「静岡旅行」(2002/01/07〜2002/04/08号)
2000年の5月GWの旅行は「静岡」に行ってきたのである。
(そのときのネタをようやく今になって出せるのであった。)

なにせ2月の例の旅行(お勧め度0%が出たあれ)が史上最低だっただけに、
今回の旅行にかける意気込みは、そりゃ並み大抵ではない。
・・・等と書くと大げさだけど、それなりに気合いが入っていたのは間違い無い。

2月の時は余り時間をかけずに決めてしまったが、
今回は3月頃から綿密に計画をしたのである。
もっとも宿と切符以外、観光ポイントは「現地で決める」で望んだのであるが。

今回の旅行のポイントは、

        1、公共の宿を使う
        2、混みそうな所は出来るだけ避ける
        3、少ない場所をゆっくり回る
        4、子供連れでの初の2泊

である。
1は、公共の宿なら安いからであり、万が一外れでも諦め切れるからである。
2は鳥羽&伊勢が混雑しすぎでそれだけで疲れたから。
3は最近の旅行ではいつも心がけているので変わってない。
(昔は1箇所2時間で、出来るだけ回っていた。いやぁ、今考えると忙しい旅行
だったことで。)
4はその通りであるが、その分子供に負担をかけるので、
観光において子供に負担をかけない注意が必要なのである。

結局2泊目に、かねてより招請のあった静岡の友人宅(そこも子供がいる)へ
泊めてもらうことにして、「安く(^_^)」「地元民に案内してもらう」
「子供のいる家庭なら子供も遊び相手がいて良いだろう」という判断から
この静岡旅行を計画したのであった。

        ・・・京都→静岡・・・

京都駅まではタクシーで行く。

京都市内は狭い上に混んでいることが多いので、自分で車を運転しない方が
気楽で良い。京都駅近くでは暗黙のタクシーレーンと言うのがあって、
一般車が紛れ込んでしまうと困ったちゃんになったりするらしいので
余計である(このタクシーの運転手に教えてもらった)。

それにしても京都駅は非常に混雑している。
なぜか?と思ったが、京都は観光都市なのである。
従って、こういう連休には人が大勢繰り出してくるのは当たり前
だったりするわけである。
日頃住んでいると気が付きにくいが。

新幹線で京都から静岡までは2時間。
ご存じの通り、静岡駅にはのぞみは止まらない。
ひかりも停車するのは1時間に1本だけである。
さいわいそのひかりが取れたのでそれで行くことにした。

新幹線の感想、ちょっとだけ。
・途中、名古屋でかなり人が減った。
 名古屋までこだまで行き、そこで乗り継ぐと言う手もあるかも知れない。
・静岡駅前より浜松の方がかなり大きそう。
 (静岡に止まるひかりは浜松も必ず止まる。)
・静岡駅停車中に、このひかりはのぞみと別のひかりに抜かされる。
 そのため、5分ほど停車している。
(実はこの2週間後に再び静岡停車のひかりに乗ったが、
やはりのぞみに抜かれた。)

        ・・・

静岡駅前は、意外にも都市中心らしくなく簡素である。
(後でその理由は推察出来たのであるが、この時は解らなかった。)

着いた時がほぼ御昼だったので駅隣接のアーケード(?)にあった
「洋食屋風レストラン」で食事。
味噌カツ丼とハヤシオムレツ。
ここはなかなかに良かった。対応(子供がいる人への応対)、値段、味共合格である。
(店の名前を控えるのを忘れたので紹介出来ないのが残念である。)
まずは幸先の良いスタートである。

駅のコインロッカーで荷物を置いて観光しようかと思ったが、
2箇所あったコインロッカーは全て使われていたので、
止むを得ず、先に宿に行ってそこで荷物を預かってもらってから
今日の最初の観光ポイントと決めた「九能山東照宮」に行くことにした。
(電話で確認したらOKであった。)

        ・・・駅前→宿→九能山・・・

今日の宿は警察共済の宿「芙蓉荘」。
案内によると駅前からタクシーで10分らしい。

タクシーに乗ってしばらく。
何か狭い道をだいぶくねくね行くので「ひょっとして、地元を知らないから
といって遠回りに行かれているのではないだろうか」等と思ってしまったほどで
あるが、そうではなかった。

後で地図を見て気がついたのだが、静岡の駅近くと言うのは
旧駿府城を中心として形成されている昔の城下町の道路体系そのままなのだ。
碁盤の目のようにはなっているが、それらが狭く入り組んでいる。
(京都もそういうところがあるが、京都よりもっと狭い。)
このため、目的の場所に行くのに真っ直ぐというわけには行かないのだ。
静岡駅前に大規模な開発がないのもこのためであろう。

