の1つです。 仏典は、律・経・論に3分類され、ひとまとめにされたも

のが、それぞれ律蔵、経蔵、論蔵と総称される。この三種を総称して「三蔵」と呼ぶ。)等で伝えられています。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
      お釈迦様 彫刻  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(441)

【釈迦・・・10大弟子】 (277)


舎利弗は、時々、(しか)ますが、王宮暮らしだったがゆえに、おいそれと悪戯は止み

ません。ついに比丘達は、仔細をお釈迦様報告します。

お釈迦様は…

托鉢摩掲陀国(まがだこく)/王舎城(おうしゃじょう)に入られた後、羅睺羅のいる竹林精舎

/温泉林を訪れられました。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      お釈迦様                       (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(442)

【釈迦・・・10大弟子】 (278)


そして水器(すいき)を使って、次の様に諭されたと伝えられます。


★★★★★

お釈迦様は、羅睺羅に足をすすぐ盤(たらい)を持って来させました。そして足を洗った

後、尋ねられました・・・

「この盤の水を飲めるか?」

「飲めません」

 

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
      お釈迦様 彫刻  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(443)

【釈迦・・・10大弟子】 (279)


「そうだな。最初は飲めた水だが、足を洗って汚れた水となったので、飲めなくなっ

た。

羅睺羅よ、お前も同様である。

出家して清い道を歩みながら、嘘をついて人を困らせ、それを喜ぶという、汚れた

心になってしまっている」



 9月  20日

岡田健吉‏@zu5kokd1    
                    
      お釈迦様             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(444)

【釈迦・・・10大弟子】 (280)


ついで、お釈迦様は盥(たらい/平たい桶)を取り上げ聞きました・・・

「そなたは、これで食事ができるか?」

「できません」

「そうだ。そなたの心も、この盥と同じだ。

そなたの心は、人を騙(だま)し、愚弄(ぐろう)するという汚れた水を入れたために、比

丘にふさわしい・・・


   

                                            茶道具/ 茶巾盥    (/ネットより画像借用)

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      お釈迦様                       (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(445)

【釈迦・・・10大弟子】 (281)


・・・清浄な教えを入れられなくなった」

次に、お釈迦様は、その盥を思い切り蹴飛ばされ、羅睺羅に尋ねました・・・

「盥が壊れると、心配したか?」

「それは安い盥なので、壊れても困りません」

 

岡田健吉‏@zu5kokd1   
                    
      羅睺羅尊者/密行第一            (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(446)

【釈迦・・・10大弟子】 (282)


すると、お釈迦様は厳しい顔で、こう言われました・・・

「羅睺羅よ、物の価値は、値の高い安いで決まるものではない。あれだけの水を、

そなたの両手で汲み、運べるか?物はその使い道を知って、値打ちが決まる。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
      お釈迦様 彫刻  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(447)

【釈迦・・・10大弟子】 (283)


そなたの様に、嘘(うそ)を弄(もてあそ)ぶ者は、蹴られて転がる盥のごとく、人に疎(うと)

まれ、風雨にさらされ、やがては朽ち果ててしまうだろう」


ここに至って…

ようやく、羅睺羅自分のした事を深く恥じお釈迦様心からの三拝をして、懺悔(ざん

げ/罪を悔いて許しを請うこと)しました。



 9月  21日

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      お釈迦様                       (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(448)

【釈迦・・・10大弟子】 (284)


それから、受戒の師/舎利弗のもとに行き、三拝をして許しを請うたと、伝えられていま

す。

★★★★★


さて…

お釈迦様生まれた時代は、紀元前5世紀中東/カナーン(/パレスチナ地方の古名)の地

に、イエス・キリスト誕生(/新約聖書には、イエス・キリストはベツレヘムで生まれたとする記述があります。)

する500年も前の事です。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1   
                    
      羅睺羅尊者/密行第一            (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(449)

【釈迦・・・10大弟子】 (285)


現代社会の様な民主主義という概念はおろか、人権尊重思想的広がりもなかった時

代です。

お釈迦様は、そうした土埃(つちぼこり)古代インドの大地を、裸足(はだし)で歩まれていま

した。そうした中で、として羅睺羅に接する思想・態度は、現代人以上細やかで、

新的で、優しかった様です。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
      お釈迦様 彫刻  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(450)

【釈迦・・・10大弟子】 (286)


仏陀(/悟りの境地に達した者・・・覚者)として、仏教教団を率いると共に、衆目の中<親とし

て子に対する・・・則(のり/標準として守るべきこと)/手本>…も示さなくてはなりません。

<仏陀の・・・深遠な悟り>と、<生きとし生けるものの・・・親>として、我子に接す

自信がなければ、教団に引き取る事はできません。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
      お釈迦様 彫刻  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(451)

【釈迦・・・10大弟子】 (287)


<中道を行く・・・真の覚醒/悟り>…への道を確立した自信から、<縁/仏縁>

従い、羅睺羅を引き取る事が出来たわけです。

羅睺羅の方も…

<悟り>を開く前は、問題直面するとたびたび、父/お釈迦様を訪ね、教えを受けて

います。



 9月  22日

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      お釈迦様                       (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(452)

【釈迦・・・10大弟子】 (288)


そうした父と子情景が、経典の中に幾つも伝えられています。以下に、1例を示します。


★★★★★

ある時…

羅睺羅質問に、お釈迦様はこの様に丁寧に答えられています。


「どの様にすれば・・・」羅睺羅が聞きました。「人間に・・・

 

 

岡田健吉‏@zu5kokd1   
                    
      羅睺羅尊者/密行第一            (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(453)

【釈迦・・・10大弟子】 (289)


・・・つきまとう心の驕(おご)りや、我身への執着や、悪に傾く心を、無くす事が出来る

のでしょうか?」

<眼・耳・鼻・舌・身・意>は・・・」お釈迦様が、言われました。「<無常/・・・定ま

らぬもの>である。

<無常>なるものは、<苦>である。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      お釈迦様                       (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(454)

【釈迦・・・10大弟子】 (290)


この様に、<移変わり・・・定まらぬもの>を・・・<これは我にあらず・・・我ものにあ

らず・・・我体にあらず・・・>と、正しく観て、それに動かされず、貪りを離れて、<

解脱>するべきである」

★★★★★


そして、時には、羅睺羅托鉢に伴って…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
      お釈迦様 彫刻  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(455)

【釈迦・・・10大弟子】 (291)


…出かけた様です。

しかし、そうではあっても、羅睺羅教団での立場難しいものだった様です。羅睺羅

なかなか、<覚醒/悟り>開けずにいたからです。

その様な状況下でも、お釈迦様修行段階を、しっかりと分かっておられた様です。



 9月  23日

岡田健吉‏@zu5kokd1   
                    
      羅睺羅尊者/密行第一            (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(456)

【釈迦・・・10大弟子】 (292)


「このまま、正しく行ずれば…」お釈迦様が言われました。「ほどなくであろう」

そうやって…

羅睺羅お釈迦様教示されるままに実践し、ついに阿羅漢(あらかん/仏教において、尊敬や

施しを受けるに相応しい聖者のこと。 略称して羅漢)となっています。これには、羅睺羅桁外れだ才

と、なみなみならぬ努力が…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      お釈迦様        (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(457)

【釈迦・・・10大弟子】 (293)


…あったはずですが、<お釈迦様の実子>であれば、当然であろう…という事になる

わけです。

羅睺羅は…

<密行第一>と呼ばれていたわけですが、<密行>とは何かというと、<たった1人

で・・・行ずるという事>…でしょう。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      お釈迦様                       (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(458)

【釈迦・・・10大弟子】 (294)


当時は…

お釈迦様御自身も、<山頂での瞑想>を好まれていました。比丘達の中にも、林間

山上洞窟などに住み、一心不乱に修行する者も多くいた様です。

しかし、中には、<優波離(うぱり、ウパーリ)/持律第一>の様に、それが向かない者もい

ました。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1   
                    
      羅睺羅尊者/密行第一            (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(459)

【釈迦・・・10大弟子】 (295)


くり返しますが、優波離お釈迦様に、こう(さと)されていたわけです。


「優波離よ・・・

人里を離れて住むことは淋しく、1人の暮らしには心の楽しみが得にくい。時には

自然の荒々しさに心を揺さぶられ、修行が進まない者もいる。優波離よ・・・

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      苦行中の釈尊/お釈迦様            (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(460)

【釈迦・・・10大弟子】 (296)


・・・そなたには、荒野での修行は向かない」


以後、優波離は、教団生活の中で修行を続けたわけです。そして比丘達面倒をよく見

て、規律決まり事に照らして物事を解決し、日常生活の中で<悟り>を開いて行った

わけです。

一方で…摩掲陀国/…


 9月  24日

岡田健吉‏@zu5kokd1   
                    
      舎利弗の洞窟 (?)               (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(461)

【釈迦・・・10大弟子】 (297)


王舎城を取り囲む<5 峰の1つ/霊鷲山(りょうじゅせん)には、<舎利弗、目犍連、

大迦葉、阿難陀・・・の洞窟>が、今も残っている様です。

頂上逗留するお釈迦様のもとに、摩訶陀国(マガダ国)ビンビサーラ王が通った王の

(/頂上へ行くための旧道)があり、お釈迦様の侍者・・・阿難陀/多聞第一>洞窟

は…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      阿難陀の洞窟 (?)                (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(462)

【釈迦・・・10大弟子】 (298)


…それを取り継ぐ位置にあったとか。

ともかく…

教団で、社交的立場にあった<舎利弗(しゃりほつ)/智慧第一><阿難陀(あなんだ)

/多聞第一>に比べ、<目犍連(もくけんれん)/神通第一><大迦葉(だいかしょう)

頭陀第一>独居・瞑想を好み、教団を支えた様です。

お釈迦様は、羅睺羅<授戒の師>舎利弗を当て、もう1人

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      目犍連の洞窟 (?)              (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(463)

【釈迦・・・10大弟子】 (299)


目犍連にも指導を頼みましたが、羅睺羅目犍連の様に、<1人での瞑想>を好ん

だのでしょうか。それが、<お釈迦様の実子>という、難しい立場関係していたのか

どうかは、分かりません。

お釈迦様の、涅槃(ねはん/一切の煩悩(ぼんのう)から解脱した、不生不滅の高い境地。転じて、お釈迦さまや聖

者の死。入滅。)が近づいて来た時、羅睺羅は…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1
                    
      釈迦涅槃図                  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(464)

【釈迦・・・10大弟子】 (300)


死別辛くて、それから逃げる様に出ていたと伝えられています。そして、旅の途

で、いよいよ涅槃が迫ったというを受け、羅睺羅は意を決し、<クシーナガルの・・・

サーラの林>にやって来ました。

お釈迦様の、直接的な原因キノコ料理(/鍛冶工の子のチュンダの作ったキノコ料理)です。



 9月  25日

岡田健吉‏@zu5kokd1   
                    
      羅睺羅尊者/密行第一            (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(465)

【釈迦・・・10大弟子】 (301)


この時…

すでに目犍連裸形外道(らぎょう・げどう)襲撃殉教(じゅんきょう)し…舎利弗も、故郷/ナ

ーラカ村自室で、満月のもとで、息を引き取っています。

双璧をなす長老の亡くなった仏教教団は、言いしれぬ寂寥感(せきりょうかん)が漂っていた

と言います。

お釈迦様は…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1
                    
      釈迦涅槃図                  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(466)

【釈迦・・・10大弟子】 (302)


…そんなある集会の折に、淋しさを払いのける様に、比丘達に語られた事があります…


★★★★★★★★★★★★

比丘達よ・・・

ここに汝(なんじ)らは・・・

自らを洲(す)とし・・・

自らを依拠(いきょ)として・・・

他人を依拠とせず・・・

法を洲とし・・・

 

岡田健吉‏@zu5kokd1   
                    
      羅睺羅尊者/密行第一            (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(467)

【釈迦・・・10大弟子】 (303)


法を依拠として・・・

他を依拠とせずして・・・

住するがよい・・・

★★★★★★★★★★★★


そして…

クシーナガル死を目前にした時にも、お釈迦様この1節を、再度、くり返し述べられ

ています。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1
                    
      釈迦涅槃図                  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(468)

【釈迦・・・10大弟子】 (304)


このことは…

『大般涅槃経(だいはつ・ねはんきょう)/…長部経典、十六/…漢訳同本、長阿含経(ちょう・あご

んきょう)、二、遊行経(ゆぎょう・きょう)

…に、記されています。

さて…

お釈迦様入滅し、それ以後羅睺羅については、経典にはほとんど記載がないと言

います。



 9月  26日

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
                                    (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(469)

【釈迦・・・10大弟子】 (305)


お釈迦様が…

最初<この言葉>を言われる少し前の事です。お釈迦様は、毘舎離(びしゃり)/ヴァイ

シャーリー(/古代インドの十六大国の1つの、ヴァッジ国内にあった商業都市・・・初期仏教教団における特異な在家

信徒(/後に出家)である遊女アンバパーリーが住んでいたことや、<仏教経典の第2回結集>が行われたことで有名 )

で、夏安居(げあんご/僧が、夏の期間、外出せずに1所にこもって修行をすること )の頃に得たから、よう

やく回復していました。

侍者/<阿難陀(あなんだ)/・・・多聞第一>が、そんなお釈迦様に言いました…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      お釈迦様                       (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(470)

【釈迦・・・10大弟子】 (306)


「世尊(せそん/釈迦の尊称)よ・・・

世尊は健(すこ)やかにならせたもうた。世尊がさきに病(や)ませたもうた時には、私

は総身から力が抜けてしまい、四方が暗くなってしまった様に思いました。

しかし、その時に私は・・・

世尊が何事も比丘僧伽(びく・そうぎゃ、びく・さんが/仏教教団)について語られずして・・・

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
      阿難陀             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(471)

【釈迦・・・10大弟子】 (307)


・・・逝(い)かれるはずはないと思っていました。それで、いささか、心の安堵(あんど)

をおぼえていました」


これは、つまり…

お釈迦様が本当に亡くなられる場合には、それに先立って、次の教団指導者指名

あるはずで…それが無いという事は…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      お釈迦様                       (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(472)

【釈迦・・・10大弟子】 (308)


