「今度は突然ではないし1日でもない東北旅行
 ・・・じゃなくて出張だったけど、時間が余ったので観光も出来たよ編」
(2005/10/10〜12/12号)

例の突然の東北旅行シリーズのさらなる続編である。
今度は旅行ではなくちゃんとした出張であったが、仕事がかなりはかどったので
時間が余り、観光も出来たのでネタにするのである。
行ったのは2月最終日から3月始め。
前泊、仕事、仕事、後泊→東京というコースである。

        ・・・

今回も移動は新幹線である。
目的地は仙台だったので、飛行機の方が早かったかもしれないが、
やはり時間の自由度が高い新幹線の方が便利だ。

特に今回は、なんと出発の5分前まで何時にどこで待ち合わせるかが
決まらないというとんでもない状況であった。
とりあえず日程は決まっているから行くには行くけど、
最悪ドタキャンも覚悟せんといかん、と直前まで思った。
どうにもこうにも連絡が来ないのでこちらから連絡を入れたら、
本社から支社への連絡を忘れていやがったのである。
全くひどい会社だ。支店の人はいい人だったが、兎にも角にも
本社の部課長がそろってだめだ。こんな会社とつきあっちゃいかん。

新幹線では、東海道新幹線も東北新幹線も隣に恵まれず窮屈だった。
特に東海道は何か落ち着きのないおっさんであった。
携帯電話野郎も困るが、落ち着きがない&貧乏揺すりする奴も近寄らんで欲しい。
何か言いたげであったが無視しておいた。

1日目は3件の仕事であったが、前回の盛岡が同じ件数で実に7時間もかかったのに対し、
今回は4時間ちょっとで終わった。非常にスムース。
3時には仕事が終わったので、少し市内を観光することにした。

この3時という時間は非常に微妙な時間で、ホテルには入れないし
本格的に観光するには遅い。ということで1カ所だけ見に行くことにした。
目指すは「青葉城跡」である。

最初は仙台駅からループバスという物に乗っていくつもりであったが、
1回250円(1日乗り放題で600円)と高い上に、距離もしれてそうなので
歩くことにした。途中地図を見ながらだったので40分以上ほどかかったが、
正味2キロ強くらいだと思う。
青葉城は山城なので、最後少しの坂が結構きつい。
さらにこの日は雪が多く残っていたので歩きにくかった。
さらにさらに、城の前を通る道路が通勤道路らしく車通りがかなり多い。
坂道なので排気ガスがものすごく臭かった。
その中で道路を渡ろうにもなかなか渡れずに難儀した、と書いておく。

青葉城はいうまでもなく伊達政宗の居城であるが、
現在はもう城郭はない。元々天守閣はなかったそうだが、
今残っているのは堀と石垣だけである。

上には伊達政宗の、有名な騎乗銅像がある。
仙台の写真を見れば必ずと言っていいほど載っている像である。
この場所は元々山城であり、市内はもちろん遠くは太平洋まで見通せる。

町中は道路脇に積み上げられた雪がわずかに残るだけであったが、
さすがにこの上には5センチほどの雪が残っていた。
(元々仙台は雪が少ないそうである。)

遠くの山裾になにやら観音像らしき姿が見える。
あまりに遠いので肉眼でははっきりしないが、
デジカメで最大望遠にすると、おぼろげながらであるが、確かに合掌している
姿である。
「山の残った雪がそのように見えるならありがたい風景である」と思ったが、
地図で調べてみると北北西の方向およそ4キロほどの位置に「仙台大観音」という物が
あることが分かった。高さ100メートルもあるのだそうだ。
(http://www.daikannon.com)
方や海は12〜3キロ離れている。それだけ広い視野が開ける場所というわけである。

実は私はここ青葉城に来たのは初めてではない。
15年くらい前に車で来たことがある。
私のアプローズ号ではなく友人のシャレード号であった。
途中の道には覚えがなかったが、政宗公の銅像の辺りの風景は何となく覚えていた。
そう言えば、ここで「ふじむら」の詩碑のエピソードがあったっけ。
道々に詩碑があり「ふじむら」と銘打たれていたのである。
「ふじむら」「ふじむら」・・・分かる人には分かると思うが、
実はこれ「島崎藤村」の「とうそん」である。
後で気が付いて大笑いした、という昔話である。
近くには土産物屋がある。

ここには展示館(700円)もあるのだが17:00までらしく、
私が行ったら「あと30分位で閉まりますけど?」と聞かれたので止めにした。
外では「青葉城をCGで再現した」と盛んに宣伝していた。

