「DiMAGE Z1」(2004/04/12〜05/04号)
{商品紹介}

        デジタルカメラ
        「DiMAGE Z1」
        コニカミノルタ
        買値    44000円(税込み)

新しいデジカメを捜していた。
理由は、2回目の白馬で花の写真を写していてその多くがピントずれまたは
白飛びでだめであったことと、最近は充電したての電池を入れても
1枚も撮れないことが多いからである。

もうこれ以上今のデジカメは使ってられない。
ということで、冬のボーナスまで待たずに買うことにしたのである。

デジカメの基本特性や機能については今の機種、富士フイルムのFinePix4700Z
でだいたい理解した。
これはデジカメ初めての機種だったので、店の価格だけで買ってしまった。
まあ、2.5万だったので勉強代としては適当であろう。
ゆえに、次回はそれらを踏まえた上で現行機種の中から選ぶこととした。

今回選ぶ上での重点項目は、
・白飛びしないこと
・電池の持ちが良いこと
・マクロで接近できる距離が短いこと
・(比較的)軽量であること
・画像に変な処理がかかってないこと
・マニュアル設定が行いやすいこと
である。

前の機種でわかったが、
画素数はせいぜいA5サイズまでのプリントで、PC上での閲覧が多いのであれば
300万で十分である。これ以上の画素のために感度を下げ、価格を上げる必要はない。
(感度については後述。)
30万画素は使い物にならないが、100万あれば十分と言える。

いろいろ悩んで、最終的に残った候補はこのZ1と富士フイルムのFinePixF700で
あった(オリンパスC750は参考)。

           最安値 画素 CCD  ISO     ズーム 液晶 ファインダー マクロ メディア
DiMAGE Z1   ¥40000 320 1/2.7 50-400  10   1.5  切換  10/4  SD
FinePix F700 ¥43800 310 1/1.7 200-1600 3     1.7  別窓  9     xD
OLYMPUS C750 ¥45000 400 ?    50-400  10   1.5  0.44  7/3cm xD

軽量という条件をはずせば、CanonのEOS Kiss Digitalという売価だいたい12万の
一眼レフ機種も候補に入った、というより第1候補になったのだが、
山登りに持って行くには本物の一眼レフは大きすぎる。ということで
はずした。

そのほかの機種がはずれた理由も簡単に書いておこう。

Canon機種
        一見画像は綺麗だが、そのための画像処理がかかりすぎている嫌いがある

Panasonic FZ-10
        手ぶれ補正とマニュアルフォーカスの合わせやすさは良かったが、
        サンプル画像がやたら汚かったのと少々筐体が大きかった

OLYMPUS C750
        光学10倍でZ1と同等だが、
        いろいろなことが出来そうで、欲しい機能は全て入っていたが、
        その分複雑そうだった
        Z1ほどの早さもなさそうだし、F700の様な感度もない。

Konica KZ-510Z
        500万画素は惹かれたが、これだけ小さいと感度の低さが気になるし、
        マニュアル操作がやたらと面倒そうだった

ニコン
        情報がなかった

どちらも甲乙付けがたかく、寺町行ったり(ここにはZ1の実機無し)
日本橋行ったりして実機を触って決めることにした。
Z1の良さは光学10倍ズーム、SDカード、単3電池が使えるで、
F700の良さは小型、高感度、Z1に比べれば大きい液晶であった。
もうどちらでもいい状態ではあったが、
最終的にはマクロ時にズームが効くと言うことでZ1にした。
F700はマクロではズーム固定である。
でも、本当のところ、最終決定した理由は
「迷ったら安い方を買え」という私の経験則による。
仮に買って失敗しても、安い方なら「安かったから」と納得できる。
高い方だと後悔だけが残ってしまう。

F700は、本体価格では3000円ほどの差であるが、
実際には同サイズのメディア価格も3000円ほど高く、
また電池持ちが4700Zほどではないにせ良くなさそうなので、
補助バッテリーを買うとそれだけでさらに4000円かかる。
(F700は専用電池なので、今まで使っていた単三型ニッケル水素電池は使えないのだ。)
こうなると軽く+1万円となり、それも決め手となっている。

