FOUNDER ELECTRIC CUSTOM


購入:1980年(とあるレコード屋で1万8千円位)

FOUNDER ELECTRIC CUSTOM

天才ギター職人のLEO FOUNDER氏が考案した・・・のではなく、FRESHER、FERNANDES等、かつてFENDERのロゴが高嶺の花だった頃に繰り広げられた、FENDER類似合戦にとどめをさすのがこれ。

それでは各部分を見ていきましょう。

ヘッド
いわゆるラージヘッドです。 ロゴはゴシック調筆記体と言った感じのもので、せっかくのメーカー名の類似性が活かせていません。 ロゴだけを見るならFRESHERやTOKAI(スパゲッティーロゴ)の方がFENDERに似てました。 もしFOUNDERでロゴを真似すると、シャレにならん位に見分けがつかなくなるので、メーカーも気が引けたのかも知れません。 そして「STRATOCASTER」のかわりに「ELECTRIC CUSTOM」のモデル名が入っています。 メーカー名をここまでやるなら、モデル名もとことんやってほしかった。
ストリングガイドは1、2弦にかもめ型の物が1つ付いています。 そしてストリングガイドの下にはスペーサーが入っています。
2ピースネックなので、ロッドキャップは有りません。 2ピースのネックは指板を貼り付ける前にロッドを埋め込むので、ヘッドに穴があいてないのです。

ペグのつまみ部分は、感じとしては丸っこいクルーソン製より、角張ったシャーラー製のものに近いのですが、形はかなり違います。 ギアケース部分は2本のネジ止めで、何の刻印も有りません。
弦をまくピン部分が、弦の張力でごく僅かに傾いてしまっています。 ヘッドの加工精度の問題で、ガタが有るようです。 さすがに回したときの感触は、FENDERに付いているものに比べてスムーズさに欠け、今一つです。 が、実用上は全く問題は有りません。

ネック
本体も指板もメイプルの、2ピースネックです。 ネックの断面形状は丸く薄い方です。 FENDERに比べて少し幅が広いように思います。 指板はあまり丸みが付いていません。
ネック本体、指板、ナットの接合工作はきれいに仕上げられており、不満はありません。
ボディーとは四角のネックプレートと4本の木ネジで接合されています。 ネックプレートには「MADE IN JAPAN」の文字が刻印されています。
購入後、弦の高さ(ネックと弦の間隔)が高すぎたので、ネックとボディーの間にプラ板をはさんで調整して有ります。
ボディー
材質は何とラワン材なのだ! さすがはFOUNDER! これは音質にもかなり影響があると思われます。
一見それらしい全体の形も、良く見ると(特にカッタウェイのあたり)FENDERほど洗練されていません。 トップコンター(肘があたる部分の欠き取り)もバックコンター(体にあたる部分の欠き取り)もそれらしく付いています。
塗装は一般的なポリエステルだと思われます。
パーツ類
まずピックアップ。 奇をてらわず、標準的なシングルコイルが3個付いています。 各マグネットの間隔及び、ピックアップそのものの取り付け位置が適切でなく、各弦にうまく当たっていません。 音質は、シングルコイルのエレキといえばこのギターしか持っていなかった頃はそれなりに満足していましたが、FENDERを購入して生の音を比べてみると、その安っぽさにびっくりしました。 けど、いつもオーバードライブな音しか出さないし、そうなるとギターの音と言うよりアンプの音と言うことになるので、そんなに気にはなりません。
コントロール類も標準的な1ボリューム・2トーン・1スイッチです。 スイッチは3ポジションです。

ブリッジは一応FENDERと同じような構造のフルアジャスタブルで、トレモロユニットも付いています。 私はトレモロは使わないので、カウンタースプリングを強めに調整して、トレモロが動かないようにしています。

ピックガードは2枚合わせの物が11点止めで付いています。 普通は3枚合わせで、白・黒・白みたいに一つの色を他の色で挟み込むものなんですが、このモデルは一番奥側の一枚が省略されています。 コストダウンの為でしょう。 それはまあ良しとしても、ボディーのラインと形がうまく合っていないのは困ったものです。

ENDING
このモデルは、ラージヘッドと11点止め合わせピックガードにより、CBS時代のストラトをコピーしたものと判ります。 更にロゴマーク、2ピースメイプルネック、1個のかもめ型ストリングガイドから68〜9年頃のストラトに近いようです。 しかしこれらの仕様はストラトの時代考証と言うよりも、コストを考慮(たぶん脊髄反射に近いでしょう)した結果、そうなっただけの可能性の方が高いと思われるので、これ以上の分析は止めておきましょう。
FENDERが(JAPANとは言え)4万円程で手に入る今でこそFENDER高嶺の花時代の記念碑的なこのギターですが、当時はその安さ・手軽さによって、ステージ上でたたき壊されたり、燃やされたりされた仲間も多い事でしょう(合掌)。

マニア垂涎! FOUNDERのチラシが現存!!
堂々のラインナップ!
ジョージ・ハリスンか?


戻る