横には土産物屋がある。ここには試食がたくさんあるのでおやつ時に行くと良いかも。
私は夕食が豪華なことが分かっていたので、あえて押さえておいた。
惜しいことよ。
仙台と言えば笹かまぼこが有名で、私もここで単品の詰め合わせで買ってしまったが、
他には駄菓子が知る人ぞ知る名物である(「美味しんぼ」でも紹介された)。
仙台駄菓子は、昔ながらの製法、素材も自然素材で当然無添加で
子供にも良さそうなので、一番小さな詰め合わせを買った。
これとクルミゆべしが試食しておいしかったので購入。
全国発送もしてくれるそうであるが、チラシなどはなかった。

{おみやげ紹介}

        「くるみゆべし」

        6個入り
        525円(税込み)
        (株)中鉢屋
        仙台市宮城野区幸町2丁目
        0120−256−156
        http://www.chubachiya.com/

餅粉、くるみ、グラニュー糖、醤油(大豆、小麦粉、カラメル色素、調味料、アミノ酸など、食塩)

ゆべしと言えばゆずの皮に入ったものを想像するが、
これは見た目は羊羹。そう、細長い形状で、最初から切り分けられている。

周りにグラニュー糖がまぶしてあるのでかなり甘いのかと思いきや、
ちょっと甘いが実にほどよい。
羊羹では甘すぎるが和菓子が欲しいというときには良いのではなかろうか。

        お勧め度        85%

原材料を見ると、醤油の質があまりよくなさそうなので、
これを良いものに換えればもっとよくなるだろうか。


{おみやげ紹介}

        「仙臺だがし 詰め合わせ 7種」

        630円(税込み)
        (株)中鉢屋

餅米、小麦粉、大豆、うるち米、小豆、大麦、みそ、落花生、
グラニュー糖、水飴、黒糖、ごま、山ぶどう、卵、甘味料(ソルビット)
青海苔、観点、着色料(赤3,赤106,青1)、乳化剤、酸味料、カラメル色素、
膨張剤、香料、ゼラチン、食塩、しそ

甘さは、一口目は甘さがきつく感じるが、すっと抜ける。
また、ぱっと見堅そうに見えるものが多いのだが、食べてみると柔らかい
ものが多い。

入っているものの名前でわかったものを上げておくと、
        金花糖          ハッカの味のする砂糖
        兎玉            しっとりしたあん玉
        輪南京          昆布、黒砂糖、餅粉で練り合わせたもの
        みそぱん        仙台味噌を使ったパンのようなもの
        翁飴            水飴に赤ワインを入れて乾燥させたもの
        板しおがま      落雁風押し干菓子

等がある。1つだけ、みそぱんに似ているがもっと色が濃いものだけが不明。
黒糖のパンのような気がする。ただ、原材料とあわんような気がするのだが。
ここ↓に和菓子の説明があるので合わせて読むとわかりやすい。
http://www.zenkaren.net/kind/setumei_wa.html

店の人は無添加と言っていたが、着色料は使われている。
そのせいか、色は結構どぎつい。

        お勧め度        82%

こういうお菓子は見た目でも楽しめる。

実は、今回買った箱には入っていないものも試食でもらったのだが、
それがきな粉を練って棒状にしたようなもので美味しかった。
(たぶん「しぐれねじり」と言うもの。)
これらはまた次回にでも。


{お土産紹介}

        「大漁小町」
                @110円(税別)

        「笹ごよみ」
                @120円(税別)

        (株)鐘崎
        仙台市若林区鶴代町6−65
        0120−535−161

魚肉(たら、いとより鯛、その他)、卵白、みりん、食塩、澱粉(馬鈴薯、小麦、トウモロコシ)
清酒、果糖、砂糖、魚エキス、食物繊維、調味料(アミノ酸など)、キシロース
「笹ごよみ」はさらにほたてを含む。

仙台と言えば笹かまぼこが有名だが、その中でも一番よく見かけるのがここの物だと思う。

はっきり言えば笹かまぼこ、それほど美味しいものとは思わない。
一番の問題は、魚の味がしないこと。
まあ、その傾向はこれに限ったことではない。
他のでもそういうものが多いが、やはり魚から作った練り物なのに
魚の味がしないのはどうかなぁと思う。

逆に言えば非常に淡泊な味なので、醤油やわさびを付けて食べたり、
他の料理の具に使えると言うことになる。
いつも生で食べているが、今度はそういう食べ方をしてみても良いかもしれない。

「大漁小町」は普通の笹かまぼこ、「笹ごよみ」はその中に種物を入れてある。
種物とは、要するに何かもう1品ということで、毎月変わるらしく、
3月は帆立だった。ちぎってみるとよくわかるが、細かい破片が入っているという程度ではなく、
かなり大きな身がちぎって入っている。
これで普通ものと10円しか違わないのだから、お得か。

