「突然1日東北旅行+α」(2005/03/28〜06/06号)
2004年の12月も20日を過ぎてから、唐突に東北に出張することになった。

元々は「現場対応」のためだが、まずはこの出張の決まるまでの経緯を少し書いておく。
実に奇妙というか、困った客に振り回されっぱなしだったのだ。

最初は「そのうち行く」という話であったが、急に12月20日からの週と言うことになった。
場所は盛岡(から移動する場所)。要員は3人。

20日月曜日の朝から入る必要があるということで、日曜日19日移動である。
まあ仕方ないと思い、旅館などいろいろ調べている最中に行き先を変えてきた。
なんと釜石と一ノ関である。要員2名。

釜石は盛岡の太平洋岸である。
岩手と言えば京都からは花巻までは、新幹線か飛行機で花巻まで行くのは比較的簡単だが、
そこから先釜石までが遠い。在来線で2時間もかかる。
行くだけで8時間近くかかってしまうのだ。
さらに、釜石での宿探しは難航した。あまり情報がないのだ。

それでも何とかほぼ丸1日かけてルートも決め、宿もここにしようと決めた矢先、
今度は「中止」と言ってきた。
なんてこったい。まだどこも予約してなかったのがせめてもの救いか。
これが金曜日の夕方。

で、夜になるとまた「来い」と言うて来た。
ただし火曜日から。
一ノ関と釜石。今度は私が一ノ関。
まあ一ノ関なら乗り継ぎも考えたら新幹線が一番早く、かつ朝出て昼一には到着できる。
入るのは15時。

最近は体の疲れが異常にひどいので休みは出来るだけゆっくりしたい。
だから休日移動は出来るだけ避けたかったので、それがないだけでもありがたい。
そうでなくてもうちの会社は休日移動は出張手当以外出さない(しかもたった3000円)から損だし。
(事実、この土日は本当にひどい状況でほとんど寝込んでいた。)

月曜日、確認の電話をかけたら「13時」とかいいやがる。
おいおい。まあ、朝7時の新幹線で12時過ぎには到着できるからまだいいものの、
ええ加減にしろよ。

さらに火曜日。
新幹線に乗って東京、さらにそこから東北新幹線に乗り換える。
新幹線が東京を出発してすぐ電話が。
        「中止」
おいおい、もう東北新幹線に乗ってるんだぞ!
まともな会社ならこんな事はしない。やっぱりあいつらろくな連中じゃない。

それでも何とか営業経由で話をしてもらって、結局一ノ関ではなく相手の本社のある盛岡で
話だけと言うことになった。
一ノ関までの切符を乗り越して終着盛岡までである。
でまあ、結局2時間半ほど話をして終わり。

何で変更になったか、その経緯もいろいろと聞いたが、
そもそもこの会社の工事の段取りが悪いのが直接の原因だが、
大元にはその客である銀行(言っちゃった!)内部における支店〜本店の確執もあるように見受けられた。
極論すれば、公官庁でも銀行でも「長」の付く連中の中には、他人の足を引っ張ってでも
出世しようというやつらが少なからずいると言うことだ。
だから、事は慎重に行わなければならんのだと。

いずれにしても、予定を自分の都合だけで勝手に変更するような奴らはろくな奴らじゃない。
名前は直接書くとまずかろうから「そのあたりにある準大手銀行」と書いておこう(^_^;)。
あんな銀行には絶対に預けない。
いつ利息や約款を変更するか分からないからな。
今、日本一の安定銀行は渋銀こと静岡銀行だろうか。スルガ銀行もなかなか
新しい物好きでおもしろい。どちらも静岡が中心の銀行だが、県民性かもしれない。

まあ、事情は理解できたが、そうでなくても少ない年内の稼働時間を2日も
潰して聞く話ではないわな。これで年内のとある仕事の完了は不可能になったのだから
(まあそれは出張が無くても完成は無理だったろうけど)。

2時間ちょっとの話のための移動時間が片道6時間強。明日は中止。
でも、今から帰るのも疲れたし宿も取ってあることだし(当日なのでキャンセルしたら
キャンセル料がいる)今日は泊まりにして、明日は休日にして観光する。
こうなったのは私のせいではないので、文句は言わせない。

もとから今回の東北出張の帰りに休日(天皇誕生日)と翌金曜日に年休を入れて
新潟に帰ることにしていた。
あの地震以来行けてないので、状況を見に行くのだ。

ということで、急遽「東北1日旅行」と相成ったのである。

        ・・・話は少し戻って新幹線の話・・・

実は東北新幹線に乗るのは今回が初めて。
東海道、山陽、北陸(長野)新幹線は全線、上越は長岡まで乗ったことがあるが、
東北新幹線には縁がなかった(正確には、博多〜博多南間も未乗車。あぁ、九州新幹線もまだか)。
行きはMaxやまびこ号、2階建ての新幹線だ。

今回乗ったのは1階。乗り心地はかなり悪い。車内は座席も狭いし非常に揺れる。
階段から落ちそうになった。揺れると言われるJR西日本500系でもこんなに揺れない
(私は500系の揺れは好きなのだが)。

今回は移動時間が非常に長い。距離は2500キロを超え、時間も20時間は列車内だろう。
しかし暇つぶしのものがない。本は1冊持ってきてるが、こんなに揺れる車内では読めない。
パソコンはあるが、そんなに電池は持たない。
電池の持つ間、書きかけのネタでも完成させようかと思ったら原稿を忘れてきた。
全くの新ネタでも書こうか、でも何を?
(で書いたのが、このネタと後もう1つ。)

列車の構造も詰め込めるだけ詰め込もうというものである。トイレの場所もわかりにくい。
デッキは全部禁煙と書いてあるのに臭い・・・と、これは乗客の中にバカがいるだけだろうが。
このデッキが非常にうるさい。「携帯電話はデッキで」と言われるが、
このデッキでは電話そのものが困難だ。仕方ないので客席内の人のいない場所で
していた(この日は非常に空いていた。隣の車両は満席だったのだが)。
世界最高速の「通勤」列車ではあろうが、ゆったり旅をするときには乗りたくない。

帰りに乗ったのが普通の新幹線、はやて。
これは700系をベースとしているようで、外見も中身も似ている。
これなら合格。

そういえば車内の作りもJR東日本ならではで、よく言えば合理的、悪く言えばちゃち。
リサイクルを考慮しているらしいけど、特急なんだから、もう少し細かいところも
気を配って欲しい。作りだけで言えば通勤列車も特急も変わりない。
こんな作りは、少なくとも西日本や九州にはない。
西と東の人間性の違いかもしれないけど。

外が白い。霧かと思ったら、雪だった。しかも少し積もってる。さすがは東北。

この列車はかなり空いている。
隣の車両は結構席が埋まっているのに、私のいる車両はがら空き。
盛岡の1つ前の新花巻ではとうとう私1人になった。
平日の午前中だとはいえ、これで採算が取れるのであろうか。

盛岡は今日は吹雪にもなった。
最初は京都での冬の格好でも寒くないと思っていたけど、
しばらく外で立っていると急に寒くなってくる。
気温4度。京都人には寒い。
ダウンジャケット持ってきて良かった。

盛岡の駅は、思いの外閑散としていた。
駅前もあまり建物がない。
駅ビル内にちょっとあるようだったが、見る暇はなかったのでよく分からない。
(ここに比べると仙台がいかに大きいかが分かる。)