直線距離でいえば、静岡駅前から芙蓉荘までは2キロちょっとのはずだが、
実際にはタクシーで1200円を越えてしまう。

タクシーに待っていてもらい、宿で荷物を預かってもらう。
必要物だけを取り出して、再度タクシーに乗って九能山へ向かう。

が、この九能山までがまたなかなか着かない。
九能山は宿から見て駅の反対側にある。
観光本で見た感じではそんなに遠くないと思ったが・・・。

結局30分ほども乗っていたのだろうか。¥4000強。
かなり走って九能山の麓についた。
後で調べたら、芙蓉荘からここまでは10キロ以上もある。
先に書いた通り、宿から駅までは狭い道だし、駅の反対側はましだとはいえ
距離はあるので、まあ、これなら時間もかかるはずだ。

        ・・・九能山・・・

九能山は静岡駅からまっずぐ南下、海岸沿いを東に行ったところにある。
ここは何で有名かと言えば、かの徳川家康の墓である。

観光本によるとこの山にはロープウエイがあるらしい。
まあそれなら子連れでも大丈夫だろうと思い来た。

しかし、麓にはそれらしき駅は見あたらない。
まあ、少し上がったとことにあるのかも知れない。
そう思い、九能山の鳥居(一の鳥居)をくぐり、階段を登っていった。

それにしても、こりゃまたぼろぼろと言うか、歩きにくい石段だ。
鳥居から直ぐのあたりの坂の部分はまともに歩きにくいほど。
少し進むとましになるが、結局上まで石段は古びていて歩きにくいところが多い。
参拝客が多いのでこうなったのだろうか。

それにしても、長く続く急な石段。
ひぇ〜一体どれだけ登ると駅があるのだ?
こんなに登ってからロープウエイがあっても意味がないぞ!

しかし、ここから見える海の景色はなかなかに素晴らしい。
この日は実に良く晴れていて遠くまで見通せる。
西は御前崎、東は伊豆半島まで見えた。

そういえば、この九能山の植生は少し変わっている。
少し南国っぽいのだ。
自生のソテツがある。
この日はとても良い天気で暑かったが、
元々暖流である黒潮が直ぐそばを流れているので、暖かなのだろう。

途中に一の門という門があるが、ここまで来てもまだ駅はない。
降りてくる人に聞けば、もう少し行ったところだと言う。
ひょっとすると、別の登り口があったのだろうか。

さらに行くと九能山東照宮があった。
そしてその真横にロープウエイの乗り場が。
「おぉ、こんなところに。しかしこれって・・・」

そう、ロープウエイはこの山に登るためのものではなかったのだ。
日本平というところへへ行くためのものだったのである
なんてこったい。

        ・・・日本平・・・

東照宮を拝見する前に、先に日本平へ行くことにした。
ロープウエイは大人往復¥1000。5分、1065m。

日本平とは、名前には聞いているがどういう所だろうか。
ロープウエイは九能山から下るのではなく、谷を渡る感じである。
実際には日本平の方が高いので登りながら隣の峰に行くこととなる。

ここから九能山の方を見ると、遠くに海、手前に九能山となり、
海の中に山があるように見えてとても美しい。
ここで写真を撮ると太平洋の黒潮の中に立っているようにも見える。
ロープウエイの駅の上が展望台になっているが、ここより駅を出て直ぐ前の
ところの方が良い。
この展望台のところから鯉登りが泳がせてあるのだが、
これがまさに山と海戸を背景に宙を泳ぐように見えて勇壮である。

ここからさらに少し、テレビの塔が立っている方向に登った先に
富士山が見える場所がある。

・・・っと、その話をする前に、その場所のちょっと手前に1つの銅像がある。
「赤い靴はいてた女の子」のものである。
「赤い靴はいてた女の子」の歌は誰でも(1番は)知っているとは思うが、
実に物悲しい物語である。
私も全く知らなかったが、あの話は実話らしく、
女の子の話は静岡と北海道にまたがるものであるらしい。
親と別れ、さらに病気故育ての親とも別れることになった
少女の話で、くわしくはここの銅版に書いてあるのだが失念してしまった。
素の別れてしまった実の親と少女をここに銅像の姿であれ再会させようという
ことである。
ううう、泣けてくる。
「異人さんにやられちゃって・・・」等というお下劣な替え歌を作っていた自分が
恥ずかしいのであった。
ぜひご覧あれ。

        ・・・

ここからは富士山が斜め前方に見える。
焼津と思われる町を眼下にして、その向こうにそびえ立つ富士が見える、
絶好の場所である。
とは言え、はっきり見える日は少ないらしいが、
この日は実にはっきりと見えた。
頂上付近にまだ残雪を称えたその姿は実に美しい。