…まだ、亡くなられるはずが無い、という事です。

しかし、これは、お釈迦様の考えとは違っていました。お釈迦様はこう言っています…


「しからば、阿難陀よ・・・

比丘達は、私に何を期待しているというのか。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      お釈迦様        (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(473)

【釈迦・・・10大弟子】 (309)


私は内も外もなく、ことごとく法を説いた。<如来(にょらい/釈迦を指す名称の1つ。あるいは、大

乗仏教における諸仏の尊称)の法>には、ある部分を弟子に隠すという様な、教師の握りし

める秘密は無い。

まことに、阿難陀よ・・・

もしも私が・・・私は比丘僧伽の指導者であるとか、比丘僧伽は私に依(よ)っている

とか・・・



 9月  27日

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      お釈迦様                       (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(474)

【釈迦・・・10大弟子】 (310)


・・・思っているならば、私は最後に当たって、比丘僧伽(びく・そうぎゃ、びく・サンガ)につ

いて何事かを語らねばならぬであろう。

だが、阿難陀よ・・・

私は比丘僧伽の指導者でもなく、また、比丘僧伽は私に依っているとも思ってはい

ない。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                
ブッダガヤ/釈迦の成道の地・・・ビハール州ガヤー県の都市   (/ネットより画像借用)

《仏教/雑学》・・・(475)

【釈迦・・・10大弟子】 (311)


だから、阿難陀よ、私は最後にあたっても、比丘僧伽について語るべき事は何も無

い、」


仏教教団/僧伽
(そうぎゃ/サンガ・・・〈梵語/サンスクリット語〉の samgha の音写。集団・会合の意。仏道修行

をする僧の集団。)は…

本来、平等和合せる団体であり、支配する者支配される者もないという事です。従っ

て、その後継者のある道理もなく…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      初天法輪の地・・・サールナート/鹿野苑     (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(476)

【釈迦・・・10大弟子】 (312)


<実子/羅睺羅>後継者となる事も、ないということです。

仮に、総意で…

羅睺羅後継者になったとしても、出家者には子が無いわけで、そこで同じ問題再燃

するだけです。それゆえに、仏教は、<悟り/覚醒・・・の真理の・・・

 

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
     最期の地/クシナガラ・・・塗り直された涅槃堂  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(477)

【釈迦・・・10大弟子】 (313)


・・・体験的伝承の系譜>…となって行くわけです。

そしてお釈迦様は…

その愛する弟子達に、最後の別れとなって行く緊張感を持って…参集した比丘達に、

<前の言葉>を述べたのです。

また、お釈迦様は…<阿難陀の思違い>を…



 9月  28日

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      お釈迦様                       (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(478)

【釈迦・・・10大弟子】 (314)


諭した後、いまいちど、<さきの言葉>をくり返します…


「されば阿難陀よ・・・


汝らはここに・・・

自らを洲とし・・・

自らを依拠として・・・

他人を依拠とせず・・・

法を洲とし・・・

法を依拠として・・・

他を依拠とせずして・・・

住するがよい・・・

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      お釈迦様        (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(479)

【釈迦・・・10大弟子】 (315)


阿難陀よ・・・

まことに、今においても・・・

また、我亡き後においても・・・


自らを洲とし・・・

自らを依拠として・・・

他人を依拠とせず・・・

法を洲とし・・・

法を依拠として・・・

他を依拠とせずして・・・

修行せんとする者は・・・

 

岡田健吉‏@zu5kokd1
                    
      王舎城/七葉窟                    (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(480)

【釈迦・・・10大弟子】 (316)


阿難陀よ・・・

かかる者は・・・

我が比丘衆の中において・・・

最高所に立つであろう・・・


・・・」


お釈迦様が…

入滅して3カ月後に、<王舎城/七葉窟で・・・第一結集>が行われます。<500羅

漢>参集し、今後の事が話し合われています。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
      お釈迦様 彫刻  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(481)

【釈迦・・・10大弟子】 (317)


当然…

<羅睺羅(らごら)/蜜行第一>参加したはずです。しかし、そこで、<お釈迦様の実

子/羅睺羅・・・を仏教教団の後継者>に…という議論は、記録されていない様です。

浅学・若輩者(/岡田)推理などは、当てにもなりませんが、羅睺羅もまた、それ

に、自分は…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1       
                    
      目犍連 (国宝) 奈良/興福寺・国宝館  /制作年代: 奈良時代

《仏教/雑学》・・・(482)

【釈迦・・・10大弟子】 (318)


継ぐ意思のない事を、意思表示していたのかも知れません。前にも触れましたが、

睺羅は、師/目犍連の様に、終始<密行>好んでいた様ですから…


さて…

<第一結集>では、<大迦葉(だいかしょう)/頭陀(ずだ)第一>押し出されて、<仏典

/経典・律典・・・

 

岡田健吉‏@zu5kokd1 
                    
      サンスクリット文字で書かれた貝葉経        (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(483)

【釈迦・・・10大弟子】 (319)


・・・の編集/お釈迦様の教えの、全文章化の大事業>が、始まるわけです。

仏典/<経典・律典(/仏典は・・・経蔵、律蔵、論蔵の3蔵からなり、この3蔵に精通した僧侶のことを三蔵法師

と呼びます。)は…最初は、<木の葉・・・ヤシの一種であるターラと言う植物の葉を加

工した物>…に文字を書きつけていた様で、これを<貝葉経(ばいようきょう)と言います。

紙のない時代に、木の葉っぱに書かれたものですが…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1   
                    
      羅睺羅尊者/密行第一            (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(484)

【釈迦・・・10大弟子】 (320)


現存する 『最古の…梵字(サンスクリット文字)/般若心経』 は、東京国立博物館所蔵/

『法隆寺貝葉経』 です。 シルクロード終着点である日本に、からくも残る形になったわ

けです。

最後に…

羅睺羅の、<密行第一>について一言いえば、これもまた、お釈迦様くり返し述べら

れていたのですが…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      お釈迦様                       (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(485)

【釈迦・・・10大弟子】 (321)


「群衆を喜ぶ者が・・・ 心解脱(しんげだつ)にいたる道理はない・・・ 」


という事でした。それが、次の 『犀角経
(さいかくきょう)1句となっています。


****************************************************************

★ 心解脱 (しんげだつ) 

        仏教では、解脱に心解脱(しんげだつ)、慧解脱(えげだつ)、倶解脱(くげだつ)の別を説きます。

心解脱 ・・・ 三昧によって心に貪著(どんじゃく/むさぼり執着すること)を離れること。

慧解脱 ・・・ 智慧によって無明を破ること。

倶解脱 ・・・ 心に貪著を離れることと、無明を破ることの、2つによって解脱すること。 )

****************************************************************

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      お釈迦様                       (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(486)

【釈迦・・・10大弟子】 (322)


★★★★★

 『 犀 角 経


群衆をよろこぶ者が・・・

心解脱にいたる道理はない・・・

されば、仏陀の言葉に従って・・・

(さい)の角(つの)のごとく・・・

まさに、独(ひと)り行くべし・・・


★★★★★

 

岡田健吉‏@zu5kokd1   
                    
      羅睺羅尊者/密行第一            (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(487)

【釈迦・・・10大弟子】 (323)


羅睺羅(らごら)は…

父/お釈迦様の、この言葉に従い…<永遠の真理・・・という財宝>をもらい…独居・

瞑想を続けて行かれたのでしょう。

逆に…

その楽しみから引き出され、<仏教教団/僧伽・・・を背負う事>になったのが、<大

迦葉/頭陀第一>という事でしょうか。



 10月 11日

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
      阿難陀             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(488)

【釈迦・・・10大弟子】 (324)

9・・・ 阿難陀(あなんだ/アーナンダ)/阿難・・・<多聞第一>


禅宗
(/自己の仏性を内観することを目的とする仏教の一派。インドの菩提達磨によって中国に伝えられたので、達磨

を宗祖とする。

達磨は・・・6世紀初頭にインドから中国にわたり、『楞伽経(りょうがきょう)』を広めました。仏陀の正法眼蔵を伝える第27

祖般若多羅について出家し、印可をうけて、第28祖菩提達磨多羅となっています。)においては…

釈迦入滅後<七葉窟(しちようくつ)で…<第一結集(だいいち・けつじゅう)を行なった

摩訶(まか/(梵)mahāの音写。大・多・勝の意)迦葉/=大迦葉・・・頭陀(ずだ)第一>を、<仏教

教団の・・・第2祖>とし、<阿難陀を・・・第3祖>としています。

その、阿難陀出自特徴的なことは…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
      阿難陀             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(489)

【釈迦・・・10大弟子】 (325)


父親が、お釈迦様の父親/浄飯王(じょうぼんのう)の弟だという事す。つまり、お釈迦様

従兄弟(いとこ)というのが一般的な説です。また、<提婆達多(だいばだった)/仏教のユダ

とは、兄弟というもあります。

それから…

阿難陀年齢は、お釈迦様よりも20~30歳ほど若かった様ですね。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
      阿難陀             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(490)

【釈迦・・・10大弟子】 (326)


阿南陀に、出家を誘ったのは…

<阿那律(あなりつ)/天眼第一>といわれ、その時には、<優波離(うぱり)/持律第一

/・・・シュードラ(/カーストの最下位に位置にあり、カピラ城内で理髪師であったと伝えられます。)や、

提婆達多/仏教のユダ>など、7人一緒カピラ国を出ています。

阿難陀は、お釈迦様侍者となって、多忙なことも重なったのでしょうか…



 10月 12日

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
    阿難尊者  仏師山崎祥琳/仏像彫刻集         (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(491)

【釈迦・・・10大弟子】 (327)


<阿羅漢果(あらかんか/阿羅漢に到達した境地。この境地に至ると、迷いの世界を流転することなく、涅槃(ね

はん)に入ることができるとされています。)達したのは、<第一結集>直前だったと言われ

ます。

この辺りを、もう少し詳しく説明すると…

阿難陀は、お釈迦様入滅されるまで25年間侍者として近侍し、身の回りのお世話

なども行なっていました。そうした事から、仏弟子の中では…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
    阿難尊者  仏師山崎祥琳/仏像彫刻集         (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(492)

【釈迦・・・10大弟子】 (328)


お釈迦様教説最も多く聞き、またよく記憶していました。それで、<多聞第一>

呼ばれていたわけです。

当然、<第一結集/第一回目の経典結集>には、阿難陀参加が望まれました。と

ころが、参加資格<阿羅漢果>を、阿難陀はまだ…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
    阿難尊者  仏師山崎祥琳/仏像彫刻集         (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(493)

【釈迦・・・10大弟子】 (329)


…得ていませんでした。それで、<第一結集>招集した大迦葉は、阿難陀参加

認めませんでした。

それで、阿難陀は…

一大決心し、瞑想修行に打ち込んでいました。そんなある時、その極度の疲れから、

倒れ込んだと言われます。そして、その拍子(ひょうし)に、忽然(こつぜん)と…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
    阿難尊者  仏師山崎祥琳/仏像彫刻集         (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(494)

【釈迦・・・10大弟子】 (330)


<覚醒/悟り>を得て、ついに<阿羅漢果>達したと伝えられています。それは

まさに、<第一結集>の、当日の朝だったという事です。

これは…<お釈迦様の御意思>…と言えるのでしょうか? <阿那律/天眼第一>

天眼でうかがったら、お釈迦様はどの様な御意思を示されるでしょうか。

ともかく、お釈迦様入滅して1カ月後

王舎城/七葉窟で始まった<第一結集>に…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
           
   奥州之霊場/弥勒寺    阿難陀立像  弥勒仏坐像  大迦葉立像  (/ネットより画像借用)

《仏教/雑学》・・・(495)

【釈迦・・・10大弟子】 (331)


阿難陀<阿羅漢果>として、晴れて参加しました。

阿難陀は、記憶にもとづいてお釈迦様の教えを口述し、膨大な経典編纂されて行きま

した。経典における定型句の、<如是我聞(にょぜがもん)(お釈迦様から、)このように

私は聞いた>…の<我>とは、その多く阿難陀とされています。

 

記憶にももとづき、後に口述筆記する手法は、日本においても 『古事記』 で行われてい

ます。

『古事記』 は…

第40代/天武天皇の命で、稗田阿礼(ひえだ・の・あれ)記憶/誦習(しょうしゅう/口に出してくり

返し読むこと)していた、『帝皇日継』(天皇の系譜)『先代旧辞』(古い伝承)を、第43代/元明天

の時代に、太安万侶(おおの・おすまろ)書き記し編纂しています。

文明が、“記憶”から“記述”移行していく過程ですが、仏教ソレ紀元前5世紀頃

事であり、1000年以上の開きがあります。紀元前5世紀は、日本列島はまだ後期縄文

時代から弥生時代の始まり頃でしょうか…その時代が偲ばれます。



 10月 13日

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
      阿難陀             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(496)

【釈迦・・・10大弟子】 (332)


阿難陀人間的な側面として…

お釈迦様入滅前後には、阿難陀悲嘆慟哭(ひたん・どうこく)し、<阿那律/天眼第一

から、制止されたと言われています。

経典結集の際にも…

経典以外戒律などは細部の点を覚えておらず、比丘衆大迦葉から…


「何故・・・お釈迦様に、細かい点を質問しなかったのか?」


…と、責められたというエピソードも、伝わります。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      お釈迦様        (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(497)

【釈迦・・・10大弟子】 (333)


また…

阿難陀美男子であるがゆえに、女難(じょなん/男が、女に関する事で災難を受けること)を被(こうむ)

ることが、度々あったと言われます。しかし、志操堅固(しそうけんご/志や考え・主義などを堅く守り、

何があっても変えないさま)にして身を護り修行を全うしたという事です。

ただ…

<智慧多くして諸経を持誦(じじゅ/・・・誦持(じゅじ)/・・・経などを声を出して読んで覚えること)して

いましたが、<心を摂(せっ)する点に欠け・・・

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      お釈迦様                       (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(498)

【釈迦・・・10大弟子】 (334)