        ・・・

最初の予定では12時過ぎに一ノ関について駅前で食事をするつもりだった。
(翌日に分かるのだが、これはこれで難しいのだが、駅前すぐにはあまり店がない。)
なのに急に盛岡に変更したので食事をどうするか。

列車内の売店に行ったが、2種類しか残ってなかった。
そのうち1つを購入。

{食料紹介}

        「仙臺押鮨」(せんだいおしずし)

        950円
        (株)日本レストランエンタープライズ

鯖押寿司(酢飯、昆布)、鮭押寿司(酢飯、大根酢漬け、トラウト;ますの種類名)、
甘酢生姜、調味料(アミノ酸など)、pH調整剤、酸化防止剤(VC)

簡単に書けば、鯖の押し寿司と鮭の押し寿司のセット。
鮭の方はまあまあだったが、鯖はちょっといまいち。
いかにも腎臓酢できつく、また身も少しぱさぱさしている。
甘酢生姜は×。酢がきつすぎる。

まずくて食べられないというほどではないが、おいしいというものでもない。
値段ほどの価値はなし。

        お勧め度        55%

もう1つの売れ残り;それは海産釜飯風だったのだが。これも今ひとつのようだったので。
(今日の夜の宿で海産物が出るかもしれないとも思ったし。出なかったけど。)
値段は100円ほど安かったが、量も少なめに見えたし。

前にも書いたけど、特徴のない駅弁はもう淘汰されるべき時に来ていると思う。
高くてまずいなんて、他に選択肢がないから「仕方なく」買うけど、
普通じゃ絶対に選択しない。
駅構内でのコンビニ弁当の販売を強く望む。

        ・・・

その日の宿は一ノ関。
すっかり忘れていたが、一ノ関と言えば、「厳美渓」という奇岩の場所が
有名である。さらに、すぐ近く(JRで北に2駅)には平泉がある。
中尊寺の金色堂で有名な場所であり、2005年の大河ドラマ
「義経」ゆかりの地である(どうゆかりなのかは調べてね)。

ということで、まずは一ノ関で泊まった宿の紹介。

{宿紹介}

        「かんぽの宿 一ノ関」

        東北新幹線一ノ関駅からバスで25分
        (厳美渓すぐ近く)
        0191−29−2131

私がベッドでは寝られない質なので、和室のある宿と言うことで探していて、
たまたま出張する場所の比較的近くにあったので来た。
近いと言っても田舎の「近い」である。

先に余談をしておくと、最近の私の泊まる宿のほとんどは公共の宿である。
かんぽや国民休暇村、地方公務員共済、公立学校共済、警察共済などである。
幸い、うちにはそれらを集めた本があるし、最近はホームページでも
まとめられたところがあるので調べやすい。

この手の宿は安いが古いというイメージがあったが、
最近はホテルとの競争も激しいので廃館もあるようだが、
残っているところは軒並み改築されて良くなっている。
値段も昔に比べて上がっているようだが、それでもホテルに比べれば十分安い。
特にその食事内容などを考えれば。

まあ、どこの都市にもあるわけではないので、いつもいつも使えるとは限らないが、
あれば、少々遠くても行ってみようと思うわけである。

閑話休題。
この一ノ関の簡保であるが、一ノ関駅から定期のバスで20分ほど、450円である。
このバスはおよそ30分に1本ある。時間帯によってはもう少し多い。
一部のバスは簡保前まで来てくれるようだが、基本的には国道の
「保険センター入口」で降りてそう、10分近く坂道を登った小高い丘の上にある。
この道、途中までは車道を歩くしかないので、歩きにはちょっと遠回りになる。
階段を付けてくれればと思う。

ここの施設は新しい。
建物を最初に見たとき大分は宇佐の簡保にかなり似ていると思った。
福井の簡保とは建物の位置(丘の上にある)が似ていると思った。
立地条件や建物の意匠には、多少なりとも共通仕様があるのかもしれない。

建物は8階建てで大きい。そのうち1階はフロント、2階は食堂と大浴場(とパブと土産物屋等)。
3階は会議室があるようだ。

大浴場は一応温泉。宝竜温泉というらしく、平成6年に湧出したらしい。
ただし、ジェットバス、バブルバス、打たせ湯などは普通の水道水(と思う。塩素臭がするから)で、
1つの湯船と露天だけが本当の温泉のようである。
ナトリウム・塩化物泉(低張性弱アルカリ性温泉)で、神経痛や筋肉痛、疲労回復に効くらしい。
確かに、疲れた体で入ったら体の芯までしみいり、疲労感がだいぶ抜けた気がする。
入ってすぐに「あぁ温泉だ」と分かるような泉質ではないが、
効果はある。

ちょうど私の泊まった日は雪が降っていた。
朝から露天で、雪見で一杯・・・は出来なかったが、
情緒はある。

夕食は2310円の、一応一番安いコースにしたが、なかなかどうして量はある。
いや、一見すると少ないように見えるのだが、全部食べきるとかなり多いことに気が付く。
後で歩くのが大変なほどであった。まあこれはご飯をお代わりしてしまったせいでもあるのだが。
小ジョッキ1杯のビール(¥168)も頼んだ。
私にはこれくらい、ちょっとだけ飲むの量がちょうど良い。

料理の内容であるが、細かいメニューは変わるだろうから書かないとして、
はっきり言って特筆すべき食材でもなければ味でもない。
一応地元特産と思われるものもあったが、それでも全体に平均点以上という感じである。
こう書くと何か悪いように聞こえるかもしれないがそんなことはなく、
素材も味付けもすべてがそつなくまとめられているということは、結構難しいものである。
味付けも濃すぎず、特にデザートはこの日は抹茶ゼリーに小豆と生クリームと米を溶いて作った
と思われる甘いたれがかかっていたが、この米のたれの甘さが絶妙であった。
砂糖の甘さではなく、お米を酵素で分解したときの甘さである。
胃に優しい甘さで、良いデザートであった。
最近の私は結構良いものを食べる機会があるので、
評価が厳しすぎるのかもしれない。

朝食はバイキング形式。
まあ、普通の内容。
ただ1つ苦言を呈すれば、水やお茶などの置いてある場所がわかりにくい。
給茶器の陰に隠れているのだ。
最初分からなくて探してしまった。

設備。
簡保は大小タオルと歯ブラシはある。
丹前もあるが、私は寝相が悪いので丹前では夜中にはだけてしまう=寒くて起きてしまう
ので必ず寝間着持参。
部屋にドライヤーがある。
トイレはウォシュレット。

後、これも最近の改築された公共の宿に共通する特徴だが、
とても愛想がよい。これは初めての宿に泊まるときにはとても重要なポイントで、
安心して泊まれるかどうか第1判断基準となる。
いくら食事が良くてもぶっきらぼうな宿はだめなのだ。
(愛想が良くても食事の悪い宿もだめだけど。)

        お勧め度        83%

私が書くからにはこれも書いておかねばなるまい。
禁煙設定。
食堂は禁煙である。大満足。

風呂場もしかり。ただ、風呂場の真横にある「休憩所」が喫煙可能で、
ここからの煙が通路まで漂っているのが減点対象。
せっかく風呂で体を洗って出てきたのに、これでは台無し。
また、この休憩所にはマッサージチェアなどがあって使いたいのだが、
入ることが出来ない。