が、正直なところ、この角度から見る富士山は
その斜面上にある別の山のために少し形がゆがんで見える。
江戸時代の噴火によって出来たものだったと記憶するが、
少し残念である。
もっとも、それまでも良く見えると言う意味では良い場所に違い無い。

そういえば、このロープウエイ乗り場と富士山が見える場所の間に
広場があるのだが、ここに珍しい白い藤の花が咲いている。
藤の花と言うのは紫色であるが、ここの藤は白なのである。
別の花ではないかと思われるかも知れないが、咲き方も匂いも
藤にそっくりである。こういう藤も稀にあるのか、
藤の中でも種類が違うのか、それとも本当に全く別の花か。
何にしても、しばらく見とれるに値する花である。
(ビデオに撮影してある。)

ここ日本平には動物園や世界の昆虫館(これは5月に出来たばっかり)
なるものがあるようだが、どこにあるのか解らなかった。
まあこれも次回にチャレンジであろう。

        ・・・九能山東照宮・・・

再びロープウエイ乗って九能山側に戻る。

あ、いやその前に。
実は日本平側のロープウエイ乗り場の前から静岡駅前行きのバスが出ている。
        「が〜ん!!」
ロープウエイの切符をすでに往復で買っていたし、
九能山東照宮もまだ見てないから戻るしかないのであった。
今度来る時はこのバスにしよう。

このロープウエイにはガイドさんが乗っているが、
その日との話がおもしろいんやら、単なるだじゃれなのか、
良く解らないが、それとなく印象には残ったりする。

昔は九能山と日本平の間にハイキングルートが有ったらしいが、
ある年の台風で崖が崩れてしまって以後、閉鎖されたのだそうだ。
今でも崖の上に当時そこにあった茶店の土台このコンクリートだけが残っている。

それはそうと、窓から周りを見渡すと、
先に書いた通り海と山のコントラストがすばらしいが、
山は山で藤の花が咲き乱れていて美しい。

そういえば、このロープウエイの駅にはスタンプが置いてあるが、
これが双方で少し違う。
スタンプ集めの人は要注意である。
(スタンプ集めは、ただで出来るので良いのである。
私も出来るだけノートを持て行くようにしている。)

ロープウエイを降りて東照宮に入る(¥500位)。
先にも書いた通り、ここは徳川家康を祭った(いわゆる東照神君)ところであるが、
同時に豊臣秀吉と織田信長も祭ってある。
この当たりは実に家康らしい配慮かもしれない。

ここの見物は社殿・楼門、それに神廟(しんびょう)即ち徳川家康のお墓である。
社殿・楼門は実に、見事な作りで徳川の威信を感じる。
神廟はいくら徳川家康のとは言えお墓であるので、それ以上でも以下でもない。
ただ、この地を選んだと言うのはさすがと言う感じはする。
実に風光明媚な場所だからなぁ。

直ぐ横に九能山東照宮博物館というのがあり、ここに徳川縁の物品が
展示されているそうであるが、この日は時間もないので止めた。
次回にチャレンジである。

ちなみにここの見学は年中無休ではあるが午後5時までである。
(4/1〜9/30は8:30〜17:00、それ以外は9:00〜16:00。)
まあ、こういうゴールデンウィーク中は人が途切れるまで、
もっと遅くまで開けているようであるが。
臨機応変って良いなぁ。
(この時もすでに五時直前であったが、まだ人が多かった。)

さて、またあの石段を降りて行くことになる。
今度も子供をだっこしてである。
下りなのでまだ良いようにも思うが、
実は足にかかる負担は下りの方がずっと上である。
それでも登りよりかは短い時間で降りきった。

一の鳥居の前には土産物屋が並ぶが、ここに登る前から気になっていた物があった。
苺100%のジュースだ。ジューサーの中に入っているのがおいしそうである。
もうすでに5時を回っているので人も少なく、そのため
土産物屋もほぼ開店休業状態(店に人がいない)だったが、
少し先の店で飲むことが出来た。

味は、混ぜ物なしの苺100%だろうからか、
色目は赤と言うより少し紫がかり、そこに種も混ざって少し黒もあると
結構すごいのだが、甘ったるくなく実にさわやかである。
(後で解ったが、GWは苺の季節としてはすでに外れているので、
本当に一番おいしい季節に飲めばもっとおいしいのだろう。)

        ・・・

ここから駅まではバスがあるのだが、この本数が少ない。
で、しかたなくまたタクシーを乗ることにした。
幸い、麓にタクシー会社があるのでここですぐ乗れる。

そういえば、静岡のタクシーの初乗りは610円だけど、
後の上がり方が激しいような気がするのは気の性だろうか。

この九能山の麓にはたくさんの苺農園がある。
その客引きの様子は、夏場の新潟での浜茶屋のそれににていると思ったが、
そう言って解るのはそういう地方の人だけであろう。
1〜5月までは苺狩りが出来るらしい。
苺だから「1〜5」と覚えろとは、ロープウエイの中でのガイドさんの言葉。

