「新婚旅行は九州旅行」(1996年03月11日〜06月14日号)
というわけで、九州旅行である。

行ったコースは大まかに書くと、
    鹿児島−熊本−阿蘇−高千穂−別府−由布院−博多
である。

まあ、それなりに大変な旅行だったのだが、それはそれで
おいおいわかることであろう。

    ・・・

「最近は海外旅行が多いのに、めずらしいねえ」と言われることが多い。
まあ、確かに、そうなんだろう。
下手に日本回るより海外の方が安いこともあるようだし。
(実際のところは、おみやげ代を考えるとそうでもないらしい。)
そういえば、旅行中も国内で新婚旅行と見られたことは少なかったなぁ。
(ひょっとして婚前旅行とでも見られていたのだろうか。)

が、私は国内が好きだし、日本食が好きだし、治安がいいし、温泉に行きたいし、
なんといっても言葉が通じるのが良い。
新婚旅行でわざわざ言葉の壁にぶつかって悩むなど、
私向きではないのだ。

で、国内旅行でもいいと言ってくれる奥さんをもらったことを
「偉い!」と友人にほめられるのであった。
(*^_^*)ポッ!

    ・・・

大阪空港は遠い。
いや、今まで住んでいた千里からなら大したことはないのだが、
これから住む場所からでは遠いのだ。

というわけで、朝は7時に家を出なければならない。

ちなみに、ここでいう大阪空港とは「伊丹」のことである。
関西国際空港は「関空」であって、大阪空港ではない。
(北大阪人談。)
    ・・・

結婚式の直後から旅行に出かける人もあるようだが、
あれは非常に忙しいと思う。
実に結婚式というのは疲れることなのだ。
シンプルに済ませた私たちですらこうなのだから、ホテルなどで
ど派手にやった人らはもっと疲れると思う。

そういう意味でも、日曜日をあけて月曜日から出発したのは正解である。
日曜日に旅行の準備もできるし。
が、月曜日の朝=通勤ラッシュにひっかかる、ということで、
そうでなくても重たい荷物を持っていた私は非常に疲れてしまったのでありました。
(新しいリュックだったので慣れていず、重量配分を間違った。)

    ・・・

列車乗り継ぎで千里中央まで。地下鉄は逆方向なのですいていた。
例の重い荷物+ラッシュでへとへとになっていた私には非常にありがたかった。

千里中央からバスで空港で。
途中で阪急の蛍池駅前を通るのだが、ここから多くの客が乗り込んでくる。
それまではがらがらだったバスが一気に満員になり、結局積み残しが出たほどである。
私もここまで阪急で来てバスに乗り換えようかとも思っていただけに、
千里中央から乗って来たのは正解であった。
(時間的には余裕があるのだが、肉体的にね。)

などと言っている間に大阪空港に着いたのである。

    ・・・

言い忘れていたが、まず最初は飛行機で鹿児島まで行くのである。

    ・・・

大阪空港は今でも「国際」空港なんだろうけど、今は国際線ロビーは
閉鎖されている。もう国際線は完全にやめるのか、それとも羽田のように
リニューアルオープンするのか。

今日この時間、ここから出発するということはほとんどの人に言っていない。
従って見送りはほぼなし。
「ほぼ」というのは、彼女のお母さんだけが来てくれていたのである。
予定表を渡していたので来てくださったようだ。

    ・・・

そういえば、飛行機に乗るのは久しぶりである。
松山にいるときには毎月のように乗ったのであるが。

ジェット機の最初の加速と言うのは何度乗っても余り気持ちの良いもんではない。
遅いけど、プロペラ機の方が相にあっている。

今日は天気がいいので回りの景色がよく見える。
まず見えたのが伊丹のこや池(漢字がわからない)公園。
このこや池の中心には島があるのだが、これが日本列島の形をしている。
そうは聞いていても地上からはわからないのだが、
こうして空からみるとよくわかる。

この後飛行機は関空近く、四国へと飛ぶ。
四国は横断するのだが、まず吉野川が見え、その後四国山脈が見える。
あれは石槌山だろうか。雪が見える。
川や田圃が光を反射して美しい。

四国は暖かいというイメージがあるようだが、実はそうでもない。
高知はともかく、松山、そこから内陸に入った所などは結構寒い。
石槌山からの吹き降ろしがあるのだ。
そんなことを思いだした。

飛行機は四万十川が見えたのを最後に四国から宮崎に飛び、鹿児島空港に降りる。
この間約1時間である。
さすがに速い。

    ・・・

鹿児島に着いてみると、良い天気だ。
日差しが暖かい。さすがに南国、大阪とは違う。

空港からJRの西鹿児島の駅前まではバスで1時間ちょっとで¥1200。
(鹿児島ではJR鹿児島より西鹿児島の方が大きい駅である。)
20分に1本しかない上に、観光バスを使い定員が少ないのでから
急いでいる場合には要注意である。
私たちもこの定員のおかげで乗れなくて、20分待ったのであった。
(「後1人乗れます」って言われてもなぁ。)

待っている間。
空港ビル内のみやげ物屋で試食品あさり。
黒酢がおいしいぞ。鰹の加工品もGood。
でも、生産地を良くみるべし。結構鹿児島以外が多い。
(阿蘇に行くとこの現象はもっと顕著になる。)

で、JR駅前までは省略。
遠いけど速く感じるかな。途中に銅像がいくつかあるので
景色は良くみた方が良い(西郷さんと大久保利道は確認)。

    ・・・

JR西鹿児島駅前でレンタカーを借りる。
これで指宿方面へ行くのだ。

ところがトヨタレンタカーは見えるがお目当てのニッポンレンタカーは見あたらない?
探していると、どうやら駅レンタカーとして他のレンタカーと同じ所で
受け付けているらしい。

予約してあるのでその番号で。
指宿方面に行きたいと言ったら丁寧に道順も教えてくれた。
こういう所、田舎(鹿児島の人には失礼だが)の人は好きだ。

鹿児島市内の道路は広いが車線がわかりにくい。
高速道路はほとんどが対面通行なので要注意。

今回借りた車は1300ccのミラージュ(三菱)であった。
この車、装備はレンタカーの1300ccとは思えないほど良い。
カーステレオは勿論、パワーウインドウに電磁ドアロック。
たいていこういうクラスは手動なのだが、良いことだ。
騒音、振動は少ない。アプローズ以下(ワァォ)。
でもさすがにエンジンパワーはちょっと足りない。
今回の道のりでは坂が多かったのだが、そういう時はかなり踏み込まなければ
ならなかった。(踏み込みすぎるとシフトアップして急に加速するから恐い。)

道は九州自動車道から指宿スカイラインへと入る。
指宿スカイラインは思いのほか坂道が多い。
山の中を抜けて行くのだ。

自動車専用有料道路だが、高速道路と言わないだけあって
設備はなにもない。自動販売機も電話もない。
所々に展望台があるくらいだ。
さらに今日は平日だからだろうか、シーズンはずれだからか(それともいつも?)、
通る車が非常に少ない(50キロくらい走る間にすれ違う車が全部数えられるくらい
しかない)。
このことが後で大きな影響が出てくるのだが、
このときはそれを知る由もなかった。

    ・・・

指宿スカイラインは山の中と行っても山の斜面を走るので、
そこから平地の景色がよく見える。が、指宿に近くなるまでは
余り良い景色はない。途中ででっかい石油コンビナート基地が見える。

千貫平(せんがんびら)というところは中でも景色がよい所で、
ここから指宿方面、開聞岳がよく見える。
ここから見ると、開聞岳が平地の真ん中にぽつんと1つだけ高い
というのがわかる。ちょっと異様な感じだ。

鹿児島に着いたときは暖かかったのだが、ここにくるあたりから少し曇って
風も出てきた。このあたりはスカイライン中でも一番高いところだし、
南国とは言えさすがに寒い。景色を見ている余裕もなく、写真1枚撮って
すぐに出発した。

最初の目標は「怪獣イッシー」で有名(?)な池田湖である。

    ・・・

指宿スカイラインを降りるとすぐに池田湖がある。
ここは「怪獣イッシー」で有名(少なくとも私は知っていた)である。
最近(もちろんこれを書いた当時)は投稿特報王国でも出ていたので、
知った人も多いかも知れない。

池田湖はぱっと見ると入り江のように見えるので、
最初は行きすぎてしまったと思った。

湖の回りには幾つもみやげ物屋がある。
その中の1つに立ち寄る。

池田湖はイッシーの存在はともかく、巨大鰻がいることは確かで、
体長1メートル胴回り30センチもあるような大きな鰻が水槽にいた。
また、全身が真っ白な鰻もいて縁起がいいということであった。
(このみやげ物屋の奥では「ハブ vs マングース」ショーもやっている
ようであったが、さすがにそこまで見る余裕はなかった。)

このあたりではもう菜の花が満開である。さすがに南国。

せっかく来たのだからイッシーでも見られないかと思って
しばらく湖を見ていたが、それらしい陰はまったく見えなかった。
それにしても、みやげ物屋ではたくさんのイッシー関係品があったが、
中でも一番良かったのは「怪獣イッシーの歌」である。
怪しげな歌手が歌う「怪獣、怪獣、イッシー、怪獣〜♪」というメロディーは
頭に残ってしまう。ここに来たらぜひ湖の歌をマスターしなければならない。

    ・・・

池田湖を後にして開聞岳に向かう。
途中、お昼ご飯に素麺流しへ行く。
町営でやっている場所があるのだ。

まあ、正確にいえば素麺回しだな、これは。
水流で丸い水槽の中を素麺が流れるというか回るのだ。
別に悪くはないけど、目が回るぞ。

味はともかく、今の季節には不向きじゃな。
寒い。客も少ない(そりゃ、平日だからでしょ。)

