「ガベの城レポート」(2003/03/31〜05/05号)
これは昔趣味にしていたハイキングのレポートである。
このハイキング、その余りのハードさに「超ハイキング」と呼んでいたのであった。

ハイキングは多くの場合、複数人数で行っているので
「我々」という書き方をしている。
因みに、隊長は私であった。

今回の掲載にあたり、当時を思いだし・・・ても全く思い出せないので、
当時書いたレポートを再編集しただけである。
(注;の部分は今回の再編集にあたって追記した部分。)

    ・・・

というわけで延び延びになっていた柿谷・ガベの城コースである。
もう最初の企画から2カ月もたっている。

思えば「超」ハイキングで神戸線方面に行くのは初めてである。
神戸方向といえば六甲しかないと思っていたが、
このガベの城や、摩耶山などいろいろあるようである。
またこの方面を攻めるのも良かろう。

土曜日は快晴。
しかし風がきつく気温も低い。
千里ではまだましであったが、芦屋川駅を降りたときには
ひどい風であった。私は相変わらずの薄着であったが、
もう少し着こんでくればよかった。

駅前には多くの登山の格好をした人がいる。
こんなにたくさんの人が登るようなコースなのか、と思ったが、
結局私たちと同じコースに来た人はいなかった。
ここを始発とした他のコースもあるようだ。
六甲方面に行くのだろうか。

駅を出て川(たぶん芦屋川)に沿って歩き、途中から急な坂道を上る。
そういえば、阪急芦屋川駅はこの川の真上にある。
駅自体が橋のようになっているのだ。

この坂、見るからにすごい。
登ってくる車もみんなエンジンが高回転なのでうるさい&臭い。
山が近く自然には恵まれてるようで、結構空気は汚い。

ずっと登り続ける道は、かつての五月山−箕面の滝コースを思い出させる。
あのときも、どこまで行っても登りであった。
あそこが頂上だ!と何度言ったことか。
真夏の炎天下の道路上ということもあって、あのときは半脱水症状状態で
危なかった。
今日は冬だからまだいいものの、結構近いものがある。

幸い30分ほどでこの坂をはずれ、山道へと入る。
同じ坂でも山道の方がだいぶ楽だ。

しかしその入り口がわかりにくい。
工事現場というか工事をする人の休憩所(?)の敷地内にあるのだ。
長年の感で見つけることが出来たが、
相変わらずわかりにくい阪急ハイキング手帳である。

    ・・・

山道に入ると道は少し平になる。
歩くには地道は楽だ。

川がある。これが芦屋川の源流の1つだろうか。
メインの流れとは少し離れているが、どこかで合流するのだろう。
川の源流と言えば、妙見山に登ったときに谷間に川の源流を見たが、
あれとはずいぶんと感じが違う。
「川」とひとことで言っても、ところによってその違いは大きく、
見ていて飽きないものがある。

この小川を渡ると道は旧に坂がきつくなる。
細く岩が階段状になっている道をゆっくりを登る。

この山は岩が多い。
この山、「ゴロゴロ岳」という名前なのだが、
(ガベの城はこの山の山頂の向こうにある)
その名前の由来はすぐに理解できる。
それほど岩が「ゴロゴロ」しているのだ。

回りには余り動物が見られない。鳥もほとんど見えない。
冬なので余り活発に行動していないのだろう。
しかし、ふんらしきものがある。
その大きさからいって中ぐらいの大きさの鳥がいるようなのだが。

やがて先のほうから何やら工事のような音が。
いったい何をしているのだろうか。


しばらく行くとなぜ入り口に工事現場があったのか、さっきの音は何だったのか、
それがわかった。
工事現場(今度は本当に現場)が見える。
どうもここに砂防ダムを造っているらしい。
山中には似合わない風景だ。
山崩れとかが起こったときに困るから、あらかじめこういうものを造るというのは
わからないでもない。しかし、自然の大きな力の前では人間の造ったやわなものなど
無力なのだという来もする。
根の強い木を植えて自然の力で山を守る方がいいのに。

このダムのおかげで山道が大きく迂回している。
それがまたとんでもない山の側面に無理矢理道を通しているから急で細い。
その上、そのままでは道を通せないところには鉄骨で組んで道をつくってある。
この足場がたわみ、また斜めに傾いているし、
したが見えてスリル満点である。
回りは木でおおわれているし、遊園地にあるジャングル・クルーズなんて
目じゃない。ただでこの迫力は良いぞ。