        ・・・画素について(2004/11/25大幅追記)・・・

画素について少し書いておこう。
デジカメに使われる撮像素子は多くの場合CCDまたはCMOSというものであるが、
これは本来光の明暗しか判断できないので、
これを色分解するために素子の上にフィルターを付けて波長毎の明暗情報を
読み取って後で合成している。

このフィルタには大きく分けて補色と原色という2種類あるが、
最近はほとんど原色フィルタが使われる。
フィルタとは、簡単に言えば色セロファンで、
原色とは、光の3原色である赤緑青、いわゆるRGBである。
(機種によっては、弱い緑成分を2重に読み取るため
RGGBの構成の場合もある。)
補色とは印刷時に使われる色の3原色、マゼンダ(紫)、シアン(水色)、黄色
である。補色の方がフィルターを通したときの
光量の減衰を押さえられるので以前はよく使われていたが、
発色自体は悪かったらしい。これに対し原色フィルタはその正反対、
発色はよいが減衰が多かった。しかし、CCDの感度が上がってきたので
色がよい原色フィルタに主流が移ったと言うことである。

原色フィルタ付きCCDについてはここ↓に情報がある。
http://www.sun-studio.co.jp/tips/ccdtips.html

ここで一般にはほとんど触れられてない事項があるが、
RGBのフィルターは、当然1つのCCD画素の上に付けても意味がない。
画素上で並べる必要がある。
と言うことは、仮に300万画素といっても、実際には最低RGB(補色の場合は
イエロー/マゼンダ/シアン)3画素を使って初めて1ドット分となるのだから、
画素数の1/3が本当の意味での有効ドット数だと言える。
300万画素といっても実際は100万ドット分しかないのだ
多くの場合、1/3にはしにくいので、一番色に影響するGを2倍にして
RGGBとなってるようである。縦横2画素を使うわけである。
ゆえに縦横1/2が実ドット数といえる。
(補色の場合シアン:マゼンダ:イエロー:グリーンと並べる場合もある。)

デジカメのスペックを見ると有効画素数=縦横ドット数のかけ算値となっているうえ、
パソコン上では1ドットで1色表現可能なので、
おそらく、デジカメ内では1ドットを示す画素を1:1で固定している
(1つの色を表すのに使っている画素をすべて同じ色にする)のではなく、
画素をドットに変換する際に、周りの複数画素の情報を総合して作り出しているのであろう。
2*2画素で1ドット分の色とすると、
        123          RGR          □□□
        456          GBG          □□□
        789          RGR          □□□
1のドットは1/2/4/5から、4は4/5/7/8である(それぞれRGGBになる)。
逆に、5の画素は1/2/4/5、2/3/5/6、4/5/7/8、5/6/8/9
(おのおの先頭が代表ドット)となり、基本的に各画素は4回使われることが解る。
おそらくこの辺りの混ぜ合わせ方(データ配分)が各社のノウハウになるのであろう。
ちなみにこの配分は正方配列CCD(またはCMOS)の場合。
CCDは各情報を引き出す一種の電線が必要なので、各画素の間にどうしても隙間が出来る。
従って、1画素の大きさはCCDチップの大きさを画素数で割った面積より小さい。

富士フイルムのハニカムCCDは特殊。
人間の目は斜め45度方向の感度が低いという特性を持っているらしい。
先に述べたとおり、CCDの各画素の間には電線を引く部分が必要だが、
この部分は当然光りを受光できないので感度を下げてしまう。
CCDを8角形配列=ハニカム配列にした場合、配線は斜めに走るが、
人間の目はこの方向に感度が低いので気が付きにくい。
        \_/ \_/ \
     □   □   □
        / ̄\ / ̄\ / ̄
   □   □   □
        \_/ \_/ \
     □   □   □
        / ̄\ / \ / \
   □   □   □

後細かい事は省略する(というか理解できなかった)が、
8角形配列の場合、同一画素数では水平垂直方向の解像度が√2倍、すなわち1.41倍に
なるらしい。おそらく、8角形というより正方形を斜め、対角線方向に並べたと考えれば
良いのであろう。すると、水平・垂直はこの斜め正方形の対角線になり、
それは1辺の長さは45度三角形の斜めだから正方形の1辺の√2倍となる。

