(2000.05/24)
(2000.11/12 加筆修正)
シビックRを所有して以来ずっと純正ノーマルブレーキパッドを使っていましたが、このたび社外品に交換することにしました。ここでは、その経緯と換えてみた感想を綴っていきます。
【紹介するパーツ】
名称:elSPORT ブレーキパッド
価格:仕様により異なる
発売元:株式会社 ラック
〒480-1112 愛知県愛知郡長久手町砂子718
電話:0561-63-0101
Fax:0561-63-3535
URL:http://www.luck.co.jp
名称:ブレーキフルード F-725
発売元:株式会社 エッチ・ケー・エス
〒418-0192 静岡県富士宮市上井出2266
電話:0544-29-1100
URL:http://www.hks-power.co.jp/
【鈴鹿サーキット走行会入会】
クルマ好きだったら自分のクルマを存分に走らせてみたいという衝動にかられてしまうのはごく当然で不思議なことではありません。それが走りを意識したクルマだったらなおさらです。ただ、いくら「存分」といっても公道でそれを行おうとするとリスクが大きすぎ、とてもできるものではありません。そもそも法違反です。公道は他車との調和を最優先して走るものです。多少高くともお金を払ってサーキットを走ることがもっとも良い方法と言えます。
たとえば鈴鹿サーキットですと「SMSCチャレンジクラブ」という走行会が組織されています。これに入会すると国際コースをライセンスなしで走行することができるというものです。国際コースはちょっとという人には南コース限定の「エンジョイクラブ」というものが用意されているので、目的に応じて入会することが可能です。私はチャレンジクラブに入会しました。
【パッド交換の必要性】
そういうわけで、入会と同時に鈴鹿サーキット本コースを走ってきました。半年ぶりです。
初めのうちはマージンを多めに取りながら控えめに走行し、感覚が慣れていくにしたがい少しずつペースを上げていきます。高速域で走りつづけていたところ、ブレーキペダルの踏みしろがかなり深くなり、またブレーキの効き具合が悪くなってしまいました。ペダルを踏んでもフワフワした感触が伝わってくるようになってしまい、非常に乗りづらい思いをしました。どうやら熱が原因でパッドとフルードが駄目になってしまったようです。(2000.04.24)ディーラーとショップで相談したところ、サーキット走行をするのなら、純正のパッドとフルードを熱耐久性能の高いものに交換した方がいいとのアドバイスが返ってきました。一般道なら不満のない性能でも、サーキット走行のような使い方には純正品では十分に対応できないからだそうです。
アフターパーツに関しての知識が乏しかったこともあり、ショップの人にパーツ選択をお任せしました。パッドはショップのオリジナルブランド「elSPORT」(中古)、フルードはHKSのF-725に決定です。(2000.05.01)
HKSのカタログからF-725の説明を抜粋します。
優れた剛性感を得られるレーシングブレーキフルード。
グループAスカイラインGT-Rから誕生したレーシングブレーキフルード。フルード性能を徹底追求し、650馬力のGT-Rを確実に止める目的から開発。レーシングユースでの使用環境に適し、高温での性能が重視されています。使用環境の管理しづらい、一般ユース、気温0℃以下の環境での使用は避けてください。
項目 参考規格(DOT5) F-725 ドライ沸点 280℃以上 325℃以上 ウェット沸点 180℃以上 201℃以上 動粘度(mm2/S)-40℃ 900以下 2,296 100℃ 1.5以上 3.180 【交換後の印象(一般道)】
交換後、さっそくフィーリングを確かめるため、注意深く運転してみました。
一般道を流れに乗って走ってみた感じはノーマルとほとんど同じで、違和感なく運転することができました。つぎに近所の山道を無理のない程度で走ってみると、今度はちょっと違った効き方をすることに気がつきました。「よく効く」といった単純なものではなく、「制動力の段階」が幅広くなっているような感触です。それとABSの作動開始時期が遅くなったようにも思えます。以前に比べ、ブレーキング時にスキール音がけっこう出るようになっているのです。
若干の違和感は慣れが解決するとはいえ、もしかしたらシビアな操作が必要なのかもしれません。ショップの人の説明では、はじめはラップタイムが落ちることがあったとしても、パッドの特性をしっかり発揮させられるようになってくると、タイムは上がるだろうとのことです。
今まで使っていたノーマルパッドを観察してみました。後側はとくに問題なかったのですが、前側のパッドは焼け焦げたように黒くなっていました。熱で変質してしまったようです。(2000.05.11)
【交換後の印象(サーキット】)
洗車はどのくらいの間隔でやるものなのでしょうか。私の場合は、家から駅までの数キロの走行がもっとも多く、駐車場は屋根がないので雨風にさらされた状態です。汚れたら汚れたでとくに気にすることなく放ったらかしです。洗車するのは走行会の前日くらいのものです。汚いとテープが剥がれてしまいますからね。
走行会の前ということもあり洗車していると、いつもに比べホイールの汚れが激しいことに気がつきました。なんか効きそうな予感がしてきます。
2000年5月23日(火)、ブレーキパッドを交換して初のサーキット走行をしてきました。鈴鹿サーキット南コースで、周回数は40周。
結論めいたことを言ってしまえば、ガンガン走ることばかりに気を取られていて、パッドの印象を確かめることなく走行が終わってしまいました。おそらく分かる人が運転すれば、その違いを感じることができたことでしょう。
とはいうものの、ブレーキに対する不満がなかったからこそ40周をガンガン走れたわけですから、この「ブレーキに対する不満がなかった」という点がもっとも大事なことだと思います。(2000.05.23)
【安全面は抜かりなく】
ブレーキがちゃんと効いてくれないとアクセルを踏む気にならないし、走っていてもぜんぜん楽しくありません。せっかく高いお金を払ってまでサーキット走行を楽しむのですから、不安要素は少しでも減らして走りに専念したいものです。安全面は抜かりなく。(2000.05.24)
【ローターのクールダウンの必要性】
ローター変型の話です。ハード走行後、ローターのクールダウンを十分に行っていなかったため、熱で変型してしまいました。ブレーキングでひどくハンドルが振れるようになってしまい、危険を感じるほどです。
原因は私の走り方にあります。たとえば鈴鹿本コースですと、バックストレートを全開で走ってきて130R手前で減速し、またアクセルを踏んでピットレーン入り口で再び減速してピットに戻りそのまま駐車するということをやっていました。また南コースではピットイン寸前までガンガン走り、何も考えずピットに駐車していました。
今までそれでとくに異常はなかったのでそうしていたのですが、こうした走り方はやってはいけないことが分かりました。同じパッドとローターを使っていても、熱変型させてしまう人がいれば、まったく問題なく使いつづける人もいます。要は温め方と冷やし方を心得ているかどうかの違いなのでしょう。
クールダウンの必要性を実感しました。