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損害賠償請求事件の管轄裁判所
相談
転勤で福岡市に住んでいます。先日、宅急便で、東京にいる娘にヴィオリン送りましたところ、弓が破損していました。専門家に見てもらったところ、輸送中に衝撃を与えたことが原因で破損したとのことでした。相手は、大きな宅急便会社なので、交渉をしましたが、弁償してくれません。
弁護士に相談したところ、少額訴訟を、
自分でやることを勧められました。そこで、少額訴訟の訴えを提起しようと考えています。
私は、3か月後に東京に転勤となります。宅急便会社は、福岡に営業所があり、東京に本社があります。私が、お願いしたところは、福岡支店です。
訴えを提起する裁判所は、福岡の裁判所でしょうか、東京の裁判所でしょうか。
回答
被告の所在地
裁判管轄の1つは、被告の住所地です。法人の場合は、本店または支店の所在地です(民事訴訟法3条の3
、4号)。支店所在地の
裁判所でも、本店所在地の裁判所でも、どちらでもよいです。相談者は、福岡の
簡易裁判所にも、東京簡易裁判所にも、訴えを提起できます。
債務(義務)の履行地
債務の履行地の裁判所も管轄を持ちます(3条の3、1号)。
損害賠償請求権は、金銭債権ですから、持参債務であり、履行場所は、債権者の住所地です(民法484条)。相談者が、福岡に居住している場合は、債務の履行地は、福岡です。東京に転勤した後は、東京になります。
そこで、相談者の場合は、被告の本店のある裁判所に訴えを提起することが便利といえます。東京に転勤する前に、被告の本店が東京にあるので、東京簡易裁判所に訴えを提起できます。弁護士を依頼する場合も、東京の弁護士が便利でしょう。
2015.3.14
虎ノ門|河原崎法律事務所 弁護士河原崎弘 03-3431-7161