    ・・・

開聞岳である。

先に書いた通り、開聞岳は本当に平野の真ん中にぽつんと1つだけ
そびえている山だ。登ることも出きるそうだが、今回は時間がないので
自動車で周りを1周することにした。

ところが、地図には1周する道路が書かれているのにその道路が見つからない。
実際の道路は非常に狭くわかりにくいのだ。
何度も間違えながら、ようやくそれらしい道路へ入った。
これで開聞岳を海側から見る方向へ行く。

    ・・・開聞岳は海のすぐ際に生えているのだ・・・

開聞岳は一応火山である。勿論現在は活動していない。

活動している火山というものは、この後行く桜島も阿蘇もそうなのだが、
山頂近くにはほとんど木が生えない。
これはおそらく火山性ガス(硫化水素)や高熱によって植物が育たないからだろう。
ところが、この開聞岳はすでに休止してから時が長いのであろう、
一面木におおわれている。
高さは結構あるようだが、海の近くにぽつんと1つだけある姿からは
余りその高さを感じさせない。

開聞岳を海側から見るには細い道路を走っていく必要がある。
この道路はそのものが見つけにくい上に、細く一部舗装されていない。
細く行き止まりのところもあるので、迷い込んだときには戻るのが大変である。

こちら側にはほとんど何もない。広い田圃があるくらいで、
そのおかげで山がよく見える。

海は余り見えない。いや、もっと海側に行く細い道を進めば見えるところまで
行けそうなのだが、ちょっと時間がない。

この道路の途中に、トンネルがある。
正確にいえばドームなのかも知れないが、所々天井に穴があいて光が指しており、
そこから植物のつるが垂れ下がっている。

実はこのトンネルがおもしろいというかちょっと恐い。
ジェットコースターの気分なのだ。
(出来れば西側から入ると良い。)
狭く、カーブし、上下もあるというところで、昼なお暗い。
こういうトンネルが結構長く続くのだ。
でもここで対向車がきたらどうしよう。避けられんぞ。
(でもここは車がほとんど来ないのであった。)

開聞岳をぐるっと回って、今度は「砂蒸し温泉」へ向かう。

    ・・・

ところが道に迷って長崎鼻というところに着いてしまった。
ここは、九州本島最南端らしい。
ここからは海の向こうに開聞岳が見える。
(位置関係がわかる?)
海岸が黒いのは砂鉄を多く含んでいるそうだが、
砂鉄が多いといえば、うちの新潟の浜も多い。
ここよりもっと多いかも知れない。
もっとも最近は流れて行ったのでそうでもないが。

ここは、いわゆる「観光地」で、観光客が多い。
いままで回ったところが人けが少なかっただけに、余計に多く感じる。
さらにここは駐車場が有料だ。
景色は悪くはないが、よってたかるようなところだろうか。

結局、観光バスというところはみやげ物屋と結託しているから、
そういうみやげ物屋があるところだけに集中するのだ。
本当に景色がよいところは他にあるのに。
やはり、いいところは足で探すしかないようだ。

    ・・・温泉はどうした?・・・

長崎鼻を後にして砂蒸し温泉に向かう。
砂蒸し温泉といえば指宿が有名だが、
これから向かうのはそこではない。
雑誌を読んでいてたまたま見つけた、最近整備されたばかりという
ところである。

赤水というところ(だったと思う)山川(やまがわ)にある砂蒸し温泉は、
元々は地元の人だけが知るところで、最近観光客向けに整備したらしい。
とはいえ、実際に行ってみると確かに看板はあるけどその場所はわかりにくい。
細い道を進み、海岸べりまで行く。
建物は遠くからはまずわからない。
近くに地熱発電所(九州電力山川地熱発電所)があるので、
これを目印にするといいかも知れない。
(これは大きいし、水蒸気を上げているのですぐわかる。)

そこに着いてみると確かに砂蒸し風呂があるらしい。
やはり来ている人は非常に少ない。時間的なこともあるだろうが、
やはり知られていないのだろう。

地元の人は300円(くらい)、それ以外は600円である。
実は、ここ以外にも別府や指宿にも砂蒸し温泉があるが、
ほとんど600円である。通常の温泉が公共なら60円くらいからあるのに対して
これは高く感じる。

ところがこれには理由がある。
1つは浴衣を貸してくれるということ。
砂蒸し温泉は裸では入らない。タオルは必要だが、それは砂に埋められるとき
口に砂が入らないように被うためと、砂落としのお湯を拭き取るためである。
浴衣のまま砂に埋まる。実際のところ、けっこう暑いので、裸で埋まったら
やけどするかも知れないとも思う。

2つ目は砂をかけてくれるということ。
人手が必要なのだ。自分で砂を掘ってもぐるのではない。
また、砂は消毒のためときどき入れ換えるのだそうだ。
(他から砂を運んでくるのではなく、高温の場所で熱処理する。)

まあこういった手間のおかげで高くなるらしい。
しかし、ここまで来て入らず帰る手はない。
5時までということで、着いた時刻が4時55分。
「大丈夫?」と聞いたらOKであった。

浴衣に着替えて砂場へ。
ここは海に非常に近いところで、野外に場所がある。
屋根はない。まさに「天然」という感じだ。

口をタオルで被い、砂の上に寝て、砂をかけてもらう。
湿った砂はけっこうずっしりする。
しばらくすると蒸して暑くなってくる。
15分ほど入るといいそうだ。

15分位したらおばちゃんが知らせてくれるのかと思ったら、
私を埋めたらさっさと帰ってしまった。閉館時間なので帰ったようだ。
遠くにある時計を見ながら寝た。

15分というのは結構長い。
熱い〜〜〜。
これはけっこう熱いぞ。少しだけ砂を避ける。
寝ているときは気がつかないのだが、外に出てみると汗をかいているのがわかる。

といいながらも20分くらい入っていて出た。
横には私より先に入ってまだ寝ている叔母さんもいる。
なかなかの根性である。慣れているのかも知れないが。

夏ならこのまま海に入りたいところだが、この季節はさすがにやめておこう。
どうも雲行きも怪しい。このあたりで出た方が良さそうだ。

(実はここで1つエピソードがあったが、嫁さんの名誉のため省略。)

中のお風呂(これも温泉)で砂を落として出る。
外に出ると案の定雨が降ってきた。
時間も遅いし、これは急いで鹿児島まで帰らねばなるまい。

    ・・・

車に乗り込むと雨が降ってきた。
これは土砂降り状態だ。

最初は海岸沿いの一般道を通って鹿児島まで行こうとするが、
どうにも道路が混んでていけない。
行きと同じ指宿スカイラインを使うことにする。
国道から指宿スカイラインの入り口まではだいぶあるが、それでもこのまま
進むよりましであろう。

ところが、その入り口が見つからない。
また池田湖まで来てしまった。
結局、この道路の入り口の看板が逆からは見えないようになっていたのだ。
これではわからない人が続出だぞーーー。
あぁ、これでは鹿児島に着くのが遅れてしまう。
レンタカーの返す時間もそうだが、宿に着くのも遅れる。
指宿から鹿児島までは50キロ、普通の日に急いでも1時間ちょっとかかる。
ましてやこの雨、もっと時間はかかる。
スカイラインだから、途中に電話くらいあるだろう。
そこから電話しよう。

・・・ところが、行けども行けども電話がない。
そう、休憩所と行っても駐車場があるだけで、自動販売機はおろか、
電話機1つないのだ。

これは困った。
結局、1時間半かけて西鹿児島駅前に着くまで連絡できなかった。
何とかレンタカーは追加料金無しであったが、もう30分遅れると
レンタカー屋が閉まるところで、危なかった。
「指宿スカイラインに乗る前に電話する」が教訓である。

    ・・・

田舎の車は時として交通ルールを守らないものがいるので要注意である。
側道から無理矢理突っ込んでくるは、
雨の高速運転中に車間距離を取らないは。
馬鹿は相手にしないに限る。

    ・・・

レンタカーは何とか間に合った。
宿にも連絡して遅れるけど食事の用意をして待っていてくれるようだ。

西鹿児島駅前から市電に乗って桜島桟橋まで行き(距離はちょっとある)、
歩いて10分足らずで桜島行きのフェリー乗り場がある。

桜島行きのフェリーは町営で安い上に24時間運行である。
だから、桜島の人は陸続きの大隅半島方面に行くより鹿児島市内へ
フェリーで渡るのだ。実際その方が便利だ。

1日目の宿の国民宿舎桜島荘はフェリー乗り場から歩いて5分のところにあるという。
ということは近いはずなのだが・・・

夜道+フェリー乗り場からは少し陰になるため、看板が見えなかったが
確かに近い場所にあった。

ここは先支払なので、先に支払を済ませ、部屋に荷物を置いて食事へ。
さすがにもう他の人はいない・・・いや、もう1組おっさんらが酒飲んで
「近くにラーメン屋はないか?」などと言っている。
宿の食堂でそういう話を聞くのは、食事係の人にちょっと失礼ではないか、
などとも思うが、別におっさんを相手にする気はないのでほっておく。
ほっておきたい・・・でもやかましい。

それにしても食事の量の多いこと。
確かに「郷土料理をお願いします」とは言ったが、これほど多いとは。
一見は余りそれらしくなく、定食屋の料理のようだが、良くみると
ここの名物が入っている。
海産物、特に「きびなご」という魚の刺身(岡山で言うところの「ままかり」だと
思うのだが)とか、黒豚、その他。(あんまり種類が多いので覚えられない。)