部屋は禁煙ではないようだが、畳部屋であったこと(畳部屋はにおいが染みつきにくい。
畳みに除臭効果があるのではと思う)と、まだ出来て新しいからか、臭さは
ひどくはなかった。ただ、やはり禁煙部屋設定を作って欲しいとは思う。

それとこれは宿側の問題ではないが、私が泊まったときの隣部屋のおばはんどもが
非常にやかましくて難儀した。
壁は決して薄くないと思うが、大きな声で騒ぎまくっている+部屋の中のドアを
大きな音で開け閉めする(しかも入り口のドアも開けていることがあるようだ)のだ。
もうおばはんというより妖怪だな。

        ・・・

私はベッドではほとんど寝られないが、畳み部屋でもなかなかぐっすり寝られる方ではない。
しかし今日だけは本当にぐっすり寝ていた。
朝まで1回も起きなかった。
温泉のおかげであろうかビールのおかげか、それとも単に過疲労か。

厳美渓まではここから歩いて15分ほどで行ける。
実に近い距離にあるのだ。
もっとも、私は仕事のためにPCまで入った鞄を提げての歩きだったので
大変だったのだが。

そこへ行く前に、バス停すぐ前にあるセブン・イレブンで手袋を買った。
さすがに今日は寒そうだったから。
手袋をここで買ったのは正解だった。
その後もずっと寒かったから。
後で聞いた話だが、一ノ関がセブン・イレブンの北限なのだそうだ。
ひょっとしたらこの店がそうなのかもしれない。

厳美渓に来たのは初めてではない。
まだ独身の頃、友人と一緒に北摂の名車アプローズ号で来たことがあるのだ。
もう10年近く前のことだろうか。
そういえば、何となく道に見覚えがある。

この日は朝から雪。
昨日盛岡のタクシーの運ちゃんに聞いた話では、今年はまだほとんど雪が降ってないとのこと。
後で分かったが、実はこの日はこの冬一番の寒気が来ていたようだ。
豪雪と言うほどではないが、一ノ関・平泉の辺りはしんしんと降り続いた。
傘を差さずに歩いているとコートの上に雪が積もるくらい。
気温は1.7度から2度くらいであった。

荷物を預ける場所もないので(簡保で聞いたら「ある」とのことだったのだが)、
ひたすら重たい荷物を持ちながら歩き続けた。
こんな寒い日、しかも平日の朝に来る観光客などいない。
誰もいないことを良いことに、普段はあまり行けないような奇岩の上に登って、
川のすぐほとりまで行った。結構迫力がある。
この水の勢いを写真に撮ることは無理だし、超低音から高音まで出ている
水の音もまた、録音できない。
直に見聞きする感動である。

氷が張っている場所はなかったが、雪がうっすら積もっているので滑る場所もあった。
事実、道路から川縁に降りる多くの階段は「凍結のため通行止め」になっていた。
行くなら自己責任である。

厳美渓の途中、と言っても一番端っこにしか居場所に吊り橋がある。
これが結構揺れて、特に重たい荷物を持っている身には怖かった、
と書いておこう。

今回は仕事の荷物が多くて小型のデジカメしか持ってきてなかったのが
非常に残念だったが、手当たり次第に撮った、「ここでは」。

        ・・・

バスで駅まで戻り・・・このバスが元々駅での乗り継ぎ時間が7分ほどしかないのに、
おばあちゃんが「バス停に財布を忘れてきた」と言って降ろして待ったために
(結局帰ってこなかったんだけど)、だいぶ遅れた。
駅に着いたら出発の1分前。また重たい荷物を持って階段の上り下りで滑り込みセーフであった。

この辺りの在来線はワンマンも多いようで(ワンマンしかない?)、
またこの季節はドアの開け閉めは手動になるので、
降りるとき、乗るときはボタンを押してドアを開ける必要がある。
車内放送で言ってくれたから良かったけど、
それがなかったら分からなかったであろう。

平泉の駅は一ノ関から北へ2駅、190円。
駅前には電動自転車のレンタサイクルがある、と書いてあったのでこれで回れば楽勝だろうと思っていたら、
なんと冬季は休止なんだと。凍結による事故を防ぐためであろう。
仕方ないので、ロッカーに荷物を入れて歩いていくことにする。
いや、最初はバスがあるというので乗ったら、行き先が違っていたので降りて歩くことにしたのだ。
中尊寺までは25分。

地図によって歩いていくと、ちょっと道から外れたところに柳之御所資料館というものが
あるのが分かったので行ってみた。無料そうだし。

この辺りは中尊寺を作った奥州藤原家の拠点があった場所らしく、
その遺跡がある。それを集めて展示しているのだ。
特にすごい展示があるわけではないが、量が少ない分じっくり見られる。
興味深かったのは便所に関する部分。汚いと思われるかもしれないが、
便所は人が生活する上で欠かせないものであり、当時の食生活や健康状態(寄生虫の化石
なども出てくる)環境なども分かる貴重な遺構なのだ。
もちろんここでも一人。
こんな日に誰も来るわけがない、と思っていたのであろうか、
空調も電気も切れていたが、入れてくれた。
ここには遺跡の展示の他に、北上川の治水事業や道路工事の紹介展示もあるのだが、
まあそちらには興味はない。「税金の無駄遣い?」ってな感じである。

ここからさらに北上川に沿って歩いていくと、
小高い丘の上に場所に源義経最期の地と言われる「高館義経堂」がある。200円。
後で観光チラシを見ると本当はここはこの季節閉鎖していると書いてあった
(11/21〜3/15)。
今年は明けているのか、今日はたまたまなのか。
ちゃんと入り口には人がいたので閉鎖しているとは思わなかったが。
入り口から階段を上がっていくとお堂があり、ここが義経堂である。
中にきれいで義経の精巧な像がまつられている。
(新しい像かと思ったら結構古いらしい。)

建物自体、きれいに見えたので古くないと思ったら江戸時代のものらしい。
実は、お堂へ上がるまでの間に宝物館がある(無料)のだが、
ここに縁起などが書いてある。ここには鎧や仁王像などの展示があるが、
先にここの展示内容を読んでからお堂へ行った方が良いと思う。
そうそう、ここにあった仁王像は他では見られないようなおもしろい造形である。
「愉快」と言ったら怒られるだろうか。

お堂とは反対側に行くと松尾芭蕉の句碑もある。
ここは芭蕉の句の中でも特に有名なあの歌が詠まれた場所である。

        「夏草や 兵共(つわものども)が 夢の跡」

この高台からは正面に北上川とその向こうに大文字などが見えるらしいが、
今日は吹雪でほとんど見えない。

もちろんここも1人であった。

さらにここから10分ほど歩くと中尊寺の入り口に到着する。
車で来るなら、ここに大駐車場があるので止めることになる。
そういえば前に来たときはそうしたはずである。

中尊寺の金堂は、実はこの入り口からさらに800メートルも先にある。
しかもその途中にはかなりきつい坂がある。
絶対にハイヒールなどで行ってはいけない。

ここで、今日初めて他の観光客にあった。
さすがに中尊寺くらいになるとこんな雪の平日でも人がいる。
それでも10人も会わなかったが。

中尊寺の境内に入るのにはお金はいらないが、展示物がある
金色堂讃衡蔵(さんこうぞう、だと思う)と金色堂拝観には800円必要である。
(どちらかだけというのはない。)

