右折車と直進車の事故での過失割合

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2011.4.3mf

相談

私は、普通乗用自動車を運転し、交差点で青信号で直進していました。私の目の前でバイク(二輪)が右折したので、私は、急制動をかけたが、間に合わず、バイクをはねました。バイクの若者は、左足を骨折し、全治1ヶ月でした。
示談の交渉中ですが、バイクの保険の担当者は、過失割合は、私40対バイク60だと主張しています。

私は、青信号で、直進車ですので、バイクの右折に気付くのが遅れたことは事実です、しかし、バイクは、直進車がいるのに、無理な右折をしています。私の過失は、こんなに大きくないと思います。以前、直進車と右折車の過失割合は、20対80と聞いたことがあるのです。いかがでしょう。
相談者は、区役所に法律相談室を訪れました。相談担当者は弁護士でしたが、相談料は無料でした。

回答

過失割合は、相手が、四輪車か、バイクかにより違ってきます。
共に対抗方向から進入した場合で、青信号での進行した、直進車と右折車の過失割合の基本を説明します。
直進四輪 右 折 四輪
過失割合2080

直進四輪右折バイク
過失割合4060

直進バイク右折四輪
過失割合1585

四輪車とバイクでは、それだけで、過失割合が違うのです。直進車と右折車との事故状況が同じなのに、相手がバイクだと過失割合が違ってくることは、おかしいですね。しかし、バイク(単車)の過失割合を基本的過失割合より、10%〜20%低くするのが一般的です(単車修正)。弱い者の過失割合を小さくして保護するとの趣旨でしょう。
時期によって、過失割合が異なるのもおかしいですね(考えが変わってきたとの意味でしょう)。しかし、これが日本の裁判所の傾向です。
以上が基本です。この基本過失割合に、修正要素として、スピード超過、右折合図なし、直近右折、徐行なし、既右折車などを、それぞれ、10 前後の数字をプラスし、基本過失割合と修正要素を合計し最終的な過失割合とします。過失割合は、類型化されていますが、絶対的なものではありません。そこで、あなたも、修正要素の事情を主張するとよいでしょう。