ところが、人間疲れすぎると食べられないもので、「せっかくだから・・・」と
思ってがんばったが、どうしても食べきれない。しかたなく残すことにした。
そう係りの人に言うと、「もって帰って明日の昼食にでもし」といって
弁当箱を出してくれた。
さらに、これも入れて行きと言って他の物もくれた。
刺身は腐るといけないから冷蔵庫にいれて置いて、明日の朝食に
出してくれると言う。
「大阪人はけちだから食べ物は無駄にしまへん」などという訳のわからない
ことを言いながら箱に詰めて行く私であった。
いやあ、感じが良いなぁ。感激だ。

で、今日はお風呂も入らず寝たのであった。
(お風呂の時間に間に合わなかった。)

    ・・・

翌日は天気も良くなって晴れている。
しかし、昨日は気がつかなかったがこのあたりは溶岩ですな。
だいぶ風化して植物も生えているとはいえ、いかにも溶岩という感じの
岩がたくさんある。

よく見ると岩の間から蒸気が上がっていたりする。
まあ、別府ほどではないが、このあたりもかなりの温泉場とみた。
そういえば、昨日指宿からの帰りに走った山川と言うところ(指宿市のすぐ近く)
でも排水口から蒸気が出ていたっけ。こういうところならどこを掘っても
温泉が出そう。将来住むにはいいかも。

で、昨日入れなかった温泉に朝から入る。
ここはマグマ温泉と言うが、なるほど入ってみるとよくわかる。
お湯の色が錆びた鉄の色とでも言うか、そう、マグマの色に似ているのだ。
(そうだと思う。)

いろんな温泉に行ったが、ここまで水が濁っているのも初めてだ。
(もちろん家庭用入浴剤は別。)
で、お味はといいますと、以外にも鉄の味はせず塩味がする。
後で聞いたところでは、やはり海に近いために塩分が混じっているのだそうだ。
色といい塩といい、これは効きそうだ。
(同じ桜島の中にある古里:ふるさと温泉というところも塩あじがするらしい。)

朝の食事は普通+α。
テレビではポンキッキーズをやっている(だからどうした?)。

今日はまず桜島を観光してから鹿児島に渡り、熊本まで行く予定である。
が、桜島をどうやって回るかまったく考えていない。

フェリー乗り場のロッカーに荷物を入れてバス乗り場に行く。
有名な観光
ポイントをバスで廻ろうと思ったからだ。
と、そこでタクシーの運ちゃんが声をかけてきた。
「タクシーで観光せ〜へんかい」(大阪弁に翻訳)。

1時間ちょっとで値段は9000円。
高いような気もするが、今回の旅行ではけちらないつもりだし、
地元民の案内付きだからまあ、それもよかろう。
しかし、タクシーに乗るならロッカーに荷物入れんでよかったなー。

    ・・・

桜島と言えば火山が有名だが、そのおかげで、島は普通の島とは違った様相を
している。

作物で言えば大根とみかんとびわ。
大根は言わずと知れた桜島大根である。普通の大根の路地ものはすでに出荷時期を
終えているが、桜島大根は2月過ぎまで出荷している。
その大きさは非常に大きく、予想以上であった。
ほとんどは漬物にされるそうだ。
漬物は買ったが、さすがに「生」は買って帰れない。
(あのままもって帰っても床の間の飾り物にしか使えないけど。)

みかんは桜島みかんという非常に小ぶりのみかんがある。
びわは、袋がけされている。こうすることでびわの身に白い産毛が
きれいに生えて見栄えが良くなるそうだ。しかし、太陽光を遮るわけだから
甘味は少し落ちる。林檎でもそうだが、見栄えが良い物が味が良い物ではない。
消費者ももっと賢くならなくては。

阿久根(だったと思う)という木がある。
この木、根が特徴である。
まあ、見ればわかるということで省略。
(天然記念物だぞ。)

そういえば、この島にはある特定の種類の木が多い。
それは松と椿(つばき)である。

松は溶岩のような場所にも生える。最近は松食い虫の被害で全国の
松が減ってきているが、ここでは火山灰が殺虫剤の働きをするので
松食い虫がつかない。そのため、環境に強い松が生えるのだそうだ。
まことに見事である。全国に松を出荷したら売れるんではないだろうか。
(でも、溶岩に根をはやした松は移植が出来ないか。)

椿も火山灰環境に強いということで植えられている。
そういえば、このあたりのおみやげ屋に椿油が多いと思ったら、
この椿からとった実で作っているのだそうだ。
この実を拾うのがこのあたりの子供の良いアルバイトとなるらしい。
椿油は採れる量が少ないので、その実も結構高価に買い取ってくれるのだ。

    ・・・

それにしても溶岩の流れた後や火山灰はすごい。
桜島では江戸、大正、昭和21年と大噴火をしているが、
特に大正の大噴火はすごく、いたるところにその跡が残っている。
溶岩で出来た入り江などもあるのだが、これが意外にも船の避難場所になっていて
いいらしい。この辺は台風が多いからね。

一番象徴的なのが埋没した鳥居。
大正大噴火で火山灰で3メートルもある鳥居が埋まってしまったのだ。
今は上の部分を掘り出し、記念として保存してある。
当時の噴火がいかにすごかったかを示す一例である。
大正15年の噴火では、それまで島だった桜島が溶岩によって
大隅半島とくっついたと言うのだからその噴火のすさまじさがわかる。
将来には鹿児島までくっつくかもしれない。
(たぶんそうなるだろう、と地元の人も言ってた。)

途中でとあるみやげ物屋による。
ここでおじさんが火山噴火の歴史について語ってくれる(名調子だな)。
まあ、ついでにおみやげを買ってもらおうということだが、
聞いて損する話ではないので、いってみるといいかも。
ちなみにそこで売っている主なおみやげは、桜島大根の漬物、
さつまいもと黒酢で作った水飴、それと焼酎。
私はこの水飴が気に入って買ってしまった。
体にもいいとか。
全国に発送してくれるのでここで買って送ってしまった。
(2001年現在、まだ残っている。)

溶岩と言えばごつごつで穴があいており、崩れやすそうな気もするが、
実は、火山灰が隙間に入って緻密に固められ、崩れないのだそうだ。
とはいえ、道のまぎわまで大きな岩があるのは恐い。
(いくつかの岩には名前が付けられている。西郷岩とか、狸岩とか。)

そういえば、この桜島には水源がない。
火山灰は水を吸収してしまうので川や池がないのだ。
ここでは大隅半島から水道館で水を運んでいる。
ところが、川らしきもの(橋もある)はある。水は流れていないが。
これは何かというと、雨が降ったときにだけ流れる川なのだ。
雨が降ると一時期に大量の水が流れる。しかも火山灰を一緒に流すので
土積流となってしまう。それを流すために水のない川が用意されているのだ。
(1本だけではないし、それぞれの川はかなり大きい。)

    ・・・

退避豪。
道路には20メートル(200メートルだったっけ?)おきに防空豪
みたいなもの(防空豪の実物は見たことはないが)がある。
噴火したときに逃げ込めるようになっているのだ。
さらに、危険地域にある家には各家毎にある。
地元の小中学校では児童にヘルメットをかぶらせている。
これも勿論噴火時の危険防止。
町役場の前には大きな火山岩がおいてあり、昭和52年の噴火時に飛んできたもの
という。直径50センチくらいな岩だけど、あんなんが飛んでくるんだから、
退避豪があったって恐い。
そういえば、去年は噴火が少なかったが、今年は多いペースだそうだ。
なんと昨日も噴火だったとか。う〜ん。

火山灰?そりゃもうすごいでっせ。
今日はまだ昨日の夜の雨のおかげで「まし」だそうだが、
トラックでも走ろうもんなら前が見えないほどになる。
まるで濃霧の中を走っているようだ。勿論ライトはつける。
このあたりの家では夏でも窓が開けられないから冷暖房は完備。
学校もしかり。学校ではすべて室内プールだ。
何にしても並の量ではない。
道路では清掃車が出て清掃している。
そうそう、このあたりでは週(月かな)に何回か灰の回収日がある。
それ以外の日は出してはいけない。出すと道路が汚れるからだ。

火山の音。
火山が一番良く見えるというところから写真を撮った。
そのとき、遠くで「ごー」という、飛行機が飛ぶような音が聞こえた。
それが火山の音なのだ。
まさかここまではっきり聞こえるとは。
同じ火山でも阿蘇がほとんど音が聞こえないことからすると、
ここ桜島の活動の激しさがわかる。

今度は火山に近い場所にいく(南側?)。
ここはすごい量の火山灰が降っている。
どの位かと言えば、まるで雪のようである。
わずか数分でうっすらと積もってしまう。
ここでは傘が必要だ。
私たちは持ってなかったが、さすがにタクシー、ちゃんとトランクに備えてある。
しかし、余りの量に、傘を指していても目に入ってしまう。
コンタクトの人は目が開けられないほどだ。
傘だけでなく、ゴーグルがいるだろう。
そういえば、ここにあったみやげ物屋で飲んだみかんジュース。
桜島みかんではない他の種類だけど、おいしかった。

    ・・・

ここは一番ひどいが、桜島ではどこでも少しは灰がある。
従って、コンタクトレンズの人は島内全てで要注意である。
出来ればゴーグル、最低でもサングラスでもかけていた方がよい。
(こういう日に限って風が強いので目が開けられない。)

大隅半島との付け根に行く。
40メートルあった海峡が溶岩によってふさがったのである。
自然の驚異である。
まあ、ある意味では、橋を架けずに済んだのだから火山様様なのだろうが。
「熱い溶岩が2つの土地をつないだ」ということで、縁結びに良い・・・
という人もいる。だからといって別に神社があるわけではない。