何本売りで箱詰めという物もあるらしいが、1枚ずつも買える。
私は両方を各2枚ずつ買った。
子供にはえらく受けたと書いておこう。

        お勧め度        70%


{お土産紹介}

        「萩の月」

        (株)菓匠三全
        宮城県大河原町大谷字保科前18

牛乳、卵、砂糖、小麦粉、還元水飴、乳製品、バター
麦芽糖、澱粉、グリシン、乳化剤、香料、膨張剤

仙台に行くと一番よく目に付くお土産。
特に駅構内ではそこいらで売っている。

実はこれ、自分で自分の家に買ったお土産ではない。
前回仙台に寄ったときは新潟のお寺さんへの土産にしたし、
その後オタ会の席で別の人からもらった。

ということで、初めて食べたのだが、なかなかどうして美味しい。
簡単に書けば皮のないまんじゅうにカスタードクリームを
入れたようなお菓子。
柔らかい食感も良いし、甘さもくどくない。

        お勧め度        85%

値段は不明。
そんなに高くはないはず。


「結局、今回買ったおみやげは『だがし』『ゆべし』と『あべし』」
等と書いて分かる人はいるだろうか。
私はこのネタを思いついたときに一人で笑っていたのだが。
(北斗の拳ね。)

        ・・・

青葉城の麓には仙台市博物館があるが今回は見る時間がなかった。
また、その近く五色沼という小さな沼があるが、ここは日本のアイススケートの発祥の地と
書いてあった。確かに一面氷に覆われており、滑れそうな雰囲気ではあった。

青葉城へは、行きと帰りで全く違う道を通った。
途中、「晩翠草堂」という物があった。
小さな建物があるだけで、縁起もよく見ずにそのまま素通りしてしまったのだが、
後で調べると「荒城の月」の作詞者、土井晩翠の居宅だった建物だと分かった。
しかも無料。残念。

仙台市内は城下町らしく整然と縦横に道が走っている。
京都に近い構成であるが、道の間隔は広いので京都ほど狭くは感じない。
また、仙台は市内は平らだが、外に出るときには結構な坂がある。
これは青葉城方面だけではない。
こういう地形だからこそ城を築いたのだろうけど。

それにしても仙台は大きな町だ。大きなビルが林立している。
京都より大きいのはもちろん、それらが碁盤の目のように、
しかも幅広い道路に沿って並んでいると、大阪市内より大きな町であるかのように見える。
レストランなども多数見受けられたので、また来る機会があれば、
今度はそういう店を巡っても良いかもしれない。
私は大都市は嫌いなのでこの町を観光目的に来ることはないだろうが。

ちなみにこの日の夕方の気温は2度ちょっと。
これでも「今日は暖かい」のだそうだ。

この日の歩数は15783歩。

{宿紹介}

        公立学校共済組合仙台宿泊所
        「ホテル白萩」

        JR仙台駅から歩いて10分ほど
        (タクシーに乗ると楽だが信号がやたら多いのでかえって遅くなる)
        仙台市青葉台錦町2−2−19
        022−265−3411
        http://www.hotel-shirahagi.com/

ここも公立学校共済の宿である。
部屋は和室も多く、当然私もそれを狙ってここを選んだ。
今回は3連泊。
場所的には前回仙台で泊まった「千登勢屋YH」に近い。

和室には部屋にトイレと風呂が付いている(ユニットバス&トイレ)。
逆に、サンセール盛岡にあったような大浴場はない。
部屋にトイレが付いているのは便利で良いのだが、
実は私はユニットバスが苦手。湯船の中で体を洗うなんて許させない!
だから大浴場が欲しかった。
トイレは温座付きウォシュレット。

部屋は6畳で、ここで2人までなら余裕。

設備。
タイル大小、浴衣、お茶、ティッシュ、歯ブラシ、ひげそり。
ドライヤー、電気ポット、冷蔵庫、TVあり。
お風呂にはシャンプーとボディーソープがあるが、石けんはない。
洗面はボディーソープを使えということである。
(合理的ではある。)
冷蔵庫にはジュース類は入ってないが、冷水が用意されている。
今回はおみやげを冷やしたり酒を冷やすのに重宝した。
部屋に時計はないが、目覚ましだけは電話による自動モーニングコールが使える。

お茶であるが、実はなぜだか急須がない。
ティーバッグと紙コップと普通のお茶碗だけである。
なので、私がいつも使う「部屋のお茶をつかって缶を満たす」という手がやりにくい。
お茶碗にお茶を作り、それを紙コップに溜め、それを缶に入れるという面倒くさい
方法をとった。