しかし、毎日この現場まで作業員の人は歩いて登っているのだろうか。
入り口からここまでけっこうな距離があったぞ。
大変なお仕事、ご苦労さまである。

そこを越えて、本来の道に戻り山道を進む。
岩はさらに大きいものが転がる。
所々に水の通る筋があって道が柔らかいので、
気をつけて進む必要がある。
今日は比較的ゆっくり登っているので息は切れないが、
気は抜けない。

しばらく山道を進む。
ハイキング手帳は縮尺がまったくない。
だから今どのあたりにいるのかの見当がつかない。
これがこの手帳の最大の欠点だと言える。

しばらく行くと高圧線の鉄塔が見える。
その下は大きな岩が並び見晴らしが利くようになっている。
頂上!?

    ・・・

そんなことはなかったが、ここからでも見晴らしはよい。
下には海、遠くには神戸ハーバーランドらしきビルも見える。
海が光っている。

地面を見ると霜柱がいっぱいだ。
私たちは登っていて体が火照っているので余り感じないが、
気温は低いらしい。

ここの岩は他の岩とは種類が違うようにも見える。
それに明らかになにかで切られたような面もある。
見晴らしがいいので休憩所として岩を置いたのだろうか。

そういえば、ここまでの道の回りにあった岩の大きなものには
くさびを入れた跡がある。
誰かがここの岩を切ってもって行こうとしたのだ。
しかもそれは、その跡の風化の仕方からみて最近のことではない。
このあたりに古墳があるのだろうか。
そういえば、こんもりと盛り上がった場所がいくつかある。
あのあたりがもしかして・・・。

それから先の場所は、所々地面が霜柱でいっぱいになる。
さらに行くと雪もあるではないか。
積もると言うほどではないが、うっすらと雪が残っている。
さすがは山の上、気温が低い。

ある程度まで登ると、そこから先は急な登りはなくなる。
平らな場所が多くなり、ときどき登るという感じになる。
だから、ちょっと見晴らしがいい場所に出ると「ここが頂上?」と思う。
そう思うこと、幾年月。(そんなにたってないぞ。)

ある場所で、先に白いものが広がっているのが見えた。
まさか雪が積もっている場所があるのだろうか。
そのように見えるのだが。


急いでその場所に行く。
気が繁り、遠く回らなければそこには行けない。

そして目の前に現れたのは、池・・・というか沼というか、
水たまりと言うには少し大きすぎるようなところである。

そこに厚い氷が張り、その上をうっすら雪がかかっているのだ。
それが光りに当たり真っ白に見えていたのだ。

すぐ近くまで寄ってみる。
水であればこの辺りはぐちゅぐちゅであろうという場所もかちこちだ。
さらに進んで氷の上に立とうとする。

「パキッ!」という音とともに氷に大きな筋が走る。
危ない。私の体重には耐えられないようだ。
しかたないのでそこまでにする。
池の真ん中に大きな岩があるのでそこまで渡りたかったのだが。

ああ、それにしても、今日はカメラを持ってこなかったことが悔やまれる。
いい景色が続くのに。

離れがたい面白さを持つ場所ではあるが、
先を急ごう。まだ頂上は遠い。

何本かの高圧線鉄塔を過ぎ、テレビ塔の前を通過。
ここにはNHKとサンテレビのテレビ塔がある。
その前に借地権の札があるのだが、これが「昭和11年から昭和61年まで」
となっている。
ずいぶんと長い借地だが、もう期限が切れているぞ。
いいのかNHK。


それにしても長くだらだらと登り続ける山だ。
いったいいつになったら山頂に着くのだろうか。
いや、その前にあるという「元人間燈台」はどこにあるのだろうか。
ハイキング手帳ではこのテレビ塔の近くのようなのだが。
木が繁っていて見通しは良くない。