    ・・・

そういえば、言い忘れてた。
桜島の中でも一部地域には避難勧告が出ている。
でも、そこに住み続けている人もいて、そういう人の家にはそれぞれ
退避豪がある。

で、大噴火の時には酢酸の犠牲者が出たのでは、と思われるかも知れないが、
実際には人的被害はない。それは、地震と違い、火山の爆発には必ず予兆があるので、
それが出たら避難するからだ。
とはいえ、溶岩で家が潰れるのを見ると言うのはいい気持ちではなかろう。
そんな危ない土地に住み続ける気がわからない・・・と言いたいところだが、
やはり不便でもなれた土地への愛着というものは、簡単には絶てないものである。

    ・・・

最後は大正(昭和かな?)大噴火で出来た土地にある道路を走る。
このあたりは元は海だったところだ。
ここにはかつて「烏島」というところがあったが、噴火で溶岩に埋まってしまった。
溶岩が島1つを完全におおってしまったわけだ。
「この下に烏島がある」というところで記念撮影。

後はフェリー乗り場の近くにある火山博物館(?)へ。
タクシーとはここでお別れ。

ここは無料なので見ると良い。
火山灰をおみやげとして持って帰る事もできるぞ(値段は寸志)。
15分ほどの映画があるので、見ると桜島の活動記録がわかる。
この映像、大画面で迫力はあるのだが、手ぶれが激しいのでちょっと見にくい。
今更作り直すのもなんだろうけど、もうちょっとなんとかならなかったか?

ということで、桜島観光は終わりである。
予定より1時間遅くなったが、鹿児島に渡り、今度は熊本までJRで行く。

    ・・・やっと桜島脱出・・・

市電は主に2系統ある。間違えると熊本駅前に行けないので注意。
(1つは熊本駅前行き、1つは上熊本駅前行き。)

熊本城。市電の駅からはちょっと歩かなければならない。
(実は裏口なら近いらしい。)

熊本城は有名な戦国武将(忘れた)が作った城で、西南戦争の折りにも
戦いの場となった。残念ながら現在の天守閣は再建されたものであるが、
一部には江戸の昔の建物が残っている。

中は全国のお城と同じく展示館になっている。
ここは大阪城と違ってエレベーターはないのでお年寄りには
ちょっとつらいかも知れない。

う〜ん、熊本城はそれだけ。
そうそう、天守閣の最上階からは阿蘇が遠くに見える。
雪が残っているねぇ。(ところがこれが錯覚であったことが翌日わかる。)
城の前には梅がある。
ちょっと時期的には早いようだったが、3部咲きというところか。
きれいである。

水前寺公園。
正式名称は水前寺成趣園。まぁそれはいいとして、ここは日本庭園である。
東海道五十三次をイメージしているということで、
確かにまず目にするのは富士である。
富士山に見立てた丘があるのだ。

前にある池はおそらく太平洋、そのほか、いろいろあるものが何かを
イメージしているだろう。(わかったのは富士山だけ。)
日本3庭園と呼ばれる兼六園などに比べると小ぶりではあるが、
それはそれで調和がとれていていい感じだ。
ここにも梅がある。すでに満開の桜もある。
梅や桜の時期に来るともっと良いであろう。

    ・・・

桜島続編。
そういえば、今桜島に住んで子供ができると町から報償金がもらえる。
それだけ若い人の流出が激しいということ。
まあ、大変な場所だからなぁ。

    ・・・

熊本までは「特急つばめ」である。
今回は九州ニューワイド周遊券を使っている。
んなもんで、自由席なら特急は乗り放題だ。この季節の平日だから
自由席もがらがらなので大丈夫。

フェリー乗り場の近くにある。
つばめと言えばかつては東海道線で大阪−東京を結んでいた特急である。
(いつの話や。)今や九州の西を走っている。
新しい車体なのできれいだが、ちょっと狭く暗く感じる。
暗いのは間接照明のせいだな。しかし、同じ間接照明でも「のぞみ」は
明るいので、ライトの配置が悪いのと、車内の配色が悪いのだな。
ちゃんと作りや、日立。

鹿児島から熊本と言うのは以外と距離がある。
途中は天草とかが遠くに見えるけど、これといってすごい景色はない。

車内ではさくらじま荘で作ったお弁当を食べる。
冷えてもおいしいということは、よほど元がいいんだな。
暑さでごまかしているようなのもあるもんね。

    ・・・

熊本駅は・・・忘れた。

熊本では熊本城と水前寺公園へ行く。
予定より1時間遅れているので、ちゃっちゃと回らねばならない。
ここでは市電が発達しているので、これに乗る。

市電1日乗り放題500円券がお得のように感じたので買う。
ところが、市電は1回130円(安い!ただし、距離に応じて加算。)なので、
500円乗ろうと思ったら、最低4回乗る必要がある。
今回は元は取れなかったような気もするけど、まあ、毎回小銭を出さないで
済んだのでよしとする。
(ちなみに、市バス乗り放題は1日1000円。高いような気もするけど、
バスの方がより遠くまで行けるので、遠くまで行く人にはこちらの方がいいのかも。
そうそう、バスと市電が競合する部分では、どちらに乗ってもいい。これは
さっきの市電乗り放題券も同じ。)

    ・・・

熊本といえば辛子蓮根が有名だが、元祖と呼ばれる「森商店(?)」のものを
買った。食べたのは家に帰ってからからだが、あんまりおいしくなかった。
こういうものなのか、やっぱり作りたてでないとおいしくないのか。
この謎は次回来るときに解決されよう。

(そうそう、熊本は都会ですな。どうでもいいけど。)

他にも名物はあるようだが、全部パス。
ラーメンを食べたかったんだけどなぁ。
もう宿に行く時間だ。

今日の宿は熊本より1つ北にある駅、上熊本の駅前すぐにある
「ペンション四季彩」である。

ペンションというが、中身はビジネスホテル風。
元々は旅館だったのを名称変更したようだが、
悪くもないけど、取り立てて特徴もない。
最大の欠点は西洋ユニットバスなこと。私ゃこれが嫌いでねぇ。
ちゃんと確認するべきだったか。

でも、ここの良いところは食事であった。
ここはレストラン(というより食堂と言った方がいい)も併設しているのだが、
それがいいのである。

それはまさにご馳走であった。「ご馳走」というのは決して豪華と言うことでも
量が多いということでもなくて、その食材を集めるために「馳せ」「走る」
ものである。そういう意味では、ここで使われている食材は選び抜かれたもので、
料理人はこれを集めるために「馳走」したはずである。

全て自然の素材で、その味を十分引き出した調理法。
全てがとても穏やかで、ほっとする味である。
私は元々日本食志向であるが、ここのは日本風でありながらも
懐石のような堅苦しさはなく、そう、田舎料理を思わせる。
宿そのものは何であれ、この食事だけで十分に価値があると思わせる所である。

    ・・・そして夜は更けてゆく・・・

今日は阿蘇に向かう。
朝が早いがバス停が宿のすぐ前にあるので間に合うだろう。
・・・と思ったらおいてかれた。見えてただろうに!!!
次のバスは10分後。これでも順調に行けば熊本駅前に予定列車の7、8分前に
到着するはずである。
(JRはちょっと早いので朝がせわしなかったし、市電は途中で乗換があるので
きっと遅いだろう、と思った。)

が、何処も同じ朝のラッシュよ。バスはどんどん遅れる。
結局、熊本駅前に着いたとき、乗るはずの列車が出発してしまった。
今日これで2回目(1回目はさっきのバス)。
こんなに遅れるなら乗換ありでも市電の方が早かったかもしれない。
いや、きっと早かっただろう。
我ながら判断ミスが口惜しい。

次の列車まではだいぶあるが、これに乗れば40分遅れで阿蘇に着く。
そもそも今回の旅行では時間を目いっぱい使って回っているので、
1つの遅れは結構大きい。阿蘇での観光時間が40分減るということは、
1つの観光ポイントでの時間を減らす必要があるということだ。

列車は普通である。
途中までは人も多かったが(学校がある)、あるところを過ぎると急に人が減り、
景色も良くなってくる。
特急は逃して時間は遅くなってしまったが、こういう鈍行のゆっくりしたのも
たまにはいいもんだ。景色が十分感じとれるスピードで過ぎて行く。
まあ、遅れたら遅れたで、これはこれで良かったか。

阿蘇へ向かう列車は、立野というところで急に逆方向に走り始める。
最初は驚くが、これはスイッチバックというものだ。
余りに急な斜面を上る場合、一気に上ることができないので、ジグザグに
上って行くのだ。そういえば、以前四国の山中でもあったっけ。
でもここのスイッチバックは結構長いのでどこまで行くのだ?と思う。

                      阿蘇へ
            ____-------~~~~~~~~~
            ~~~~~~~~~~~-----___ 立野駅
    熊本から________-----------~~~~~~~~

スイッチバックを登ると急に高度が上がり、景色が「山」となる。
とは言ってもいわゆる「山中」ではない。
阿蘇は外輪山と内輪山の間に平野的なところが広がっている。
そのため、まるで平野の向こうに山があるように見えるのだ。
そして、このあたりの山の特徴だが、これは一目でわかる。
「木がない」。

このあたりの山には木がない。小さな木はあるのだろうが、
ぱっと見には草山に見える。それは1山でなく、まわりの山ほぼすべてである。
昨日熊本城から見えた、阿蘇が雪をかぶっているように見えたのは
この草だったのだ。草が枯れていて白っぽく見えるのだ。