タクシー運ちゃんによると、おいしいのは1、2月からせいぜい3月半ばまでで、
この頃の物は地元の人でもおいしいと言うが、それ以降は駄目と言うことだった。
この日も多くの観光客が来ていたようだが、余りおいしくない物を食べていたわけだ。

さらに、ここでお土産にされている苺は地元の物ではなく、
他から持ってきたもののようである。
お土産に回す分がないんだとか。
Made in Chinaのアメリカ土産みたいなもんかねい。

        ・・・芙蓉荘・・・

今日の宿は公共の宿、警察共済の芙蓉荘である。
うちは家内が公務員と言うことで使ったが、
別に普通の人でも使える。いわゆる観光本には余り載っていないだろうし、
駅から遠いので知る人ぞ知るではあろうが。

ホテルのような立派と言うか派手な建て屋でもなく、
こじんまりと見えるところである。
もっとも、それでも本館と別館の2つがあるし結婚式も出来るようなので、
見た目以上に大きいのであろう。

手続きを済ませて部屋へ通してもらう。
(なかなかに良い対応である。)
通路や扉などは古さも感じるが、部屋はなかなかだ。
ここは景色を楽しむ宿ではないので窓から見える景色は大したものではないが、
静岡は緑が多いので、悪いものでもない。

部屋に着いて、まずはお茶で一服。
なんかおいしいなぁ。

静岡は御茶の名産地の1つだからお茶がおいしいのは当然とも思えるが、
その理由の一つには水の良さもあると思う。
静岡の水は地下水が元になっているそうで(多分富士山が大本だろう)、
日本でも有数の良さと聞く。
確かに水道水で飲んでもおいしい。

食事へ。

食前酒がおいしい。
甘くて良い香りがする。
この香りは記憶にあるのだがのだが、なかなか思い出せない。
しばらくしてやっと解った。苺のワインである。
今日九能山で飲んだ苺のジュースの香りに似ていたわけだ。
(お土産にも買って帰った。¥1000。でも作っている会社が函館にある
というのが?である。)

¥3000コースと¥4000コースを頼んでいたが、
違いは肉の薄切り(すんません、料理の名前を知らないもので)が
あるかどうかだけである。量的には¥3000でも十分。

一品一品皆おいしかったが、中でも一番良かったのが
シラスを海苔状に固めた(集めた)物を入れた御吸い物。
それを少しいぶしてから入れてあるようで、実に良い香りと味であった。
子供も喜んで飲んだほどである。

刺身はもちろん冷凍ではない。
その他の品に付いても手抜きはないとみた。
実に良い仕事である。
実に心地よく満腹。

それにしても、人が少ないなぁ。
ゴールデンウィークにこれでは大丈夫なのかなぁ。
まぁ、こちらとしてはこの方がいいんだけど。

因みに朝食は極普通の和食ものだったが、やはりおいしかった。
わさび漬けが出るのはさすが静岡と言ったところか。

風呂はまったく普通のもの。特に景色も何もない、大きいお風呂というだけ。
銭湯みたい。
部屋にも風呂はあるが、こちらはユニットバス。
部屋にはあらかじめタオル・髭剃り、櫛、石けん、はぶらしその他いくつかが
セットになったものが置いてある。
ホテルなら普通だが、こういうところでもちゃんとあるのが「良」。
(あの馬鹿ホテルにはこれすらなかったけど。)

そういえば、部屋には「ヘアトニック」と「ヘアリキッド」もあったんだけど、
ここで疑問が。この2つってどういう違いがあるんでしょう。
いえ、日頃こういうもの使いませんもので。
単に、油性と水性の違い?

これで2人で2万円ちょっと位。
これでおいしい食事と良い対応なのだから素晴らしい。
積極的にお勧めしておこう。
これを思うと、どこぞのホテルが最低の食事&対応で4万もしたのは、
やはりぼったくりとしか言い様がない。

追伸;トイレットペーパーが2重巻きものであったのも
高ポイントであった。ビジネスホテルなんて、軒並み1枚の堅い紙だからねぇ。
あれ、痛くって(^_^;)。

        ・・・城北公園→臨済寺・・・

この日は午後から友人のいる富士へ向かうが、午前中は特に予定を立てていない。
昨日のタクシーの運ちゃんに教えてもらったのだが、
芙蓉荘の近くにもいくつか見るべき場所があるらしい。