部屋に入って、ここでもまず思ったのは「暖房が暑すぎる」。
入って早々に切ってしまったが、それでも十分温い。
ここの暖房は温風(または温水)を各部屋に送っている方式のようだが、
それ故に送風をOFFにしても元の流れがある分音がするし若干の暖気が出てくる。
暖気は良いとして、この音がかなりやかましい。
特に寝るときにはそう感じる。

「寝る」と書いたが、実際にはほとんどまともに寝られなかった。
敷き布団が堅い、掛け布団が羽毛で軽くて暖かい、枕が堅くちょっと高い、
暖房機がやかましいなど各種要因が考えられるが、いずれにしてもまともに寝られなかった。
(うちの布団は重くて暖かさの質が異なるので、なぜかいつも羽毛布団では寝られない。
うちも羽毛にして慣れておくか。)
1日目がそうだったので2日目は少し酒を入れて寝たが、ほんの少し
眠っている時間が増えたかなってな程度で、基本的には変わらなかった。
夜中何回起きたことか。寝不足になるはずだが、意外にも日中はさほど
眠たくならなかった。仕事熱心だからである(←大嘘)。
3日目はさすがにぐっすり、というかぐったりで眠れたようだが、
それでも朝6時に目が覚めてからは寝られず、寝不足状態であった。
初めての宿にいきなり連泊するときは、この「眠れない」危険性があるのが怖い。
一種の賭である。今回は「外れ」。

食事。
今回は、朝夕食付きで¥8800の朝夕食がセットになったものを使った。
素泊まりでも6195円、朝食付きで7350円、今回セットになっている
夕食を普通に頼めば2600円(税込み)だから、かなりお得なプランである。
夜6時までにチェックインできる人に限られているが。
内容は、基本的には和・洋・中の折衷で初日は、
 和    お刺身、なんかの魚とゴボウの和え物(春の小鉢というらしい)、御飯、みそ汁、香の物
 中    地鶏の香味揚げ甘酢あん掛け、芝エビ・キノコ・ぎんなん・春野菜の炒め物(あんかけ)
 洋    スモークサーモンと各種豆のサラダ、和風ステーキ、マンゴープリン
という内容であった。
それぞれの量は普通であるが、何せ種類が多いので全体としてはかなりの分量になる。
お昼を控えめにしておかないと食べきらないかもしれない。

味はなかなかのもの。特に香の物が自家製ではないかと思われ、
白菜漬けは塩分控えめで白菜の甘さがあり、茄子のぬか漬けもちょうど良い漬かり具合、
大根の酢漬けも舌を変えるのに役立った。

その意味でもこのセットはお得。
まあ、この量で3日連続だと体重の方が至極心配なのではあるが。
(案の定増えてしまった。)

2日目(3月になったので「弥生」コース)も実は内容はほとんど変わらなかった。
お刺身の内容が少し変わったとか、春の小鉢の内容が白魚と菜の花の和え物だとか、
中華がエビチリソースとシュウマイに変わったとかだけである。
3日目は結構内容が変わった。和は2日目と同じであったが、
 中 かに玉、エビ・ブロッコリー・豚・イカ・キノコの炒め物
 洋 牛タンの赤ワイン柔らか煮、グレープフルーツと小赤カブのサラダ、ケーキ
という感じ。特にかに玉がおいしかった。

なお、料理は客が来てから最終調理するらしく、少し待たされる。
まあ、まともな店ならこれは当たり前だが。

朝食は和・洋から選択できるが、和食は
        御飯、おみそ汁、焼き鮭
        香の物、いくら、昆布とエノキのしぐれ煮
        温泉卵、がんもどき、笹かまぼこ
        飲み物は水・ジュース・牛乳・コーヒーなどが自由
という感じ。朝からがんもどきというのは初めてであったが、
笹かまぼこがあるのは仙台らしい。これには何かの茎のわさび漬けが添えてあるのだが、
これがまたとびきり効く(3日目は普通のわさびで、これは全く効かなかった)。
2日目以降は魚の種類が変わったり(鮭→鰈;かれい→鮭)、がんもどき→末広→がんもどき
になったりと若干の変化だけであった。
味は悪くないけど、全体的にちょっと塩辛いか。
夜はそんなこと無いんだけどなぁ。

御飯はおひつに3〜4杯分くらい盛られてくる。さすがに全部は食べきらない。
私は「出された御飯は全部食べなきゃ申し訳ない」タイプなので、
これは実はつらいことである。

レストランには奥に仕切られた座敷がある。
掛け軸や置物が見える。
勝手に入れるわけではなく、どうやら予約制らしい。

食堂は朝夕とも一応分煙になっているが、しきりはないので煙はそのまま流れてくる。
なもんで、かなり臭い。
外からも入って来られるレストランでなので、
食事もしないのにだらだらと煙を吐き続けている連中が居たりするのである。
迷惑千万(しかも3日とも遭遇してしまった)。
朝は、そういう連中はいないのでましなのだが。