しかし、なぜこのようになっているのか。
火口の近くであれば火山ガスの影響で木が生えないとも思えるが、
ここらあたりは関係あるまい。一面牧場にしているという事もないだろうに。
確かに牧場はあるのだが。

阿蘇駅に到着。意外と小さな駅だ。
ここでもレンタカーを借りて走る。

今度はカローラIIである。1500ccなのでエンジンパワーは
最初のミラージュよりあるが、内装はちゃち。
パワステこそあるが、窓はフルパワーウインドウ(要するに手動)だし、
電磁ドアロックもない。ラジオもAMのみ。
エンジンパワーがあるだけに走りやすい。
阿蘇の勿論坂が多いが、楽に登れる。

まずは大観峰(だいかんぼう)というところに向かう。
ここは外輪山の上にあり、阿蘇が一望できるポイントだ。
駅前からしばらくの平地部分を走り、その後一気に坂を登って行く。

    ・・・

大観峰近くには雪も残っている。5センチくらいあるだろうか。
さすがに阿蘇、九州とは言え山の上は寒いのであろう。
昼間の日差しはもう春なので、今は寒くないが。

駐車上から大観峰の石碑のあるところまで100メートルちょっと歩く。
う〜ん、まさに言い得て妙というやつだ。
非常にすばらしい風景。
広々として、雄大で、これが日本かと思う。
そういえば、ずっと前に行ったアメリカはヨセミテ公園の景色に似ている。
大お薦めである。

ここから見える外輪山の山々は、お釈迦様が寝ているように見えるところから、
大涅槃(だいねはん)と言われる。そういえばそのように見える。
これまた言い得て妙である。

駐車上の所にはみやげ物屋がある。
試食品があるので食べまくる。
やはり、みやげ物は試食で選ぶに限る。
(試食できない物は余り買わない。)
ところが、いざ買おうと思って生産地を見たら阿蘇ではない。
千葉とか遠方。
アメリカ行ってMade in Chinaを買うという笑い話があるが、
阿蘇に来てMade in Tibaを買ってもしかたない。
とはいえ、阿蘇で作られている物は「ない」。
おいしそうな物が多いから、どこで作られていう手もいいという事で
買ってもいいのだけれど、名前だけ阿蘇ではなぁ・・・という事でやめた。
ちょっと残念。

ここからミルクロードという所を走り、やまなみハイウエイに入って山を下る。
途中の景色は省略。
牧草地帯を走っているような感じ。

    ・・・

いったん平地に降りて、今度は阿蘇の火口=内輪山の方へ向かう。
内輪山の方は村営の有料道路がある。
何でも朝の10時までは通行止めだったらしい。
さすがに山の上は夜の冷え込みがきびしいのだろう。
幸い、今は12時近くなのでもう大丈夫。
上るにつれ雪の量が増える。
それでも道路の端には雪が残っているので、余り端を走らないようにした。

外輪山もそうだったが、阿蘇の山は本当に木が少ない。
標高の低いところにはある所もあるのだが、高い所にはない。
米塚と呼ばれる小高い丘もまったく木がない。
不思議な光景だ。

草千里という所。
内輪山の中腹にくぼんだところがあって、広い平原になっている。
傍らには池もあって、なかなかに美しい。
草千里というぐらいだから、そういう時期には一面の緑なのだろうが、
今は「雪千里」という名がふさわしい。

ここには阿蘇山観察所とかいうところ+レストハウスがある。
降りてみたいきもするが、実はここにある駐車場は有料である。
(阿蘇の中で有料駐車場はここだけ。)
それが嫌で通過することにした。

火口へのロープウェイの乗り場の前には広い駐車場がある。
さすがにオフシーズンがらがらだ。

本当はここから火口横の駐車場まで車で行くこともできるが、
ここから先は別料金で1500円ちょっとかかる。
それで、ここで降りてロープウェイを使うことにした。

    ・・・

が、この判断は実は間違いである。
ロープウェイも往復で800円ちょっとかかる。
ということは2人以上で行けば車の方が安上がりなのだ。
しかも時間待ちもない。
ということに気がついたのは降りてからであった。

乗り場の横には阿蘇山神社の奥の院がある。
ここはひっそりとしている。
まして雪が10センチ近くも積もっているので入る人も少ないようだ。

ロープウェイの時間は8〜15分ごとと書いてあり不定だ。
実際には20分以上間があくこともある。
なんか気まぐれ運転のような気がする。
ようは、人が集まったら運転するということか。

お昼を食べているうちに(うどん屋がある)出てしまったので
次まで20分ある。人が少なく、みやげ物屋もひまそうだ。
等と思っていたら老人の団体がやってきた。
まあ、老人の団体は品がない。傍若無人でやかましい。
かつて世界を恐怖させた「農協の旗+老人軍団」は日本でも健在(?)だ。

ロープウェイの中に入っても同じ。入り切るんかい?と思うほどつめる。
入ったら入ったで「席がないとか」文句を言う。
狭い車内に品なし老人とぎゅうぎゅう詰め。
女子大生とでもなら大喜びだろうが、これは我慢大会というか下手なしごきより効く。
帰りはぜひ一緒にならないことを願う。
(あぁ、車で登れば良かった。)

山頂、ロープウェイの所からすぐに火口はある。
ここは噴火活動がそれほど激しくないので火口の近くまで来ることができるのだ。
ただし、火山ガスは要注意だ。
硫化水素のガスは有毒で、大量に吸い込むと死亡する場合もある。
事実、年に何人かは被害が出るらしい。
そのため、ここでも常にその観測をしており、ガスが大量に発生しているときには
避難するように勧告される。
幸い今日はそういう勧告は出ていない。
でも、硫化水素の臭いはするので、気をつけたほうがいいだろう。

    ・・・

阿蘇の火口は5つあって、現在活動しているのは1つだけである。
火口に近いと行ってもそれが間近に見える程までは近寄れない。
(後で聞いた話だと、火口にはカメラが据え付けてあって、
例の草千里の所にある観測所からそれを見られるらしい。)
でも、噴煙というか水蒸気(?)がたち登る様は見える。
その音も聞こえる。
桜島の活動に比べれば確かにこつぶだが、これはこれで大地の活動が感じられて良い。

もちろんここにも退避豪がある。
まあ、ここが噴火することはそうはないのだろうが(ないことはない)、
ここの場合、酸素ボンベがあった方が有効なんじゃないか、と思う。

ゆっくり見ても30分とはいらない。
さぁ、例の集団に捕まる前に降りようか。
と思ったら連中は先に降りたようだ。
よかった。
今度はゆったりと降りることができた。
おぉ、山頂までの道を自転車で登っている連中がいるぞ。
ごくろうさんである。

車で一気に阿蘇山を下る。
下りに見える風景もなかなかすばらしい。

時間が余りないのだが、阿蘇山神社にも行きたい。
急いで走る。
・・・あれ、もう看板が出てきてもいいはずなのに。
地図を見る・・・正反対だ!!
急速反転180度!

    ・・・

阿蘇神社は国道より細い道に入って少し行ったところにある。
駐車場もある。
ここは神社なのだが、その門が特徴がある。
2階建ての門で、江戸時代のものらしい。
神社自体は古く、由緒あるところだ。

お寺なら立派な門があっても不思議ではないが、神社では少ない。
中もお寺風の感じがあるので、神仏一体の考えがあったのだと思う。
一見の価値はある。
人手も多くなく、いい感じの所だ。
その前には名水も湧いている。

さぁて、これで阿蘇での予定は終わった。
ゆっくりしていたいが、時間がないはずだ。
後は急いで駅まで・・・うわぁ、後10分もないぞ!
これからはもう猛スピードで帰ったのであった。
4キロ近くあるところを5分で走る。
しかも途中でガソリンを入れる。
道路は・・・あぁ少し遅いぞ!

それでもなんとか間に合った。
駅に着いて、レンタカー屋に返す。
で、駅に入ったら列車がちょうど来た。
もう1分遅れたらアウトであった。
ここで遅れると次の接続がなかなか大変だけに、良かった。
しかし、最初の40分の遅れがこういう状況を作ったのだけど、
やはり、慣れない土地での予定には、自分一人ならともかく、
誰かと一緒の時は余裕をもっておかなければいけませんな。
ありすぎるぐらいにでも。

    ・・・

(この辺りから先の文章は、記憶が薄れているので、細かい部分が抜けてたり
ちょいといい加減だったりする。あらかじめご了承のほどを。)

列車で一度立野まで戻り、今度は阿蘇を南に回る南阿蘇鉄道に乗る。
途中の景色?
良いけど、疲れの余り半分以上寝てしまった。

そうそう、このあたりの列車では観光ポイントでは減速してアナウンスしてくれる。
この列車では観光地図までくれた。
この南阿蘇鉄道でも立野から出たすぐの所に眺めが良い所がある。
何となく富山の黒部峡谷鉄道の景色を思い出した。
途中には温泉付きの駅とか、名水が湧いているところとかあるらしいが、
今回は通過である。また車で来たときにでもゆっくり回ろう。
(最近よくテレビで紹介されているので、知っている人も多いかも。)

南阿蘇鉄道の終着は高森。
田舎駅である。
ここからバスで高千穂へ抜けるのだ。

高千穂へのバスは、長距離だから観光バスかと思いきや普通のバスであった。
市内に走っているようなバスだ。これで行くのか?50キロもあるんだぞ。
大阪では定期のバスで50キロも走るのはあるまい。
大阪から京都の先まで走る距離だからな。
さすがに田舎は距離のスケールが違う。
(私の今までの経験から言って、田舎では都会の10倍のスケールで考えると良い。)