実はこの日はお昼抜きであった。
一ノ関では時間が泣く、平泉からここに来るまでの間、
いや、ここの門前でも店が開いてないのだ。
こんな日に客など来ないと思っているのであろう。
ということで、かなりばてていたので金色堂修復の行程を写したビデオを
見ながらしばらく座って休憩していた。

        「五月雨の 降り残してや 光堂」 芭蕉

ここで思わぬ事態が発生した。
デジカメが故障したのだ。
今回持って行ったデジカメは荷物の関係上CoolPix2200。
これは、電源を入れるとレンズが出てくるいわゆる沈胴式だが、
このレンズが出てこず「レンズエラー」が発生する。
(再生は可能。)
何度試みてもだめ。
雪の中で撮影し続けたので水滴が入り、それが折からの寒さで凍り付いたのであろうか。
特にレンズを強く押したなどということは無いと思ったのだが。

いずれにしてもどうにもならないが、やはり撮影はしたいので、
急遽売店に売っていた使い捨てカメラを買った。
無駄な出費だが致し方ない。
これを買うのは一体何年ぶりであろうか。
そういえばずっと前に山口旅行に行ったときに買ったとき以来だろうから、
もう10年以上ぶりだ。
雪の境内を何枚か撮影。

中尊寺を出て今度は毛越寺(もうつうじ)に向かう。
駅へ戻りがてらである。
途中に近道という看板があったので行ってみると、
途中に「平泉郷土館」というのがあった。
この辺りの歴史の展示をしている場所らしい。

なにやらたくさん人がいるなと思ったら、観光ではなく
ここは地域住民の集会場としても使われているので、それであった。

ここの展示は、最初に行った柳之御所資料館と似ている。
というかほとんど同じ。ただ、あちらが発掘されたものをそのまま展示していたのに対し、
ここは絵を交えて展示してあるのでわかりやすい。
実は先の資料館のアンケートに「展示だけでなく絵や模型を使った方がわかりやすい」
と書いたのだが、ここですでになされていたわけである。

ここには、発掘の展示だけでなく、この辺りの民家の構造、
それと義経にまつわる歌舞伎絵というか「昔の絵」の展示もある。
もちろん本物ではないが、なかなか見応えはある。
昔も義経の話はいろいろと題材にされたという証拠である。

ここでは、観光客らしき人には他に誰にも出会わなかった。

ここからさらに10分ほど歩くと毛越寺がある。
ここに着くころには雪もだいぶ積もった、というより一面雪景色になってきた。
3時前であるが暗い。
拝観料は500円。

ここでは本堂の他、庭園(の遺構を発掘して再現したもの)やいくつかのお堂、
宝物殿を見ることが出来る。
庭園と書いてはあるが、ほとんどは池である。
もちろん庭園としての意匠がある。
昔はこれを中心として回りにお堂が配置されていたようであるが、
今は本堂他いくつかが残っているにすぎない。

ここで会った観光客は他に2名のみ。

前に来たときはゴールデンウイークだったが、雪の庭園もなかなかに美しい。
ただ、広いので1枚では収まらない。
惜しむらくは、デジカメがないのでパノラマ撮影が出来ないことだ。
(デジカメでは後で結合してパノラマか出来る)。
デジカメはどうやっても動かない。

ちなみに、先に訪れた「高館義経堂」はここ毛越寺の境内という扱いである。
中尊寺と言いここと言い、在りし日の奥州藤原氏の勢いを思い知ることが出来る。

そういえば、前回来たときは寺の隣の敷地が発掘の最中であったが、
今日はきれいに整備されて公園になっていた。
ここにも池の遺構があったらしい。
私は、基本的に一度行った観光地には10年は行かないようにと思っているが、
今回はそれをクリアしている。
さすがに10年も経つとそこはかとなく変わっているものだ。
必ずしもすべてが良い変化とは限らないが。

宝物殿は、寺に伝わる像や(ほとんどが県の文化財指定)ここで発掘されたもの、
それと寺で行われる祭りに関するものなどが中心に
展示してある。
残念ながら、時間の関係で神事に関する展示はゆっくり見られなかった。
なかなかおもしろい神事のようであったが。

毛越寺を後にして駅へ向かう。
実は予定より1時間ほど遅くなっていたため、
この時間帯の帰りの電車を調べてなかったので、早めに駅に向かったのだ。
まあ、だいたい同じ時間に出るものであると予想は付いたのだが。
で、結局だいたいその通りだったので、7分ほど前に駅に着いた。
これくらいあれば余裕。
それにしても寒かった。

ちなみに、平泉は世界文化遺産にはまだ登録されていない。
地元ではそれに登録してもらおうとがんばっているようではある。
ちなみに、金色堂は国宝第1号だそうだ。

一ノ関へ戻る。
ここで雪国の列車の事実をかいま見た。
ドアを開けたら雪がこびりついてるとか、
電車の正面に着いている雪を駅の人がはたき落としているとか。
これから本格的な雪のシーズンであろう。

雪のシーズンと言えばこれも書いておくべきであろうか、この辺りの女子高生の出で立ち。
例外もいるが、多くが黒の厚めのタイツを着用していた。
にもかかわらずスカートはミニである。
寒いのは寒いけど、ファッションはファッションと言うところか。
微妙な女心?

一ノ関から仙台へ。
一ノ関に止る新幹線はだいたい1時間に1本しかないので45分ほど待ちがあった。
結局今日は昼抜きになったので、駅の売店にあった試食品とお茶でしのいだというのは
秘密、ではない。

新幹線は一ノ関を出ると、3駅ほどで仙台に着く。50分強。
仙台の1駅前まではがらがらだったが、そこで満席になった。
で、また仙台でどっと降りて、乗った人も多かったようである。
さもあらん、仙台は非常に大きな都市であった。
はっきり言って、駅から外に出て、何がどこにあるのかさっぱり分からなかった。
バス停すら分からない。
今日は朝から全く臭い連中と出会わなかったのに、ここで大量に出会ってしまった。
都会は臭くて嫌いだ。

{宿紹介}

        「千登勢屋旅館YH」

        宮城県仙台市青葉区小田原6−3−8
        022−2130−8001/222−6329
        http://www.ryokanchitoseya.co.jp

仙台駅から比較的近くにあるYHである。

仙台には大都市だけあって公共の宿もたくさんある。その中でここを選んだのは、訳がある。
他が割と高かったというのもあるし、空き部屋がなかったと言うこともある。
このYHは、名前からも分かるとおり旅館も兼ねている。
一般に、旅館もしくはホテルを兼ねているYHは質が高い。
(ホテル兼のYHはビジネスホテルの一部をYHとしているのだが、
ビジネスホテルの設備と全く変わらない。)
そういう読みでここを選んだが、しかして読みは当たっていたか?