・・・定(じょう/心を1つの対象に集中して、安定させること。禅定。)と慧(けい、え、さとい/ 仏教で、真理を明らかに

して知る力)が均等でなく・・・漏尽通(ろじんつう/六神通の1つ。煩悩を打ち消して、悟りの境地に至っている

ことを知る、超人的能力。)を起く(おく/目覚める)ことができず>…それゆえ、お釈迦様入滅時

にも、<阿羅漢果>…を得ていなかったわけです。

それから…

特筆すべき、こんなエピソードもあります。お釈迦様養母/摩訶波闍波提(まか・はじゃは

だい=マハー・プラジャパティー)

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      お釈迦様        (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(499)

【釈迦・・・10大弟子】 (335)


…たちが、出家した時の事です。

お釈迦様は、女人出家をなかなか認めませんでした。そこで、阿難陀お釈迦様

して、ついに、比丘尼/女人の出家者も認める様になったという事です。

紀元前5世紀の、<原始仏教>出来事ですが、まるで現代出来事の様ですね。

には、まだ女人禁制の所もあるわけですから。その、よしあしは別として、お釈迦様

思想的斬新さには、くり返し、驚かされます。



 10月 14日

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
      阿難陀             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(500)

【釈迦・・・10大弟子】 (336)


その阿難陀が…

お釈迦様侍者に決まった経緯について、『中阿含経』 に次の様に記されています。


★★★★★

お釈迦様が55歳の時といわれますが・・・

多くの長老達が居合わせる場で、お釈迦様はこう言われました。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      お釈迦様                       (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(501)

【釈迦・・・10大弟子】 (337)


「私ももう年老いて、体も弱った。侍者
(じしゃ)を選んでほしい。」


最初に<悟り>を開いた憍陳如
(きょうちんにょ/
(サンスクリット語で)・・・カウンディンヤ、(パーリ語で)・・・

コンダンニャ//・・・釈尊が悟りを開いた後、サールナート(鹿野苑/ろくやおん)で、<初天法輪/しょてんほうりん

行った、5比丘の1人で、そのリーダー格 )をはじめ、何人もが名乗り出ました。お釈迦様は、ど

の人も年長者であるとか、様々な理由で退(しりぞ)けられました。そこで、<目犍連/

神通第一>が・・・

 

岡田健吉‏@zu5kokd1
                    
     当時の座禅風景            (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(502)

【釈迦・・・10大弟子】 (338)


・・・神通力でお釈迦様の心中を探ると、お釈迦様は阿難陀を望まれている事が分

かりました。

それで・・・

目犍連が、阿南陀に要請すると、阿難陀はそれを固辞(こじ/かたく辞退し続けること)しまし

た。

理由は・・・

<侍者の仕事>となれば・・・

<お釈迦様の身辺の世話をし・・・教えを説かれた時は・・・

 

岡田健吉‏@zu5kokd1       
                    
     目犍連 (国宝) 奈良/興福寺・国宝館  /制作年代: 奈良時代

《仏教/雑学》・・・(503)

【釈迦・・・10大弟子】 (339)


・・・ 一言一句を記憶しておく事>・・・が求められます。その様な、仏教教団の骨格

となる様な重要な仕事は、若輩者の自分にはとてもできない・・・と阿南陀は言いま

した。

2度3度、説得を重ねると・・・

阿難陀は、ついに折れて、3つの条件を示しました。

その3つの条件とは・・・

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      お釈迦様        (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(504)

【釈迦・・・10大弟子】 (340)


1.古い新しいを問わず、お釈迦様の着衣を頂かないこと。

  理由は、多くの比丘たちから嫉妬(しっと)されないためです。

2.お釈迦様が食の供養(くよう)を受けられる時、その鉢(はち)の残りを頂かない事。

  理由は、お釈迦様に供養される食は美味ばかりで、阿難陀は・・・

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
      阿難陀             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(505)

【釈迦・・・10大弟子】 (341)


  ・・・美食を求めて侍者になったと言われないためです。

3.自分の都合では、お釈迦様にお会いしない事です。

  理由は、自分が率先してそうすると、外道の者や比丘達が、好き勝手にお釈迦

  様に会いたいと言って来ても、断れないからです。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      お釈迦様                       (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(506)

【釈迦・・・10大弟子】 (342)


お釈迦様は、この条件を喜ばれ、阿難陀が専属の侍者に決まりました。

★★★★★


以後…

お釈迦様入滅されるまで25年間…陰に陽に近侍し、お釈迦様献身的に仕えまし

た。そして、あらゆる説法を、片言(も)らすまいと、耳に収(おさ)て来ました。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
      阿難陀             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(507)

【釈迦・・・10大弟子】 (343)


その入魂ぶりは…

背中大きな腫れ物ができた時も、医師/耆婆(ぎば/古代インドの名医。お釈迦様の弟子の1人。多

くの仏弟子の病気を治しました。古来名医として、中国の扁鵲(へんじやく)と並び称せられます。)切開手術を受

けながらも、一心に、説法聴聞集中していたといいます。

阿難陀は、手術の痛みを何も感じないほど、説法全精神を集中していたと…経典には

記されています。



 10月 17日

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
      阿難陀             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(508)

【釈迦・・・10大弟子】 (344)


阿難陀は…

経典にある、<如是我聞(にょぜがもん)…の定型句の多くが阿難陀である様に、非常に

多く経典に出て来ます。そこから、阿難陀人間的多様性推測できるわけで、様々

阿難陀描写がある様です。

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
    マガダ国/インド・ビハール州  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(509)

【釈迦・・・10大弟子】 (345)


そのエピソードを、少し(のぞ)いてみましょう。あ、その前に、少し、地理・人物整理

ておきます。


<摩掲陀国/マガダ国>は…

古代インド16大国1 つで、<ガンジス川の下流域/現在のビハール州>あたり

に…位置します。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1
                    
                              (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(510)

【釈迦・・・10大弟子】 (346)


<マガダ国>首都は…

<王舎城/ラージギール>であり…<ビンビサーラ王>この国を治めていました。

ビンビサーラ王寄進した、<竹林精舎>王舎城にあります。

王舎城を囲む5山の1つに、<霊鷲山(りょうじゅせん)があります。<舎利弗(しゃりほつ)

<目犍連(もくけんれん)は、麓の村々で育ったバラモン階級子弟です。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      霊鷲山                        (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(511)

【釈迦・・・10大弟子】 (347)

 
<霊鷲山>は…

晩年お釈迦様よく過ごされた場所で、『無量寿経(むりょうじゅきょう)『法華経(ほけ

きょう)説かれた所としても有名です。

<舎利弗><目犍連><阿難陀><大迦葉>洞窟などが、山頂近くに、

でも残っている様です。

そして、お釈迦様が、<最後の旅/・・・



 10月 18日

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
                                     (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(512)

【釈迦・・・10大弟子】 (348)


<カピラ国への旅/・・・涅槃(ねはん)の地・クシナガラは・・・その途上にあります>

…も、霊鷲山(りょうじゅせん)からの出発でした。

<コーサラ国>は、<祇園精舎(ぎおんしょうじゃ)のある国です。

コーサラ国<首都/舎衛城(しゃえいじょう)に、祇園精舎がありました。お釈迦様の生

まれた<カピラ城/カピラ国(/ルンビニ・・・ネパールの南部タライ平原にある小さな村。仏教の開祖・釈迦

の生まれたとされる地です。仏教の八大聖地の1つ。)も…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1
                    
                                  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(513)

【釈迦・・・10大弟子】 (349)


…このコーサラ国勢力下にありました。

祇園精舎寄進した<スダッタ長者>は、コーサラ国大商人です。古代インド16

大国の中で、下流域<マガダ国>を競った有力国です。版図としては、はおお

むねアワド地方、現在の…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      お釈迦様        (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(514)

【釈迦・・・10大弟子】 (350)


ウッタル・プラデーシュ州に相当します。

<舎衛城/祇園精舎>は、多くの仏典に出てきますが…

コーサラ国には、もう1つこの国を舞台にした大長編・叙事詩があります。インド二大

叙事詩1つとして知られる、 『ラーマーヤナ』 です。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1 
                    
      マハーバーラタ                    (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(515)

【釈迦・・・10大弟子】 (351)


もう1つは、『マハーバーラタ』 で、古代インド宗教的哲学的神話的叙事詩です。

いずれも、ヒンドゥー教聖典です。

『ラーマーヤナ』 の物語は…

コーサラ国王子ラーマの妻/シーターが、羅刹(らせつ/大力で足が速く、人を食うといわれる悪鬼。

のちに仏教に入り、守護神とされた。鬼神の総称)

 

岡田健吉‏@zu5kokd1    
                    
       ラーマーヤナ        (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(516)

【釈迦・・・10大弟子】 (352)


…の王/ラーヴァナにさらわれます。ラーマは、南方の島/スリランカまで大追跡し、見

事に、妻を取り戻したという話です。

コーサラ国は…

文化的・政治的にも大国でしたが、マガダ国との一連の戦争弱体化し、紀元前4世紀

には…



 10月 19日

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
      阿難陀             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(517)

【釈迦・・・10大弟子】 (353)


最終的マガダ国併合されています。

プラセーナジット王統治し、祇園精舎があるわけですから、当然、仏教信奉者です。

ところが不在中に、大臣自分の息子王位につけた様で、間もなく、隣国/マガ

ダ国併合されています。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      お釈迦様        (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(518)

【釈迦・・・10大弟子】 (354)


まず…

そのコーサラ国/舎衛城での、阿難陀エピソードを見てみましょう。


★★★★★

お釈迦様が舎衛城/祇園精舎におられた時…

コーサラ国のパセーナディ王は、王宮の女性たちにも、お釈迦様の教えを説いて欲

しい、と申し出ます。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
      阿難陀             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(519)

【釈迦・・・10大弟子】 (355)


お釈迦様は、その役目を阿難陀に命じました。そういう事から、阿難陀はしばしば

王宮で教えを説いていました。

ある日の事・・・

早朝に王宮へ行くと、パセーナディ王とマリッカー王妃はまだ寝所にいました。阿難

陀は、何も告げずに寝所に入り、王妃は驚いて着衣を落としてしまいました。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      お釈迦様                       (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(520)

【釈迦・・・10大弟子】 (356)


阿難陀はその場を去り、比丘等にこの事を告げました。比丘等は、阿難陀を非難し、

お釈迦様に報告しました。

お釈迦様は、阿難陀を叱責し、比丘等に・・・


「王の後宮に入れば、10の過失がある・・・」


と言われ…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
      阿難陀             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(521)

【釈迦・・・10大弟子】 (357)


★ 予告せずに、王の寝室に入れば・・・

  <波逸提(はいつだい/・・・軽い罪)>と、<突入王宮戒(とつにゅうおうきゅう・かい)>を制定 ★


・・・されました。

★★★★★


これは…

『南伝大蔵経/律蔵』 (なんでん・だいぞうきょう/・・・パーリ語によるセイロン上座部の伝えた仏教の重要な典

籍を日本語訳した一叢書の名。高楠順次郎博士功績記念会によって、 1935年に第1巻が出版され、41年に完成した。)

に記されている…様です。

この様に…

阿難陀失敗し、比丘達から非難され…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1 
                    
    現在の祇園精舎の鐘         (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(522)

【釈迦・・・10大弟子】 (358)


お釈迦様からも叱責された出来事も、<仏典/・・・律蔵>に記されているわけです。

ええ…

<律蔵は・・・仏教教団/僧伽(そうぎゃ/サンガ・・・サンスクリット語の音訳で、元の意味は集会・集団)

の律/規則の事>…であり、<経蔵は・・・経典や仏教に関する書物>…で、<論蔵

は・・・経蔵・律蔵に対する、解釈・注釈書>…です。



 10月 20日

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
      阿難陀             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(523)

【釈迦・・・10大弟子】 (359)


膨大仏典は、<三蔵/経蔵・律蔵・論蔵>分類されます。

この三蔵に通じている僧侶<三蔵法師>と言いますが、後に、訳経僧(やくきょうそう/経

典の翻訳に従事する僧。特に、中国においてサンスクリットの経典を漢訳する僧をさすことが多い。鳩摩羅什玄奘三蔵

などが代表的。霊仙三蔵のような、日本人の訳経僧もいる。)の事を三蔵法師と呼ぶ様になります。<玄

奘三蔵(げんじょうさんぞう)・鳩摩羅什(くらまじゅう)は、二大訳聖と呼ばれ、いわゆる三蔵法

と呼ばれています。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
      阿難陀             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(524)

【釈迦・・・10大弟子】 (360)


次のエピソードは…

お釈迦様が、<東園鹿子母講堂(とうえん・ろくしも・こうどう)/・・・東園鹿子堂(とうえん・ろくしど

う)にいた時のです。

東園鹿子堂は…コーサラ国長者/ミガーラ(弥伽羅と音写し、鹿子(ろくし)と訳す )夫人/ヴィ

サーカーという女性/在野信者寄進した寺院です。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
      阿難陀             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(525)

【釈迦・・・10大弟子】 (361)


コーサラ国/舎衛城外東部にあり、2階上下に、それぞれ500室があったと伝えられ

ます。祇園精舎にあったので、東園鹿子母講堂と呼ばれる様になったという事です。

ええと…

東園鹿子母講堂の、建立(こんりゅう)経緯についても、面白いので、エピソードとして記し

て置きましょう。



 10月 21日

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
      阿難陀             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(526)

【釈迦・・・10大弟子】 (362)


★★★★★

長者/ミガーラの夫人/ヴィサーカーが・・・

ある日・・・九倶胝(くぐてい/・・・倶胝(ぐてい)は一説に、億とするので・・・9億?宝石がたくさん付いていたので

しょうか?)の価値のある晴衣(はれぎ)をつけて祇園精舎を訪れました。仏前に至る前に

晴衣を脱いで下婢(かひ/召使の女)に持たせましたが、還る時に下婢が・・・

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
      阿難陀             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(527)

【釈迦・・・10大弟子】 (363)


・・・これを忘れてしまいました。これを、阿難陀が階段の一隅に掛けて置きました。

後に、ヴィサーカーがこの事を知りました。しかし、上座(じょうざ/僧侶集団において上座(か

みざ)に座るべき高僧のこと)/阿難陀の手に触れたるものを・・・取る能わず(あたわず/~でき

ない)として・・・その価値に相当するものを、奉献(ほうけん/謹んで献上すること)せんと願い

ます。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
      阿難陀             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(528)

