「うちの会社」(2003/05/26号)
最近どうにもうちの社長が馬鹿に思えてならない。

ことあるたびに「開発効率アップ」「1人あたりのスペースは均等に」
「荷物を高く積み上げるな」とかいうんだけど、これがまあ
現実を無視した話で。

去年1年かけて、社内では「機能移転」ということをしたんだけど、
簡単に言えば社内に統括的にあった品質管理や製造の部門を廃止し、
品質管理は事業部へ編入、製造は委託工場へ移管、という
具合にした。要するに分散したわけであるが、
結局今までは製造に任せられた部品の手配なども全部開発が
肩代わりすることになって、負荷がかなり増えた。
しかも人は全然増えてない。
さらに、最近は法律的準拠項目も増えて(電気安全法など)
法律解釈などにも時間を割かねばならないのに、そのための部署が
(必要性を説いても)出来ない。
だから、同じような解釈をそれぞれの部署で行う羽目になっている
(実際にはよく知っている人に業務が集中してパンクする)。
あまり役に立たない旧来の法務はあるんだけど。

この状態で「開発効率を上げろ」だなんて、「何とぼけたこと言ってやがる」である。
さらに給与も年俸制にして事実上残業代カットと来ている。
これでどうがんばれと言うね。

「スペース」とか「荷物」の話は、ようするに社内に客が来たときに
綺麗に見せたいという「見栄」である。
ところが、小さな商品を作っている人と大きな商品を作っている人では、
同じ台数でも必要なスペースも違う。いや、大きな商品というのは
一般にそれを開発や試験するための装置も大きくなる。また複雑でクレーム解析も
多くなる。ゆえに、必要なスペースは小さな商品の数倍必要になるのだ。
にもかかわらず、同じスペースだなんてやってられない。
更に荷物を置くなだなんて、仕事するなと言われているに等しい。
実際、社長が来るときだけ荷物を移動するなどと言うくだらない作業に
時間を取られることもあって、非常に腹立たしい。
これで先の「開発効率アップ」と来るのだから、なおさらだ。
(私の作っている商品は、社内でも一番大きな商品である。)

元々うちの会社は「小物」を開発してきた会社なので、「大物」に
慣れていない。それが上のスペース問題を起こすのだが、
同時に、大物開発にかかるコスト;費用もそうだが時間=作業量も理解できない
という問題を起こしている。
話しても理解されないのだ。

残念ながら、売り上げ的には小物の方が大物より大きいので余計に
大物への支援が得られにくい。
だから、余計に開発費、人数全てに置いて制約が出、それは開発だけでなく
営業もそうなので、一層開発効率は落ちるは(販売した後のクレーム処理も
することが多い)、売り上げも上がらないのである。
まさに悪循環。

ここの社員が悪い訳じゃないけど(悪い奴もいるけど)、
トップがくだらない「言葉遊び」や「見た目のきれいさ」にこだわっている
うちは開発効率なんて上がりっこない。
その愚かさに気が付けない限り、だめだ。

    ・・・余談・・・

もう1つ言っておけば、うちの会社は社内の知識の集約も下手すぎる。
専門分化されていないので、同じようなことを別の部署でもう一度苦労する、
いやいや同じ部署内でも同じ事を何度も繰り返している。
今も私の頭の上を、私が知っていることを、知らない人間があれこれ語っている。
意見したいが、聞かれていないし、言うといやがられるので止めている。
と言うことで、私にとっては雑音であり、仕事のじゃま。

    ・・・閑話休題・・・

ようするに、うちの会社は大物を作ってはいけないのだ。
作るのは小物だけ、大物はどこかの会社から仕入れて売ればよい。
このまま行けばたぶんそういう方向になろう。
そうなると、私の商品が最初で最後の大物商品となるかもしれない。
で、私は小物を作る技量はないし、仕入れ商品ばっかりやるのもいやなので
クビになると。

とりあえず今年は大丈夫だろうけど、来年の私の処遇は未定である。
実は、会社には内緒だが今日(月曜日)の出張でそれとなく
そのあたりに関わる話を業者とするつもりである。
会社を辞めるのはいつでも出来るので、まずは辞める前にやることはやってみる、
である。それが会社に評価されないなら、その時はしょうがない。
少なくとも、今部内の他の人間が公認で進めている商品の企画よりかは
一歩先であり、かつ現場を見据えた企画だとは思っているのだが。
何せ、未来を読むことに関しては私は直感で確実であるが、
うちの上司はからっきしだめだからな。それでいて口だけは達者だから困る。
なんにしても、そろそろ真剣に次の仕事(というか職場)を探した方がよい、
そんな気もしている今日この頃である。
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