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2015.4.1mf
有限会社の持分の譲渡
相談
私が180万円、友人が120万円出資して、web制作の有限会社を設立しました。私が代表取締役社長、友人が非常勤の取締役です。
私も給料をもらい、友人も非常勤の取締役ということで報酬を払っておりました。しかし、友人は、全く、仕事をせず、無意味な非常勤役員であったので、私が、友人が出資した金額の120万円を支払い、株を譲り受けようと思っています。さらに、その友人には取締役を辞任してもらおうと思っています。
- この場合、株主が1人になりますが、法律に違反しませんか。
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この出資持分譲渡が社員間で行われたことで、どんな手続きをしないといけないのですか。
出資持分譲渡契約書と議事録はありますが、他に必要なものはありますか。
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出資持分譲渡契約書には、印紙を貼る必要はありますか。
相談者は、弁護士会を訪れ、法律相談を受けました。 相談料は5400円でした。
回答
法律相談担当の弁護士の回答は次の通りでした。
- 会社の種類別に見てみます。
合名会社、合資会社では、社員が一人となったことにより社団性が失われ、解散しなければなりません。
株式会社では、従来、一人会社を認められていました。さらに、平成2年商法改正により、7人以上必要とされた発起人を一人でも足りるとしたことにより、株主が始めから一人の株式会社の設立が認められることとなりました。
有限会社も、株式会社と同様、社員が始めから一人の有限会社の設立を認めるべきとの考えがありました。平成2年の法改正で、社員が一人となったことを解散事由とした規定(有限会社法第69条第1項第5号)を削除し、法律も、一人会社を認めました。
従って、あなたの会社でも、株主(社員)が1人になっても有限会社は、存続します。
- 有限会社の持分を社員でない者に譲渡するには、社員総会の承認が必要です。社員に譲渡する場合は、承認は不要です。
そこで、当事者間で持分譲渡契約書を作成すれば、効力が生じます。
- 不動産などの譲渡契約書には、印紙が必要ですが、株式などの譲渡契約書には、印紙は不要です。
会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律2条により、旧有限会社は、会社法施行日(H18.5.1)からは、株式会社(「特例有限会社」と言う)として存続します。同法9条1項により、株式を株主以外の者に譲渡するには、会社の承認が必要です。
登録 2006.1.30
東京都港区虎ノ門 3-18-12-301(地下鉄神谷町駅1分) 弁護士河原崎弘 3431-7161