レストランの窓の外には枯山水の庭が見える。
が、ほとんどが座敷の前に位置し、一部が禁煙でない席の前になるので、
禁煙席からは見えない。非常に残念。
臭い連中にきれいな景色を見せてどうするね。

禁煙でいえば、部屋は禁煙部屋ではないが、それ故か特にテーブルの上に焦げ跡がたくさんあった。
廊下でもかなりきつい悪臭があったし、ある時はそれが扉を閉めているはずの
部屋の中まで臭ってきた。
臭い連中がいると言うことは、それだけ火災の可能性もあると言うことである。
本人らが焼け死ぬのはいっこうにかまわないが、他人を巻き込むのは許せない。
マスターベーション行為は自分の家の中だけにしておけ。

布団は敷きに来てくれる。
2人で丁寧に敷いてもらえるなんて、何かお大臣な気分。
家では万年床だから。
ただし、2日目以降は食事中に終わってたけど。

ここも支払いにカードは使えるが、VISA・マスターなどやJ-DebitはいけるがJCBは不可である。
ご注意を。

        お勧め度        55%

食事も設備も対応も良かったが、暖房のやかましさだけが大問題で寝られなかったのでこれ以上は出せない。
寝られさえすれば80%以上出してもいいのに残念。
ビジネスホテルではいつもこういう感じだったので泊まらないようになったのだが、
まさか畳み部屋で同じ目に遭うとは。
どんなにやかましくても寝られる人には良いかも。

とはいえ、最近私が使う宿は、ほとんどが(元)公営系である。
九州旅行では
        旧国民休暇村(今は単に休暇村)
        地方公務員共済
        公立学校共済
を使ったし、白馬のプチホテル志鷹は違うけど、東北出張では
        盛岡〜公立学校共済
        一ノ関〜かんぽの宿
        仙台〜公立学校共済
        (前回の仙台はYHだったけど)
ってな具合である。その理由は、言うまでもなく「安くて良い」からである。
設備などは民間ホテルに比べて華美はないが、それでも一部の宿はかなり良いし、
何よりも食事が安くても質が良い。
当然ビジネスホテルなんぞ目じゃない。
最近この手の公営系は存亡の危機にあるので、建物を改築するとかどこかに特色を出すなどの
施策をしている。また、サービスや応対も良くなっている。
一昔前は安いなりだったのかもしれないが、今はかなり良いのだ。

ただ、簡保は郵政の民営化を前に存続の危機にある。
安くて良いのだが、赤字がかさんでいるかららしい。
確かにあの設備、食事内容、対応と職員の数であの価格ではさもあらんという気もする。
利用率は決して低くないのに。
でも潰してしまうにはあまりにもったいないので、何とか民営化してでも
存続して欲しい。それで価格が急激に上がったり質が落ちたりすると
困るのだが。

うちの会社は実費精算なので、わざわざ安く質の悪いビジネスホテルに泊まる必要はない。
そうでなくても出張費が安いのだから、宿くらい良くしなければ。
限度額範囲内で良いところを探すのもまた能力である。

仙台は大都市でかつ近くに観光地も多いとあって公営宿泊施設が多い。
公立学校共済を始め、警察共済、郵政関係、国家公務員共済などなど。
毎回違う場所を探すのも良かろう。
(連続宿泊なのに毎日変えるのは面倒だけど。)

        ・・・

2日目の仕事は2カ所で、最初の現場はちょっと設置状況があれで苦労したが
それでも盛岡に比べればずっとまし。
結局午前中に終わってしまった。
今回一緒に回った人は臭いことを除けばいい人であった。
支社の人や本社でも現場の人は良いのに、部課長だけがだめなんだよな。

それはさておき、12時には仕事が上がったので(会社には当然内緒だ)、
松島に行くことにした。
仙台駅で仕事の荷物を置いて行く。ここのロッカーは6時間で200円と安い。
昨日は青葉城上でデジカメの電池が切れて難儀した(結局土産物屋で買ってしまった。
こういう所では当然定価なので高い)ので、今日は予備電池および
予備メディアを持って行く。準備万端。

松島は日本三景の1つだが、仙台からJR仙石線(仙台〜石巻間だから)に乗って松島海岸まで、
一番速い快速で26分、各駅停車で40分ほど、400円の位置である。
「松島」という駅は東北本線にもあるが、こちらは観光地としての松島からは2キロほど離れた
場所にあるので、一番近くまで行くなら仙石線である。