【釈迦・・・10大弟子】 (364)


そして、お釈迦様の言葉に依って精舎建立を決意します。目連/目犍連(もくけんれん)

を監督として、九倶胝を費やし、9カ月で完成したとの事です。

2階の上下に、それぞれ500の室があり、他に講堂もあったので、鹿子母講堂ろく

しも・こうどうと呼ばれるようになりました。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
      阿難陀             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(529)

【釈迦・・・10大弟子】 (365)


総額二十七倶胝(27億?)を費やしたといいます。

★★★★★


この頃には…

祇園精舎手狭になり、首都/舎衛城外にも精舎建設する必要に迫られていた様で

す。当時の、仏教教団隆盛が眼に浮かびます。

やがて…

さらに…仏教全インド席巻し、北方ガンダーラチベット中国日本南方

イロン/スリランカ東南アジアへと拡大し…世界宗教となって行きます。



 10月 22日

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      お釈迦様        (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(530)

【釈迦・・・10大弟子】 (366)


さて…

お釈迦様一行が、その東園鹿子母講堂(とうえん・ろくしも・こうどう)にいた時、お釈迦様大迦

説法することを勧めました。

ところが、大迦葉は…


「いま・・・

阿難陀の弟子/槃稠(はんちゅう)と、目犍連の弟子/阿毘浮(あびふ)が、どちらが多聞(た

もん/・・・阿南陀が、<多聞第一>と呼ばれています。)であるか、争っている。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      お釈迦様                       (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(531)

【釈迦・・・10大弟子】 (367)


だから、法を説くことはできない」


…と断りました。

そこで…

阿難陀が、自分の弟子(かば)おうとすると…


「党派をつくるな



…と、大迦葉注意されました。

お釈迦様2人を呼び、説諭され、両人が懺悔(ざんげ)した後…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
     舎衛城跡                        (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(532)

【釈迦・・・10大弟子】 (368)


大迦葉説法をしました。

<阿難陀><大迦葉><目犍連>の、教団活動立ち位置や、教団風景一端

が、垣間(かいま)見えます。


次のエピソードは、コーサラ国首都/舎衛城です。

ある朝、<盲目の長老/阿那律・・・天眼第一>托鉢していると、そこに…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
     阿那律    (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(533)

【釈迦・・・10大弟子】 (369)


阿難陀托鉢で通りかかりました。


「ちょうど良かった・・・」阿那律が、言いました。「衣が破れて、不自由しているので、

比丘達にも頼んで、縫ってはもらえまいか?」


阿難陀は快く聞き入れ、比丘達房舎を回って…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
      阿難陀             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(534)

【釈迦・・・10大弟子】 (370)


阿那律を縫う手伝いをして欲しい、と頼みました。

お釈迦様この事を知り、阿難陀に言われました。


「どうして・・・私に頼まないのか?」

「忙しいお釈迦様に・・・こんな雑事は、お願いできません」

「そんな事はない、大事なことだ・・・」

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      お釈迦様                       (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(535)

【釈迦・・・10大弟子】 (371)


お釈迦様は、阿難陀と共に阿那律のいる山中に向かわれました。

他の比丘達も、お釈迦様が率先して針を持たれるというので、我も我もと手伝い、3着の

を仕上げることが出来た…と経典には記されています。  ( 『中阿含経』ちゅう・あごんきょう )



 10月 23日

岡田健吉‏@zu5kokd1   
                    
                                  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(536)

【釈迦・・・10大弟子】 (372)


次のエピソードは…

スダッタ長者(/祇園精舎を寄進)が、病気にかかったと知り…<阿難陀/多聞第一>

が、<舎利弗/智慧第一>…と共に、見舞いに行った時の話です。

舎利弗は…


<五蘊
(ごうん/・・・蘊とは集まりを意味し、色・受・想・行・識(しき・じゅ・そう・ぎょう・しき)の5つを通して、ものごと

の認識が起こるとされる。)と、<十二処(じゅうにしょ/・・・処とはサンスクリット語でアーヤタナ āyatanaといい、

心や心の働き (心所) を生じさせる拠り所、という意味。これに眼・耳・鼻・舌・身・意の六根 (/主観としての感覚器官な

いし機能であるから、六内処という) と、そのそれぞれに対応する色・声・香・味・触・法の六境 (/客観としての知覚され

る対象であるから、六外処という) の 12があり、この体系で一切の存在の領域をおおうことができるとする。)

 

岡田健吉‏@zu5kokd1    
                    
      舎利弗           (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(537)

【釈迦・・・10大弟子】 (373)


と、<四大(地・水・火・風)に、執着しないように、」


…と説きました。阿難陀は…



「恐れることなかれ・・・

<仏と法と僧/仏・法・僧>を、信ずることなく・・・

(かい/いましめ)を守らないから、恐怖心が起きるのである・・・

だから・・・

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
      阿難陀             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(538)

【釈迦・・・10大弟子】 (374)


…三宝(さんぽう)と戒(かい)とを、固く信ずれば・・・

怖いものはない・・・」


スダッタ長者は、感涙にむせびながら、言いました。



「初めて、王舎城で、お釈迦様のお姿を拝見してから、二十余年になるが、これほ

ど有難い説法を、聞いたことがなかった・・・」  (雑阿含経)



 10月 24日

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
                                 (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(539)

【釈迦・・・10大弟子】 (375)


次は…

ある時、阿難陀に、ある思いが生じました。

阿難陀は、閑静な所にいて…


<衆生
(しゅうじょう/生命のあるすべてのもの。人間をはじめすべての生物。)は、愛欲の思いを起こし

て、長夜にこれを習い、満足することがない・・・>


…というものでした。

阿難陀は、お釈迦様にお目にかかった時…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      お釈迦様        (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(540)

【釈迦・・・10大弟子】 (376)


この事について質問しました。すると、お釈迦様が言われました。


「実は、私も前世において・・・

帝釈天を倒して、諸天の王になろうという、欲を起こしたことがあった。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
      阿難陀             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(541)

【釈迦・・・10大弟子】 (377)


(むさぼ)りの心と、みだらな心は・・・

時雨(じう、しぐれ/秋の末から冬の初めごろにかけ、降ったりやんだりする、小雨)のごとく・・・

欲において厭(あ)きることはない・・・


欲を知って、欲を去るべきである。欲を起こしてはならない。」


お釈迦様は、噛んで含めるように、(さと)されました。

                                              ( 『増一阿含経』/ぞういつ・あごんきょう )



 10月 25日

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
      阿難陀             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(542)

【釈迦・・・10大弟子】 (378)


次のエピソードは…

美男心優しい阿難陀女性達慕われた話です。中でも、村娘から求婚された、以

下のエピソード有名です。

ある、夏の日

阿難陀は、カースト制度最下位シュードラの下、マータンガ族の住むを歩いていま

した。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
      阿難陀             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(543)

【釈迦・・・10大弟子】 (379)


その時、井戸を汲んでいる村娘を見かけ、一杯の水供養を求めました。すると、

村娘が言いました。


「私は身分が卑しく、水を差し上げる資格がありません」

「私は、お釈迦様の弟子です。世尊は、人間には生まれながらにしての・・・

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
      阿難陀             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(544)

【釈迦・・・10大弟子】 (380)


・・・身分の上下はないと教えています」


阿難陀は、再度、を所望
(しょもう/のぞむこと)し、村娘が差し出した1杯の水を飲みました。

これで村娘恋心に火がつきました。彼女魔術得意とする母に頼んで、一度は、

難陀を、我がものに誘い寄せることに成功します。



 10月 30日

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
      阿難陀             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(545)

【釈迦・・・10大弟子】 (381)


しかし、阿難陀は…

ハッ、と正気に返り、必死お釈迦様に救いを求めました。そして、お釈迦様<神通

力>によって、阿難陀<魔女の呪法(じゅほう/呪術(じゅじゅつ)・・・超自然的・神秘的なものの力を

借りて、望む事柄を起こさせること。)から逃れることができました。

しかし、翌日から…

村娘/プラクリティは、化粧して…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      お釈迦様                       (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(546)

【釈迦・・・10大弟子】 (382)


托鉢する阿難陀の後につきまとい…


「この人は私の夫です



…と言い張り譲りません。

ほとほと困り果て阿難陀は、再びお釈迦様に相談しました。お釈迦様村娘を呼び、

諄々(じゅんじゅん)と、<愛欲の煩わしさと、不浄>を説いて聞かせました。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
    斑鳩の里・・・日本最古の尼寺/中宮寺       (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(547)

【釈迦・・・10大弟子】 (383)


これにより、村娘/プラクリティ出家し、よき比丘尼になったという事です。

さて…

前に少し触れましたが、比丘尼/尼僧院成立について、少し詳しく説明しましょう。

<初転法輪(しょてんぽうりん/・・・お釈迦様が菩提樹下で悟りを開いた後、ヴァーラーナスィー(波羅奈国)のサー

ルナート(鹿野苑)の中で、元の5人の修行仲間(/五比丘)に、初めて教えを説いた出来事。)以来、仏教教団

には女性修行者はいませんでした。

 

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
    マーヤー夫人      (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(548)

【釈迦・・・10大弟子】 (384)


女性は…

基本的受け身の立場にあり、厳しい戒律を守り続けるのは、至難のわざであるとされ

ていたからです。それで、お釈迦様も、女性出家許されなかったのです。

お釈迦様母親/マーヤー夫人は、お釈迦様/シッダールタ太子を産み…



 10月 31日

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
      阿難陀             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(549)

【釈迦・・・10大弟子】 (385)


…その7日後に没しています。

そして、マーヤー夫人であるマハー・プラジャパティー浄飯王(しょうぼんのう)後妻

となり、シッダールタ太子(/お釈迦様)育ての母となっています。

その…

育ての母/マハー・プラジャパティーが、浄飯王死後何度も…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
      阿難陀             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(550)

【釈迦・・・10大弟子】 (386)


出家したいと嘆願(たんがん/事情を述べて、願うこと)しますが、お釈迦様はどうしても、首を縦

振りませんでした。

そうした、ある日…

お釈迦様のおられた、<ヴァイシャーリー>に、一群女性達がたどり着きました。

身なりは、裸足足から血を流し、切り落とし


ヴァイシャーリー

毘舎離(びしゃり、サンスクリット語/Vaiśālī, ヴァイシャーリー、パーリ語/Vesālī, ヴェーサーリー)

古代インドの十六大国の1つヴァッジ国内にあった商業都市。リッチャヴィ族(離車族)の住んでいた地域で、<自治制・共

和制>がしかれ、通商貿易が盛んで、自由を尊ぶ精神的雰囲気があったと言われている。

釈迦の時代においても、よく知られた商業都市であり、仏典にも数多くその名が見られる。初期仏教教団における特異な

在家信徒(/後に出家)である<遊女/アンバパーリー>が住んでいたことや、<仏教経典の第2回結集>が行われた

ことで有名です。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
      阿難陀             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(551)

【釈迦・・・10大弟子】 (387)


飢え疲労立つこともかなわぬ有様でした。

彼女達は、比丘まねた姿をし、カピラ城から500キロをして来た、養母/マハー・

プラジャパティー一行でした。かっての、妃/羅睺羅の母でもあるヤショーダラー妃も、

阿難陀の母も…



 11月 1日

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
     マハーパジャパティー/お釈迦様の育ての母    (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(552)

【釈迦・・・10大弟子】 (388)


…いました。まさに女性達実力行使談判でした。

しかし、お釈迦様も…

無下(むげ/そっけなく)に、女性出家否定していたのではありません。経典にも、<小児

は泣くことを力とし、女性は嫉妬を力とし・・・>とあり、やはり女人禁制は譲れなかっ

た様です。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
      阿難陀             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(553)

【釈迦・・・10大弟子】 (389)


そこで…

阿難陀が、生涯でただ1度お釈迦様言葉に逆らいました。阿難陀は、お釈迦様

必死反論し、喰い下がり…ようやく、お釈迦様溜め息を引き出しました。

以後…

マハーパジャパティーリーダーとする、比丘尼集団が…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
     比丘尼集団          (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(554)

【釈迦・・・10大弟子】 (390)


成立します。

お釈迦様が、<成道(じょうどう)/・・・菩提樹下で覚醒・・・>して、20年後頃の事でした。

そして、お釈迦様女性出家者のために、<八敬法(はっきょうほう)制定しました。

その第1に…

<比丘尼(びくに)は・・・どんなに入信して間もない比丘でも・・・

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
      阿難陀             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(555)

【釈迦・・・10大弟子】 (391)


・・・先輩として敬(うやま)わなければならない>

…と定められました。ともかく、阿難陀決死談判で、女性出家も認められるように

なりました。


さて…

これも、にも触れていますが、お釈迦様涅槃(ねはん)に際し、阿難陀一人泣き崩れ

慟哭(どうこく/声をあげて激しく嘆き泣くこと)し、阿那律に…



 11月  2日

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      お釈迦様                       (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(556)

【釈迦・・・10大弟子】 (392)


制止されています。


さて…

今度は、お釈迦様涅槃前後の様子を、阿難陀エピソードをまじえて眺めて見まょ

うか。

くり返しますが…

お釈迦様最後の旅は…摩掲陀国(マガダ・こく)/王舎城霊鷲山(りょうじゅせん)を出発し…

北方の、故国/カピラ城を目指します。(よわい)80歳の時…と推定されています。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1   
                    
      羅睺羅尊者/密行第一            (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(557)

【釈迦・・・10大弟子】 (393)


この出発に先立ち…

実子/羅睺羅(ラゴラ)は、死別するのが辛くて、別方向托鉢に歩いたのでしょうか

お釈迦様一行は…

まず、ナーランダ村(/・・・ブッダガヤ(/お釈迦さまの成道の地。仏教では最高の聖地)の北東に位置する町で、

427年に建てられた、世界最古の大学/ナーランダ大学があります。)パーリタ村を通り…満々と水をたた

えた時期のガンジス川渡河し、ヴァッジ国(/現在のビハール州北部。南北にはガンジス川北岸から現

在のネパールまで広がり、西はガンダク川を挟んでマッラ国およびコーサラ国と隣接していた。)に入りました。

かつて…

シッダールタ太子(/お釈迦様)が…


★ ガンジス川・・・

(ヒマラヤ山脈中部に源を発し、インド北部を東西に横断、ベンガル湾に注ぐ、インド最大の河川。インドでは聖なる川として

ヒンドゥー教徒の沐浴が行われ、焼葬された人間の灰を流します。ワーラーナシ沐浴聖地として有名です。

ガンジス川上流地域は・・・

灌漑によって古くから農耕が発達していました。下流のデルタ地帯/バングラディシュは、豊富な水と肥沃な土壌により、

世界有数の米作地帯となっていて、同時に、世界有数の人口稠密地帯でもある。)

 

岡田健吉‏@zu5kokd1 
                    
       ガンジス川                   (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(558)

【釈迦・・・10大弟子】 (394)


旃陀羅(せんだら/チャンダーラ・・・被差別民で、カースト外の最下級民)糞掃衣(ふんぞうえ/字句の意味は、

糞を掃除する衣/・・・ゴミの中に捨てられたボロ切れの布でつくった衣で、十二頭陀行の1つであり、初期仏教の修行僧

は執着を離れるためにこれを身に着けていました。)身をやつし裸足で、たった1人で…生まれて初

て、ガンジス川の流れを見た…思い出深い地です。

歴史に…

<もし/・・・ if >禁物と言われますが…<もし/・・・シッダールタ太子が、ガンジ

ス川で、溺れ死んでいたら・・・>

 

岡田健吉‏@zu5kokd1   
                    
      ガンジス川/沐浴(もくよく)          (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(559)

【釈迦・・・10大弟子】 (395)


そして、また…

<もし/・・・菩提達磨(ボダイ・ダルマ/・・・ダルマさん )が、インダス川流域文明のインド大

陸から・・・黄河流域文明の中国大陸に、渡来できなかったとしたら・・・>

人類文明の姿は、相当違ったものになっていたわけです。

そう思うと…

<歴史とは・・・ある意図の元に・・・奇跡が紡がれている…のが、ほの見えて来

ます。これは…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
      阿難陀             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(560)

【釈迦・・・10大弟子】 (396)


一体何ものかと…?