やがて目の前に現れたのは、なんと家である。
こんな山の上に家があるなんて。
感じからして別荘だな。
こんなところに家があるなんて、勿論その回りにはフェンスがあるし、
雰囲気が台無しである。
そういえば鞍馬から大原へ行くときの山の中にもあったっけ。
でもあのときの家は、まだ山小屋風だったが、ここのはいかにも金持ちの
「別荘」という感じでいけない。
こういう場所に家を建てたいという気持ちはわからんではないが、
ちょっと幻滅してしまう。

これが1軒ではなく複数ある。
いったいこの山は・・・

    ・・・

そのうち広いところに出た。
目の前にある鉄骨の塔、上に小屋みたいなのがあるのが元人間燈台である。
なにか思っていたより、いやハイキング手帳の写真よりぼろい。
上の小屋の底の板が、写真ではまだあるのに、実物ではもう腐ったのか、ない。
いったいいつの写真を載せてるんだ、この本は。

それはいいとして、なんだここは。
車!?
裏に車道があるではないか。
山の裏側からは車でここまで登ってこれるのだ。
だからこんなところに家が建つのか。

幾ら芦屋とはいえ、このような山までが金持ちの道楽でつぶされるとは。
しかも頂上近くだぞ。ここまで登ってきた苦労が何だったのか。
山の中から一気に都会のど真ん中に戻された感じ。
ほんとうにいやになる。
ここまでの山道がわりと良かっただけにその落胆は大きいものがある。

山は山らしくおいておくべきである。
決して金持ちの道楽で汚してはいけないのだ。
人間が訪れ易くすることはわるいとは言わない。
身近な自然が減っている今、こういうところに訪れやすくするのは
必要なことだが、金にものを言わせた馬鹿のいいように、
金儲けのために作り替えてはいけないのだ。
それは最近の関越方面のスキー場にも言える。
せっかくの美しい山々が、ばからしいホテルのために景色が台無しになっている。

ここまでがそのようになっているとは。
日本はこれからまず、自然と共にある人間のあり方の精神教育を
するべきである。


ここは景色が悪いので、その先にあるらしい頂上へと向かう。
そしてすぐに頂上に着いた。

        が。

これはまあ、なんともはや質素な頂上である。
木立の真ん中に小さな杭があり、その上にこれまた小さな看板で
「ゴロゴロ岳頂上 565メートル」とある。
景色も良くない。

剣尾山や愛宕山の頂上がいかにも「頂上!」という雰囲気であったのと比べると、
ここは本当に頂上かいな、と思うような感じである。
木にぶら下げられた登頂記念の看板や金魚がかわいそうである。

さっきの家と言い、この頂上といい、山頂付近がいかん山である。
ここも、家がなかったらもう少しは立派な頂上の雰囲気を出していただろうに。
重ねがさね馬鹿の道楽には腹が立つ。

頂上でお昼にしよう、そう思ってここまで耐えてきたが、
さすがにここでは食事はできない。
おなかはすいているが、先を急いで「ガベの城」まで行くことにしよう。

頂上を越えると急に下り坂続きになる。
しかもこの辺りの日当たりがわるいせいか地面が凍っている。
その霜柱をバリバリと踏みながら下る。

気温も下がってきているように感じる。
登りは体を動かしていたせいもあって結構暖かかったが、
今は下りとなって少し体の動きが少ないということもあって寒さが身にしみる。

それにしても、ここまで誰に会わない。
家があったがそこでも人は見なかった。
寒いということもある。
しかし、この人の少なさ、それはこの山の魅力の現れであろうか。
山そのものには魅力があっても、人間がその価値に気づかず、
魅力を下げているのだ。
山頂以外はいい雰囲気なのだが。

    ・・・

山の尾根を歩いてちょうど芦屋とは横方向に反対側に出ようという景色が
見えたとき、そこにガベの城はあった。
何となく景色のいい場所があって、そこに進んだら木に「ガベの城」という
看板があったのだ。
ここもわかりにくい場所だ。

ガベの城と言うのは山頂ではない。
普通にいうお城でもない。
ではなんなのか。

ここから見える景色だけでははっきりしたことは言えないが、
どうやら見張り場のようである。
ここから下にはずっと岩の階段や城壁のようなものがあるので、
単に自然に造られたものではなく、明らかに人の手が加えられ、
城か見張り場を建てようとしたらしい。
山の登りに見えた大きな岩にあるくさび跡は、ここの岩を切り出そうとした
ものなのだろう。