しかし、定期のこんなバスを調べるなんざ、時刻表をかなり読む人間にしか
わからんよなぁ。ほほほ。
でもまさか、こんなバスとは。
(本人も観光バスだと思っていた。)

バスは高森の町中を抜けて山を登る。
急に景色が変わり、森の中を走るようになる。
ここから先はアップダウンがある。
やはりこういうところにはバス停はない。
1バス停の間の距離が2キロ以上あるんじゃないか?と思う。
こういうことも都会ではまずないことだ。

    ・・・

この先バス停なんてほとんどないんじゃないか?
と思ったら、山の中に集落が点在した。
昔は木こりでもしていたのであろう。
今は車で通勤というところか。
観光目的のレジャー施設もあるようだが、今1つしっくりこない。
この山というもの、この環境を生かした施設には思えないのだが、
都会暮らしの人間にはこの程度でも十分なのだろうか。

途中で道路工事をしている。
こんな山奥の道を。
そういえば、やれ公共投資と言うと土木系に行く。
その多くは道路工事であり、しかも町中ではなく山奥の、
「こんなところ誰が通るねん」(自分が通っているくせに)というところが
工事されることが多い。
まったく税金のムダ遣いにもほどがある。
どこぞの政治屋が儲かっているのだろうに。

なんにしても、このような細い道路で、しかもでかいトラックを止めて工事している
ということは、当然バスは通れないということだ。
トラックに動いてもらいその後を進むが、
シャベルカーもあるので、ここを通るのは容易ではない。

「う〜ま〜い〜ぞ〜!」
実にうまい。まさにプロの技である。
本当に狭いところ、横は崖っぷちというところで見事にすり抜けた。
佐渡のバスの運ちゃんもうまかったが、このバスの運ちゃんもうまい。
私には絶対に無理だな。

このバスは観光ではなく定期バスなので、毎日これを使っている人もいる。
さらに、こういうバスだから乗客は少ないので、運ちゃんも乗客の顔を覚えている。
今日も今日とて中学生(らしい)と小学生が乗っている。
バスがある場所にさしかかったとき、突然運ちゃんが叫んだ。
    「おい、起きてるか?」

そう、もうすぐその小学生の家だったのだ。
彼は起き出して降りていった。
そこはバス停ではなく、彼の家の真前であった。

    ・・・えぇ話やなぁ・・・

希望の場所に、バス停以外で止まるということは、一部のバスではあるようだが、
このバスはそういうタイプではない。
しかし、臨機応変に乗客のいうところで止めるとは、
まさに地元に密着しているといえよう。
(この後、おばちゃんを言う場所で降ろす、ということもあった。)

そうこうしている内に、バスは高千穂に着く。

高千穂は思っていたより都会である。
いや、この言い方はいけない。確かに田舎町なのだが、
妙に車が多い。しかもトラックが。
それが山間の田舎の良さを台無しにしている。

今夜の宿は国民宿舎高千穂荘である。
バス停からは結構遠い。

途中、家を見ると、しめ縄が飾られている。
1軒だけではない。ほとんどの家の軒先にあるのだ。
今の季節(2月末)にあるとは・・・!
ひょっとすると旧正月を祝っているのだろうか。

それにしてもここのしめ縄は普通ではない。
大阪あたりで見るのは、縄にみかんに裏白だが、
ここでは、海老、お面、扇子など家ごとにさまざまで、
その大きさもまちまちだ。
基本的にはお店などやっているところが大きくて派手なようである。

おそらくは天の岩戸に代表されるように、この地は神話の土地だから、
神を祭るしめ縄なども、他の地方と違い、派手となるのだろう。
家々のその違いを見ながら歩くと、遠い道のりも苦労が少なくなる。

    ・・・やっと高千穂・・・

高千穂荘は高千穂峡への入り口近くにある。
が、ここからはその景色は見えない。
温泉でもないので、これと言って特徴はない。
普通の宿である。

食事には高千穂牛というのを選んでみたが、今1つである。
いや、肉はいいのだが、付け合わせの野菜の量が多すぎし、
料理としての全体の味が整っていない。
あるものを出しただけという感じ。
食べ物には特に「これ!」というものはない、といってしまおう。

夜神楽。
ここに来た目的の1つはこれである。
簡単に言ってしまえば、神話にまつわる話を夜な夜な演じるのである。
能のように堅苦しくはなく、むしろ大衆演劇に近い。
話も「神話」と聞くとなにやら厳めしく聞こえるが、
実際にはかなりきさくというか、見やすいものである。
本番は11月から2月初めまでなのだが、観光客のために
代表的な4つを毎晩演じているのだ。

で、食事後に見に行くことにする。
が・・・場所がわからない。
いや、確かに方向はあっているはずなのだが、いけどもいけどもそれらしい
音が聞こえてこない。
本当にやっているのだろうか。

もう一度宿に戻って聞いてみることにする。
えっ、先ほど行ったところのちょっと先とな?

普通なら宿に近いところにある高千穂神社にある舞台で行われているそうだが、
現在その舞台が改修工事中のため別のところでやっているらしい。

今度こそその場所に着く。
もうすでに始まっているようだが、
ここまできて見逃す手はない。途中からでもいいから見ることにしよう。

    ・・・

高千穂の夜神楽は日本書記にある天地創造辺りの話をモチーフにしている(はず)。
その中でも有名なのが「天の岩戸」の話であろう。
ここで演じている項目もそのあたりである。
ここ高千穂は神話の舞台になっている土地なのだ。
そして今でも町中がそのことを大切にし、受け継いでいるのである。

夜神楽の感想に付いては省略。
面白いので一度見てみると良い。
神話と聞くと、なにやら堅苦しい話のように思えるが、
意外と人間臭い。
「何」の辺りの話もあり、やはりそのような話は本番では
真夜中、子供が寝た後に演じられるそうだ。
う〜ん、これは一度本番を見に行かねばなるまい。
しかし、問題は見る側かも知れない。
老人連中の傍若無人なこと・・・。

    ・・・

翌日は高千穂峡を歩くことにする。
宿に荷物を預かってもらって出かける。

そうそう、朝食には湯豆腐が出ていた。
しかも机の上で火を付けているタイプ(わかる?)だ。
朝からと思うが、実は朝から湯豆腐というのはこの地方特別ではなく、
他でもあり、意外と良いそうだ。

高千穂峡までの道は道路しかない。
人の歩く道が見えない。
(後でわかるが、よほど慣れた人でなければ最初はわからないだろう。)
気を付けてくねくね曲がった自動車の道の坂を降りて行く。

峡谷の脇には遊歩道が付いている。
この峡谷には船(自分で漕ぐ)もあるが、船からは見えない景色もあるので、
遊歩道散策と船に乗るのと両方した方が良い。
ところが、私は船に乗れないので歩きだけである。
(船酔いが異常にひどい。浮き輪でも、極め付けは背泳ぎでも酔う位なのである。)
船からでなければ見えない景色もあるだろうに、残念。 
途中、2本の自動車道の橋が上下に見える場所がある。
なかなか綺麗なものである。
もっと緑が濃い季節や紅葉の季節に来ればもっといいだろうに。
「高さが日本一・・・」と書いて有ったような気もするが、
新潟の米山大橋も結構高いのでどちらが一番だろうか。
普通、自動車関係の建造物は余り景色とマッチしない。
ここはその中でも例外的だろうか。

高千穂峡は、山の中なので流れがきついと思いきや、
この辺り1キロちょっとだけが実に緩やかな部分になっていて、
船はその範囲でのみ動いて良いことになっている。
(「ここより先駄目」というところにはロープが張ってある。)
それから先は急に流れが早くなる。
遊歩道も船で移動出来る範囲+α位に付いている。
遊歩道に途中から入り、一旦船着き場の方に歩く。
(本当は最初はそうだと知らずに歩いてた。)

峡谷ならではの水と岩のおりなす自然美が見事である。
滝も何本か有るらしい。
私の気が付いたのは1本だけ、高千穂の写真といえばいつも出てくる所である。
遊歩道から見ても綺麗であるが、船から真正面に見るともっと綺麗であろう。
観光客であふれかえっていれば、景色もじっくり見られないのであるが、
さすがにオフシーズンの平日と有って人も疎らでじっくり見られる。

船着き場の近くには土産物屋とかがある。
なるほど、通常はここを出発点とするわけだ。
そう言えば、高千穂荘から遊歩道までの道で、途中分かれ道が有った。
その他方に行けばここに来たようだ。
トンネルがあるから避けたのだが。
(さすがに自動車道のトンネルを抜けたくなかった。)

ここには小さな水族館がある。
高千穂にいる水棲生物を展示しているらしい。
ところがどっこい、入り口が開いていない。
開館時間はとうに過ぎているのが。
ドアをたたいていたら中の人が気づいて開けてくれた。
平日で客が来ないと思ったのだろうか。

中には展示がある。
1階だけ。
全部ゆっくり見ても30分はかからない。
これで300円なり。
内容は悪くはないが、ちょっと高いかも知れない。

壁に何かのポスターが。
なになに、土曜サスペンス劇場、高千穂を舞台にし、藤田まこと主演のやつが
4月に放映されるって?
(そう言えばこの間やっていましたな。)

ここまででもっと時間がかかると思っていたが、予想外に早い。
とりあえず、もう一度遊歩道を戻り、宿に戻った時間でどうするか判断しよう。

    ・・・

途中、向こうからこちらの方をビデオに撮っている人がいる。
私たちがいると邪魔になるかな?と思いながらも、
ビデオに撮るかどうかはその人の勝手であり、それにつき合う必要もないと
思いゆっくり歩いていた。
ちょうどその人たちと擦れ違う時呼び止められた。
「景色の中に人がいて、良いシチュエーションになりました。」

