スタンドアロン青空キンドルのまとめ

私が実用している設定です(2012年11月1日現在。2013年1月9日小改訂)。フォントはヒラギノ、「書類」の下に「AoKin」というフォルダを作って作業場にしています。

1. TeXLiveの導入

MacTeXからMacTex.pkgを入手する(2GB級のファイルなので、ミラーサイトを探すといい)。

2. TeXLiveの設定

北里大学の藤原さんに従い、TeXShop の設定を以下のように書き換える

  1. TeXShop を起動し、環境設定を開く。
  2. 設定プロファイルから 「TeXShop 標準」 を選択する(何も変化がないので不安に思うはずだが、自分を信じて進む)。
  3. 書類タブ:「エンコーディング」で Unicode(UTF-8) 選択。
  4. タイプセットタブ:「デフォルトのスクリプト」を TeX + DVI に変更。
  5. 内部設定タブ:「TeX+dvips+distiller」
  6. OKを押して環境設定を終わり、TeXShopも一旦終了。
  7. TeXShop 再起動。環境設定を開く。
  8. 詳細タブ:

3. TeXLiveの試走

次のサンプルコードをTeXShopにコピペ、「タイプセット」ボタンを押し、正しくpdfが表示されることを確認する。
\documentclass{jsarticle}
\usepackage{otf}
\title{{\TeX}Liveのテスト}
\author{774RR}
\begin{document}
\maketitle
This is a sample for \pLaTeX.
これが日本語としてよめるでしょうか。
\end{document}

4. 変換作業用ファイルを得る

変換作業用の次のファイルを得る。

  1. az2tex
  2. aozora.sty
  3. azlogo.eps
  4. furikana.sty

1は青空キンドル版の改造版。2は青空キンドルから得る。4は青空文庫を読もう!の中の青空パッケージに含まれる。4は藤田眞作さんのfurikana.styを右クリック(ないしcontrol + クリック)して「リンクしたファイルを保存」して得る。2, 4はUTF-8に変換する(1は既に変換してあるaz2texは変換する必要がありません。MS漢字コードで動作させています。当サイト独自に拡張した1の改訂版はaz2tex(20130109版)で、傍線機能等を追加してあります)。

5. 各種ディレクトリを作成し、必要なファイルをおく

作業用フォルダ

~/Documents/AoKin (以下「AoKinフォルダ」)を作成し az2tex をおく。

TeXLiveの個人用ディレクトリ

~/Library/texmf/tex/latex を作り、azlogo.eps 及びUTF-8変換済みの aozora.sty, furikana.sty をおく。

ヒラギノフォントの埋込

~/Library/texmf/fonts/opentype/hiragino を作り、ターミナルを開いて次の命令を実行する。

cd ~/Library/texmf/fonts/opentype/hiragino
ln -fs "/Library/Fonts/ヒラギノ明朝 Pro W3.otf" ./HiraMinPro-W3.otf
ln -fs "/Library/Fonts/ヒラギノ明朝 Pro W6.otf" ./HiraMinPro-W6.otf
ln -fs "/Library/Fonts/ヒラギノ丸ゴ Pro W4.otf" ./HiraMaruPro-W4.otf
ln -fs "/Library/Fonts/ヒラギノ角ゴ Pro W3.otf" ./HiraKakuPro-W3.otf
ln -fs "/Library/Fonts/ヒラギノ角ゴ Pro W6.otf" ./HiraKakuPro-W6.otf
ln -fs "/Library/Fonts/ヒラギノ角ゴ Std W8.otf" ./HiraKakuStd-W8.otf
ln -fs "/System/Library/Fonts/ヒラギノ明朝 ProN W3.otf" ./HiraMinProN-W3.otf
ln -fs "/System/Library/Fonts/ヒラギノ明朝 ProN W6.otf" ./HiraMinProN-W6.otf
ln -fs "/Library/Fonts/ヒラギノ丸ゴ ProN W4.otf" ./HiraMaruProN-W4.otf
ln -fs "/System/Library/Fonts/ヒラギノ角ゴ ProN W3.otf" ./HiraKakuProN-W3.otf
ln -fs "/System/Library/Fonts/ヒラギノ角ゴ ProN W6.otf" ./HiraKakuProN-W6.otf
ln -fs "/Library/Fonts/ヒラギノ角ゴ StdN W8.otf" ./HiraKakuStdN-W8.otf
ついで、ターミナルで次の命令を実行する
updmap --setoption kanjiEmbed hiragino
cd ~/Library/texlive/2012/texmf-var/fonts/map/dvipdfmx/updmap
cp kanjix.map hiragino.map
これでターミナルは閉じてよい。

6. Automatorアプリケーションのダウンロード

AozoraPDFAuto.zipをダウンロードしてAoKinフォルダに展開する。DoAoDD、DoAoURLはそれぞれZIPファイルをドラッグ&ドロップしたり、URLをコピペしたりすると自動的にpdfを作るアプリケーション(必要なシェルコマンドはAutomatorのワークフローに内蔵されている)。

DoAoDDはZIPファイルを落とすとpdfができ、DoAoURLは起動するとURLを聞いてくるので、青空文庫テキストファイルのURL(「黒死館殺人事件」なら「http://www.aozora.gr.jp/cards/000125/files/1317_ruby_22263.zip」)を入力するとpdfができる。できる場所は、AoKinフォルダ/work。

7. 外字の作り方

外字はGlyphWikiのデータをもとに生成すると便利。必要な文字(や部品)をパス(線のつながり)としてダウンロードし、Inkscapeで読み込み/編集を行ったら、EPS形式で保存する。この際、convert texts to pathにチェックを入れる。

TeX側では、例えば次のようなコマンドを定義し、この外字を表示させたい部分で{\gaiGi}として参照する。

\newcommand{\gaiGi}{\raisebox{-0.5zw}{\includegraphics[width=1zw,angle=90]{u21eb8.path.eps}}}%{「山+耆」、U+21EB8、135-2}
ベクタグラフィクスを元にしているので、拡大してもがくがくにはならない。\raisebox{-0.5zw}の-0.5の部分は外字がほぼ行の中央にくるように微調整する。

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Last Update : 9, Jan., 2013