<我/主体・・・生命体>とは…

<この世/・・・相互主体性世界/心の重ね合わせの世界/心のマルチバース世

界>…の、<有意の走査体/・・・命という、心の重ね合わせ世界の、意識を持つ

走査体>…なのかも知れません。



 11月 3日

   文化の日

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
     ヴァイシャーリーのストゥーパ/仏塔          (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(561)

【釈迦・・・10大弟子】 (397)


さて、それから…

お釈迦様愛された…また、かつて比丘尼志願養母/マハーパジャパティー一行

迎えた、<ヴァイシャーリーの町(/古代インドの十六大国の1つ、ヴァッジ国内にあった商業都市。 自治制

・共和制がしかれ、通商貿易が盛んで、自由を尊ぶ精神的雰囲気があったと言います。)に入りました。

お釈迦様ヴァイシャーリー郊外の、<遊女/アームラパーリー(アンバパーリー)

マンゴー園に、一時、留まります。


★ 遊女/アームラパーリー(アンバパーリー)

ヴェーサーリー城外のマンゴー林に捨てられ、その番人に育てられたので、アンバパーリーすなわちマンゴー林の番人の

と言われるようになった。

アンバパーリーは、遠くの町にまで名声が伝わっていた遊女で、美貌と容姿、魅力に恵まれ、踊りや歌、音楽も巧みで、

当然言い寄る客が引けを取らずとなって、舞台等で莫大な稼ぎを得ていた。お釈迦様に帰依し、その所有していた林を僧

団に献納した。

『長老尼偈註』(ちょうろうに・げ・ちゅう/長老尼偈経の注釈書)によれば・・・

出家し高名な長老となった自分の息子ヴィマラ・コンダンニャの説法を聞き、自らも出家して比丘尼となり、阿羅漢果を得

たとされます。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
      阿難陀             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(562)

【釈迦・・・10大弟子】 (398)


それから…

末羅国(まつら・こく)/マッラ国(/十六大国の1つ)<パーヴァーの町(/釈迦在世中には、パーバー

クシナガル(クシーナーラー)を、それぞれ都とする、両勢力に分裂していました。分国のいずれにおいても部族共和制を

採用し、公会堂で集会を開いて、重要問題を決定していました。いわゆる、国王による支配ではなかった。)に入りま

した。

ここで…

お釈迦様キノコ料理供養を受け、激しい下痢に陥ります。しかし、それを堪えて、

き続け、やがて<最後の地/涅槃の地>となった、<クシナガルの町>に入ります。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
     入滅の地/クシナガルの涅槃堂           (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(563)

【釈迦・・・10大弟子】 (399)


この、お釈迦様最後の旅に…

何人弟子が同行したかは、経典には記載がない様です。盲目<阿那律/天眼第

一>と、<侍者/阿難陀>、それと老身お釈迦様のお世話をする、最低限の人数

ではなかったかと…ある書物では、推測しています。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
      阿難陀             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(564)

【釈迦・・・10大弟子】 (400)


しかし、そうではあっても…

周辺諸国や、膨大厚い信者達注視する中での涅槃への旅路です。行く先々

供養を受け、舟が用意され、人々と別れの言葉を交わしながらの、道行きだったと思わ

れます。

従って、最期が近い…



 11月 4日



岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
                                     (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(565)

【釈迦・・・10大弟子】 (401)


…と知らされると、実子/羅睺羅(らごら)も駆けつける決断をしているわけです。


いよいよ…

お釈迦様涅槃の場所/サーラの樹林に向かわれる時…マッラ国商人/フックサ

が…お釈迦様泰然自若(たいぜんじじゃく/落ち着いていて、どんなことにも動じないさま)とした瞑想の

お姿に、深く心を打たれました。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
      阿難陀             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(566)

【釈迦・・・10大弟子】 (402)


そして、他の仙人に寄せていた帰依(きえ)の心を捨て、あらためて<お釈迦様/法/

仏教教団>に、帰依しました。

その深い感動を形で示すために、フックサ<金色の絹2枚>を、お釈迦様供養しま

した。

それを受け、お釈迦様が言われました…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      お釈迦様        (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(567)

【釈迦・・・10大弟子】 (403)


「1枚は、自分が頂こう・・・

もう1枚は、ぜひ阿難陀に・・・

阿難陀は・・・25年間にわたり、陰日向なく私に仕えてくれた。病める時も変わらず

に、優しく、私に尽してくれたからである」


お釈迦様涅槃図(ねはんず)は多くありますが、そのいずれも…



 11月 5日

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
     手前の、身悶えしているのが阿難陀          (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(568)

【釈迦・・・10大弟子】 (404)


身悶(みもだ)えして嘆き悲しむ阿難陀の姿が描かれています。お釈迦様最後の間際

に、阿難陀に告げられました。


「阿難陀よ・・・

悲しんではいけない・・・

私が涅槃に入れば、そなたは、これでもう師の言葉は終わった・・・

自分に、はもはや師がいない・・・

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
      阿難陀             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(569)

【釈迦・・・10大弟子】 (405)


・・・と、思うであろう・・・

そうではない、阿難陀よ・・・

私の亡き後は、私の説いた<法>と<律>とが、弟子たちの師である・・・

それを、忘れてはならない・・・

この事を、常のごとくに記憶し、弟子たちに、正しく伝えよ・・・」


さらに、お釈迦様は告げられました。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
    クシナガラ/涅槃堂                     (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(570)

【釈迦・・・10大弟子】 (406)


「これから後・・・

皆が希望するならば・・・

細かい<戒>の項目は、廃してもよい・・・」


この事で…

お釈迦様入滅から3カ月後<第一結集(だいいち・けつじゅう)で…


<何故・・・

もっとはっきりと、どれとどれを廃してよいのかと・・・

お釈迦様に聞いて置かなかったのか、>


【 結 集  (けつじゅう/・・・仏教の経・論・律(三蔵)をまとめた、編集会議のこと)

第一結集(だいいち・けつじゅう)・・・500羅漢結集/王舎城結集

   お釈迦さま入滅後3カ月頃に・・・大迦葉が参集を呼びかけて、マガダ国/首都・王舎城/第7葉窟に、500羅漢が

   集まり、<お釈迦様の教えの文章化/・・・経典・律典の編集作業>が行われました。

   <大迦葉/頭陀第一>が、座長・・・<阿難陀/多聞第一>が、経/経典の責任者・・・<優波離/自律第一>が、

   戒律/律典>の編集責任者となっています。さらに、<マガダ国/阿闍世王>が大檀越として、これを外護したとい

   われます。

第二結集(だいに・けつじゅう)・・・700結集/ヴァイシャーリー結集

   お釈迦様入滅後100年頃・・・戒律上の異議が生じたことを契機に、ヴァッジ国/ヴァイシャーリーで700人の比丘

   を集めて開かれました。

第三結集(だいさん・けつじゅう)・・・1000結集/華氏城 (けしじょう/パータリプトラ・・・マガダ国の都市の1つ。現
   
      
在のビハール州の州都/パトナ)
 

   お釈迦様入滅後200年頃/紀元前3世紀半ば・・・マウリヤ朝/第3代・アショーカ王(阿育王)の治世下、根本分裂

   があったための様です。

 

 

 11月 6日

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
      阿難陀             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(571)

【釈迦・・・10大弟子】 (407)


…と、阿難陀長老達から叱責(しっせき)されています。

お釈迦様入滅後阿難陀は…

ともかく、心身共疲労困憊(ひろうこんばい)していた様です。一方、広い世間思惑は…


いったい、誰が・・・お釈迦様の後継となるのか?


…という、1点集中していた様です。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
      阿難陀             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(572)

【釈迦・・・10大弟子】 (408)


さて、史実はどうかは知りませんが…

お釈迦様実子/羅睺羅がいて、その実母/ヤショーダラー妃尼僧院存命ならば、

出家した身であっても、陰に、<後継は、羅睺羅に!>と思っても、責められるでしょ

うか?

これは、当時社会常識からも、安定した落ち着き所と思われます。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
      阿難陀             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(573)

【釈迦・・・10大弟子】 (409)


一方、仏教業団の内外でも…

お釈迦様言葉とは別に、社会的慣習後継の正統性もあり、膨大仏教教団全体/

信者全体が、息を潜めて、その決断/決定を、待っていたのでしょうか。

そうした、ある朝…

阿難陀に、知り合いのバラモンが、問いかけました。



 11月 7日

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
      阿難陀             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(574)

【釈迦・・・10大弟子】 (410)


「阿難陀よ・・・

世尊(せそん/お釈迦様の尊称)か亡くなられた後に、誰か、世尊に等しい様な立派な方が

おられるのか?」

「バラモンよ・・・」阿難陀が、答えました。「そんな立派な者がいる道理がないでは

ないか。

何故ならば・・・

世尊は、自らこの道を悟り、自らこの道を・・・

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
      阿難陀             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(575)

【釈迦・・・10大弟子】 (411)


・・・実践した方です。弟子たちは、ひたすら世尊を敬慕し、その教えと垂範(すいはん

/模範を示すこと)に、ついて来ただけなのですから・・・」


さらに、阿難陀が言いました。


「我らに、決して依り所が無いのではない・・・

我らには、依り所がある・・・

<法>と<律>が・・・

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
      阿難陀             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(576)

【釈迦・・・10大弟子】 (412)


・・・我らの依り所なのです・・・」


そうした日々の…

深い喪失感の中で、<500羅漢>選抜が進められ、<法と律を編集する・・・第一

結集>の、準備が整えられて行ったわけです。

ところが…

経典編集となる、侍者/<阿難陀/多聞第一>が…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      お釈迦様                       (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(577)

【釈迦・・・10大弟子】 (413)


…まだ<阿羅漢果>を得ていませんでした。大迦葉阿難陀参加に、首を横に振り

ます。

阿難陀自身は…

かつて、<解脱>した、という思いは得ていた様です。その事を、祇園精舎お釈迦様

に告げた事がありました。



 11月 8日

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
      阿難陀             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(578)

【釈迦・・・10大弟子】 (414)


<私は、内外の事に対し・・・

自己中心的に思わず、こだわらず、慢心・煩悩も無く・・・

解脱したという、確信をえました・・・>


しかし、お釈迦様は…

これを、ヨシとはしなかった様です。阿難陀まだ、<真の・・・覚醒/悟り>には、到達

ていなかったのです。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      お釈迦様        (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(579)

【釈迦・・・10大弟子】 (415)


阿難陀は、お釈迦様の亡くなった喪失感と共に、決死の思い修行に打ち込みますが、

なかなか、<覚醒/悟り>には、至りません。

これは、(/岡田)/…浅学・若輩者の、推測ですが…

阿難陀は、あまりにもお釈迦様近侍し、偉大お釈迦様を…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
     摩訶陀国/霊鷲山 (りょうじゅせん)         (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(580)

【釈迦・・・10大弟子】 (416)


(ま)の当たりにして来たからこそ…それとは、<別個の覚醒/悟りの人格>を、得

ることが出来なかった…のではないでしょうか。

阿難陀は、<第一結集(だいいち・けつじゅう)前夜

思い余って、霊鷲山(りょうじゅせん)に上り、ひとり結跏趺坐(けっかふざ/<結>とは、趺を交差させ、

<跏>とは反対の足の太ももの上に乗せること。足を結んだ形ではなく、両足を重ねる座り方は、<半跏趺坐/はんかふ

ざ>)し、決死の瞑想(めいそう/・・・心を静めて無心になることや、究極の智慧を得ること等)をしました。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      霊鷲山/山頂近くの洞窟              (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(581)

【釈迦・・・10大弟子】 (417)


そして、前に述べた様に…

それにも、疲れ果てて…

寝具倒れ込んだ瞬間

<フワッ、>と気の抜けたその瞬間

<ああ・・・これだ…と阿難陀は、<覚醒/悟りを・・・自ら・・・自覚>…しまし

た。それはまさに…<第一結集/当日の朝>、の事だった、と伝えられます。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1
                    
   摩訶陀国/王舎城/第一結集の行われた、七葉窟   (/ネットより画像借用)

《仏教/雑学》・・・(582)

【釈迦・・・10大弟子】 (418)