松島海岸まで行く列車は、1時間に2本ほどしかない。ほとんどは2駅前の東塩釜とか
もう少し前の多賀城というところで止ってしまう。このときはたまたま一番速いタイプの快速が
すぐだったので、電車の中で昼食を食べるつもりで駅構内にあるコンビニで
弁当とお茶を買って乗り込んだ(先ほど準備万端と書いたが、せっかくホテルで作った
お茶を忘れてきた。150円の無駄使い)。
仙石線は中央改札から一番遠い10番地下ホームである。
(始発は仙台駅ではないので注意。)
田舎の線だからきっと人も少ないし、対面座席であろうと思ったからだ。

ところがどっこい、人は結構多いし、車両は通勤車両でロングシート。
これでは食べられない。

駅を降りるとすぐ有名な景色が見えるが、遊覧船乗り場までは歩いて5分ちょっとと言うところか。
その途中に広場みたいなところがあって、ここに椅子があったので食べることにした。
が、寒いこと寒いこと。絶対に気温は10度はない上に風がきつい。
凍えそうになりながら掻き込んで移動した。

先の同行していた人が、「松島行くなら遊覧船に乗った方が良い」と言っていた。
ところが、実は私は船が大の苦手。
何せ背泳ぎや浮き輪でも酔ってしまうほど船酔いがきついのだ。
だから、良いと言われても乗れないかもしれないと思っていたが、
乗り場に止っていた船は結構大きくて、過去の経験からこの大きさなら大丈夫だろうと思い
乗り込むことにした。

実は松島巡りの観光船は複数本出ている。このうち、今回乗った仁王丸が一番大きく、
他のは格段に小さくなる。小さい分島々に近づいてくれるのかもしれないが、
たぶんそれらは私には乗れない。仁王丸は¥1400。
船は2階建てで、2階はグリーンと言うことで+600円必要。
この日はさすがに季節はずれの平日とあって人も少なくどこでも座って見られるので
下に居た。
案内では「右手・・・」「左手・・・」と左右何度も変わりながら案内してくれるのだが、
「旅の恥はかきすて」とばかりにその都度移動して左右の窓から写真を撮った。
他人から見れば「スーツで革靴の人間が何してんねん」てなもんだったろう。

感想。確かにきれいな風景ではあるが、湾内にはカキや海苔の養殖場があって
その柱が林立していたり、遠くには煙突が見えてたりで、情緒を台無しにしている気がする。
松島と言うくらいで、300近くある島々には松が茂っているが、
松は常緑樹だとはいえやはり春の新芽が出る頃の緑が美しいので、
冬場はちょっといまいちである。他の木々の緑もしくは紅葉がないのも寂しい。
余り冬場には来るもんではないのかもしれない。

そう言えば、ここ松島も初めてではない。青葉城と同じで15年ほど前に来ている。
そのときはゴールデンウイークだったので人も多かったが、景色はもう少し
きれいだったような気がする。このときは船には乗らなかったが。

仁王丸とは、途中にあるひときわ変わった形の島、仁王島から名付けられている・・・はずである。

船は50分で湾内を1周するが、案内があるのは40分ほどで、
最後はひたすら桟橋に戻るだけ。

この船の上からはカモメに餌付け(100円)できるが、
カモメもそれを知っているので船に寄り添って飛んでいる。
これを見ているのも楽しい。カモメのドアップ写真が撮れる。
ちなみにその餌とは「かっぱえびせん」である。
ただ、カモメも人を見ると寄ってくるが、なぜかカメラを向けると離れていく。
「カメラを持っている奴は餌をくれん」と学習しているのか、
カメラが大きな目に見えるのか。

餌付けは後部甲板にて。潮風は寒くても気持ちいいのだが、
ここは排気ガス臭いのが難点。
長時間は居られない。

とりあえず、このクラスの観光船だと酔わないことが判明。
今後の観光の目安としよう。

松島と言えば斎太郎節、「前は海 後ろは鳩屋の太閤園」・・・というネタが
分かる人はもうそこそこの年である。本当の歌詞は
        松島のサーヨオ 瑞巌寺ほどの 寺もない トエ
         アレワエー エート ソリャ 大漁だぇ
        前は海サーヨオ うしろは山で 小松原 トエ
         アレワエー エート ソリャ 大漁だぇ
であるが、松島と言えば瑞巌寺も見なければならない。