なんと、私たちが邪魔と言うより、むしろ私たちの歩く姿も
風景の1つとして写してもらっていたとは。
光栄なことだ。
赤いウインドブレーカーを着ていたので、周りの岩の色の中で
(今は間だ緑は薄い)ひときわ目だっていたようだ。
そうとわかっていれば、もう少し気品有る振る舞いをしたのに。
えっ、元々気品がないのにそんなこと無理だって。
プー。

遊歩道は、最初はいたな所を通り越して、さらに下流へと向かう。
そこから道は山の側に入って行く。

この辺りには昔、自然の要塞が有ったようだ。
所々に昔の監視場所というところがある。
山から河の側に出っ張った場所である。
細い道を抜けて先端まで行くとよく見える・・・はずであるが、
今はもう誰も使っていないので手入れされておらず、道も先も木がいっぱいで
よく見えない。

遊歩道は一気に山を登って行く。
そしてその先あったのは、高千穂神社である。そうなのだ、
遊歩道は高千穂神社から船着き場辺りまで続いているのだ。
そうだとわかっていれば、最初もここから入れば危ない自動車道を
歩かないで済んだのに。
(高千穂神社は高千穂荘の近くだ。)

    ・・・

高千穂神社でお参りしてから駅へ向かうことにした。
予定より早いが、もうここで見るところもないので、
予定を切り上げて早く次の場所へ向かうことにしよう。
(車があれば、ここから少し離れた場所に見る場所があるのだが、
そこまでの時間はない。中途半端な時間の余りようである。)

その前に宿で荷物を。
そうそう、あの件に付いて聞いてみなくては。
「この辺りの家の軒先には今もしめ飾りがありますが、
    あれは旧正月を祝っているのですか?」

なんと、この辺りでは年がら年中付けているらしい。
特に旧正月だからというわけではないらしい。
神話の町だから、神がいつもそばにいるから、ということだろうか。

    ・・・

今度はバスではなく、高千穂鉄道で延岡まで行く。
高千穂鉄道の駅は、バス停よりもさらに遠い。
ちょっと坂を登っていったところにある。

南阿蘇鉄道と見たような列車(と言っても1両のレールバスだけど)に乗る。
この線にも途中に構内に温泉がある駅がある。
ということを延岡に着いてから知った。
最初からわかっていれば、そこで降りて温泉に入ったのに。
残念。

延岡の町は本をどう調べても余り見る場所はなさそうだ。
工業の町らしい。
たしかに駅前の観光案内に行ってもこれといった所はなさそうである。
とりあえず、近くに「日本一の金の弘法大師蔵」があるというので
それを見に行くことにする。

    ・・・

駅前商店街(というほどのものでもないが)を抜け、細い道を抜けて行く。
が、道がわからん。
自慢じゃないが、全国を歩くわりに私は方向音痴である。
地元の人に聞く。
「お墓の脇の道を抜けて・・・」
道を聞いて歩いても迷うから大したものである。
でも、実際ここは目的物も見えないし、途中に案内図もないのでわかりにくい。
ようやくそこに着いた時にはもう次の列車の出発まで余り時間がなかった。

ここか、と思ったのも束の間。
実はお目当ての像はさらに階段を登った先にあるらしい。
嫁さんを(おぉ、初めて出てきたね)先に駅に向かわせ、私1人階段をかけ登る。

階段の上には目的の弘法大師像が有った。
たしかに大きい(野外に立っている)。
が、なんとなく威厳がない。
金(きん)色が余りにも綺麗すぎるからだろうか。
一応お寺の中にあるのに、周りの建物もなんとなく「重さ」がなくて、
いかにも「観光目的で作りました」という感じがしてならない。
思い過ごしだろうか。

大急ぎで階段を降り駅へ向かう。
雨まで降り始めてきた。

駅に着いた時にはもう列車が来るところだった。
危ない危ない。
今回の旅行ではこういうことばっかりだなぁ。
ここから特急で別府に向かう。
時間的には早いが、別府ならいろいろと見るところもあろう。

    ・・・

別府に着いた。
ここでは地獄巡りもよし、砂むし温泉もよし。
さてどうしよう。
駅構内でいろいろと見ていると、おじさんが声をかけてきた。
「どういうところをお探しですか?」

実は、観光協会の人が私たちのような人を探しては説明をしているのだ。
よく出来た町だなあ。
その人に砂むし温泉について聞くことにした。
観光地図には別府観光港(JR別府駅からは遠い)の近くにあるように書いてある。
ところが、この駅の近くにも歩いていける距離にあるそうだ。
こちらは公共の温泉なのだ。
(だから観光ガイドには大きく書かれていない。)
600円。初日の山川の所と同じだ。
普通の温泉なら60円とか、中には無料もあるらしい(心づて)。
さすがは温泉の町。
しかし、やはり現地の情報は大切だ。

さて、砂むし温泉に行こうか。
でもその前に宿に連絡をして、荷物を置いてから行くことにしよう。

今日の宿は別府ビューホテルというところである。
(残念ながら、2003年を持って閉館されました。)

で、何でここに泊まるのかと言えば、それは、私の知り合いの先生が
経営しているからである。
もっと駅に近いと思ったら、結構遠いぞ(むしろ港に近いらしい)。
これはもう一度駅に戻って砂むし温泉に行くことは無理みたいだ。
まだ時間も早いが、まあ今日は早めに宿に入ってゆっくりすることにしよう。
ホテルにも温泉があるようだし。

このホテル、宣伝もしていないし、場所も駅から遠くて、本当にこんな場所にあるの?
というところにあるので普通の人には知り得ないかも知れない。
(一応例の観光案内の人は知っていた。でも「遠いよ。どうやっていくの?」と
聞かれたほど。)

控えめに見ても、ここは小さなホテルではあるが、とても雰囲気の良いところである。
周りに他のホテルや歓楽街がなく静かということもあるが
(朝は鶏の鳴き声でおこされるかな)、
ホテルの食事、中のインテリアなどに奥さんの気配りが有って
雰囲気がとても良いのだ。
最上階の展望風呂からは別府の市街が一望出来る。
(特にすばらしいものでもないかも知れないが、
町中から湯気が出ているのは確認出来る。)

この辺りは風がきつい。
裏手にある山(鶴何とか岳)おろしというらしい。
「風がきついのが欠点ですかね」と言ってられたが、
確かに風の音がすごいけど、それほどいやな音ではない。
これはこれでいいのではないだろうか。

ゆっくりといえば、別府の近くの「由布院(正式には湯布院)」がいいとされるが、
あそこも少し「何」なので、意外と別府でもこういう穴場ホテルの方がいいと思う。
(由布院については後述。)

ホテルでは、なんと!今日は私たちだけなのだそうだ。
先生が気をきかせてくれたらしい。
ああ、その上に食事なども特別だ。
余りのサービスの良さに恐縮してしまったのであった。
(他にもいろいろ有ったけど、あえて省略。)

食事前に1回、寝る前に1回、朝に1回と3回も温泉に浸かってしまったので
ありました。ああ、広いお風呂はいいなぁ。

    ・・・

いよいよ今日が最終日である。
今日はまず別府から湯布院へ抜ける。
(「ゆふいん」というのは、湯布院地区の中の由布院ということらしい。
地区の名前は湯布院、JRの駅の名前は由布院。ややこしい。)

最初の予定では、JRで一旦大分に戻り、そこから由布院までの列車に乗ろうという
計画だった。
昨日の夜調べたところによると、このあたりから由布院へ行く直行バスがあるらしい。
周遊券をフルに使うなら大分回りだが、ここは時間を優先しよう。
ということで、バスで行くことにした。

そういえば、別府での売り土地にはみんな「温泉付き」と書いてあるけど、
ほんとうかね。
本当だとしても、温泉を掘って汲み上げるのは自分でやるんだろうね。
老後にはここで温泉三昧というのもいいかも知れない。

バスは山を越えて由布院へと向かう。
このバスの距離も結構有りそうだが、やはりこれも定期バスである。
(770円)
列車より1時間遅く出て、ほぼ同じ時刻に到着出来た。

JR由布院駅前ではなにやら楽隊が出ている。
馬車もある。
何か有るようだ。
ここの駅舎は綺麗であると聞いていたのだが、残念ながら改修工事をしている。
オフシーズンに改修するというのはわかるが、う〜ん。

とりあえず駅前で観光地図をもらうけど、思っていたより見る場所はない。
おしゃれな土産物屋は多い。一見資料館的なところもある。
でもそのどれもが有料でしかも高かったりいかにも観光目的で、
私のように元々そこにあるものを楽しむ人間には向かない。
(駅前にパチンコ屋がどうどうとあるのには、由布院のイメージが崩れて
いやであった。)

    ・・・

人に聞く度「由布院は良い」と言う。
テレビやガイドでも取り上げられている。
実際に今日も女子学生らしき連中や老人は多い。
(土産物屋も、そういう人を対象にしている、と思われるものが多い。
決して悪いものではないけれど。)

でも、それほど良い所か?と私は思う。
静かは静かだし、温泉があるのでのんびり湯治にはいいのだろうけど、
そうなのだ、観光を目的として来るには今1つなのだ。

それでも来たからにはしょうがないので回ってみることにする。
歩いて回れる市街地域は広くなく、普通に歩けば2、3時間で十分見て回れる。
土産物屋にはいいものがある。
買って帰りたいものもあるが、かさだかいものが多いのでやめる。
2つほど資料館らしき所へ行こうとするが、小さい上に高いのでやめ。
雨が降ってきたので昼食がてら雨宿り。

