「天の橋立レポート」(2001/03/12〜03/30号)
これは、かなり昔のいつかの季節に日帰りで天の橋立に行った時の旅行記である。

今回の掲載にあたり、当時を思いだし・・・ても全く思い出せないので、
当時書いた旅行記を再編集しただけである。
(注;の部分は今回の再編集にあたって追記した部分。)

        ・・・

今日は友人がまた年休をとらされたということと、
「新型アプローズ」を購入したということで、
その慣らし運転を兼ねてドライブに行くことにした。

まずはこの「新型アプローズ」を説明せねばなるまい。
ダイハツ「アプローズ」は同社の1600ccの「最高級パーソナルセダン」である。
この夏に新型(マイナーチェンジ)が出たのを友人が購入したわけであった。
記憶の良い人は私の車も「アプローズ」であるということを御記憶であろう。
私のは由緒正しき「初代」である。
(注;T_T)

さて、この新型はどの様であろうか。
友人のも私のも同じRiというスポーツタイプであるが、
かなりの改良がなされているようだ。仕様の違いはともかくとして、
まず違うのがアイドリング時における回転数の低さと静かさである。
EFIが改良されたようで、かなりの差を感じる。
そして全体的に回転数を下げてあるようである。
騒音対策も強化されているようで、少し静かになったように思う。
サスペンションは少し堅くなったようだ。よりスポーティーになったといったら
いいのか。(MOMOのハンドル&ステアリングノブが標準装備だもんな〜。)
後はシートベルト警告燈がついたとか、バックドアを開けたらドア警告燈が
つくようになったとかいう点が改良されている。
これによりアプローズはますます良い車になったと思う。
1600ccクラスで車を探している人には一度乗ってみて欲しい車である。
(控えめに見ても良い車だと思う。)

        ・・・

それはさておき、今日も一般道で行くことにした。176号線だろうか。
(173かもしれない。)池田を抜け、綾部を抜け、舞鶴を抜け、
宮津市まで行った。距離にして約140キロ位だろうか。
途中とまりながらも4時間位でついた。

天の橋立は言うまでもなく日本三景の1つである。
日本三景とは「安芸の宮島」「松島」そしてこの「天の橋立」である。
私はすでに前2ヶ所については行ったことがあったが、
一番近いはずの「天の橋立」には行ったことが無かった。
近過ぎてかえって機会が無かったということだろうか。

天の橋立はすぐ近く(根元)まで車で行くことができる。
(駐車場は有料で1日600円。)

車から降りると近くからどんどんという太鼓の音が聞こえる。
そこには「知恩院」という知恵を授かるというお寺があった。
今日は秋祭の日のようだ。
子供たちが代りばんこに太鼓をたたいている。音をとぎれさせないよう
順序よく代わっていく。そのばちはかなり大きく太い。なんとなく小さな臼の
ような形をしている。
そういえば一昨日は箕面の大黒天(弁財天?)でもお祭りがあったようだ。
今はそういう季節なのだろう。(今日は帰りに別の場所でもお祭りを見た。)
はっぴを着た子供たち、笛や太鼓の音。
風情があっていいものだ。

        ・・・

橋(この橋、船を通せるように稼動橋になっているのだ。)を渡って
天の橋立に入る。

いや、最初私は自分が歩いているところがそれだとは気付かなかった。
天の橋立というのはもっと細くて波に洗われて今にも沈みそうなものと
思っていたからだ。
現物はしっかりとした陸地で、松もたくさんはえている。
しかし、最近では荒い波のためにだいぶ削られているそうで、
所々補修工事をしたような跡がある。

トイレも所々にある。
車は通ることはできないが、自転車や原付きなら通行できる。
所々に名所もあるので、自転車で走るのが一番かもしれない。
貸し自転車もあり、30分¥300位である。

天の橋立の幅は20メートル位だろうか。
そのような長細いものが湾の端から端まで通じているのである。
全長は2.4キロ。ゆっくり歩けば30分で片道を歩ける。
もちろん無料である。
両側が海。ということで潮の香りが漂って来る。
良い香りだ。

反対側の岸につくと釣りをしている人がいる。
海を覗くと鰯のような魚がいるが、釣っているのはどうやらそれではないようだ。
        「つれた!」
獲物を見てみると、それはカワハギだった。
カワハギというのは口をとんがらせた、平べったい魚である。
そのつもりで海を見ると、確かに何尾か泳いでいるのが見える。
この魚、名前も姿も知っていたが、実物を見るのは初めてだ。
しかしおしいことしたな。釣れるとわかっていたら釣り道具を持って来たのに。

        ・・・

天の橋立といえば、股覗きが有名だが、
それは、ロープウエイで上がった山の中腹にある所まで行かなければ見えない。
それはここからちょっと離れているし、もちろん有料なので今回は行かないこと
にした(天気も悪いし)。今度機会が会ったら行くことにしよう。
今日はカメラも持って来ていないので、下見のような感じであった。

        ・・・

再び元の道を戻って行くことにする。
途中「磯清水」という名水が湧き出ている所がある。
この「磯清水」、周りが海にもかかわらず、全く塩分がないというのだ。
実際飲んでみると全く塩の味がしない。
私の田舎(新潟)も海の近くであるが、その井戸水がみごとに塩の味がすることを
考えると不思議である。

この水は平安の昔から湧き出ているもののようで、かの「泉式部」の書物の
中にも記載されているということだ。
なにか入れ物でもあれば汲んで帰ろうと思ったのだが、何も持ち合わせが
無かったのであきらめることにした。残念。

ゆっくり往復して1時間強。まあ、1時間半もあれば十分だ。
今日はあいにく時折小雨が降り、風が強く、気温が低く、
半袖で出かけた私は寒くてしかたが無かったが、
いい季節(いつだろうか)に行けばなかなかいい場所であると思えた。
そうそう、夏には海水浴も可能である。

        ・・・

戻ってみると、お寺にはすでに子供たちの姿は無かった。
「もう終わったかな」と思いつつ、車で少し走って行くと、
祭太鼓が各家を廻っているのが見えた。子供たちは御祝儀をもらいながら
こうして町を練り歩くのだ。箕面の祭でもそうなのだそうだ。
そういえば、新潟の祭でもそうしていた。
私の家の近所ではこういった光景は見られない。
祭自体が無いからだ。
こういった風習は長く伝えて欲しいと思ったのであった。

        ・・・
帰りは行きとは違う道で、篠山から西宮を抜けて帰った。
さて、燃費はいくらになっているかな。
大分伸びたようだが。
        「20!?」
なんと20キロ/リットル以上もいった。
1600cc、EFI、120馬力の車でこんなに行くとは思わなかった。
まあ、今日は慣らし運転だから余り回転数を上げず、ゆっくり走ったのが
よかったようだ。高速道路でもこんなにはいけない(せいぜい15がいいところ)。
もちろん新型の改良の成果かもしれないが。
おそらくは2度とできない記録をお土産に、今日のドライブは終わったのであった。

        ・・・終わり・・・
<戻る>