部屋は4畳で2人入る。はっきり言って、これは「広くない」。
まあ昨日泊まった簡保は8畳ほどで1人だったので十分広かったので余計にそう思う。
YHなので相部屋。

ここのYHは門限がない。
YHにしては非常に珍しいが、仙台という大都市にあることや、
元が旅館ということによるのであろう。
ただ、相部屋の人間が遅く来られるとそれはそれで困る。
同じような時間に来る人間を相部屋にするのなら良いのだが。
さらに、「いびき」も大変。

夕食は取り立てていうほどの内容ではないが、
お刺身、ふろふき大根、手作りハンバーグ、お刺身(マグロとホタテ)、
(他1品くらいあったような気がするが失念)とご飯とおみそ汁と香の物で
なかなかにおいしかった。
量もちょうど。

お風呂は普通。広さはそこそこあってシャワーは4人分あるのだが、湯船が小さい。
大人1人、無理して2人入ったら一杯。
私が入ったときは1人だけだったのでちょうどだったが。
そういえば、この日はどうも私が最初に入ったらしく、電気が消えているのはもちろん、
浴室内が非常に寒かった。
こういう日はシャワーだけではだめだ。湯船に入らなきゃ。
でもちょっとぬるかった。

YHなので、タオル・寝間着・歯ブラシ類は持参が前提。
(ホテル兼のところは例外的にそれらがあるけど。)
テレビは無料。食堂にはジュースとビールの自動販売機あり。
部屋は完全禁煙。これが重要。
(1F外に喫煙所がある。)
あと、30分100円のパソコンがあるのと、
ノートPC持参の人には無線LANカードの貸し出しもあるらしい。もちろん有料。

        お勧め度        73%

YHから駅まではゆっくり歩いて25分。
行きは西口から出て向かったが、帰りは東口。

行きはホームページにあった地図に従ってきたつもりだが、
途中いかがわしい店の前を通らなきゃいけなかったり、
歩道がなかったり、曲がりが多かったりで結構わかりにくい。
バスもあるが、ますの待ち時間、バス停までの時間(宿からバス停もそうだが、
仙台のバス停も駅から遠いらしい)を考えると歩いた方が早いかもしれないとのこと。
ただ、今回のような非常に重い荷物があるとなぁ。

帰りは東口へ。
東口の方が道が最初に2回曲がるだけであとはずっと真っずぐわかりやすい。
距離もわずかに短い。駅もこちらの方が空いてるし。
ただ、駅の直前に来るまで駅が見えないので心配になる。
駅近くになると右斜め前方に駅が見えるのでそちらに行きたくなるが、
そこはぐっとこらえてまっすぐ進み続けるのが吉である。
(曲がっていって、結局遠回りになった。)

        ・・・

結局この日歩いた歩数は2万6千歩を超えた。
しかも革靴の雪中行軍。さすがにこれはつらい。
さすがに疲れた。
で、急遽今回のこの旅行をネタにすることを思い立って、
ちょうどここまでを書き上げて寝る。
そういえば、旅行途中にネタを書き始めるのは初めてだなぁ。
普通はPCなんぞ持っていかないからね、旅行には。

        ・・・

昨日の夜はあまり寝られなかった。
いびきもあるけど、やはり狭さから来る圧迫感からか。

そういえば、仙台と言えば楽天イーグルス。
地元では盛り上がっている・・・かと思いきや、確かに垂れ幕があったりするが、
今ひとつな気もする。
折しも昨日「岩隈」の楽天入りが決まった。
とりあえずテレビでは大きな扱いであったが。

仙台は軽く雪。

翌日はほとんど移動だけ。なんだけど、けっこういろいろとあった。
仙台〜大宮、大宮〜越後湯沢、ここからほくほく新線経由で直江津へ。
遠回りだが、中越地震で越後湯沢より先が12/27まで運転していなかったからだ。
直江津から柏崎へ。

まずは大宮まで戻り、そこから上越新幹線へ。空いている。
Maxたにがわ、ということでまた2階建て。今度は2階に乗った。
2階は3:3(1階は3:2で分割あり、可倒式)で、しかも分割なし=間に手すりなし、不可倒式である。
はっきり言って、近鉄のビスタカーはもちろん、無料である京阪の2階建てより悪い。
Maxに当たったときは特急料金割り引いて欲しいくらい。
やはりMaxは揺れる。横揺れ。高さが高い分揺れが大きいのであろう。
普通型の車両はほとんど揺れない(縦揺れ)。
さすがは(東海道と比べて)新規格路線と新型車両である。

Maxは2階建て、と言うことは車両内部に階段があるということで、
当然売り子さんも手持ちであり、あまり種類がない。
さらに、来る回数も少ない気がする。
さらにその売り子さんであるが、白靴下でかわいい雰囲気であった(^_^;)。
東海道とは違う。

今、東北・上越新幹線車内は警備強化でゴミ箱が封鎖されている。
私はあまり使わないので気にしないが、不便ではある。
東海等でもやってないのにね。

このときはまだ中越地震から復旧してなかったので、終着は越後湯沢。
(新潟〜長岡間も折り返し運転している。)
本来なら新幹線で長岡まで行って戻るのだが、今回は仕方ない、
越後湯沢、直江津、柏崎と遠回りする。
その越後湯沢直前にトンネルがあるのだが、出てびっくり。
一面雪景色ではないか。それも少々ではない。
大雪だ。
昨日の一ノ関も雪だったが、せいぜい地面が真っ白になっていた程度。
でもここはだいぶ積もっている。
被災地も近いのだが、大丈夫だろうか。
(後でニュースで聞いたところによると、昨日からの雪で20センチ積もったとか。)

越後湯沢からほくほく新線で直江津へ、
特急はくたか号。直江津までは約50分。
ほくほく新線は一応私鉄であるが、はくたかが乗り入れている。
はくたかは直江津までがJR東日本とほくほく線担当、
その先、通常は金沢まで、この日は加賀温泉・和倉温泉までが西日本である。
この直江津までの区間限定で車内でオレンジカードを売っている。
¥1000。限定という言葉につられて買ったが、
台紙がちょっといまいちであった。印刷の色調がおかしい。

時間は短いが、この車内で昼食。

{食料紹介}

        「いくらたらこめし」

        ¥1000(税込み)
        合資会社 川岳軒

ご飯、いくら醤油漬、しいたけ煮、たらこ、錦糸卵、付け合わせ、きざみ海苔、調味料(アミノ酸など)

越後湯沢で買った駅弁。
魚沼産コシヒカリを使っているのだそうな。

簡単に言えば、ご飯の上にいくらとしいたけ煮と、たらこと錦糸卵をちらしたもの。
ただそれだけ。
となると、自然各素材の味が重要になってくる。

いくら、しいたけ、錦糸卵はなかなかに、たらこはぷりぷりしてかなりおいしい。
で、自慢のご飯はどうかというと、これがいまいち。
もちろん芯はなく、つやや腰は悪くはないのだが、甘みが少ない。
包み紙の裏には魚沼産というか「しおざわ」コシヒカリの美味しいわけやコシヒカリ生い立ち
等が書いてあるのにである。

考えるに、この日は大雪で寒かったので、ご飯が冷えて堅くなってしまった性もあるだろう。
ご飯の本当のおいしさは冷や飯の時に解るが、とはいえ、あまり寒く堅くなったご飯では
それも解りにくい。ご飯には美味しく食べられる温度があるのだ。
低くても15度までだと思う。
今年は地震もあったので、今年の米ではないのかも知れない。
(地震は収穫後に発生しているが、倉庫などはやられたかも知れないので。)

        お勧め度        80%

量もちょうど。
これでご飯が能書き通りの味がしたらもっと上げたのだけど、残念。

        ・・・

そういえば、さっきの新幹線でもこのはくたかでも
ずっと携帯電話を触っている連中がいる。
若い連中ではない、中年のおっさん&おばはんである。
新幹線のおっさんは、2台の携帯電話を持ってなにやらやり続けていた。
データの移行でもしていたのだろうか。
「携帯電話に魂を奪われた連中」。
おぞましい。