今回は特に、どこどこと見学場所を決めてきた旅行でもなし、
地元の名所は地元で探せ(聞け)がモットーなので、
聞いた場所にいこうと思うのである。
もちろん、荷物は宿に置いてである。

芙蓉荘の直ぐ近くに城北公園(じょうほくこうえん)というのがある。
ここは静岡大学跡らしいが、なかなかに趣向が凝らされていて面白い。
小さな滝のようなものを持つ流水あり、花を咲かせる木ありで、
ただ歩いているだけでも良いところである。

この公園の中に足の裏のつぼを刺激する装置(?)がある。
装置と言うより施設か?
要するに地面に石が埋め込んであってその上を歩くのであるが、
これがまた痛いの何の。
でも、我慢して少し歩く後しばらくすると、体が暑くなり、
また全身のこりがほぐれるように感じがして実に気持ち良い。
足の裏は第二の心臓と言うが、ここを刺激することは相当に体に良いらしい。
家にもこういうものを買おうかな。

ここに、今まで見たことがない白い花を咲かせる木があった。
正式名称は忘れたが、俗称「なんじゃもんじゃの木」というらしい。
その由来は、かの水戸光黄門こと水戸光圀がこの木を見て
「この木はなんと言う木じゃ」と聞いたところ、
それが聞き取れなかった地元民が「なんじゃもんじゃ?」と聞き返したのを聞いて
「そうか、なんじゃもんじゃの木か」と言ったことかららしい。
おもしろい話である。

この木は小さい花がたくさん集まって華やかに見えるのであるが、
この静岡と対馬(だったかな)にしか自生しないそうである。
なぜにこんな離れた2箇所で自生するのか。
不思議である。
まさに「なんでじゃ?」

この公園の端から道路を渡ってしばらく行くと臨済寺という禅宗の寺がある。

ここは今でも修行僧のいるお寺で、境内には入ることが出来ないが、
外から見ていても立派なことは解る。
また、門前に松、横の池につつじ、裏山には藤と見所がある。
つくづく残念なのは中が見られないことである。

因みに、このお寺は今川家の菩提寺だそうで。
徳川家康ゆかりの品も多いとか。
道理で立派なはずだ。

        ・・・浅間神社・・・

臨済寺から公園の方に引き返し、そこから道路に沿って西に、
そう500m以上歩いただろうか、そこに浅間神社がある。
「あさまじんじゃ」・・・ではない。「せんげんじんじゃ」と読む。

ここは今川義元が建てた神社である。
(ただし、瓦などには徳川の御紋が入っているので、徳川の時代に
改築などされたのだろう。いやに綺麗だと思ったら、
極最近改修されたとのことだった。)
そもそもはお寺と神社がいっしょにあったらしいが、
明治の神仏分離政策の時に神社にしたらしい。

正面の拝殿は実に大きな作りで、一見二階建てに見えるが、
他だ単に中央部の天井が高いだけらしい。
その中には見事な天井絵などがあるらしいが、
七五三などお参りしなければ入れないらしいので、見ることは出来なかった。

静岡と言うのは登呂遺跡あがることからも推測される通り、
昔から人が済んでいたところであり、
特にこの浅間神社あたりに市があったと言うことである。

ここにはボランティアの説明員がいるので、話を聞くと良い。

そういえば、ここといい昨日の東照宮と言い、このあたりの神社には
1つの特徴がある。
それは、とても作りが厳ついと言うことだ。
いかにも武家の建てた神社と言う感じで、城のようでもある。
そう、京都は二条城にも似ている(実物は見たこと無いけど)。
京都のお寺とは全く異なった雰囲気である。

この神社は実は拝殿の真上にもう1つ社がある。
拝殿の裏は山になっているのだが、その中腹に社があるのだ。
そして拝殿の左右にも社がある。

ここの祭られているのはどこかの(聞いたのだが忘れた)武将と
その娘と言うことで、下が娘、上が親らしい。
そして年に1回下から上へ、即ち娘が親の元へ帰り、
またしばらくしてから帰ると言う祭りがあると言うことだった。
今度はその時に来たいものだ。

この上の社へ行くための階段が直ぐそばにあるのだが、
これがまた非常に急で長い階段である。段数は100段はあろう。
一気にかけ登ったが、娘をだっこしての登りは応える。
これをまた、後ろ向きでわずか数秒で降りていく人がいたりするのが
驚きである(いるんよ、そういう変?な人が。この場合の「変」=「すごい」
という意味で、誉め言葉なのでお間違い無く)。

上の社に行く前に。
少し山を左手に下るとそこに古墳がある。
名前は忘れたが、登呂遺跡と同じ人が発見した。
登呂遺跡が発掘されたことで、他にももっとあるに違いないと
ほじくりかえしていたら見つかったものらしい。
現在は入ることが出来ないが、中を見ることは出来る。
結構なもんである。