        /\/\/\
        \/\/\/
        /\/\/\
        \/\/\/

ところが、ここ↓には1.41倍とあるのに、
http://wwwsoc.nii.ac.jp/iieej/trans/HP_WG/jcode/sgabst/sg1870.htm
ここ↓には1.6倍とある
http://www.fujifilm.co.jp/news_r/nrj520.html)
ので、よくわからない。

ビデオカメラの中には3CCDという構成の物がある。
RGBそれぞれに1CCDを割り当てたもので、これだと30万画素CCDでも、
デジカメで言えば30*3=90万画素相当になる。

ビデオカメラは筐体が縦長なので3CCDのための光りの通り道を
作り込めるが、カメラのような薄い筐体では無理である。
CCDという高い素子を3つ使うことによる価格上昇を避けるためもあろうし、
それ以上にカメラの1画面撮影のための時間はビデオの1/30秒
固定に比べ1/2000秒などと遙かに速くなることがあるのが
3CCDを不可能にしているのかも知れない。
従って、デジカメは1CCDでやたらと高画素化を進めるのである。

↓ここにも
http://www.aquageographic.com/users/sato/essay/010406.html
ここに記述したことと類似の話があるので読むと良いだろう。
(上記内容はここを参考に書いたわけではない。)

並んだ複数画素を1ドットにすると言うことは、色がずれるんじゃないかと思うかも
知れない。実際デジカメの画像端っこ(面的な境界)を見ると色がずれている
(赤青緑が見えてしまう)場合がある。
カメラによってはこの部分を撮影後の画像処理で押さえ込んでいるようであるが、
1ドットに必要な面積が大きいほど色ずれも大きくなる。
一般に高画素のものは1画素あたりの面積も小さい=幅が狭いので
色ずれも少なくなる。低画素はその逆。

が、領域真ん中では色ずれは気にならないだろう。
それは人間の目が色変化に関してはあまり敏感でないためであるし、
JPEG圧縮時に余計にそのあたりの情報が飛んでしまうからである。

ちょうどこれの逆なのがテレビの画素である。
1画素が全ての色を出しているのではなく、RGBそれぞれに発色する画素が
並んでいる。これはブラウン管も液晶もプラズマディスプレイも同じ。
それでも色ずれはほとんど感じない。特に動画なら領域境界が固定しないので
なおさらである。だから必要以上に気にする必要はない。

なお、一部高級CCDに中には画素を多層に重ねているものがあるらしい。
こういう物の場合、表面上1画素1ドットになるため色ずれは起こらない。
かなり高いとは思われるが。
どういうタイプのCCDを使っているかはあまりカタログ上に現れないので、
サンプル画像から判断するしかない。
画像処理で押さえ込まれているのでどこまで参考になるかわからないので、
それを見て解れば大した者である。

        ・・・2005/10/31追記・・・

色連れはこのCCDの構造的な原因だけでなく、
光の屈折率が波長によって異なることによっても発生する。
いやむしろ、普通のデジカメにおける色ずれや偽色の発生はこちらの方が
原因の主と言えるだろう。

プリズムで光を分光すると7色に分かれる。
虹も同様の原理で発生するが、要するにレンズを通す間に
波長別の屈折率の違いによって光が収束する位置が微妙にずれてしまう。
これの解決には非球面レンズやレンズ素材での対策など、高度なレンズ設計が必要であるが、
価格を抑えなければならないデジカメでは、余り突き詰め出来ない。
ゆえに、ソフト処理で押さえ込むことになる。

        ・・・

画素を多くするためには1画素の大きさを小さくする必要がある。
CCD全体の面積を広げられればよいが、実際には製造工程の制約から
CCD1枚の大きさを変えることは難しいので、同じ面積の中で1画素を小さくする
しかないのだ。

その利点は映像が細かくなると同時に先に書いたとおり色ずれが少なくなることだが、
弊害は、出力が減ることにある。
面積が小さいと言うことは、そこに当たる光の量も少ないので、
出てくる出力も減るのである。
全体で見れば同じと思われるかも知れないが、画素が増えるとそこへ至る
配線の量も増えるので隙間が増えてしまい、1CCD内における
画素の占める実面積は減る。高画素ほど感度が低いと言われるのは
この性であり、
多くのデジカメが同じ画素数なら同じ感度(ISO感度)なのはこのためである。