列車に乗ると必ずと言っていいほど「汚く」足を組んでいる奴がいる。
どう汚いかというと、靴底の裏を見せているのである。
足が短いのに無理矢理組もうとするとこうなる。
もしくは太ももが太い場合もそう。
汚らしい。特に食事をしているときは絶対に止めて欲しい。
そもそも、足を組むのは背骨が曲がっている証拠なので、
かっこよくないのだが。

直江津までの間、途中までは一面雪景色であったが、
トンネル1つ1つを超える毎に雪の量が減る感じであった。
直江津ではあられは降っていたが雪は積もってなかった。
気温は11度以下(温度計が安定するまでに電車が来たので最終温度は不明。)

トンネルと言えば、ほくほく新線内では途中トンネル内で上下線のすれ違いのための運転停車がある。
めずらしい。
また、このほくほく新線は在来線最高速の時速160キロ運転に対応した高速路線であるが、
今日は雪が多いためか、揺れが少ないためか、その速度はあまり感じなかった。
直江津までおよそ50分。

このはくたかは満席だった。

はくたかの車両は681系2000番台。
サンダーバードと基本的には同じだが、
ほくほく線内のトンネルが狭いので突入時の気圧変化が高く、
それに対応するため気密を向上させたので2000番台になっているはず。

この車両、内装も良いし揺れも少ないし速度も速くて良いのだが、
1つだけ欠点がある。空調設備に欠陥があるのだ。
681系はトンネルに入ると気密を保持するため換気口を閉じるのだが
(これは新幹線も同じ)、このとき隣の車両の空気が流れ込んでくる。
隣が臭い車両だったりすると、その悪臭がもろに流れ込んでくるのだ。
せっかく禁煙車両にいるのに台無し。ましてや食事をしているときなら最悪。
681系はすべて禁煙にするか、車両間の換気を別にすべし。

直江津から柏崎は北越。時間からして、夏に新潟に行くときに乗る北越だ。
(3号。)
列車はかなりゆっくり走る。特に柿崎から先はゆっくりだった。
地震の影響か、夏の豪雨の影響か。
そういえば、夏も徐行していた。ただ、今回は夏より徐行区間が長いようだが。

途中で日本海が見える。
夏の日本海とはうってかわって荒々しい姿である。
すごい波。
列車が遅れているのはこの波をかぶるからだろうか。

直江津も柏崎も雪こそ積もってないが、あられ混じりのみぞれで寒い。

柏崎への到着は5分(以上)の遅れ。

柏崎ではバス待ちおよそ2時間。
丸大で買い物しながら待つ。
丸大には無料ロッカーがあるので至極便利。
(最初に100円必要だけど、返ってくる。)
もう少し駅から近ければ言うことなしだが(歩いて5分)、まあそれは贅沢と言うもの。

        ・・・

家について、荷物を下ろして早々にお寺さんへ挨拶に行く。
ここで地震の状況なども聞く。

椎谷地区は揺れも少なく大きな被害はなかったという。
家もお墓も。地層的にここは安定しているようだ。
(だから原発もこの地域にある。)
わずか10キロ20キロの違いで被害が大きく違うのだ。

ただ、椎谷入り口の海側の3軒が、倒壊したらしい。
原因は、意味との間にあった鉄筋でないコンクリートの壁がずれ、
そこに土砂が流れ込み、家の土台が傾いてしまったのだ。
少なくとも1軒は次の春に取り壊しすることになったそうである。
(冬は作業できないので。)
地震による直接被害ではないとおっしゃってたが、間接であれ被害は被害であろう。
翌日言われた場所を見に行ったが、私にはその状況は確認できなかった。
壁も家も傾いているように見えない。
場所が違うのかも知れない。

柏崎市内では北条(きたじょう)地区という場所以外では
大きな被害はなかったそうである。
大きな灯籠が倒れたり、石を積んだ塀が倒れたとからしい。
ただ、北条地域ではガスや国道の復旧なども雪解けを待つらしい、
当然今は仮設住宅生活。

地震があってからしばらくは家の中が怖かったのだそうだ。
収まったと思ってはいったらまた揺れるから。
それだけ余震が多かったと言うことだ。

椎谷ではガス、水道は全く問題なかったが、
電気は変電所がやられたらしく一時停電になったとか。
こういうときでも、自家発電を持っている建物では電気は消えなかったのだが、
とにかく建物の中にいるのが怖いと言うことから、
「こちらに来ませんか」と誘っても来られなかった(車の中で過ごした)人が
ほとんどだったとか。

地震は10月だったが、夜になると寒かったのが堪えたらしい。
毛布くらいではだめなのだ。使い捨てカイロが必需だと言われていた。
うちにも非常用リュックはあるが防寒具はない。返ったら早速
毛布とカイロを入れておこう(→カイロはすぐ入れた)。
あと、お寺だからろうそくがあるが、今は少なくとも大きなろうそくは
付けっぱなしにはしないそうだ。いつもなら本堂に1本は付けておくそうだが。
地震は火事も怖いから、これは仕方ない。

京都あたりでは一番ひどい地域;小千谷や長岡の情報はおそらく正確ではないけど伝わってくるが、
柏崎の情報は伝わらない。
それ故に心配も募るのだが、被害が少なくて良かった。

東北もここも日の入りが早い。
5時にはもう真っ暗。

夜はカレー。自分で言うのも何だけど、久々においしくできた。
私のカレーは牛乳を入れるのが特徴(辛さを抑えてまろやかにする)だが、
今回はさつまいもも入れた。これがちょうど良かったような気もする。

この夜は地震はあるは(私は気づかなかったけど、親戚は気づいたとか。震度2)
すごいあられは降るわであった。

部屋の中でもコートを着てたのは秘密。
部屋内温度5度以下。
12月の柏崎は寒い。京都あたりでは寒さに強いという私でも
ここではだめだ。

        ・・・

朝まずはお墓に行く。見回ったが、特に問題はなかった。
時間があるので海岸を通って観音堂へ行く。

海からは白い湯気が立ち上っている。
海水温が気温に比べ高いからか。
沖の方を見ても夏には見られないような不思議な雲が漂っている。
日本海は夏と冬で大きく姿を変える。

観音堂は、本堂は問題ないようだが、宝蔵の壁の塗りがはがれているようだった。
修理中ではあったが、かなりの広範囲に及んでいる。
また、参道途中にあった大きな灯籠の一番上の石が落ちていた。
おそらくこれも地震の影響だろう。

不動堂にも行ったが、こちらは地震の影響は見受けられなかった。

バスはなんと10時過ぎの次は13:30までない。
電車は14:19。バスで柏崎まで40分。普通ならぎりぎり。
ただ、今は地震の影響で長岡(正確には宮内)〜柏崎間は徐行しているので
最低10分は遅れるはず。それを考慮してちょうどくらい。
(宮内近辺の線路下の土が陥没してしまい、線路が宙づりになったそうだ。
おかげでその時そこを走っていた電車もまるまる1月動けなかったとか。)

こんな時に限ってバスが8分ほど遅れてくるは、途中でも+2分ほど遅れるわで、
通常の時間割なら絶対に間に合わなかったが、この電車の遅れのおかげで間に合った。
(結局電車の遅れは柏崎駅で15分、富山に着くときは約20分。)