阿難陀は…晴れて

<500羅漢>最後の1人として、<第一結集>参加しました。

そして…

全身に刻み込まれた<お釈迦様の・・・日々の、膨大な教え>を…

<如是我聞(にょぜ・がもん/・・・サンスクリット語・パーリ語を漢訳した経典の中の定型句。<私は、お釈迦様から、

このように聞いた>・・・という意味です。)として誦出(じゅしゅつ/・・・<誦/じゅ、しょう>とは、節をつけて唱え

ること)しました。

そして、<500羅漢>が…

その言葉を…<是(ぜ)/・・・道理にかなっている・・・

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
      阿難陀             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(583)

【釈迦・・・10大弟子】 (419)


・・・、間違いなし>…と同意すると、それが<経>になりました。今日の、<経典の基

(もと)になるものです。


お釈迦様
亡き後

<大迦葉/頭陀(ずだ)第一>が、2祖として、仏教行団を率いて行く事になりました。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
               
ブッダガヤ/お釈迦様の成道の地・・・ビハール州ガヤー県の都市   (/ネットより画像借用)

《仏教/雑学》・・・(584)

【釈迦・・・10大弟子】 (420)


その大迦葉も、年老いて没すると…

<阿難陀/多聞第一>が、3祖として、仏教教団を率いました。

阿難陀は…

120歳まで長寿を全うし、お釈迦様の教えを、全身実直に説き続けた、という事です。



 11月 20日

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
             大迦葉                                    (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(585)

【釈迦・・・10大弟子】 (421)

10 ・・・大迦葉/摩訶迦葉 (だいかしょう/まかかしょう・・・マハー・カッサパ)・・・

                                  <頭陀第一(ずだ・だいいち)


<釈迦10大弟子>最後は、大迦葉です。摩訶迦葉とも呼ばれていますが、元々の

インド名<マハー・カッサパ>です。

仏教教団には、事火外道(じかげどう/仏教から見た、拝火教/ゾロアスター教。ただ、ここではゾロアスター教

に限らず、火を信仰する異教徒すべてをさします。)指導者だった…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
         大迦葉                         (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(586)

【釈迦・・・10大弟子】 (422)


迦葉三兄弟をはじめ、迦葉を持つ者が多かったと言われます。それで、<マハー

/大、摩訶・・・偉大な>を付けて、<マハー・カッサパ>と呼ばれていました。

迦葉の生まれは…

舎利弗目犍連と似ていて、摩掲陀国(マガダ国)/首都・王舎城の近くの…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                        
大迦葉/薬師寺・・・中村晋也作 (/彫刻家)   (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(587)

【釈迦・・・10大弟子】 (423)


マカシャラダ村です。

そこの、裕福な長者バラモン家系で…<在家時の名前は・・・ピッパリ>です。8歳

仏門に入り、勉強好きで、求道心が強く、その意味でも、舎利弗目犍連と似ていた

様です。

ただ、ピッパリ生来の控えめな性格だった様で…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      大迦葉             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(588)

【釈迦・・・10大弟子】 (424)


学識誇ることもなく…いずれ出家し、自らの修行に邁進したい、と固く決めていまし

た。

ここで…面白いエピソードが、からんで来ます。

ピッパリ両親は、後継者出家しては家系断絶するとし、出家には強く反対し、

するように言い続けました。



 11月 21日

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      大迦葉             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(589)

【釈迦・・・10大弟子】 (425)


こうした親子攻防も、20歳になると決断を迫られました。

そこでピッパリは、工匠(こうしょう/細工・工作を職業とする人)<黄金の美しい女性像>を作ら

せました。そして、この像ほどに美しい娘なら結婚しても良いと、難題対抗しました。

ところが、両親は…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      大迦葉             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(590)

【釈迦・・・10大弟子】 (426)


…そんな美しい娘を探し出して来ました。ヴァイシャリー郊外カピラカ村に住むで、

バッダー・カピラーニーといい、バラモンの娘で、16歳でした。

そして彼女もまた、出家して、清い道を歩むことを夢見る娘だったのです。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      大迦葉             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(591)

【釈迦・・・10大弟子】 (427)


感受性の強いで、同時に仏教教団隆盛が社会的にも浸透し始めていたのでしょう

か?

2人は、この邂逅(かいこう/思いがけなく会うこと、めぐりあい)を喜び…<黄金の美しい女性像>

結納金として、結婚しました。しかし、夫婦の交わりは持たずに過ごした、と伝えられて

います。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      大迦葉             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(592)

【釈迦・・・10大弟子】 (428)


ピッパリが、32歳になった時…

2人は…美しい大自然の営みの中にも、<食物連鎖/・・・弱肉強食の、悲劇的な世

界が内包>する事に…深い虚しさを感じる様になりました。

そして…

互いに、あらためて、出家の時が訪れたのを知りました。



 11月 22日

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      大迦葉             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(593)

【釈迦・・・10大弟子】 (429)


夫婦共に…

剃髪(ていはつ/仏教では、入門する者は必ず頭を丸剃りにし、袈裟(けさ/左肩から右脇下にかけて、衣をおおう長

方形の布。法衣))を授けられます ) し、粗末な衣に着替えて、だけを持ち、2人同時に、まさに

ましました。

しかし、同時といっても、そもそも全ての未練を捨てた、出家です。途中から、すぐに2人

は、左右別々の道に分かれて歩み始めました。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      大迦葉             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(594)

【釈迦・・・10大弟子】 (430)


妻/バッダーは…

多くの出家者修行する叢林(そうりん/樹木が群がって生えている林・・・後に、寺院や禅寺の意味にもなり

ます。)へ行き、そこで修行を重ねました。そして後に、お釈迦様尼僧院を認められた時、

ピッパリ/大迦葉に呼ばれて、比丘尼となっています。

彼女真剣に修行に打ち込み、阿羅漢に達したと、伝えられています。

 

 バッダー /バドラー・カピラーニ       

バッダーは

コーサラ国/舎衛城郊外の祇園精舎に近い、修行者の園へ着きました。彼女は1人で、無衣外道

(ジャイナ教の空衣派)のもとで修行しようとしますが、彼女の生来の美しさゆえ、それら外道の輩の欲心

を刺激し、数多の凌辱を受けたと言います。

後のある時

バッダーは、マガダ国/王舎城で、仏弟子となっていた大迦葉/ピッパリに出会いました。大迦葉

の問いに対し、彼女はその苦境を話すと、彼はバッダーを竹林精舎に連れ帰り、お釈迦様の許しを

得て、マハー・プラジャパティー比丘尼(/お釈迦様の育ての親で、お釈迦様に比丘尼を認めさせた女性 )より具

足戒(/出家した修行者 が遵守すべき戒のこと)を受けさせました。


(南伝仏教では

仏教教団に比丘尼集団ができた時、天眼通を得ていた大迦葉が外道のもとで修行している彼女を

見つけ出し、ある比丘に頼んで迎えに行ってもらって、仏弟子にさせた、と伝えられます


以後、比丘尼となった彼女は

托鉢で街に出ると、<何故、こんなに美しい人が、出家したのか?>と皆から言われ、恥ずかし

くなり、托鉢しなくなりました。見かねた大迦葉は、仏の許しを得て、自ら乞食(こつじき)して得た食物

の半分を与えていましたが、別の比丘尼から嘲笑され、呵責(かしゃく/責め、苦しめること)されました。

これを聞いた大迦葉は、このままではバッダーのためにならないと考えて、自分で考えて行動するよ

うに諭し、彼女のもとを離れました。これにより、バッダーは大勇猛心を起し、その後は眠ることなく

正法を念じ、自責し、修行を続けた結果ついに、悟りを開くことができた、と伝えられています。


また、ある時

バッダーはマガダ国/阿闍世王(あじゃせおう)の1大臣によって、むりやりに王宮に連れ込まれて、凌

辱を受けましたが、この事が比丘尼衆の間で問題になりました。

そこで

お釈迦様がバッダーに問いました


「汝(なんじ)は・・・その時に、快感を得たか?」

「私はすでに・・・すべての欲を離れております。どうして、快感を持つことがありましょうか、」

「このよう場合は・・・比丘尼は、罪を犯したことにならない」


また

お釈迦様は、<心に愛染なくんば、罪なし>…とも、言われています。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      大迦葉             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(595)

【釈迦・・・10大弟子】 (431)


一方…

夫/ピッパリ/大迦葉の方は…

出家後竹林精舎へ向かっています。そこでお釈迦様参謁(さんえつ/参上して、目上の人や

尊貴な人に会うこと)し、帰依(きえ/すぐれた者 (特に人格者) に対して、全身全霊をもって依存すること。仏教では特

に、信仰をいだくことに用いられる ) して…<8日で・・・覚醒/悟り>を開き…阿羅漢に到達して

います。

それにしても…

摩掲陀国(まがだ・こく)王舎城付近バラモンの子弟は、<舎利弗目犍連大迦葉>

だけではなく…他にも続々と、仏教教団に吸収されて行ったのでしょうか。



 11月 23日

 
勤労感謝の日

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      お釈迦様                       (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(577)

【釈迦・・・10大弟子】 (413)


大迦葉は…

<お釈迦様から頂いた衣を・・・ボロボロになっても、終生それを着続けた人・・・>

…と言われています。

しまいには、当て布だらけで、見た目にも衣が重くなってしまい、お釈迦様からこう勧めら

ています。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
      お釈迦様 彫刻  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(597)

【釈迦・・・10大弟子】 (433)


「歳をとった身に・・・その衣は重かろう。もっと軽い衣に変えなさい」


この1事だけでも、<原始仏教当時の比丘>たちの、<清廉潔白な清々しい人格>

が、うかがえます。

さて

大迦葉は、<頭陀第一(ずだ・だいいち)と呼ばれたわけですが、その<頭陀行(ずだぎょう)

とは…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1
                    
     当時の座禅風景            (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(598)

【釈迦・・・10大弟子】 (434)


…どの様なものだったのか、少し考察してみましょう。

<頭陀行>とは…

<煩悩(ぼんのう)の垢(あか)を払い落とし・・・ 衣食住に、貪りの心を持たないために、

する修行>

…という事です。

まず、<12頭陀行/・・・仏教教団における、12の生活規律>を…掲げて置きます。



 11月 24日

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      お釈迦様        (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(599)

【釈迦・・・10大弟子】 (435)


1)/<糞掃衣/ふんぞうえ>・・・ごみ溜のぼろを拾い、きれいに洗った衣を着る。

2)/<但三衣/たんさんね>・・・三衣/・・・下着と上着と、その上に羽織る大衣

    ・・・以外には所有しない。

3)/<常乞食/じょうこつじき>・・・常に托鉢乞食に・・・

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      苦行中の釈尊/お釈迦様            (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(600)

【釈迦・・・10大弟子】 (436)


    ・・・よって生活する。

4)/<不作余食/ふさよじき>・・・自分で食事を作らない。

5)/<一坐食/いちざしょく>・・・一日一食、午前中のみ。

6)/<一揣食/いちすいじき>・・・一食の量を節し/・・・丸めた食べもの1つ・・・

    食べ過ぎない。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      お釈迦様        (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(601)

【釈迦・・・10大弟子】 (437)


7)/<空閑処/くうかんしょ>・・・人里離れた山林に住む。

8)/<塚間坐/ちょうげんざ>・・・墓場に住む。

9)/<樹下坐/じゅげざ>・・・樹の下に住む

10)/<露地坐/ろじざ>・・・空地に坐る。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1
                    
     当時の座禅風景            (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(602)

【釈迦・・・10大弟子】 (438)


11)/<随坐/ずいざ>・・・随所に夜具を延べる。

12)/<常坐不臥/じょうざふが>・・・常に坐し、横になって寝ない。


…以上の、12頭陀行で、非常に厳しいものです。

しかし、絶対的なものではなかったようで、例えば、<優波離(うぱり)/自律第一>には、

こう(さと)しているわけです…


「優波離よ・・・

人里離れて住むことは淋しく独りの暮らしには心の楽しみが得にくい。時には、自

然の荒々しさに心を揺さぶられ、修行が進まない者もいる。優波離よ、そなたには

荒野での修行は向かない」


…と。そして、優波離教団生活規律などを指導しながら、<覚醒/悟り>を開き、

<自律第一>と呼ばれるまでになっています。



 12月 27日

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      お釈迦様        (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(603)

【釈迦・・・10大弟子】 (439)


仏教教団には…

いわゆる、比丘比丘尼が守るべき戒律というものがあります。しかし、<12頭陀行

(12 ずだぎょう)決まり事>は、それよりもさらに厳しいものになります。

<頭陀行>では、篤信者(とくしんじゃ/信仰があつい人)からの食事供養(くよう)も受けられず、

あくまでも糞掃衣(ふんぞうえ)での孤独修行になります。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      お釈迦様                       (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(604)

【釈迦・・・10大弟子】 (440)


大迦葉は、その<頭陀行で第一/頭陀第一>と呼ばれましたが…舎利弗の様な大番

ではなく…阿難陀の様にお釈迦様近侍するのでもなく…ただひたすら、孤独瞑想

頭陀行を好み、それに徹していた様です。

大迦葉は…

<お釈迦様の教えが・・・本当に必要なのは・・・

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      大迦葉             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(605)

【釈迦・・・10大弟子】 (441)


・・・富める者ではなく、貧しい人々である>

…とし、貧しさに苦しむ人々が住むで、多くの托鉢をしたと言われています。

当然、布施は少なく、食事も乏しいものになります。しかし、そうした中で布施されるもの

は、真に心に染み渡るものだったと思われます。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                        
大迦葉/薬師寺・・・中村晋也作 (/彫刻家)   (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(606)

【釈迦・・・10大弟子】 (442)


<頭陀第一/・・・清貧に徹した・・・大迦葉の生き方> を…お釈迦様はこう語られて

います。


「托鉢
(たくはつ)によって生き・・・

自ら養(やしな)いて・・・

他の供養を受けることなく・・・

静寂にして・・・

常に正念に住する比丘は・・・

諸天(しょてん/天上界にあって、仏法を守護する諸神)も羨(うらや)む・・・」


…と。

そして、大迦葉年老いてくると、お釈迦様は…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      苦行中の釈尊/お釈迦様            (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(607)

