神戸港クルーズ

 今年のゴールデンウイークはよく晴れた。飛び石と3連休しかなかったがよく遊べた。うち1日は六甲山牧場に出かけて子羊をなでまくり、「落ちるー!」と泣き叫ぶ子供と一緒に摩耶ロープウェイで下りてきて、徒歩で王子動物園まで行ったもののパンダが発情中という理由で見られず、電車で神戸港に移動した。
 モザイク(ショッピングモールに遊戯施設などがくっついたところ)をふらふらとしていたところちょうど出航するところの「コンチェルト」という船を見つけた。もうそろそろ日が沈むかという頃、1回目のナイトクルーズに出ていくところであった。見れば、乗船料1800円。しかし、デッキで紙コップを持った人たちと、明らかにレストランといった感じの船室にいる人との2種類の楽しみ方があるようだ。近くまで寄って確認してみれば、乗船料とは別にディナー料金が設定されていた。それもかなり豪華だ。私はデッキで十分だと思った。コースは神戸港を出て明石大橋の近くまで行くらしい。
 観光地の船が大好きな私は乗りたいなぁと思ったものの2回目の出航はかなり遅く、またコースも長いので戻ってくるのが凄く遅い。これは無理だなぁとあきらめたら、すぐそばから呼び込みの声が聞こえてきた。
 「港めぐり」40分コース900円。これだ。
 その名の通り港から出ない。船も小さいしお世辞にもきれいとは言えない。しかし、時間が良かったし、安いし、なんといっても売りが「潜水艦が見られる」だったのでこれに決めた。出航までの時間、呼び込みのおじさんは必死に潜水艦を宣伝していた。

 西の空がきれいに赤く染まり始めた頃、船は動き始めた。間髪入れずにさっきと同じおじさんかどうかは分からないが、おじさんの解説が始まった。古そうなスピーカーからボリュームは大きいがやや聞き取りにくい声が響く。2,3の説明があったかと思うとすぐにメインイベント??潜水艦前にやってきた。自衛隊の潜水艦が点検の為にドックに入っているとのことだ。かなり近い位置から生まれて初めて潜水艦を見た。(もちろん潜っていないわけだが)もう900円の価値有り!とか思ってしまった。するとそこから先には更に3隻の潜水艦がかたまって我々を待ってくれていた。もう、900円は安い!
 こんなときに限ってまたカメラを持ってきていなかったりするのだが、さすがに現代。私の携帯にもカメラは付いている。写真を見ただけでは何だかさっぱりわからない解像度だが記念に撮っておいた。とりあえず夕日はきれいだ。

 そのあとは造船所の横を通っていくので作りかけの大型船を見ることが出来た。前の方が無いのとか上がなんにも無いのとか、これもかなり面白かった。
 ここで新たな発見をする。なんとこの船、自動で流れている女性の声の観光案内がついていたのだ。ちょっと小さめなので気づかなかったのだがどうもずっと流れているようだ。では、なぜにおじさんはさらに放送しているのか?それはこの船のきめ細かなサービスなのである。日々変わる部分はおじさんがフォローする。作りかけの船に人の姿を見つけたらあれはなんの作業をしているとか、今日たまたま入って来た船があったらその分の解説を付け足すといった具合である。しかも、かなり偏っていて自衛隊と海上保安庁の船の解説には力が入る。どこで調べてきたのか、何ミリ機関砲とかの解説は声がちょっと楽しそうだ。

 実に楽しい40分であった。船を下りてからもしばらくその辺をうろうろしていたら、結構他にもいろいろな船があることがわかった。所要時間、コース、出航時間、料金、いろいろな要素で乗る船がかわると思う。私はたまたま「港めぐり」の潜水艦コースに乗ることになったが、どうも私にはこれが一番面白そうに思えた。運がよかったのだ。

 ただ、このあと目撃した「ルミナス神戸2」はさすがに飛び抜けて豪華だった。実際お金出すかって言われたら出さないって答えるだろうが、あれは乗りたいなぁと思った。だれか乗せてくれないかなぁ。

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