園芸家のお話や参考書から得た受け売りの知識を交えて私の牡丹作りの経験をまとめてみました。なにかご参考になれば幸いに思います。それは間違っているゾ!というところは是非ご指摘、お教え下さい。
「牡丹は育てるのが難しい」とよく云われるが実感として難しい、手間がかかるといったことはない。鉢植えにすると確かに土の選び方、肥料、水やり、剪定、植え換え、土壌の改良など適宜行わなければ例年大きな花は咲いてくれないが、サツキや菊の手入れとは比べものにならないぐらい簡単だ。庭が広ければ庭植えにする方がもっと手を抜けるし真夏に水やりを忘れたりしても枯らすことはない。少々の手抜きも全く問題ない。むしろ大きな庭に牡丹の大輪が咲き競う様は風情があっていいものだ。ツツジやチンチョウゲと同様大きな庭木から少し離して日差しのいい場所に植えられればいいのだけれど・・・。
しかしいくら手入れが簡単といっても牡丹の性質を良く知って扱わないと大輪は咲かせられないし、かいがらむしやうどん粉病などの病虫害の被害に遭い枯らしてしまうことがある。私は牡丹の生産者でもなく園芸家でもないただの会社勤めの素人だ。が子どもの頃農家に育ったせいもあって、作物や園芸植物の病虫害の被害の恐さも知っている。丹精を込めて咲かせた花はそれなりに綺麗で大きく見えるものですヨネ。
(子供の頃の土の臭いが歳をとった今になって身体から滲み出てきているような気がする。牡丹をはじめ庭木や花草の手入れには相当役だっている。)
牡丹の性質
昨年5月に咲かせた牡丹は現在今年の5月の開花期を待ってじっとしている。昨年の12月に初めて敷き藁をした。それまでは楓の落ち葉を集めて藁(わら)や水苔の変わりに鉢に敷き詰めていた。
鉢の土が乾燥しているのを見て2回程水やりした。中旬に積雪があったが気温は例年より暖かく日当りの良いところは2日で溶けてしまった。霜柱ができた日も3〜4日位だった。
2日(日)粉末油粕をスコップで軽く2杯、2ヵ所に土と軽く混ぜるように施してやる。幹の近くだと根を痛めてしまので幹から5〜6cm離してやる。
15日近くのお店で『時雨雲』『白幡竜=はくばんりゅう』の苗木を買ってきた。16日早速12号鉢に植え替えた。
まだ水やりは週1回程度で十分。毎日曜日に行っている。
3月にはいっていよいよ新芽が活発に動きだした。早い鉢は葉が何枚もひらいている。
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22日近くのお店に『花王』の4センチ程のつぼみを付けたプラスチック製鉢植えがあったのでつい買ってしまった。ところがこともあろうにビニールの手提げ袋に鉢をいれる際にアルバイトの係員が牡丹の幹を持ち上げたからたまらない、根がすっぽり鉢から抜けてしまった。可愛そうだったから係員を少しだけたしなめてそのまま買ってきた。思いきって植え変えなさいと言われと考え早速12号鉢に植え替えることにした。この時期だと白い毛根が沢山でているので、できるだけ根が切れないよう注意しながら植え替えた。 22日現在鉢植えの牡丹も4鉢程小さなつぼみがついた。最近の気温なら3月末には残りの鉢も全てつぼみが付くだろう。 |
まだ水やりは3日に1回程度。土が乾かない程度に行っている。
4月にはいっていよいよ葉がいっぱいに広がりツボミが膨らみだした。
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4月大事な作業 |
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20日どの鉢もすっかりツボミが膨らんで開花準備OKの状態。晴れが続けばあと3〜4日にきれいな花がお見えする。18日に「遠州花だより」の前原さんから静岡県の可睡寺ぼたん苑の開花情報が届いている。やはり東京方面は静岡より1週間から10日遅いのかも知れない。
24日朝ついにつぼみの先きが開き淡い桃色の花が顔をのぞかせる。
ポイント
水やりは朝たっぷりと、この時期に鉢が乾燥していると大輪は咲かせられない。花に水がかからないように!根本に!
雨よけの出来る軒下か玄関先に移動するならこの時期。花が開いてしまったら移動できないと考えた方が良い。
26日6時前に起床。外は明るい。朝の柔らかい光は写真撮影には好条件だ。早速三脚を立てて撮影の準備。
4日花びらの落ちかかった鉢は、もったいないが剪定した。聖代、初日の出、村松の誇りなど。
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また来年大きな花を咲かせるためには早めに花殻を切り取ってやることが重要だからです。 切り落とす場所は4〜5枚の葉が残る位置で、葉の付け根の芽は2〜3個残して後は爪かカッターで取ってしまう。 いつまでも花を切らずにそのまま放置すると養分を結実のために使ってしまい、来年の花芽に栄養が回らないことになる。 ポイント 花が終ったら、早めに花殻を切り取ってやる。 |
すべての鉢の花は終わった。今春も優雅で大きな花を楽しませてくれてありがとう。
お礼肥として固形の油粕を5〜6個根元に施してやる。油粕や骨粉の有機質肥料は遅効性
ですが、残効性があるのでじっくりと樹勢を回復させてくれます。
ポイント
花を咲かせるために養分を使っているので栄養を補給するためお礼肥をやる。
お礼肥は速効性の化学肥料でも良いです。N:8,P:8,K:8のものが良いが、最近ホームセンター
においてない場合があるのでN:6,P:6,K:6でも良いです。
一握りほど表面に散布肥用してやる。
未だ花殻が残っている木は全て切り取る。4〜5枚の葉が残る位置で切り取る。
葉の付け根の花芽は、2〜3個残して後は爪かカッターで欠き切ってしまう(滴芽)。
この花芽が来春伸びて新梢に1つ蕾ができる。3個残せば3輪咲かせられるのだが、
木の勢・鉢の大きさ・姿などから何輪咲かせるかを考えて後日、整枝・剪定してやる
ことが重要。