【釈迦・・・10大弟子】 (443)


長い布教の旅から帰った大迦葉に、こう言われました。


「大迦葉よ・・・

そなたも年老いた事だし・・・

もう厳しい頭陀行で・・・

その様に、身を苦しめる必要も無いであろう・・・

長者の施食(せじき)も受けたらよいし・・・

その衣も、幾重もの当て布で重かろう・・・

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
         大迦葉                             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(608)

【釈迦・・・10大弟子】 (444)


山林ばかりに、住むこともないのだ・・・」 


これに対し、大迦葉は…

この様な生き方が、私には楽しいので…このまま続けたい、と答えています。

また、この様にも付け加えています。


「我々が・・・

長者たちの、衣食の接待を受けると・・・

それがひいては、後の比丘たちが・・・



12月 28日

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
      お釈迦様 彫刻  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(609)

【釈迦・・・10大弟子】 (445)


・・・衣食を貪(むさぼ)り、苦しい行を厭(いと)うようになります。それが仏法の衰退にも

つながります。

そのために私の<頭陀行>が、後人にいささかでも益する事があれば、と思ってい

ます・・・」 

                                          『増一阿含経』

元々、開祖であるお釈迦様は…故国/カピラ城を出て…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      苦行中の釈尊/お釈迦様            (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(610)

【釈迦・・・10大弟子】 (446)


ガンジス川を泳いで渡った後…阿羅々(あーらーら)仙人欝陀迦(うつだか)仙人のもとで

想修行をし…その後、遍歴して…

<6年間に及ぶ・・・空前絶後といわれる・・・決死の苦行>

…を敢行しています。最後に…

<金の首飾り・・・といわれる、1888日の断食行>

…を終え、命の極限に達した時…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                
ブッダガヤ/釈迦の成道の地・・・ビハール州ガヤー県の都市   (/ネットより画像借用)

《仏教/雑学》・・・(611)

【釈迦・・・10大弟子】 (447)


村娘の捧げる乳酥(にゅうそ/飲むヨーグルト)/醍醐(だいご)を、我知らずに食べます。枯れ

切った全身の細胞に、再び、かすかな命のリズムが灯りました。深く静かに、しかし、

の深淵で、確実に…

<生/・・・存続へ・・・膨大な命の動因が・・・波動して行くのを体験・・・ >

…します。

それから、菩提樹の下で結跏趺坐(けっかふざ)し…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      お釈迦様                       (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(612)

【釈迦・・・10大弟子】 (448)


明けの明星を見て、お釈迦様<大悟>するわけですが…求道者たる自らはともか

く…

<自分が行った・・・極端な苦行は・・・必要なかった、>

…と、あらためて振り返りました。そして、仏教教団としては極端な苦行を避け…

<非苦非楽の・・・中道を歩むように、>

…と、説かれています。



 12月 29日

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      大迦葉             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(613)

【釈迦・・・10大弟子】 (449)


そして、お釈迦様大迦葉に対し…

<そなたも年老いたことだし、もう厳しい頭陀行で、その様に身を苦しめる必要も

なかろう>

…と(さと)したのに対し、大迦葉<頭陀行が楽しい、後人に則を示したい、続け

たい>、と言ったわけです。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1            
                  
舎利弗 (国宝) 奈良/興福寺・国宝館  制作: 奈良時代  (/ネットより画像借用)

《仏教/雑学》・・・(614)

【釈迦・・・10大弟子】 (450)


お釈迦様はこれを是認(ぜにん)され、こう賞賛されています。


「大迦葉の頭陀行があれば、我が法も長く世にあるであろう。比丘たちも大いに彼

を見習うべし・・・」


くり返しますが…

大迦葉は…<舎利弗/智慧第一>の様に、仏教教団大番頭の様な存在でも…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1        
               
目犍連 (国宝) 奈良/興福寺・国宝館  /制作年代: 奈良時代  (/ネットより画像借用)

《仏教/雑学》・・・(615)

【釈迦・・・10大弟子】 (451)


<目犍連(もくけんれん)/神通第一>の様に、教団の双璧として六外道攻撃対象

なったのでもなく…<阿難陀/多聞第一>の様に、お釈迦様近侍したのでもありま

せん。

大迦葉は…

地味で、自らの修行精進し、土埃にまみれながら、各地布教に勤(いそ)しんだ

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
      阿難陀             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(616)

【釈迦・・・10大弟子】 (452)


裏方徹した人の様です。そして、それか楽しい(のり)を示したい続けたい、とも

言っています。

こうした大迦葉を、お釈迦様はどう見ておられたのでしょうか。仏典/仏伝によれば、

釈迦様は早くから、大迦葉後継者と考えていた様な伝承が、散見されると言います。



 12月 30日

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
      お釈迦様 彫刻  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(617)

【釈迦・・・10大弟子】 (453)


その1つに、<拈華微笑(ねんげ・みしょう)という有名エピソードがあります…


★★★★★

お釈迦様が、霊鷲山(りょうじゅせん)で説法をされていた時・・・

1輪の金色の蓮華(れんげ)を献じた人がいました。お釈迦様はその華を暫(じばら)く弄

(もてあぞ)んでおられましたが、そのうちに軽く花の首をひねり・・・

 

岡田健吉‏@zu5kokd1    
                    
     拈華微笑(ねんげ・みしょう)   (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(618)

【釈迦・・・10大弟子】 (454)


・・・ちょっと微笑まれて、皆の前に示しました。

しかし一連のしぐさの意味を、誰も理解することができず、ただ、シンとしていまし

た。

ところが・・・

大迦葉だけがお釈迦様の真意を知り、にっこりと微笑しました。お釈迦様は、それ

を喜ばれました。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1   
                    
     拈華微笑(ねんげ・みしょう)   (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(619)

【釈迦・・・10大弟子】 (455)


そして大迦葉にだけ、仏教の深奥の真理を全て授けられたと言われます。

★★★★★


さて、この難解さ/意味不明さは…

後に、<禅の公案>として取り上げられ…『無門関 - 第六則/世尊拈華(せそん・ねんげ)

…で、以下の様にまとめられています。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1   
                    
     拈華微笑(ねんげ・みしょう)   (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(620)

【釈迦・・・10大弟子】 (456)


★★★★★

【無門関 - 第六則/世尊拈華】

昔、世尊は説法のため霊鷲山に在(あ)って、聴衆を前に、花を持ち上げてみせた。

この時聴衆は皆黙然(みな・もくねん)として何の応答もなかった。ただ迦葉尊者一人が、

微笑した。

世尊は言った。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
         大迦葉                             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(621)

【釈迦・・・10大弟子】 (457)


「私には、普遍の正法、比類ない不生不滅の妙法、無相の相の法門がある。それ

は不立文字(ふりゅうもんじ/禅宗の教義を表す言葉で、文字や言葉による教義の伝達のほかに、体験によって伝

えるものこそ真髄である、という意味。)、教外別伝(きょうげ・べつでん/仏陀の教えは、言葉によって伝達された場

合もあったが、仏教の真の精髄は言葉によって表現しうるものではないので、心から心へと直接伝達されるとする考え方)

である。今これを摩訶迦葉(まか・かしょう/・・・摩訶の意味は、偉大な大きいと訳され、大迦葉と同じ意味)

に伝授する」

★★★★★


…さあ、<この関を透得(とうとく)せよ>…と無門禅師(むもん・ぜんじ/中国・宋時代の臨済宗の禅

僧)は、<禅の公案>1つとして、修行者に迫ります。



 12月 31日

岡田健吉‏@zu5kokd1   
                    
                       (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(622)

【釈迦・・・10大弟子】 (458)


禅の公案チンプンカンプンで、<難解>有名です。

しかし(いにしえ)の人々は、その<『無門関(むもんかん)』/無門の関(むもんのせき/門の無い

関所)決死の思いで突破し、<人生における・・・苦の課題>に、対峙したのです。

元々、お釈迦様自身は…

<空前絶後といわれる・・・6年間に及ぶ苦行>の中で、幾度となく死を覚悟していま

す。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
     阿那律    (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(623)

【釈迦・・・10大弟子】 (459)


また、釈迦十大弟子<阿那律(あなりつ)/天眼第一(てんげんだいいち)は、前に述べた

様に、<不眠の誓いを立て・・・その果てに、視力を失う事>で、<永遠の真理を・・・

開眼した>…と、仏伝にあります。

そして、また…

禅宗2祖/慧可(えか/…神光)は…から腕を切り落とし、それを初祖/…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                  
       雪舟/『慧可断臂図』/・・・国宝      (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(624)

【釈迦・・・10大弟子】 (460)


菩提達磨(ぼだい・だるま/ダルマさん)に示して、<求道の真>を表しています。これは、<雪

(せっしゅう)/『慧可断臂図(えか・だんぴず)/・・・国宝』>…で、古事有名なシーンを描

いています。

話を戻しますが…

ともかく、この<拈華微笑(ねんげ・みしょう/花をひねって微笑することという有名なエピソード

は、<難解>だという事です。

しかし、この、<不立文字、教外別伝で・・・これを摩訶迦葉に・・・

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      『寂静禅/禅定院』                    (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(625)

【釈迦・・・10大弟子】 (461)


・・・伝授する>…と、お釈迦様は言われています。この1事をもってしても、大迦葉

のほどを(うかが)い知ることができます。

この時、舎利弗目犍連がそこに居たかどうかは明瞭ではありませんが、これは理屈・

理論ではなく、感性であり、だからこそ、<不立文字、教外別伝>



 1月  2日

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      お釈迦様                       (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(626)

【釈迦・・・10大弟子】 (462)


…であり、微妙心の襞(ひだ)共鳴するものなのです。

<大迦葉の・・・破顔微笑>に、お釈迦様師資(しし/師匠と弟子)境地が完全に契合

(けいごう/割符(わりふ)を合わせたように、2つのものがぴったり一致すること)したことを確認し、大衆の面前

において…


「我に、正法眼蔵(しょうぼう・げんぞう)・・・涅槃妙心(ねはん・みょうしん)・・・実相無相(じっそう・むそ

う)・・・微妙の法門(びみょうの・ほうもん)あり。不立文字(ふりゅう・もんじ)・・・教外別伝(きょうげ・べ

つでん)なり。摩訶迦葉(まか・かしょう)に付嘱(ふぞく)す」

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      お釈迦様        (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(627)

【釈迦・・・10大弟子】 (463)


…と<正法の伝授>証言しています。

『無門関 - 第六則/拈華微笑(ねんげ・みしょう)は、禅の公案として整えられ、寓話(ぐうわ)

側面もある様ですが、私たちには、より分かりやすくなっています。

<不立文字、教外別伝・・・以心伝心(いしん・でんしん)は、<世界的宗教/仏教>が、

インド大陸/インド文明体臭を抜け…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1   
                    
   菩提達磨/月岡芳年画 達磨を描いた『月百姿 破窓月』 ・・・パブリック・ドメイン 

《仏教/雑学》・・・(628)

【釈迦・・・10大弟子】 (464)


菩提達磨が…中国大陸/漢字文明大地において、<禅宗>を打ち立てた<革新

的仏教の基盤>…となったものです。

それゆえ<禅宗>は、当初から、インド的体臭の抜けた、漢字文明下での、<仏教宗

派>となっています。

さて…

お釈迦様亡き後<仏教教団>率いたのは…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
         大迦葉                             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(629)

【釈迦・・・10大弟子】 (465)


<大迦葉/頭陀第一>だったわけですが、この時にはもう<舎利弗/智慧第一>

<目犍連/神通第一>も、この世には居なかったわけです。

<富楼那/説法第一>は、故郷へ帰って布教したわけですが、亡くなった後、<彼は

般涅槃(はつねはん/入滅・・・煩悩の炎が吹き消えた状態、解放解脱 )した>…とお釈迦様は言われて

いますから…



 1月  3日

岡田健吉‏@zu5kokd1       
                    
      富楼那    興福寺/国宝         (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(630)

【釈迦・・・10大弟子】 (466)


富楼那もすでに他界していたわけです。

それにしても…

<大迦葉><舎利弗><目犍連>関係は、どうだったのでしょうか? 浅学・若

輩者が、少し推理して見ましょう。

3人とも…

<摩掲陀国(まがだ・こく)/王舎城>近くの村で、バラモン階級の子として育っていま

す。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1
                    
      お釈迦様                         (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(631)

【釈迦・・・10大弟子】 (467)


大迦葉の家は裕福な長者でした。そしては、生来の控えめな性格であり、勉強好き

で、求道心(ぐどうしん)が強かった、という事です。

大迦葉(/出家前は・・・ピッパリ)は…出家して、王舎城竹林精舎に向かっているわけです

から、その時には舎利弗目犍連は、懐疑論者/…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      お釈迦様                         (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(632)

【釈迦・・・10大弟子】 (468)


…サンジャヤの下から、大勢の弟子を引き連れ、すでにお釈迦様帰依していたはず

です。

その意味では、舎利弗目犍連は、大迦葉にとっては大先輩になります。しかし、逆に

大迦葉は、舎利弗目犍連よき相談相手になっていた様です。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
         大迦葉                            (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(633)

【釈迦・・・10大弟子】 (469)


お釈迦様には相談しにくい難問で、2人共に困り果てていた時に、大迦葉相談する事

を思いつき、それで見事に解決しています。大迦葉には、そういう風格があったのでしょ

うか。

くり返しになりますが…

お釈迦様が、生まれ故郷への<最後の旅>出発し…



 1月  4日

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
      阿難陀             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(634)

【釈迦・・・10大弟子】 (470)


霊鷲山を下って行ったのは、80歳の時と推測されます。長老で従ったのは、<盲目

の・・・阿那律/天眼第一>と、<近侍者・・・阿難陀/多聞第一>でした。

一行は、ガンジス川を渡河し…

お釈迦様の愛したヴァイシャーリーの町を通り…マッラ国/クシーナガルの…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1
                    
   釈迦金棺出現図(しゃかきんかんしゅつげんず)/国宝  (/ネットより画像借用)

《仏教/雑学》・・・(635)

【釈迦・・・10大弟子】 (471)


