請負代金の支払督促申立書の書き方

売掛金や貸金を、書面のみで、簡易に請求する手続きがあります。支払督促の申立です（民事訴訟法382条以下、従前の支払命令）。ここでは請負代金請求の支払督促申立書の書き方と手続きを説明します。
使えるのは、「金銭その他の代替物又は有価証券の一定の数量の給付を目的とする請求」についてです（382条）。特定物の引渡しなどは対象ではありません。

• 債務者との間で債務の存在や、金額に争いはないが、債務者がなかなか支払ってくれない場合
• 債務者が裁判までする気持ちはないような場合
• 申立人（債権者）に証拠があるなど、勝訴の見込みが大きい場合

• 管轄裁判所は、債務者の住所地の 簡易裁判所 です（民事訴訟法383条1項）。事務所、営業所を有する者でその営業所に関する件は営業所の所在地を、手形小切手金請求についてはその支払地を管轄する簡易裁判所に対しても、それぞれできます。
• 下記見本は、請負代金請求の例です。売買代金請求などの場合は、請求の原因を適宜直して下さい。
• A4 の用紙を使い、縦置きにして横書きしてください。左に綴じ代約３ｃｍをとる。
• 当事者目録、請求の趣旨、請求の原因をコピーし、債権者と債務者数と同じ数だけ提出する。
• 必要な収入印紙は訴状の場合の半額です。 訴状印紙額計算機 で計算して下さい。
• 必要な切手（郵券）類は、事前に簡易裁判所でお尋ねください。通常は、切手1000円1枚、82円2枚、はがき52円（宛名欄に債権者の住所氏名を書いて提出）1枚です。
• 支払督促が相手方に到達した日から２週間経過した日から３０日以内に仮執行宣言の申立てをし、裁判所は支払い督促に仮執行宣言を付けます。仮執行宣言が付きますと、申立人は強制執行ができます。３０日以内に仮執行宣言の申立をしないと、支払い督促は効力を失います（392条）。
• 相手方は、支払督促が届いてから２週間以内、仮執行宣言が届いてから２週間以内に、それぞれ、異議を申立ることができます。異議が申立てられると、支払督促事件は通常訴訟に移行します（395条）。