ここは神戸にも近い、ということは昔は海運の要だったのかも知れない。
そして山陽道と東海道のつなぎ目の近くでもある。
そういう土地柄、回りからの人の行き来が激しく、
そこを手に入れること、または守ることには大きな力が働いたのであろう。
この山はうってつけの見晴らしを持っていたわけだ。
事実、今見てもここからの見晴らしはいい。

さて、景色はいいとして、おなかがすいたぞ。
お昼にしよう。


おなかがすいた。
早くお弁当にしよう。

しかしそれにしても寒い。
気温も低いが風もあって一層寒く感じる。
あんまり寒いので、敷物は敷かずにかぶって風よけにしよう。
はたから見たら、なんか変なことしているように見えるかも。

ああ、お茶が暖かい。
お弁当、いただきます。
おいしい。
しかし、食べている間にどんどん冷えていく。
お弁当も体も。
日の光に当たっていてもほとんど温まらない。
これは、余り長居はできんぞ。

急ぎ食べ終わりすぐに片づける。
お尻が凍傷寸前じゃ。
お尻を揉んでほぐしてからスタート。

さっき言ったように、ここからは石の階段が続く。
それと城壁というか堀(?)のような壁もある。
やはりここには城を建てるつもりだったのだろうか。

この石の階段はだいぶ下まで続いている。
しかし、なにせ古いものであるから、緩い部分もあるので
気をつけなければならない。

このあきらかに人の手で造られた階段をのぞけば、
下りは行きほど岩は多くない。
ないわけではないが、行きと比べると少ないし、そのサイズも小さい。
山の出来方が違うのか、それとも、このあたりの岩は城作成のために
使われて、めぼしいものがなくなったのか。
(だから峠を越えた向こう川からも取ってこようとしたのか。)

薮のようなところや細いところを縫って歩く。
この山には小さな実のなる木が多い。
冬の鳥たちにとってはいい餌場だろう。
だから鳥をもっと見ると思うのだが、以外にも余り見られない。
糞は多いのでいるのは確かなのだが。

おっと、ここにも山の牙があるぞ。
(注;木の切り株から垂れた水が凍り付いて牙のようになっているのだ。
簡単に言えば氷柱だ。)
切り倒された松の幹からつららが下がっているのだ。
剣尾山で見たものより小さいが、山ではよく見られるものなのだろうか。

この山はその高度によって植生が大きく異なる。
上の方は普通の木なのだが、中間くらいでは笹や背の低い草も多い。
そしてその中に腐った木がたくさん倒れているのが目だつ。
そこ腐りはかなり進んでいてぼろぼろだ。
なぜこんなに木が倒れているのか、それよりもなぜこんなに風化が早いのか。
この山は結構湿気が高いのかも知れない。

下りの道からは山から町が一望でき景色がよい。
あっ、雪が降ってきた。
いや、正確に言えば雪が昇っていく。
降ってきた雪が、山肌を昇る風に煽られてまた昇って行くのだ。
それが日の光に輝いて美しい。
山ではこのように思いがけない風景に出会えることがたのしい。

さらに下り、また別の川(たぶん夙川)の源流らしきものを見つける。
とても澄んでいる。さわガニでもいないかなと思ったが、いなかった。
この季節の水だから冷たいが、思ったほどではなかった。

寒かった上に比べ、このあたりは明らかに温度が高い。
風のせいもあるかも知れないが、やはり山の上の温度というものは
想像以上に低いものなのだ。
今度からはそのあたりを見越して、使い捨てカイロなどを持っていくことにしよう。
とりあえず軍手を持っていったのは正解だったけど。
(山に登るならこれ位は当たり前か。)

このあたりからは植生が一変する。
回りのほとんどが「しだ」なのだ。
下りにつれて少しずつその数が増えていたのだが、住宅が見えるような
ところまで来ると、回りは一面しだだらけになる。
やはり湿気が高いのか。この川のせいだろうか。

何となくジャングルを思い出す。
その草の陰からほぉら・・・って恐竜が出てきそう。
ジュラシック・パークは見てないけど、こんな感じかなあ。
ひょっとすると近くの家で遺伝子の研究をしていて・・・