瑞巌寺は観光船乗り場から道路渡ってすぐの場所にある。
ここは言い伝えも含めた縁起はかなり古い。

そもそもは828年というから平安時代に慈覚大師円仁により天台宗延福寺として開創され、
鎌倉中期には時の執権北条時頼が法身性西和尚を開山として円福寺と改称し、
建長寺(鎌倉にある)派の禅寺となった。
その後一時衰退したが、江戸期に伊達政宗によって大伽藍他が建立され、「瑞巌寺」と命名された。
かの松尾芭蕉も、奥の細道の時に松島およびこの瑞巌寺に詣でている。
(ちなみに、この後先に紹介の毛越寺・高館・中尊寺、さらには山形の山寺にも参っている。)

ここは本堂の中も素晴らしいが、本堂横の御成玄関(おなりげんかん)の上にある
彫り物や、宝物殿の展示(無料)、さらに境内にたくさんある摩崖仏も見物である。

彫り物は、かの左甚五郎(実際にはそのモデルになった人)の作とされ、
それを見た島崎藤村が歌を詠み、それで彼が文壇で登場・有名になったという逸話もある。
摩崖仏は、岩肌にあいた、もしくはあけた洞窟の中に掘られた仏や仏塔である。
もうだいぶ浸食され形が分かりにくいものも多いが、
当時の人の思いを知ることが出来る。
この辺りは、そもそも松島のような情景を作り出せると言うことは
浸食されやすい岩質なのだそうで、洞窟も多いのだ。
摩崖仏はここ瑞巌寺だけでなく、松島の他の場所でも散見される。

本堂前には伊達政宗が朝鮮出兵の際に持ち帰ったという臥龍の梅と言うものが見事な枝振りを
見せている。当然樹齢は400年以上。ただ、この時はまだつぼみで花は見られなかった。
京都でも今年は梅が遅いのでここならなおさらだろう。
それにしても寒い。雪には溶ける気配がないし、流水を持つ仏像の下には氷柱が立っている。

海辺には五大堂というお堂がある。
松島を写した写真の中ではよく出てくるお堂であるが、ここへ渡るには透かしの桟橋というものを
渡らなければならない。要するに板の間から下=海が見える桟橋である。
このお堂は何気なく建っているように見えるが、国の重要文化財である。
(瑞巌寺は国宝。)

ここから少し北へ歩くと福浦橋というものがあって、その先に福浦島という島がある。
ここは県立自然公園だそうで、ここから松島の、比較的岸に近い島のいくつかが近くに見える。
福浦橋は有料で200円。袂にある喫茶店のようなところで切符を買って渡る。

島には遊歩道や展望所が整備されており、1周40分から1時間くらいかかる。
確かに眼前にいくつかの島がきれいに見える。
じゃあ遊覧船に乗らなくて良いかと言われれば、遊覧船は岸からは見えないだいぶ沖まで行くので、
それはそれ、これはこれである。
島の中には桜も多く植わっているので、春に行くときれいではなかろうか。

途中でデジカメの電池が切れた。
ちょっと早い気もするが、寒いときは電池が切れやすい。
たぶん暖かい場所に戻れば復活するだろうが、ここではそうも言ってられないので交換。
実測気温は4℃。さらに風があるから体感温度はもっと低い。

いくつかの場所からは浜へ降りることが出来る。
浜の砂は白できれいだが、そこにはあの悪臭の残骸が大量に落ちていて
風情を台無しにしている。悪臭人間は煙がなくなっても美しい風景の敵である。
さらに、実はこの辺りの海は余りきれいではないので遊泳禁止になっている。
残念。
このときはちょうど引き潮だったのか干潟も出来ていたので、ちょっと先まで
歩いてみた。が、革靴で干潟を歩くとどろどろになる・・・ということに気が付いたのは
ホテルに戻ってからである。だめじゃん。

この日の松島は、大学生もしくは高校生らしき若い連中が目立った。
時期から推測するに卒業旅行かと思われる。
ただ、どうも私は最近の若者の行動そのものは好きになれない。
言動や服装が軽薄なところが特に。カップルもしくは男女のグループだからかもしれない。
単に妬み、もしくは偏見かもしれない。
まあ、ちゃらちゃらと海外旅行に行ったりショッピング(この言い方も嫌い)
に行ったりするよりこういう場所を選ぶだけましな連中なのかもしれないが。

そうそう、この浜のうちどこかでアサリが取れるらしい。
袂に喫茶店のようなところがあると書いたが、
そこに地元の小学生がまとめた福浦島に関する資料が展示してあり、
そう書いてあった。子供の作った物と侮るなかれ。
なかなかおもしろい情報がたくさん書いてある。

ここおよび、桟橋近くの観光案内所にはスタンプもある。
でもそれを押す紙がなかった。観光案内所にはパンフレットで裏が白の紙もあったのだが、
ここにはなかった。準備万端と言いながらも、いろいろと抜けはあるもんである。
「白紙は必ず持ち歩くこと」と覚えておこう。