道を引き返し、山を登るように行く。
先に書いた上の社の前を過ぎ、さらに進む。
ほとんどが木陰の中を進む感じで、涼しい。
途中、林の切れるところがあって、そこから市内が一望出来る。
遠くに九能山と日本平も見えるが、あんなところまで行ってたのか!?
という感じである。

つつじの咲くところに休憩所がある。
この山の一応の頂上はもっと先であるが(この山をずっと伝っていけば
中央アルプスまで行ける)、今日は時間がないのでここまでである。

山を降りて、近くの近くのファミリーレストランで食事をした後
芙蓉荘に戻り、そこでタクシーを呼んでもらって駅へ向かう。

        ・・・富士・・・

芙蓉荘から静岡駅まで行く途中に壕らしきものが見える。
駿府城後である。

ここも天守閣は残ってないが、どこかの櫓が1つ再建されている。
何故天守閣でなくて櫓が・・・であるが、それは設計図が残っているかどうかである。
城の設計図と言うものは、それが洩れると非常に危険な資料なので
残っていないことが多いらしいが、櫓だけは大工が隠し持っていたので
見つかったらしい。天守閣は残っていない。

しかし、世間のに残っている城は全部設計図があったのだろうか。
大阪城とか、どう見ても外見だけ模倣したような城もあるのだと思うが。
そんな模倣城は建てたくないということだろうか。

        ・・・

今度はJR在来線で富士の駅まで向かう。
新幹線も新富士の駅もあるが、今回は在来線にて。
在来線で40分かからない。

静岡の東京側の隣駅が「東静岡駅」であるが、
ここは去年までなかった駅である。
今年のNHK大河ドラマが「葵徳川三代」で、そのロケに使われた門などを
中心とした博覧会会場があって、そのために作られた駅なのである。
(しっかりとした作りなので、臨時駅ではないだろう。)
静岡駅と元の隣駅である草薙の間は結構距離があるので
この駅が出来てもさして嫌な感じはしないが。

そう言えば、今静岡はこの葵の件で大はしゃぎであるらしい。
去年の赤穂浪士のやつ(元禄鐐乱だったっけ?名前忘れた)の時は
全く知らん顔だったのに。
どこの地元でもそんなもんかも知れないが。

それにしても、こういうNHKがらみの展示物って、ドラマ放映中は良いけど、
それが終わると急に客が減って軒並み赤字になるようだけど大丈夫か?
よほど出来が良ければ良いけど、だいたいはドラマのために
突貫工事で作ったものなので展示内容も陳腐で、2回来る気にさせないとか。
いろいろな利権関係も有って、結構泥々のようである。
くわしくは、最近のプレジデントという雑誌に有ったので、気になる人はどうぞ。

ちなみに、駿府城跡でも何やらやっているらしい。
で、静岡駅前からボンネットバスが走っている(駿府浪漫バス¥100)。

        ・・・

静岡から9駅で富士である。
(http://shizuoka-ken.net/timetable/jikoku01.htm#1-2)
ここは東海道本線なので本数は結構あるので、行き当たりばったりでも
対して困りはしない。一応調べていったけど。

途中は海沿いを走ったりして、風景を眺めながらもたのしい。
(半分は寝てたけど。)
静岡って、海あり山ありで良いなぁ。

富士駅にて友人と待ち合わせ。
4才の子供さんはさすがにしっかりしている。

早速、地元(と言っても結構距離は有ったが)の小さな牧場へ連れていってもらう。
富士山近辺には有名な朝霧高原牧場を始めとして大小いくつかの牧場があるらしいが、
ここは非常に小さいところである。

富士山が良く見える良い場所だが、
牧場と言っても放し飼いの牛も馬もいない。
牛が畜舎にいるだけ。

が、その中はかなり綺麗にされている。
このような牛であれば、良い味の牛乳も取れよう。
ここでジャガバターと牛乳、ソフトクリームを食べる。
牛乳の味が出ていてとてもおいしい。
これが本物だよなぁ。

牛と言えば、子供に比べればかなり大きな動物ではあるが、
恐がったりはしない。動物の側も見られていても特に嫌がる気配もない。
妙な先入観のない子供には新しく見聞きするものは全ておもしろいのだろう。
その形や大きさなどは関係ない。
動物も、その雰囲気を感じとってのことだろう。

子供は神様からの授かりものというが、
仏教の教えの中に「こだわるな」というのがあり、
子供は図らずもその教えを実践しているのだと思うと、
その言葉を実感するばかりである。
大人は見てくれに翻弄され、先入観で物事を判断しすぎる。
もちろん、危ないことに対する判断基準を持つことは重要だが、
無用な「こだわり」は人を堕落させるだけな気がする。
子供にこそ、学ぶべきことが多いのではないか。

