心のよりどころ

メリー号はゆらゆらと揺れのんびりと、進んでいる…。
目指すは、グランドライン。

そして、いつもの麦わら海賊団。
今日は、とても気持ちのいい日だ。
こんな日なら、ゾロならず皆寝てしまいたくなるような日だが、珍しくもゾロは起きていた。
横にはなっているが、ずっと、仰向けになって空を見ている。

「珍しいもんだ…全然寝る様子がねぇな。」と、サンジは皿を拭きながらキッチンから見ていった。
カチャ…
「なにか飲み物いただけない?」 ナミが、入ってきた。
「ナミさんvハイ、紅茶で宜しいですか?」
えぇ、ありがとうといって椅子に座った。ナミは、今までサンジが見ていた窓のほうを向いて言った。
「ゾロ…寝てないのねぇ…」
「そうですね。何かあったんでしょうかね?」
「んん、わからない。でもいつもより無口でなんとなく元気がないなぁって」
「マリモの癖にナミさんに心配かけやがって」
「なに言ってんのよアンタも十分心配していたじゃない」
見ていたのよ、と薄く笑って言った。
二人はゾロの見える窓のほうを見た。

さっきから、同じ所を見て…というか目には空が映っているようだが心はどこかへ行っているようだった。

ガチャ…
「さーんーじーおやつはぁーー」
「ルフィがうるさくてよう…」
ルフィとウソップだ。
「今日は、なんかやけに静かだな。いつもはうっせぇのによ」
「ホント…どうしたのよ」
ルフィもなんか変ねっとナミは言う。
「失敬だなお前」
他愛もない話…でも、いつもと違う感じ…

少し黙っていると、ウソップが、「ゾロ、なんかあったのか?」と、聞いてきた。
ナミはウソップにわからないわと言って続けた。
「みんな、同じこと考えるほどアイツおかしいのかな…」
再び沈黙…。
「つまんねぇーー…ゾロと遊びたいー寝たいー」ルフィが顔をテーブルに伏せていった。
いつものルフィだったら、強引に遊んだりするのにやっぱりいつもとちがうゾロなんだろうか…
「私も、寝たかったなぁー。いい天気だし」
「ナミさん!あんなマリモと!?汗臭いですよ!」
「サンジ…お前も寝たかったんだろ?素直に言えよ…」
「ウソップ。今日、きのこご飯な」
なんでだよ!と言い合いしているうちに、

カチャリ…ココにいなかった最後の一人が来た。
「お茶くれ」さっきまで、窓の外にいたゾロだった。
「ほいよ」サンジはコトリとゾロの座った前に置いた。
「なんだ?皆やけに静かじゃねぇか。」いつもと違う感じの雰囲気に、ゾロは言った。
((((お前の事心配してたんだけどな(ね)。))))みな、心の中でため息をはいた。
ナミはじっとゾロを見ていった。
「ゾロ、単刀直入に言うけど、なんか悩んでいるの?」
ゾロは、少しビックリした。(何でわかるんだ)と心の中は、素直になりながらでも
「いや…別に」と目線を合わせず言う。
「アンタ、嘘なんか付けないんだから言いなさいよ」
ナミは無理やりゾロと目線をこちらに向け言った。
「ゾロ?ほんとに何かあったのか?言ってくんねぇとわかんねぇぞ?」とルフィも言う。
二人の強い押しに負け、ゾロは口を開いた。




「俺はこの船に乗っていていいのかな…」ポツリとゾロは言った。
ゾロの言い方が可愛いと思いながらも、ゾロの言った意味が分からず【?】を頭にのけった。
「当たりまえだ!」ルフィが少し叫び気味にゾロに言う。
ゾロは不安げにルフィのほうを見た。
「何言い出すんだ、ゾロは?仲間だろ?」
皆は黙って聞いている。
「さっきからの事じゃないんだ…仲間が増えるたびに思ってた…その…こんな汚れた奴がこんなに、
あ…温かい船に乗って…って」っとゾロは言った。
「何言ってんの本当に。どういうこと?」ナミは言う。

ゾロは続けた。









ルフィに会う少し前のこと。    ある島にて…

気持ちの良い日だった。
ゾロは行くあてもなくその島をさ迷っていた。歩いていたら、いつの間にか町外れの所。
静かで何も聞こえない…波の音だけ…
そこへ
かすかな息が聞こえた…

ゾロはその息のした森の中へ行ってみると、子供が木に背を預け座っていた…
その子はボロボロの服を着ていて、やせ細って何日もたべていない様子だった。

急いで駆け寄って声をかけた。
「おい、大丈夫か?」
(あ…久しぶりに人に会ったなぁ)とかすれた声で言った。
「どうしたんだ?食いもんねぇのか?親は?」
ゆっくりでいいから話せと言って質問した。
その子は、もう随分と食べ物を食べていなくて水だけで生活してたといい親は知らないと言う。
「待ってろよ、今は何も持ってねぇがなんか食いもん持ってくるから!!」
と、ゾロはバタバタとそこから立ち去り町の方へ消えていった。

