生前贈与(特別受益)を受けた者の相続分

弁護士(ホーム) > 弁護士による遺言、相続法律相談 > 生前贈与(特別受益)を受けた者の相続分
2015.7.3mf更新
弁護士河原崎弘

質問

父が先月亡くなりました。相続人は私と兄です。 兄は2年前に家を購入するときに父から2000万円の贈与を受けています。
相続分は具体的にはどのように計算しますか。遺産は約1億円で、遺言はありません。
相談者は、弁護士会が開いている法律相談会で弁護士の話を聴きました。

回答


お兄さんの受けた生前贈与は、 特別受益に当たります(民法903条)。 この場合は、公平にするために、 「贈与の額をプラスしたものを相続財産とし、 贈与部分は先にもらったもの」として、具体的相続分を計算します。

相続財産 =1億円+2千万円

相続分の表
兄の相続分=1億2千万円 / 2 ー 2千万円
=4千万円
あなたの相続分=1億2千万円 / 2
=6千万円

参考法律

民法 903条 (特別受益者の相続分)
1列目は民法 903条1項、2列目は同条2項、3列目は同条3項です
共同相続人中に、被相続人から、遺贈を受け、又は婚姻、養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし、前三条の規定によつて算定した相続分の中からその遺贈又は贈与の価額を控除し、その残額を以てその者の相続分とする。
遺贈又は贈与の価額が、相続分の価額に等しく、又はこれを超えるときは、受遺者又は受贈者は、その相続分を受けることができない。
被相続人が前二項の規定と異なつた意思を表示したときは、その意思表示は、遺留分に関する規定に反しない範囲内で、その効力を有する。
登録 Aug. 10, 2001
港区虎ノ門3丁目18-12-301(神谷町駅1分)河原崎法律事務所 弁護士河原崎弘 03-3431-7161