柏崎から富山までは北越6号。
車内は平日と言うこともあってか空いていたのだが、
ところがどっこいぎっちょんちょん。
後ろの座席にいた奴がどうも「や」の付く自由業のおっさんのようでいやだった。
(その隣の席に座っていたのが子分らしかった。)
足を前の座席の背もたれにおいて寝てるし。
まあそれ以外に特に何かがあったわけではないが。

糸魚川あたりでは白馬方面に雪をかぶった山々が見えた。
ただ、まだ真っ白ではない。
昨日見た越後湯沢の雪はすごかったけど、今年は全体的には雪が少ないのかも知れない。

富山で待ち時間は、本来は約1時間15分。
本当はもっと短く接続も出来るのだが、富山でますのすしを買うためである。
それと今回は北越の遅れもこれのおかげで吸収できた。
北越が遅れても他の接続列車は待ってくれないのだ。
普通のますのすしならこんなに時間をかける必要はない。ホームでも車内でも買える。
特別なますのすしを手に入れるためである。

{食料紹介}

        「竹ずし」              ¥3000(税込み)
        「伝承館ますのすし」    ¥2000(税込み)
        源
        http://www.minamoto.co.jp/

全国的に有名な駅弁、「ますのすし」を作っている「源」の最上級ますのすし。
今回のネタに入れて書いているが、最初に買ったのは2004年の夏の新潟行きの時であった。

ますのすしは富山辺りに行けば源以外にも多くの会社が作ってるが、
少なくとも私が食べた範囲では源の物が一番おいしい。
他のはせいぜい「マスご飯」という程度だ。
(漫画「美味しんぼ」に出てきたのもこの「源」。)

その心は、源のますのすしは
・富山県産コシヒカリ
・新潟産天然熊笹
・飛騨高山(等)のエゾマツ製曲げ物=容器
・旬の時期に獲れた桜鱒

という素材にもある。コシヒカリは米のうまさであるが、
クマザサの包みや木製容器も大きな意味がある。
笹は殺菌効果の他その香りも食欲をそそるし、
木製の容器は適度な湿度調節を可能とするので、
ご飯のべとつきを避けるのだ。
本来ご飯は炊きあがったら、最低でもしゃもじで全体をかき混ぜて
過剰な湿気を飛ばす必要があるし、出来るなら木製のおひつに入れておくのがよい。
釜めしは別として、最近の駅弁のまずさの一因にはこの容器の性があると
思っている(プラスチック容器はだめ)。
そういえば、「いくらたらこめし」もプラスチック容器だったが、
美味しくなかったのはその性かも知れない。せっかくのコシヒカリなのにもったいない。

最後のサクラマスというのは、普通のますのすしには使われてはいない。
今回紹介の「竹ずし」「伝承館」の最大の特徴である。

源のますのすしには、極普通に知られている物の他に、いくつかの種類がある。
車内売りでは2段重ね、駅売りで特選、ます弁当(バッテラのような感じの物)、
1切れの物などがあるが、実は本店(他一部店舗)だけ、
もしくは本店以外では予約しておかねば買えない物がある。
その1つが「竹ずし」であり、もう1つが「伝承館ますのすし」である。
(ぶりずしとかは別ね。)

実は前々からその(竹ずしの)存在は知っていたが、本店でしか買えないものであり、
1日限定数しか作られず、しかも開店してわずかな時間で売り切れると聞いていたので
買えないものとあきらめていた。
ところが、2003年、富山の駅に近いマリエというビルの中にあるますのすしの店
でもらったチラシに予約すれば買えるようなことが書いてあったので、
満を持して2004年、予約を入れて買ったのである。
そして今回の帰りにも。

まずは竹ずし。

直径5センチはあろうかという立派な竹筒に入っている。
そしてその中に笹にくるんでますの寿司が入っている。
まずこの笹の香りからして違う。
普通のますのすしはそれほど笹の香りはしないが、
これは建の良い香りが立ち上る。
おそらく、竹筒の中に入っているので笹の香りが逃げないのだろう。

マスの身の厚さ1センチはあろうか。
普通のますのすしは「カラフトマス」という種類だが、これは天然サクラマスを使っている。
非常にきめ細かくさらりととろける感じである。
厚さ1センチでも全く堅さがない。
脂ものっているがこれがとろける。
ご飯との調和も絶妙。
普通のますの寿司の酢飯には若干酢のきつさがあるが
これにはそんな感じがまったくない。
あっという間に食べきってしまった。
食べ物で感動するのは久しぶりだ。

竹ずしは1本1本手作りであり、入れ物には料理人の名前も入っている。
その自信の程が伺える。
単に素材を集めただけでなく、その扱い方こそが「料理」である。
ますのすしの芸術品と言って良いだろう。

        ・・・

一方、「伝承館ますのすし」は、中央から観音開きにする特製の箱に入っている
とはいえ、中の容器自体は普通のますのすしとほとんど変わらない。
違いはマスと酢飯。
ますは竹ずしと同じサクラマス、酢飯も同じと思われる。
ただ、身の厚さは普通のますのすしと同じである。

これも身はさらりととろける感じだが、身が薄い分味の印象も薄くなる。
このため、全体としては「おいしいますのすし」という感じになる。

伝承館ますのすしは、米は越中米の中からもっとも押し寿司に適したコシヒカリを、
お酢も純米酢を使っていると書いてある。竹ずしも同じだろう。
お酢の純米酢と人工醸造酢の違いはお寿司にするとはっきりする。
ますのすしの酢には全くきつさがない。

伝承館ますのすしも手作りである。
本来は、「ますのすし伝承館」というところ(ここに見学コースがあるらしい)で
1日100個限定で販売しているらしい。
これにも料理人の名前が入っている(箱の裏なので気づきにくいかも知れない)。

        お勧め度        竹ずし  100%
                        伝承館  91%

ひさしぶりに100%を出そう。
本当においしいものを食べると怒濤のように食べきってしまうと言うが、
まさしくその状態であり、その余韻にしばらく酔ってしまう。
竹ずしのこの味で3000円は決して高くない。
予約して買うに値する。

今回は、先に竹ずし、後の伝承館を食べたので伝承館の評価が下がってしまったが、
おそらくこの逆で食べる、もしくは伝承館だけ食べればもっと評価は上がったはずである。
竹ずしは、量は伝承館(と言うことは普通のますのすしも同じだが)の量の
2/3から半分くらいしかないので、量を求める人には伝承館である。

ここで2つ注意。

・本店以外に入荷されるのは午後1時
従って、予約は3日前までにと言うことではあるが、
店での受け取りが午後1時より前になるならもう1日前に頼み、
受け取りの前日に入れておいてもらう必要がある。
(最近の冊子にはちゃんと4日と書いてある。)
実は2004年度はそれを知らずに11時受け取りなのに3日前に予約を入れ、
本来買えないところを「京都から」と言うことで、無理矢理
前日店売り(こちらは予約無し)の分を1本ずつ回してもらった。
ちなみに、富山マリエ店は富山駅下車3分ほどの場所にあるが、
駅での階段上り下り、出口での途中下車の手続き、支払い等考えると
やはり最低15分はないと買うのは難しい。

