この季節になると、田圃の土手に咲く赤い花がある。 「彼岸花」である。 この時期を象徴する花。 まさに「彼岸」のころに咲く花である。 この花は色と形に特徴がある。 真っ赤な花、ぱっと見少し菊にも似ているが、花火のようでもある。 毎年同じような場所に、1日にして急に出てきて咲く。 非常に成長が早い。 土手と言っても、人に踏み締められるような場所には咲かない。 人が余り踏まないような場所だけである。 (土手以外には広がらないのは不思議。) 彼岸花をよく見ると葉がない。 どうやって栄養を得ているのだろうか? 球根色物にしても葉は必要だろうに。 寄生植物か? 個人的には季節感、色合い、形などで結構好きな花でもある。 しかし、これが咲くと切ってしまうような人(所?)もあるようなので、 誰にでも好かれる物ではないらしい。 葉がないのに急に成長し、真っ赤な花を咲かせるので―寸不気味に 感じる人がいても不思議ではない。それが好かれない理由かも知れない。 いずれにしても、緑の(ほぼ)無くなった田圃に別の色どりを添える彼岸花。 これが見えなくなると、もう秋本番である。