        ・・・音止の滝/白糸の滝・・・

まだ時間もあるので、リクエストをしてある「滝」へと行ってもらうことにした。
昨日のタクシー(九能山→芙蓉荘)の運ちゃんにも勧められた場所である。

「音止の滝(おとどめのたき)」は、まあ普通(とは言ってもちょっと大き目)の
1段の滝であるが、ここには古い時代の言い伝えがあり、この名前もそれに由来する。
残念ながら河原に行くことが出来ないので、周りの少し高い位置から見るしかない。

「白糸の滝」はその名の通り、細い糸のような滝が無数に落ちているものである。
幅がそう、100メートル以上もあるだろうか。
一直線ではなく∩型になっていて、こちらはすぐ下まで行くことが出来る。
夏には音も含め涼しいだろう。

滝といえば、(北)大阪人にとっては箕面の滝が有名であり、一番なじみが深いが、
滝としては非常に小さくておとなしいものである。
(英語で言うならCascadeに分類されるだろう。)
しかし、すぐ近くまで行けるし、周りの緑もしくは紅葉とのコントラストも
すばらしく趣がある。
いろんな場所に行って滝を見ることもたびたびあるが、実はあのような滝は余りない。
全国めぐり旅としては「お寺めぐり」「城めぐり」があるが(これは結構やってる)、
「滝めぐり」もいいかもしれない。

この2つの滝はすぐ近くにあり、またすぐ近くまで車で行けて無料駐車場もある。
というわけで、結構混むのが難点であろうか。

ここからも富士山が良く見える。
今日は昨日に続き、富士山が非常に良く見える日のようだ。
けっこうけっこう。

        ・・・友人宅・・・

ここは細かいことは省略。
たいそう歓待していただきました。
ありがとう。

やはり子供は子供どうしが一番。
ほっておいても一緒に遊んでいる。
玩具も貸してくれている。
4才ともなると自分より年下の者に対して面倒を見るという
ことが出来るようになるようだ(先日うちに遊びに来た家内の友人の子供も
そうであった)。この位になれば本当に楽になろう。
なんにしても、子供のいる家はその辺の事情を解ってくれるから、気が楽ですな。

子供さんが鉄道好きと言うことで、話が合いそうである(^_^;)。
もう少し大きくなったら、立派な鉄ちゃんに教育してあげよう。
いやそれはともかく、そうだと解ってたら、駅で列車のパンフレットを
取ってきたのに。

        ・・・

ちなみに、うちの子は結構寝相が悪いので、
蹴られて夜中余り寝ていないというのは秘密である。

朝、富士山が真正面に見える。
今日も良い天気である。
毎日来んな風景を見られたら、そりゃ気分良かろうて。
(後で書く問題さえなければ。)

        ・・・富士サファリパーク・・・

翌日の予定は、まず富士山の麓にある「富士サファリパーク」である。

途中の道。
静岡は茶畑と言うイメージが強いが、実際に行ってみるとやはり
茶畑が多い。
意外にたんぼが少ない。いや、ほとんど無い、見えない。
きっとお茶の栽培に適した環境なんだろうけど
・・・どういう環境?

峠を越えて行くのでカーブが多く子供が酔うのが心配だったが、
うちの子はともかく友人の子がおもいっきり酔ってしまったようである。
とはいえ、車でサファリパークの中に入ってしまうと途中で降りるわけには
行かないので、とりあえず最後まで行かなくてはならない。

うちの子はと言えば、車の中ではほとんど泣き通しだったが、
それでも動物が見えている間は泣き止む。

ここでは1回に園内に入れる車の数を制限してグループを作って入れるが、
それでも1回10台もいれば他の車の影になることが多くなり
よく見えない。この当たりは求む改善である。
(バスで行くコースもあるが、これがまた別料金取られるのがいかん。)

サファリパークと言えば、今を去ること20年前、
中学校卒業時に友人と和歌山一周をした時に
当時出来たばかりの白浜アドベンチャーワールドのそれに行ったことがあった。
でも、動物も余り歩いていずに良い印象がなかった。
(イルカのショーは良かったが。)
それ以来、サファリパークには良いイメージがなかったのであるが。

白浜ではバスでの移動であったが、今回は自家用車での移動で、
かなり近くまで行けるのが良かったのかも知れない。
もっとも、年齢を重ねることで感性が変わったから、かもしれないが。
烏や雀以外にも動いている動物もちゃんといた。
草食獣は主に昼行性なので動きがあるが、肉食獣はほとんど夜行性なので
寝ている。虎が1匹歩いていたが。