・1日竹ずし20本/伝承館30折限定である
また、予約を入れたら絶対に買えるというものではない。
1日の作成数に上限があるため、予約もこの範疇でしか受けてもらえない。
2004年は帰りも頼もうとしたが、さすがに8/16はもういっぱいで買えなかった。
そういう混雑期にはもっと前から予約を入れるべきであろう。

・・・等と注意を書いたが、実は県外への発送もしてくれるそうである。
この場合は本店へ注文する必要がある。
(受け取りに行くなら各店舗で予約可能。)
        本店    076-429-3100
本店は富山駅からは遠く、富山空港に近いらしい。
なお、年末年始は交通事情が悪いので発送はしないとのこと。
一部商品はホームページ上から購入も可能だが、この2品は不可。

源のますのすしは
        普通(1100円)〜特選(1500円)〜伝承館(2000円)〜竹ずし(3000円)
となるわけだが、
普通でも十分おいしいが、それぞれにちゃんと差があってそれらを食べ比べるのも又
おもしろい。

ますのすし伝承館というところにも、いずれ行ってみたいものだ。

で、今回買った分は家へのお土産なので、上記「味」は夏の食べた感想。
今回もおいしかったので、基本的な評価は変わらず。
ただ、ますのすし(だけに限らず、一般的にすし)はあまり冷やすとおいしくない。
ご飯が堅くなるからだ。
夏は温度的にちょうどだったが、今回は寒かったのでご飯が冷えて堅くなり過ぎた
ようであり、ちょっと夏よりご飯のほぐれ方が良くなかった。
室温で丸1日おいてから食べたらそうだったので、電子レンジで温めるというのは
だめだけど、ストーブの前に少し置いとくのが良いのかも知れない。
適温は15〜20度と書いてある。

で、今回夕食のために買ったのはこちら。

{食料紹介}

        「富山 味づくし」

        ¥1000(税込み)

ご飯、ますのすし、煮物(かぼちゃ、竹の子、ふき、その他)、ぶり味噌漬、ます昆布巻き、
ますひれうま煮、さといも田楽、ばい貝うま煮、大学芋、ブロッコリー、たこうま煮、きんぴらごぼう、
べっこう、ほたるいか、白海老、付け合わせ、調味料(アミノ酸など)

2段の箱に入った駅弁。
駅弁と書いてはあるが列車内では売られていないし、
富山駅構内の店でも売られているかどうかは不明。
買ったのは先に書いた富山マリエ店。

富山の海の幸を中心としている。
少量多種、おかず中心。
ちゃんとお品書きが入っているのも、ネタに書くにはありがたい。

一の重
        ます昆布巻き、ますひれうま煮、かつお風味のブロッコリー
        卵べっこう、昆布かまぼこ、ばい貝うま煮、ぶりの味噌焼き、
        ヒズと大根のお酢和え、ほたるいかの浜焼き
        白えびの浜焼き、大学芋、たこのうま煮

二の重
        さといも味噌和え、きんぴらごぼう
        煮物(かぼちゃ、たけのこ、ふき、しいたけ)
        ますのすし、ひょうたんご飯(赤しそ、青しそ)
        赤ワイン漬けらっきょう

ますを使った物が多いのはますのすしを作っている源ならではだろうか。
多くはお品書きだけで物が想像付くだろうが、いくつかわからないものもあろう。

「かつお風味のブロッコリー」とは、見た目は単なるブロッコリーだし
味もそうだと思うのだが、ちょっとかつお風味が付けてあったらしい。
その程度。
「卵べっこう」とは、寒天状の物の中に溶き卵が入っているようなもの。
少し甘い。
「白えび」とは富山湾特産のえびで小型のえびではあるが、
駿河湾の桜エビに比べると2周りくらい大きい。味は思いの外淡泊。
そういえば、ばい貝うま煮には青ぎんなんも添えてあった。
この季節だからだろうか。
「ヒズ」というのは鮭や鯨の頭部の軟骨のことらしい。漢字で書けば「氷頭」。
ここに入っているのは鱒のそれかも知れない。骨だけど透明(この透明なのを
氷と表したのであろう)で柔らかくこりこりしている。初めて食べた(と思う)が、
おいしい。実は後日鮭の氷頭を買ったが余りおいしくなかった。
やはり味付けにポイントがあるようだ。

素材も良いし、味付けも良い。
味わって食べるべし。
ご飯は上記の通り、赤しそ、青しそ混ぜのひょうたん型の型押し2つとますのすし1きれと多くない。
ご飯が量多く欲しい人には不向き。

        お勧め度        93%

源は、「ますのすし」「ぶりずし」の他にもいろいろとお弁当を作っているが、
今まで食べたものは全てはずれがない。
少なくとも、価格相応以上である。
これなら駅弁として少々高くても納得いく。

駅弁と言うだけで、まずい弁当に高い価格を付けて売っている
メーカーには源の爪の垢でも煎じて飲ませたい。

        ・・・

富山も寒いが、柏崎に比べれば暖かく感じる。

ここから京都はサンダーバード。
富山を出発してしばらくは空席も目立ったが、福井あたりから満席になった。
多くがビジネスマンらしかった。

本当はこの後の土日も新潟にいても良かったのだが、
車がないのでどこにも出かけられないので、
暇をもてあますのが目に見えていたこと、
それと最近は疲れが溜まりやすいので土日は十分休みたかったので帰った。

京都まではひたすら読書。

{書籍紹介}

        「良寛 魂の美食家」
        
        藤井宋哲
        650円
        講談社現代新書
        ISBN4-06-149226-8

ずいぶんと前に買って、一度読んだことがあるのだが
まだ紹介してなかったので(名前は一度ネタに出したことがある)。
最近良寛さんのDVDを買ったので、書籍も読み返したくなったのだ。

自らも禅宗の僧である筆者が、その体験も折々に混ぜながら
良寛さんの歴史、そのおいた知多即席、他に人との交わりについて
紹介したり、その生き方や考え方に対する考察をしている。
良寛さんの書いた漢詩からの引用も多い。

良寛さん関係の本には、子供向けの童話と、
自己陶酔しているとしか思えないやたら難しい研究本に
分かれる傾向があるが、これはそのどちらでもない。
良寛さんに親しみをこめてつづっている。

DVDを見た後に読み返すと、DVDにあるいくつかのエピソードがこの本では抜けている。
ページの都合か構成上の思惑かはわからないが、
DVDの裏付けをとるという意味では、この本だけでは不十分である。

        お勧め度        79%

読みやすい本の部類には入るので、初めて良寛さんの本を読む人にも
いいかも。

        ・・・

ということで、なんかぼ〜っとしている内に京都に着いた。
着いてみると、長かったなぁと言う気がする。
それと、やはり冬場の新潟の寒さは伊達じゃないなと。
今回は珍しくズボンも冬用にして(京都では通年夏用)、丸大でタイツも買って着用と
防寒をしっかりしていったつもりだったが、それでもまだ寒かった。

ここまでは疲れてはいても良い気分だったのが、
京都駅から自宅まで乗ったタクシーがやたら臭くて最悪で台無しになった、
と言うことは最後に書いておこう。京都のタクシーには
MKの様に(たぶん)全車禁煙の所の他に禁煙タクシーもあるが
余り数は多くないし、外見から見分けにくい。
ここは1つ、ハッキリ「禁煙かどうか」を解るようにしてもらいたい。
上のサインに書き入れるとか(そういう車もあるにはある)。
臭い奴は諸悪の根元である。

以上。
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