サーラの樹林が…お釈迦様<最後の地>となりました。

阿難陀は、泣き崩れて、慟哭(どうこく/声をあげて激しく嘆き泣くこと)するばかりで、葬儀の指揮

阿那律がとりました。

7日間供養を行なった後、高く積み上げられた香木(こうぼく/心地よい芳香を持つ木材。沈香(じん

こう)と白檀(びゃくだん)が有名 )の上に、お釈迦様金棺(きんかん/きんのひつぎ)安置しました。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1      
                    
     阿那律    (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(636)

【釈迦・・・10大弟子】 (472)


そして阿那律が、うやうやしく香油(こうゆ/髪の毛などにつける、においのよいあぶら)を注ぎ、松明(た

いまつ)の火点火しようとしました。しかし、どうしても、松明の火香木に燃え移りませ

んでした。

そこで…

阿那律威儀を正し、結跏趺坐(けっかふざ/瞑想する際の座法)して、得意とする<天眼>

お釈迦様亡骸(なきがら)透視し、御心の内を…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1
                    
     クシーナガル/涅槃堂                 (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(637)

【釈迦・・・10大弟子】 (473)


…探って見ました。すると…

<間もなく・・・大迦葉が到着するが・・・それまでは、香木に火が燃え移らない・・・>

…ことを知りました。


その、<大迦葉/頭陀第一>は…

500人比丘達と共に…何日か遅れて、お釈迦様同じコースを、後を追ってゆるゆる

遊行していました。



 1月  5日

岡田健吉‏@zu5kokd1
                    
     クシーナガル                       (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(638)

【釈迦・・・10大弟子】 (474)


そして、クシーナガルの近くまで来た時…を持って泣きながら歩く、外道行者と出会

いました。一行はここで、お釈迦様入滅したことを知りました。

泣き叫ぶ者のいる中…

一行は、巨大な悲しみと共に、駆け出すが如くクシーナガルに急ぎました。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1
           現在の霊鷲山の山頂/・・・お釈迦様はここから、最期の旅に出発されました。  (/ネットより画像借用)

《仏教/雑学》・・・(639)

【釈迦・・・10大弟子】 (475)


その、大迦葉を待って…

仏教教団は改めて、お釈迦様荼毘(だび/火葬により死者を弔うこと)に付す儀式を執り行いま

した。

今度は…

大迦葉三拝して合掌した後に、松明(たいまつ)の火をもらい、香木に近づけました。する

と、たちまち火が燃え上がり香木香りがたちはじめました。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1
          
『釈迦涅槃図』/・・・手前の、地面にはいつくばって慟哭しているのが阿難陀。 (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(640)

【釈迦・・・10大弟子】 (476)


香木は…

しだいにサーラ樹林をうずめて行き…

人々比丘達戸惑いと…

壮大な悲しみと共に…

天に昇って行きました。


10日ほど後…

<荼毘・・・そして遺骨の供養>も、一段落した時…

大迦葉が、比丘達を集めてこう言いました。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1
                    
     釈迦涅槃図                       (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(641)

【釈迦・・・10大弟子】 (477)


「我々は・・・

一刻の懈怠(けたい/なまけること)も、許すことなく・・・

お釈迦様の説かれた、教法と戒律を・・・

正しく、編纂(へんさん)しなければならない・・・


さもなければ・・・

非法・非律を説く者が、はびこり・・・

正法・正律を守る者を、滅すであろう・・・」



 1月  6日

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
     大迦葉              (/ネットより画像借用)

《仏教/雑学》・・・(642)

【釈迦・・・10大弟子】 (478)


大迦葉の顔には、重い責任感決意(みなぎ)っていたと思われます。

<盲目の・・・阿那律/天眼第一><近侍者・・・阿難陀/多聞第一>…そして、

<お釈迦様の実子・・・羅睺羅(らごら)/蜜行第一>参集していたはずですが…大迦

はしぜんと、名実共に仏教行団を…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
          
          大迦葉像/・・・彫刻家・中村 晋也氏の具象彫刻。薬師寺・・・  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(643)

【釈迦・・・10大弟子】 (479)


継承する、第2祖立場になっていました。

以後…

歴史的<第一結集/王舎城結集>流れて行くわけですが、この流れには、元々、

仏教教団としての、<7つの・・・行動指針/運営指針>というものが、定められていた

のです。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      クシーナガル/涅槃堂                 (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(644)

【釈迦・・・10大弟子】 (480)


★ 1…修行僧たちは、しばしば会議を開き、それには多くの修行僧が参集すべき

     である。

★ 2…修行僧たちは、協同して集合し、協同して行動し、協同して為すべきことを

     なせ。

★ 3…未定のことは定めず、すでに定められたことを破らず、定められた通りに戒

     律を保って実践せよ。

★ 4…  ☆ ☆ ☆

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
     第一結集/七葉窟                    (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(645)

【釈迦・・・10大弟子】 (481)




…と、最初3つまでが、<教団の・・・行動指針>を示しています。

紀元前500年の…

裸足(/裸足かサンダルばきで、托鉢していた様です)仏教教団で、まるで現代社会の様な民主主

義サークルの運営と、行動スローガンになっています。仏教教団思想斬新性に、改

めて驚かされます。

したがって…

お釈迦様の亡き後の行動指針として、<まず、結集し・・・





第一結集/七葉窟・・・500羅漢が、お釈迦様の教えを文字化し、経典、律典を編纂する。     (/ネットより画像借用)



 1月  7日

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      大迦葉                          (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(646)

【釈迦・・・10大弟子】 (482)


・・・経典、律典の編纂>〉は、教団としてはごく自然の流れだったのです。

しかし…

圧倒的存在お釈迦様を失った仏教教団には、生涯の大部分を、無欲で、<頭陀行

の裏方に徹して来た・・・大迦葉/頭陀第一>の様な存在は、必須だったという事

です。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
     現在の七葉窟                      (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(647)

【釈迦・・・10大弟子】 (483)


また、<生来の・・・控えめな性格の・・・大迦葉>ですが、ここは孤高求道を廃し、

自が仏教教団のために立つべき、という使命感もありました。 こうした事を、お釈迦様

も、見通しておられたのではないか、という事です。

さて…

主だった弟子達協議した結果…お釈迦様亡き後の、<第一結集/・・・経典・律

典の編纂(へんさん)は…

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
      阿難陀             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(648)

【釈迦・・・10大弟子】 (484)


<約1カ月後・・・夏安居(げあんご/夏ごもり)の最中の・・・6月17日>

<資格は・・・阿羅漢に到達している・・・500羅漢>

<場所は・・・竹林精舎の西南の・・・七葉窟>


…と決まりました。

ここで、問題となったのが…

葬儀の際に慟哭(どうこく)(さら)し、いまだに阿羅漢果に到達していない阿難陀でした。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
     五百羅漢/大分県宇佐市・・・東光寺          (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(649)

【釈迦・・・10大弟子】 (485)


経典編纂には、<近侍者・・・阿難陀/多聞第一 ・・・の言葉>が…どうしても、欠か

せなかった、からです。

しかし、幸いにも…

前に述べた様に…阿難陀<第一結集の・・・当日の朝>霊鷲山においてようやく、

見事<覚醒/悟り>に到達し、500羅漢最後の1人として、<第一結集>参加

できました。



 1月  8日

   成人の日

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
     第一結集/七葉窟                    (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(650)

【釈迦・・・10大弟子】 (486)


摩掲陀国(まがだ・こく)の、首都/王舎城竹林精舎から…

西南に、約1里の所にある七葉窟(しちようくつ)において…

<第一結集(だいいち・けつじゅう)・・・第1日目>が始まったのが、夏安居期間中6月17

です。それから何日間続いたかは、記録にないと言います。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1    
                    
     優波離  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(651)

【釈迦・・・10大弟子】 (487)


まず…

<優波離(うぱり)/持律第一・・・カースト制最下層のシュードラ(/仏教教団ではカースト制を

否定しましたが…結局、カースト制の巨大な圧力が一因で、インドにおいては仏教は衰退する事になります。)が…


「何年、何月、何日に・・・

お釈迦様は、この事件を解決するために・・・

 

岡田健吉‏@zu5kokd1       
                    
     優波離立像  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(652)

【釈迦・・・10大弟子】 (488)


・・・この様な定めを作られました。

また・・・

かくかくの事件では・・・

教団からの放逐(ほうちく/追放)も含めて、お釈迦様はこの様な戒(いまし)めを申し渡され

ました」


…と述べ、一同が…



「その通り!」



…と唱和し、確認されると、それが<律の基>として定まって行きました。





第一結集/七葉窟・・・500羅漢が、お釈迦様の教えを文字化し、経典、律典を編纂する。     (/ネットより画像借用)

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
      阿難陀             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(653)

【釈迦・・・10大弟子】 (489)


<律>終了すると…

次に、<近侍者・・・阿難陀/多聞第一>が…


「如是我聞
(にょぜがもん)/・・・かくのごとく我聞けり → 私はお釈迦様から、この様に

聞きました」


と、自身記憶総動員して、述べ始め、その都度


「異議なし!その通り!」



…と全員が認めると、それが、<法/経の基>となって行きました。



 1月  9日

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
      阿難陀             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(654)

【釈迦・・・10大弟子】 (490)


むろん…

全てがすんなりと決まったわけではなく…

補足・議論・整理等もあり…<お釈迦様の教えが・・・文字・文章に変換>…されたわ

けです。

その後、これは最初期経典<貝葉経(ばいようきょう/葉に書かれたお経)/・・・椰子などの

植物の葉を加工して、紙の代わりとして書かれた経>…になって行きました。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
      阿難陀             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(655)

【釈迦・・・10大弟子】 (491)


現存する最古<貝葉経>は…

シルクロードの終着点/日本において、所蔵されています。現存/<最古の梵字(ぼんじ

/梵語(サンスクリット語)を表記するための文字)般若心経は・・・東京国立博物館所蔵/法隆寺

貝葉経>です。私も、何度か、それを見たことがあります。



   (最古の梵字般若心経・・・東京国立博物館所蔵/法隆寺貝葉経)   (/ネットより画像借用)

 


 <貝葉経・・・:現存する最古のものは、紀元後1世紀頃のものとか・・・>   (/ネットより画像借用)


ともかく、そうやって…

阿難陀が、<膨大な・・・お釈迦様の教え>述べ終わり

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
      阿難陀             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(656)

【釈迦・・・10大弟子】 (492)


…みんなの意見も出つくすと、最後大迦葉が立ち上がりました。そして、威厳のある、

よく通る大声で、言いました。


「これに、異議のある者は、いないか?」


「異議なし!異議なし!異議なし!」


…と、500羅漢大声で応じ…<お釈迦様の教えが・・・

 

岡田健吉‏@zu5kokd1     
                    
         大迦葉                             (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(657)

【釈迦・・・10大弟子】 (493)


・・・500人の覚者の・・・耳と心・・・>に、しっかりと刻み込まれまれました。

そして、さらに…

<文字・文章としても・・・仏教教団の教義と規律が確立>しました。これで、後の

経典・律典の基(もと)…が形成されたわけです。

お釈迦様教えは…

<仏教業団における・・・言葉の伝承と、記憶>から、<仏典/書物として・・・



 1月  10日

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
     第一結集/七葉窟                    (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(658)

【釈迦・・・10大弟子】 (494)


・・・伝達のステージが上がり>お釈迦様の教えが、<物/書物・・・仏典>として、

世界中運搬され…<世界宗教・・・として・・・拡大して行く>…ことになります。

これは…

あの、<イスラエル/カナンの地(/地中海とヨルダン川・死海に挟まれた地域一帯の古代地名。『聖書』

<乳と蜜の流れる場所>と描写され、神がアブラハムの子孫に与えると約束した土地。<約束の地>とも呼ばれる。)

に・・・イエス・キリストが誕生(/紀元0年)する、500年も前の話です。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
     古代の経典                    (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(659)

【釈迦・・・10大弟子】 (495)


★ <第一結集/王舎城結集・・・500羅漢>以後


★ <第二結集/ヴァイシャーリー・・・700人結集>
は…

お釈迦様入滅して約100年後

戒律上異議が生じたことを契機に…<アンバパーリー(/遊女)のマンゴー園のある

・・・ヴァイシャーリー>で…700人比丘を集めて開かれたとされています。

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      苦行中の釈尊/お釈迦様            (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(660)

【釈迦・・・10大弟子】 (496)


『婆沙論』(ばしゃろん)によれば…アショカ王(/マウリヤ朝/第3代アショーカ王/阿育王とは、時代が異なり

ますの時代に、根本分裂が起ったためとされています。しかし、南伝(/南方に広がったパーリ語

の、上座部仏教)『マハーワンサ』(/スリランカの王についての物語をパーリ語で詠んだ叙事詩)によれば、

シュナーガ朝カーラーショーカ王治世においてである、としています。

その当時は…誰もが承知している、歴史上の当然の事実


★ 『婆沙論』

『阿毘達磨大毘婆沙論』 (あびだつま・だいび・ばしゃろん)は、仏教の注釈書の1つ。略称として、『大毘婆沙論』『婆沙

論』が用いられる。これらの略称を用いる際には、主に玄奘訳の『阿毘逹磨大毘婆沙論』を指す。


 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                  
ヴァイシャーリーに残る、アショーカ王の石柱とストゥーパ(仏塔)  (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(661)

【釈迦・・・10大弟子】 (497)


…であっても、時代が重なるうちに、歴史ミステリーとなって行くことは、よくある事です。


★ <第三結集/華氏城(けしじよう/パータリプトラ)・・・1000人結集>は…

南伝によれば…お釈迦様入滅後200年にあたる、マウリヤ朝/第3代アショーカ王

(/阿育王・・・古代インドにあって、仏教を守護した大王として知られる。)治下華氏城

 

岡田健吉‏@zu5kokd1  
                    
      お釈迦様        (/ネットより画像借用) 

《仏教/雑学》・・・(662)

【釈迦・・・10大弟子】 (498)


(けしじよう/パータリプトラ)で、1000人比丘を集めて行われました。紀元前/3世紀半ば

とされています。



第一結集/七葉窟・・・500羅漢が、お釈迦様の教えを文字化し、経典、律典を編纂する。     (/ネットより画像借用)



これで…【釈迦・・・10大弟子】は…、【完了】 とします。