奇跡的に普通に町へついて、金を持っていないので賞金首を探した。
運よく前手配書で見た賞金首がいた。柄の悪そうな…

「恨みはねぇが賞金稼ぎなんで勘弁しろよ…」
スラッ… と刀を二本抜いて相手に言った。
「ッハ小僧が何言ってんだか…まぁ、そんな世間知らずの小僧だが、斬るには勿体ねぇ身体だな…
手加減してやるよ」後で、お仕置きだけどな…と気持ち悪く笑いながらそいつは言う。

…―――
一瞬で決まった。

周囲はなにが起こったかわからずまた、ゾロは何事もなかったように、刀を鞘に収め気を失ったそいつの襟をつかみズリズリと引きずり、海軍の換金所へ。
そして、金を手に入れ、そのへんに売っていた食べやすい果物や柔らかいパンなどを買った。

また、あの森へゾロは行けるのか?
こういうときのゾロの敏感な気配を感じ取る所が妙に発達しているのか、方向を決め走っていった。
迷いもせず、子供の所へ来た。
(来てくれたんだ…)その子がそう言うと、あたりまえだろ、とゾロは座ってバナナをあげた。
お金がないと言う子に俺が勝手にあげるんだと言って食わせた。
その子は泣きながら食べた。まだあるから食べろ?と今度はパンを差し出す。
「ありがとう。こんなにやさしくされたの始めてだぁ…」と言う。
何度も何度もありがとうと言う子に自然と笑みが出てきてポンっと手を頭に乗せ撫でてやった。
「寂しかったんだな…」と言って、一生懸命に泣いて食べる子に何度も撫で続けた。

明日も買ってきてやるよ、と言うゾロに
「ありがとう。でも、そんなにやってもらっても何もしてあげられないから…」
そういう子にゾロは
「だから、俺が好きでやってんだから」人の好意を受け取れよ。と笑いながら言う。
ゾロはその子と一緒に寝て、眠った。


次の日また買い物に行った。    その子とはあんな姿で会うなんて、思うはずもなく…




今日も、色々と買ったゾロは、森へ戻って行った――

―――…嫌な予感がする…

急に感じた気に自然と足が速まっていく

そして、ゾロは立ち止まった


「一足遅かったな。もう殺しちまったよ、よくも兄貴を海軍に売ってくれたな…」
そんなこといっている奴の声はゾロには届かず、そいつの後ろに広がる血の海へと足を踏み入れた。
その真っ赤な景色の中にあの子は居た。
いつものように木に背を預けて…。
不自然なくらいに背筋を伸ばし、だが、顔は下を向いていて…
その背筋を伸ばしている身体は…サーベルで子と木を結んでいた…。

黙っているゾロに
「オイ!きいてんのかよ!」そいつは言う
「なぁ…お前がやったのか?」
ゾロは静かに聞き返した。
「他に誰がいんだよ!兄貴の金で食い物食いやがって」
「こいつは関係ねぇだろ?俺がてめぇの言う兄貴を海軍に売ったんだからよ」
動かないその子を見ながら言う。
「最初はてめぇだけだったんだがな、昨日の夜に見かけてよぉ…。関係なくねぇよな、てめぇが関わってるんだからよ。それに、殺たいから殺したんだ。お前は可愛がってやるけどよ」

ストン―――…

ゾロはそいつの心臓を一刺しした…

「てっ…てめぇ…よくも…」
ガハッ  っといってそいつは倒れた…

きたねぇ…血だな… ボソっといい足で除けた。





ゾロはその子の居る血の海へ行き、膝を突き頬を撫でた。
そして、サーベルを抜きそっと抱きしめた…。
あ…この子の名前きけなかったな…
と、思うゾロの頬に温かいのか冷たいのかよく分からない涙が出た。

なんで…





                       俺のせいだ…








「俺が、殺したのも当然なんだ…あんな…油断してたじゃすまねぇ…」
ゾロは顔をゆがませ言った。」

あんな…あんな奴に…殺されちまって、俺が…もっと急いでいたら…

「ゾロ…何言ってるのよ…ゾロが殺したんじゃないわ…責任感じちゃってるのね…でも、大丈夫よ。その子ほきっとゾロに感謝してるわ。こんなに、やさしいくされてね。それで、自分が汚れてるだなんてやさしい証拠じゃない。」
ゆっくりとゾロに抱きつく。

ほんと、不器用ね。   ナミはゾロの頭を撫でた。

「ゾロ、この船でお前を汚いようなものを見る目で見てるか?そんな奴この船にはのせてねぇぞ。」
そうだぞっとウソップがうなずく。














あぁ…そういえば、こんなことあったな…



ゾロは不意に思った。
自分はかなり不安だった。皆の生き方が綺麗過ぎて、自分じゃその光が持てなくて…。
でも、あいつらのおかげで新たに自信が持てた。

こいつらとなら…            




                 なぁ…ロビン、お前も分かっただろう?
                 こいつらがどんな奴か…
                 早く帰ってこいよ。





































あとがき…文才なくてスミマセン;

えっと、ゾロはエニエスロビーの橋の上で、ふと思ったチョット過去の話…ってなかんじのイメージで書きました。