それにしてもほんとに一面しだだらけ。
日本の、こんな市街地近くの山でこんな風景があるなんて。
狭い日本、まだまだおもしろい。


いったん下り切ったのに、また登る。
これまた別荘らしき家があるので、これを迂回するためにそうなるのだ。
まったくもって・・・。

    ・・・

しだの道を登り、また下ってまた登る。
このあたりは無理矢理道を付けたらしく険しく狭い。
例の工事現場の迂回路と同じだ。

そうしてまた見晴らしのいい場所へ。
ここは住宅街の裏の山の頂上らしく、そこら辺の家が一望できる。
見た目いいものではないが。

そこからまた細い道を下って住宅街へ。
これで山道は終わり。
なんともあっけない終わり方。
そういえば、ずっと前に行った中山もこういう感じで山が終わった。

住宅の近くにこのような自然があるというのはいいことだけど、
逆に言えば、こんな山の近くまで住宅地にしなくてはいけない、
今の日本の住宅事情には問題が多いと思う。

しかし、問題はここからだ。
ここはいったいどこなのだろうか。
わからん。
相変わらずあてにならんぞ、このハイキング手帳は。
ここから阪急の苦楽園口まで行くはずなのだが。

適当に歩いて行ったら・・・行き止まりだった。
元に戻ってまた歩く。
とりあえず下って行けばどこかに出るだろう。

駅までの途中にある目的地は北山(?)植物園である。
その途中までの道は山の中のようだが、
山はあるにはあるのだが、あれを登るのはつらいぞ。
長い下りで、膝はもう笑い始めている。

しかたないので道路沿いに下っていく。
ここも車がふかすので空気が悪い。
山の手には住まない方がいいな、これは。

やがて見えた釣り橋のようなものを渡り、駐車場を越えると
そこに植物園が見えた。

どうやらここの植物園は無料のようだ。
それなら見て行こう(ああ、悲しき貧乏人)。
ちょうどトイレに行きたかったし。

そういえば、ここは駐車場も安い。30分までなら無料、
それ以上でも100円くらいだったか。
もう少し近ければちょくちょく来てもいいような場所だ。

植物園の中は、今は季節が季節だけに花はほとんど咲いていない。
でも温室の中ではきれいな花が咲いている。
すいているし、ただの公園として歩くだけでもいい。

とかいって歩いていると、雪がだいぶ降ってきた。
と思っていたらかなりすごいぞ、これは。
目の前が真っ白だ。
こんなにすごく雪が降るのを見るのって久しぶり。
関ヶ原で見た感じにも似ている。
このまま降り続けばかなり積もるだろうに。

しばらくすると雪も小降りになった。
植物園内の薬草区画を抜けて道路へ。
駅へと向かおう。

        ・・・

ずっと道路に沿って降りる。
けっこうな距離がある。
(後で駅でわかったのだが、植物園から短大まで通じる近道というか
山道があったらしい。)

途中に夙川短期大学がある。
そこのお嬢さん(だとおもう)たちが、学校の前にバス停があるのに
バスに乗らずに歩くということは、駅は近い。

彼女らに付いて行けば駅まで行けるだろう。
地図とは違う道の方に行くようだが、たぶんそちらが近道なのだろう。
「地元民に従え」。

途中の道路には「静かに」とか「道路の端を歩きましょう」とかいう
看板がある。よほどここのお嬢様たちは大きな声でしゃべり、横1列になって
道路を占有して歩くのだろう、日頃は。
今日は休み中だろうか、人は少ないが。
(受験性らしき親子も歩いている。)

なんと、この道を行けば苦楽園口ではなく、甲陽園に出るのか。
始発から乗る方がいいわな。
さすがは地元民じゃ。

        ・・・

ということで無事に電車までたどりついた。
後は電車にのって帰ったのでありました。

今日の山道は、最近の山の中では比較的楽であった。
岩の道は、1つ1つの段が余り大きくなく歩き易かったし、
下りも足元が滑ってふんばるというところも少なかったので、
足の負担が思ったよりかは少なかった。
とはいえ、久しぶりの長歩きだったのでそれなりに来たが。

惜しむらくは山頂付近の風景であろう。
あれさえもっと良かったら、そのことだけが悔やまれる。

さて、今年も超ハイキングは始まった。
次回はどこに行こうかな。

    ・・・おわり・・・
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