めざすは金燐湖(きんりんこ)。
由布院で、歩いて行ける唯一と言っていい自然の観光場所である。
(車を使えば山の中にいくつかあるようだ。)
「湖」とあるからもっと大きいところと思ったら、大きさは池程度である。
(「池」と「湖」の差異はどこにあるのだろうか?深さかな?)
ここは中に温泉が湧いているらしい。
確かに湖面から湯気がたっている。この湯気が朝日に照らされる様が
いかにも金の鱗が輝く様のようであるから「金燐」という名前が付いたとか。

水は確かに暖かい。
でもよく見ると、藻が多かったりして、ちょいと汚い。
もう少し力を入れて綺麗すると良いのに。

    ・・・

この湖のそばに手焼きの煎餅屋が有った。
何気なく入ってみたが、本当に目の前で手焼きしている。
実にいい香りだ。

買って帰ろうと思う。袋入500円も有ったが、
焼きたても食べられるらしい。(100円)
袋入に比べて割高ですが・・・と書いてあるが、
一度食べてみたい。

焼きたての煎餅というのは醤油の香りが良く、
あたたかく、そしてやわらかい。
全部まとめてで言えば「香ばしい」と言える。
それはおもちを薄く伸ばして焼いたような感じが一番近いだろうか。
ある意味、これは1枚しか食べてはいけないような気がする。
2、3枚食べてしまうと感動が薄れてしまう。
1枚だからこそ、このおいしさが味わえるというものだ。
この煎餅こそが、ここ由布院での最高の思い出となった。
周りに人はなく、おそらく観光客もそうは訪れ無いのだろうが、
隠れたところに良いところはあるものだ。

後は駅まで歩いて、残りの土産を買って列車を待つとしよう。
そういえば、雨は上がっている。
駅前から振り返ると、山(鶴何とか岳)の上がほんのり白くなっている。
冷たい雨だと思ったら、山の上の方では雪になっていたのだ。
思いがけず美しい風景に出会う。

駅に戻ったらもう楽隊はいなかった。
何かしらはもう終わったらしい。
(1本早い列車で行こうにも、こういう田舎駅では列車が少ないので難しい。
高千穂では出来たが、ここでは無理だった。結局予定の時間までいたのであった。)
次の目的地は博多だ。

    ・・・

博多では2時間ちょっとの時間がある。
OLならここで駅前のデパートにでも行ってお土産捜し、
となるのかもしれないが、私の場合には2時間でもぎりぎりまで見て回るのである。

観光地図によると、地下鉄で少し行ったところに「櫛田神社」という所がある。
そこまで位なら何とか行ってこれるだろう。
この辺りの時間的感覚は我ながら見事なもんがある。
(もっとも、非常にぎりぎりではあるが。)
いい忘れたが、私は行く土地の情報をある程度は観光ガイドで調べるが、
最終的には地元の観光案内所でもらう地図や情報に頼る。
その方が確実なのだ。
もちろんそのためには、あらかじめ立てた計画を臨機応変に変更できるように
しておかなければならない。(だから、余り予約を入れすぎるといけない。)

私がこういう時、私が捜すのが古い建物、特に神社仏閣、お城である。
もちろん、都市以外では自然が目標となる。
余り資料館とかは捜さない。時間がないからだ。
(ただし、併設されている場合には行くこともある。)
美術館はほとんど行かない。
この辺りに私の旅行方針が見えている。

地下鉄に乗る。
大阪に住んでいる人間は、大阪の交通事情が普通だと思いがちだが、
他の地方ではそれは必ずしも当てはまらない。
バスや市電の運賃が先払いか後払いか、前乗りか後ろ乗りか、
そういうはっきりした違いの他、なんとなく「違う」と感じる場合もある。
そういう違いを感じるのも旅の良さだ。
博多の地下鉄の場合は「なんとなく違う」という感じである。
どこが?といわれてもはっきりと言えないのだが、
大阪の地下鉄とは感じが違う。
駅の配色の違いだろうか。

    ・・・

櫛田神社はもより駅を出てから商店街の抜けた先にある。
ここも案内図が少なく、神社が商店街に隠れて見えないので迷いそうになる。
商店街をまっすぐ行けばいいだけなのだが。

博多には、京都の祇園祭りほど大きくはないが、山車が出る祭りがある。
(博多どんたくだったけ?)
その山車の1つがこの神社で保管されており、公開されている。
全体的な大きさは京都のものより小ぶりに見えるが、
高さや飾りの派手さでは負けているまい。
この辺りは博多っ子の心意気だろうか。
ちょうどこの時NHKで「走らんか!」で博多が舞台になっていて、
祭りの風景も流れていたから、わかるだろう。
(町中にはそのポスターが多かった。実は、あの撮影はほとんど大阪で
行われていたんだけどね。)

神社でお参り。
この神社境内には泉が湧いている。
この泉、実に変わっていて塩辛い。
それもただの辛さではなく、その成分も塩の他にマグネシウム等いろいろと
入っているらしい。
体に良い霊泉とされているが、成分がきついので1回小さな杯に1杯のみ、
と書いてある。

「3口に分けてお飲み下さい」と書いてあるのを、私は3杯お飲み下さいと勘違いして
3杯も飲んでしまった。本当は、「1杯のものを3回に分けて飲め」ということ
なのだ。「さんさんくど」のようにといわばわかるだろうか。
ああ、飲みすぎて口の中が変。

神社を後にして、めんたいこ屋を捜す。
「ふくさ屋」や「ふく屋」がいいと聞いていたのだが、
幸い神社のすぐ横に「ふく屋」があったので入る。

    ・・・

一口に「めんたいこ」といってもいろいろあるものだ。
色や味の濃さで分けられる。
マヨネーズにめんたいこを入れた変形品もある。
試食して、一番有っているものを選ぶ。
(着色と無着色がある。もちろん買ったのは無着色。色と味は関係無いのだ。)
なにか、抽選があるようなのでやったけど、「はずれ」。
でもラーメンをくれた。
全国発送販売もしているようなので、また頼むこともあろう。

さらに、この近くにほんの最近出来た「博多歴史館」があった。
出来たばっかりということで、看板もほとんど無かった(例の観光地図には載っていた)が、
見つけることが出来た。
歴史館(有料)は時間がないのでやめたが、横の土産物屋(無料)に入った。
ここには昔なつかしいおもちゃなどがある。
ビー玉にめんこ、ぶりきのおもちゃなど。
もちろん博多縁のものもある。

そうだ、ここに来たら「博多ラーメンを」食べなくては。
出来れば屋台がいいなあ。

折しも商店街の外れに屋台が組み立てされていた。
「いけますか?」と聞いたら「駄目!」とのこと。
まあ、まだ6時前だし時間的には早いとは思うが、
なんとなく、一元の客は駄目、的な雰囲気も有った。
考え過ぎかな。

しょうがないので、商店街の中にある24時間のラーメン屋に入った。
こういうところだから、と思って余り期待してなかったが、
おいしかった。

博多ラーメンはトン骨だが、何かミルクスープみたいであっさりしている。
辛くもない。(紅生姜を入れなかったのは不覚であった。)
見た目は天一(知ってる?)の「こってり」に似ているが、
全く別物である。
こちらは1日に2杯でも食べられる。
(天一は絶対に無理。1週間に2杯だって無理かも知れない。)
しかもこれで300円なのだから安い。
これはお買い得なラーメンであった。

というところで、そろそろ時間なので地下鉄に乗り帰ることにする。
これで今回の旅行の観光スケジュールは終了である。

    ・・・

実は新幹線では小郡より先に行ったことがなかった。
(小郡というマイナーな駅なのが私らしい。)
今回博多から新大阪までというのは初めての経験なのだ。
これで山陽・東海道新幹線は全線制覇だ。
しかも「のぞみ」だ!
(あっ、博多−博多南間は乗ってないか。鉄道オタクなら知っているだろうが、
一番安く新幹線に乗れるのはこの区間なのだ。300円くらいで乗れるのだ。)

いろいろといわれる「のぞみ」であるが、実際乗ってみるとさすがに速い。
その差は景色の流れ方でもわかる。

博多から新大阪までが2時間半。
普通では3時間だから、30分速いことになる。
たかが30分と言うことなかれ。こういう疲れている時には大きい。
そういえば、今度の時刻改正で毎時00分の新大阪発は全てのぞみになったそうだ。
普通より900円ほど高いけど、人気がある理由はわかる。
(ほぼ満席状態。)

ということで、新大阪に到着して、幾つか列車を乗り継いで新居まで。
家に着いたらもう夜の11時過ぎであった。
正しく4泊5日の旅であった。

    ・・・

今回の旅はちょいと急ぎすぎた感があるので、
またいつかゆっくり回ってみることにしよう。
しかし、最近いろいろな場所が観光地化されすぎて駄目になってきている。
今回良かった場所も、次回にいいとは限らない。
ということは、早い目にいろいろと回っておく必要があるということか。

観光地と呼ばれる場所の人達は、お土産や宿泊などの直接的収入ばかりを追わず、
なぜここがいいと言われるのかその原点を再認識し、
いつまでもその良さを保っていって欲しい。
今はまだ、過去の評価から来てもらっている土地でも、
やがて評価が下がり、来てもらえなくなることはある。
そうならないようにも、ぜひとも「良さ」を保って欲しいものだ。

という、観光地への希望を書いたところで、
今回の長〜い旅行記はおしまい。

    ・・・(完)・・・
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