ここには夜間コースもあるらしい。
ライオンや虎と言ったいわゆる肉食獣は夜行性ものが多いので、
昼とは違った迫力があろう。もっとも、そういう物を子供に見せたら
嫌がるかも知れないが。

車でまわるコースを抜けると、駐車場に車を置いて、
歩いて回るコースがある。
こちらは小動物のコースである。
オウムの放し飼い(逃げないのか?)、カンガルーの親戚のワラビー、
小豚、リス猿、鶏などがいる。
他にもいるようだったが、ゆっくり見ることが出来なかったのは残念である。
子供にはこちらの方が楽しかろう。
そう言えば、極最近猫の館なるものも出来たようである。
気が付いていれば、ぜひにも行ったのだが。

1つ許せんのは、この中に昆虫サファリと言うのがあるのだが、
これが別料金ということだ(¥500)。
おいおい、そうでなくてもサファリパークの入場料は安くないんだぞ。
これ位なんとかならんのか。
(¥2700。子供4才から中学生まで¥1500。
あっ、でも鳥羽水族館が¥2500位したこと思えば、安いのかも。)

        ・・・地元の公園・・・

サファリパークを後にして、まだ時間があるので地元の公園に
行ってもらうことにした。

かなり広い公園で、とても気持ち良い。
昨日の城北公園もそうだが、静岡にはこういう公園があるのが良い。
さらにここには広い駐車場もあるので、車で来るのも楽だろう。

ここは大きく分けて2つの広場がある。
駐車場の近くは広い芝生の公園。
川を挟んで向こう側には流水や小滝、池がある。

とても良い公園だが、何やら匂いがする。
聞いたら、製紙工場の排煙の匂いらしい。
キャベツロールの匂いに似ている(でもおいしそうな匂いではない)。

製紙工場ではパルプを煮ている時に何か(木の小片とか)を焼いているらしい。
その匂いらしいが、焼いている物がいわゆる化石燃料系ではないので
規制に引っかからないらしい。
それを良いことに、この当たりの工場は出しっぱなしにしている。
このあたりのは喘息に子供が多く、この排煙との因果関係が言われているが
対策はまだされてないらしい。

しかしである。
私がこの公園で遊んだのはせいぜい1時間ちょっとであるが、
それだけでも喉が痛くなりしばらく直らなかった。
間違いなくあの煤煙にはそういう成分が含まれている。
いくら地元が製紙工場の恩恵を浮けているとは言え、
子供に被害を及ぼすようなものをほっておいて良いはずはない。
至急対策すべきである。

その後、喘息を直すには乾燥が良いと聞いた。
確かに、この富士の裾野の当たりでは湿気があるように思われた。
朝方の空気にそれが感じられたのだ。
友人宅の窓にも結露があったので間違い無かろう。
富士の森から湿気を含んだ空気が来るのだと思う。
その湿気と空気の悪さで喘息が発生していると思われる。

        ・・・静岡→京都・・・

お土産に地元の銘菓という「田子の月」の最中というのを頂いた。
ありがとうございます。
しかしである。これはおいしいお茶と一緒に食べんと真価が解らんと思う。
今度はお茶も一緒に買って帰ろう。

で、帰りの新幹線。
(お土産は特になし。抹茶プリンを買ったけど、今一だったので紹介なし。)
特に何もなかったんだけど1つだけ。

新幹線が静岡の駅を出ようとして動き初めて直ぐ急停車した。
何でも動く列車に近いた馬鹿がいたかららしいが、
この時にうちの娘が席から滑り落ちて出していたテーブルに頭をぶつけて泣いた。

まだこれくらいで済んだから良いものの、
目とか打ってたらえらいところであった。

近づいたのはホームにいたガキどもか。
きつい御仕置きをしなければならない。
大人ならなおのことである。
緊急停止後の再出発時に何の放送もなかったのはJRの手落ちであると思うが。

        ・・・結論・・・

ということで、静岡旅行であった。

今回の旅行では宿も良かったが、静岡と言う町にも好感を持った。
海あり山あり、町中にも自然が多く、水が良く、
観光ポイントもさりげなく多くある。
浅間神社も間だ全部見てないし、その裏山もまだ頂上まで行けてない。
有名処では「登呂遺跡」もある。

このレポートの何回「良」という時を書いているか、それを数えれば
この旅行の満足度も図り知れよう。
見事に汚名挽回出来たというものである。

静岡というのはかなり広い県であり、
まだ西には浜松や大井川鉄道もあるし、東には伊豆もある。
今回静岡駅近くと富士近辺を散策し、以前に
浜松は鰻&御前崎燈台に行ったことがあるが、
まだまだである。
また近いうち行くことにしよう。

        ・・・おわり・・・
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