「恐怖の大A」(1996年04月08日〜04月12日号)
大A(仮名)である。
日本一の小売り業者だそうである。
(この際、球団のことは置いておく。)

この会社は大阪の小さな店から始まり、中内社長一代で築いたものである。
(そういえば、ヤオハン「八百半」もそうだなぁ。)
しかし、1代でこれまでの急成長するには、それは一口には言えないような
いろいろなことをしているのである。
そのうちのほんの一部をここで紹介するのである。
これを読んだら最後、あなたは大A商品を買えなくなる・・・。

・・・

実は大Aは、今、経営危機なのだそうである。
儲かっているように思えるのになぜ?であるが、
それは社長「中内」に問題があるらしい。

一言で言えば、非人間的なのだ。儲けのためなら手段を選らばんし、
部下の失敗をおもいっきりなじるし。
だから、彼を信用する部下がいないし、No.2がいないのだ。

(No.2がいないと言えばCSKもそうだが、あそこは大川社長が
すごすぎて、他の人間がそこまで到達できないことにある。
大川さんは後継者作りという面では失敗しているというか、
うまくないと言える。)

一流の流通人を作ることを目的として彼が設立した「流通科学大学」。
実はここを出て大Aに行く人間が少ない。
最近は防衛大学校を出て防衛庁に入らない人がいるというが、
流通科学大学から大Aに入らない比率はその比ではない。
なぜか。

それは、中内式流通を知ってしまうと、その余りに非人間的やり方が
いやになり、大Aに行きたくなくなるわけだ。
そこまで嫌われる「中内式」とはどのようなものなのか。

・・・

中内式の基本は「値切れ」である。
勿論並大抵の「値切り」ではない。

ある商品を大Aに納入するとしよう。
すると必ず何社かに見積もらせ、もっとも安いところから仕入れる。
ここまでは当たり前。
ところが、同じ商品を再度納入する場合でも「毎回」見積を出させる。
そして、前回より1円でも安くないと納入できない。
実際には他のメーカーも前回の仕入れ価格を知っているので、それより1円は
安くしてくる。ということは、連続で取るには最低でも前より2円は安く
しなければならないのだ。

たかが1円と思ってはいけない。仕入れ価格による1円の差は
売値では大きく違うし、逆に納入する会社にとっては大きな減益となるのだ。
しかし、メーカーとしても売れなければどうしようもない。
減益も大きいが、それ以上に売れた額も大きい。
なにせ相手は大A、1回の納品量が違う。
あの松下でさえ、かつての決別を解消したほどの量なのだ。
従って、苦しいのを覚悟で下げてくるわけだ。

例えば、前回無理をしたから今度は高く買ってくれとか、納期的に遅らせてくれとか、
人間的なつきあいの場合、そういうのはあるものだが、大Aには一切ない。
取引先メーカーの都合などどうでもいいのだ。
「他に替わりは幾らでもいる。」

結局、無理がたたって倒産、悪ければ経営者が自殺、ということが
後を絶たないらしい。
(社員が一度期に死亡するという現象は、実は松下内でもあった。
それはまた違うことが原因なのだが、それについてもいつか書くことがあろう。)

大Aは小規模小売り店からも目の仇にされている。
最近は大店法(大規模店舗に関する法律)の改正も迫っているらしい。
(大店法では年間最低休日数と、店舗面積、営業時間に関する規定をしている。)
大Aに恨みを持つ人間は数え切れまい。

・・・

ここまでは主に価格に関する話であった。
このあたりは一般消費者には見えない部分だったが、
ここからはそうではない。

食料の場合(食料に限らないけど)、幾ら仕入れを安くしようにも、
自ずと限界がある。
それ以上に下げるときにはどうするか。
それは「原料をけちれ」である。

大A商品はブランド名無しでのおかげで安い、
自社開発・提携だから安い、と思っている人が多いだろう。
この半分は事実である。しかし半分は間違いだ。

大A商品の原料の半分は、悪く言えば腐りかけ、
よく言えば正味期限ぎりぎりの物だ。
スーパーでそういう物は見切り価格で売られているが、
同じように、大Aはそういう原料を安値で買うのだ。
それを加工し、保存料・着色料・調味料をおもいっきり入れ、
見た目と味をごまかして売っているのである。
「安いお惣菜が揃っている」などと言って喜んでいる場合ではない。

最近は働いている女性も多いから、こういうお惣菜を買っている人も多かろう。
そういう人が体調不良になったり、「今日は肌の調子が悪い」などと
思っているなら、それは働き過ぎだけではなく、食べ物にも原因があるのだ。
いろんな種類の物を食べているから良い、栄養も考えているから良い、
と思ったら大間違いなのである。
(新鮮なら栄養価も高かろうが、腐りかけ+調味量多量ではだめだ。)

なんと、これは大Aオリジナルブランド商品だけに当てはまるものではない。
名の通ったメーカーのものでも同じように作らせている。
そういうものは通常より安く販売できるが、そうはせず、
通常商品と同じ価格で売る。
するとどうなるか。原価が安くて売値が同じだから、当然儲けが大きいわけだ。

「この見た目高そう実は安物」商法は、大A本店だけではなく、
グループ内でも行われている。最近それが顕著なのが高級店乗っ取りである。
いままで高級のイメージのある店舗を大Aが買収するのだ。

・・・

今そうされているのが「イカリ」である。
「イカリ」は北摂で高級品を扱うお店である。
そもそもは大Aとは関係ないお店だ。
そこで売られる食品は確かに高価だが、その分質はいい。
そこに買いに来る人もそれを知って来る。

大Aはそこに目をつけた。
イカリを買収し、そこに大Aの安い商品を入れ、
実態を隠してそのまま高価にて売れば、ほっておいても利益が増える。

で、実際イカリを買収してそうしている。
余りに急にすべてを変えるとばれてしまうので、少しずつ商品を入れ換えている。
実にぼろい儲け方というか、ずるい儲け方である。

実はここに大Aの苦しさが見えかくれしている。
そう、もう直営店での安売りだけではやっていけないのだ。

仕入れそのものの価格破壊による他店舗との価格差の減少。
大A=安物イメージの定着。
中内式への反発である。

・・・

大A食品の添加物は、確かに短期的には人体に影響はない。
しかし、そういった物は体内に蓄積されるから、
長年の間には体の不調となって現れる。
仮に病気になったとしても、それが長年大A食品を食べ続けたのが
原因だとは言えない。その因果関係を証明するのは不可能と言っていい。
時間がかかりすぎるから、他の要因との関係も影響しないとは言えないからだ。

「安物買いのの銭失い」とはよく言うが、「命失い」になってしまっては
元も子もない。
はっきり言う。
「いくら安くても、大Aで売っている食品は食べない方が良い。」

・・・

小売業ならどこでも同じことをやっているのではないか?
と言われるかも知れない。確かに似たような部分はないとは言えないだろう。
しかし、ここまでひどくはないらしい。

例えばニッショーは医薬品を扱う「ニプロ」という会社が経営している。
マイナーではあるが、経営は堅実で、商品もいいらしい。
大Aの社員が見学に来るほどなのだ。

・・・

いかがであろうか。
あなたはこれでも大Aをひいきに出来るだろうか。
その食品を食べ続けられるだろうか。
「人生チャレンジだ」とはいうけれど、こういうチャレンジは
勇気ではなく、無知で無謀だ。

ここであげた情報は想像だけの「うそ」ではない。
とある信用できる筋から入手した「事実」である。

これを読んで、これから大Aとどう付き合うか。
それはあなた次第である。
くれぐれも命を軽んじないように。
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