「ディスポーザーなんていらない」(1996年01月30日〜01月31日)
実はうちの家にはディスポーザーが付いている。
いや、正確に言えば付いていた。

ディスポーザーというのは、台所の流しの所に付け、生ごみをそのまま水道管に
入れ、粉砕して水と一緒に流してしまうものだ。
強力なモーターカッターによって入れたごみを刻み、すりつぶして粉々にして流すのだ。
蟹のこうらのような硬いものでもOk。
生ごみを捨てる手間が省けて楽、夏場などは生ごみが腐って臭くなる事がない、
というのが歌い文句だ。そしてアメリカ家庭ではほとんど付いていると言う。

衛生面ではどうか、ごみを入れるのだから汚くならないかという問に対しては、
流水がモーターで渦になるので、汚れを取り除くためかえってきれいなのだそうだ。

それらだけ聞くとなかなか良さそうである。
しかして、その本当の所は。

確かに楽は楽だ。台所で出たごみをごみ箱まで運ばなくてもいいのだから。
が、メリットはこれだけ。実際の所は、特に日本ではこれは使わない方がよい。
なぜか。

まず、音がうるさい。共振を起こしたときには流し全体がふるえて上のものが
落ちてしまうほどになる。他の家からは聞こえないというが、本当に上下の
家に聞こえていないかは疑問だ。

生ごみを入れるのはいいが、そういう所に手を突っ込むのだから手が汚れる。
結局、料理途中で手を止め、また入れた後に手を洗って再開する必要がある。
それに、どうせ台所のごみ箱は流しの横に置いてあるのだから、
そこまで運んだって大した手間ではない。
夏場の腐敗の問題も、実はそんなに大した事ではない。むしろ生ごみの水分を切って
乾燥させればよいだけである。

また、生ごみ以外のごみは捨てられない。
プラスチックなどは勿論、紙も不定形なので駄目。
ある程度の硬さをもって「壊れる」ものでなければ駄目なのだ。
ということは、仮に生ごみはなくなっても、家庭用のごみは必ず出るという事だ。
よほどごみを出すのが億劫ならともかく、家庭から出るごみというのは
生ごみ以外にも多いので、結局ごみは出す事になる。

結局、ごみの廃棄が楽になると言うのは、それほど大きなメリットではない。
よほどものぐさなアメリカ人ならともかく、普通の日本人には不要だ。

    ・・・

実を言うと、日本の下水道事情から言うと、ディスポーザーは使ってはいけない
ところが多い。いや、むしろ使っていい所は皆無ではなかろうか。

この原因は生ごみの繊維質にある。
繊維質は下水管につまりやすく、また下水処理場でも詰まったりするので
困るのだ。従って、市の配っている下水道の説明書にはたいてい「ディスポーザーは
詰まらせるので使わないで」と書いてある。
アメリカの下水道事情は知らないが、少なくとも日本では駄目なのだ。

メーカーは「そんな事はないですよ、たいてい使えます」といっているが、
それはうそなのだ。いくらいいものでも、うそをつく会社の物など
使い続けられない。

さて、衛生面はどうか。
実は先日引っ越しのためにディスポーザーをはずした。
そしてその中と下水道管内を眺めたが、これはもう汚かった。
付けていない状態との比較はできていないが、少なくとも付けているから
きれいという事はない。

渦水流=ジェット水流が汚れを落としやすいという理屈はわかる。
ところが、ごみを流し、ましてやそもそも繊維質というこびりつきやすいものを
流すのだから、汚れないはずはない。
この点でも「衛生的」という根拠はない。

結局の所、ディスポーザーは必要でないと言える。
さらにこれ、決して安くない。20万円以上もするのだ。
こんな値段を出すなら、今なら生ごみを土に変える機械が各電気メーカーから
出ているので、こっちの方がよっぽどよい。出来た土は園芸などに使えるのだから。

    ・・・

では何でこんな物を私が買ったかと言うと、はっきり言えば「だまされた」
のである。いろいろと良い事を聞かされた上に「今ならキャンペーン中で
お安くなっています」という言葉にだまされたのだ。

で、後々調べたらうちの市では使えない事になっているし、
生ごみを完全に流すには長い時間と水がいるし(水を流しながらすりつぶすのだ)。
結局余り使わないようになり、今度の引っ越しに際して完全にはずす事にしたのだ。
支払だけは来年まで残っている。まったくもって大損である。

さらに、引っ越しするからはずしてもらおうと思って電話したらなかった。
電話が通じない。(だから自分ではずしたのだ。)
はっきり言って詐欺である。
こんな物に引っかかった自分が情けない。

他の人がこのディスポーザーにだまされないよう、ここにお知らせするわけである。
くれぐれも気をつけますように。

    ・・・

で、引っ越しのためディスポーザーをはずした。
メーカーに連絡が付かないので自分ではずす事にした。

説明書がないので自分でいろいろと考える。
格闘する事2時間、何とか本体ははずせた。

ところが下水管がつなげない。
なにか接着剤か何かでつめてあるのだ。
いろいろとやっているうちに壊してしまった。

台所は使わないわけにいかないので、直してもらう事にした。
しかし、そのときすでに夜の10時。明日にするしかないか。

ところが今はよくした物で、24時間受付の水道工事業者があるのだ。
それも1軒や2軒ではない。どうも、業界ではそういうのが流行らしい。
タウンページでさっそく電話。
ところが、24時間と書いていながらも、実際にはつながらないところがほとんど。
結局4軒目でようやく通じた。
今夜の内に直してくれると言う。ありがたい。

23時過ぎに業者にきてもらって修理。
無事に直った。

作業自体は簡単のようだったが、さすがに夜中という事もあって高かった。
14400円なり。自分で見てたらそんなにかかるんかい?という感じだが、
まあ、しかたない。

結局の所、このディスポーザーには大金を使わされた挙げ句に何1つ良いことは
なかった。ということである。
まったく、大損だだだだだ!!!!!
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