海辺を見ると、なにやら岩が針山のように見える。
実はこれ、カキが大量に付いているのである。
この辺りでは牡蠣の養殖が盛んなのだが、そもそもカキが多くいる場所なのか、
それとも養殖の牡蠣の一部が流れて付着するのかは分からないが、
とにかくすごい量の、小型のカキが付いているのである。
ちょっと怖いくらい。たぶん、食べるほどの身は付いてないと思うが。
松島の湾には川が流れ込んでいるが、この川が山から養分を含んだ水をもたらすので
カキ(および海苔)の養殖に向いている、だから山を大切にせんといかん、
と言うような話を美味しんぼで読んだ気がする(松島じゃなかったかな?)。

それにしても最近とみに視力が落ちてきているので、眼鏡では細かいところが見えにくい。
会社が新社屋に変わってからまぶしすぎるとは書いたことがあるような気がするが、
やはり目に相当の負担がかかっているようだ。
労災で訴えてやろうか。

この日の歩数は15132歩。
ということは、ホテルから青葉城跡までの距離とおよそ同じくらい歩いたと言うことである。
およそ6キロの計算になるが、スニーカーではなく革靴でなので、
足の疲れはずっと大きい。

        ・・・

4日目は東京で秋葉原に行って、東京ビックサイトで展示会を見て帰る。
秋葉原で何を買ったか、ビックサイトで何を見たかは秘密。

私の見た展示は、以前なら大企業であっても展示は慎ましく、
コンパニオンも居なかったし派手なショーもなかったが、
最近はそうでもない。久々にミニスカート、ボディコンスーツのコンパニオンの
おねえちゃんなどを拝見してちょっとどきどきしてしまった。
マジックありのショーがおもしろかった。
ほんとに種がわからんなぁ。

秋葉原は最近路上での喫煙を禁止する条例が出来たおかげか、
臭かったのをそれを知らない中国人だけだったが、
ビッグサイトは臭いおっさん連中が多くて相変わらずだった。
建物の中での分煙はかなり進んでいたのだが、
外のいる連中の臭さが、ドアが開いているためにそのまま流れ込んできていたのだ。
だめじゃん。臭いにおいは元から絶たなきゃだめ。

最後の東海道新幹線も隣が落ち着きが足りない奴だった。
今までの中では一番ましだったけど。
そういえば松下社員だった。例の特許裁判の件で一言言ってやりたいような気もしたが、
まあ一般社員は関係ないだろうから辞めた。
PCオタクのような感じではあったが。

今日の歩数は15362歩。
結局3日間ほとんど同じだけ歩いたと言うこと。

        ・・・

今回の出張には、直前に買った新鞄を使った。
4輪付きの鞄、無印良品で8900円(税別)の物である。
大きさは国際線の飛行機の機内持ち込みがぎりぎり出来ないサイズ。
縦横奥行き会わせて115センチまでが持ち込み可能だが、これは公称では116センチ。
たぶん何とかなるだろうと思ってこれにした。
荷物は結構入るし、車もよく動いて移動しやすい。
これ、比較的安いけどなかなか良くできている。
少なくとも、例のJALのコンパクトカート2なんぞ目じゃない。

強いて言えば取っ手が多段階固定できて欲しいとか(今は全部引っ張り出した位置でないと固定されない)、
横にするときのために下部にも取っ手が欲しいとか、鍵がもう少し丈夫そうな物なら良いのにとか、
中にもポケットがあったら良かったのにとかあるけど、総じてよく出来ている。
ただこれは結構重要だけど、ブレーキがあって欲しかった。
この鞄、回転可能な4輪付きであるせいか、揺れたり坂があるとすぐ動いていってしまうのだ。
重い荷物が入っていると慣性が付くので止めにくい。これだけは最低限要改良だろう。

        ・・・

最後にこのシリーズの「必須項目」として、仙台女性が黒タイツであったかどうかを書かねばなるまい(^_^;)。
結果は「No」。全く居なかったわけではないが、京都と同程度。
地元の人曰く、仙台の寒さは大したこと無いらしいので、このような結果なのかもしれない。

そう言えば、同行した人が「仙台には美人が居ない。日本3大ブスは仙台、水戸、名古屋だ」と
言っていた。「かっぺが集まる町だから」とも。
私が言ったんじゃないぞ。
私は女性を顔で見ることはほとんど無いが(まず「足から」である)、
気になってみて少し見ていたが、そんな言うほどでもないのになぁと思った。
水戸は全く知らないが、名古屋はブスというより化粧がケバイ、というのは事実のような気もするが。

ということで、結局仕事で行ったけど観光もけっこうできた出張であった。
毎回こんなんだったら良いんだけど。
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