この中で、富士フイルムのハニカムCCDだけは特殊構造であり、
他のに比べ、同画素数で面積が4倍広い。
と言うことは、感度も4倍高いことになり、これが他社がISO50〜400
中心なのにISO200〜1600という高感度を実現できる理由である。

これで万事うまくいけばよいのだが、どうもそうはいかないようで、
ハニカムCCDには独特な画像癖があるとか、どうも消費電力が多いという気がする。
私はとにもかくにも感度が良好なのがデジカメの命だと思っているので、
この点では富士フイルムを高く買っているのである。
その割に、今回は最終的にはずしてしまったが。

        ・・・実性能・・・

一番の関心事、白飛びであるが、
Z1も白飛びはする。
特に明るいところと暗いところが同時に映る風景、
たとえば建物の中から外が少し入るような構図では、
ほとんど外の風景が飛んでしまう。
どうも自動設定時の絞り調節が甘いような気がする。
甘いというより、測光ポイントがずれていると言うべきか。
測光がうまくあったときや、絞り優先およびマニュアルを使ったときの
映像が綺麗なのだが。

        ・・・2004/11/25追記・・・

画質は4700Zに比べ良いと思う。
うちでは通常ノートPC;1024*768 16ビット階調の液晶画面で見ているが、
この画面では縮小がかかる上に階調が少ないのであまりきれいに見えないが、
Canon iP8600で印刷したらその差が分かった。
Z1の方が解像度の差分細かいし、色の再現性も良い。
このクラスのデジカメになると、出力装置の質もそれなりに上げないと
真価が分からないということである。

        ・・・

Z1の最大の売りはオートフォーカス(自動焦点合わせ)が速いことである。
メーカーはこれをジェットAFと呼んでいる。
これはシャッターチャンスに強いことを意味するが、
実際、相手が動いていなければ、ほとんどの場合思ったときにシャッターが切れる。
(動いているとワンテンポ遅れる。)
4700Zでは時折シャッターが降りずに悔しい思いをしたが、
そういうことがないというのはすばらしい。
が、じゃあ他の機種が遅いのかというと、最近の機種ならそんなことはない。
F700も十分早かったし、三洋のJ2というのも早い。
人間が遅いと感じない程度の速度は最近の機種は多くが備えていると言うことである。
なお、時々フォーカスがはずれることがある。
動きがあるとそうなりやすいように感じるので、こういうときはマニュアル
フォーカスを使う方が良いのであろう。

重さは4700Zに比べ重くなったが、
しっかり手持ち出来る(ホールド性が良い)のでいやではない。
また、Z1はファインダーが別窓ではなく
一番レフと同じようにレンズを通ってきた映像なので、
それを使うと一層しっかりカメラを保持できる。
ゆえに、倍率が高い場合に懸念される手ぶれも少なくなる。
Z1のファインダーは変わっていて、裏の液晶画面を機械的に位置変更して、
更に鏡に反射させてファインダー内に写し込む。詳細は書かないが、
なかなかおもしろいやり方である。
(ゆえに、後ろの液晶とファインダーの同時両使用は物理的に無理。)
が、カメラ内にこのような機械的駆動部分があると言うことは
それだけ製品寿命が短くなると言うことである。
そんなにしょっちゅう切り替えるものではないが、気にはなる。

この持ち具合(ホールド性)はかなり良い。
右手でグリップを握れるのはよい。
ただ、一眼レフのように左手でレンズを包むように持とうとすると
右側で右手指と当たってしまうのでだめ。
右手はレンズの下に添えるようにして持つしかない。
このあたりはこの手の1眼レフライクな形のものは軒並みだめ。
やはり一眼レフタイプでないと(EOS Kiss Digitalは一眼レフなので大丈夫)。

私がこれまで使ってきた富士フイルムのFinePix4700Zとの差である。
4700Zの正確な発売時期は知らないが、おおよそ2年半から3年までの機種である。
デジカメの進化はとても速いので、この期間に何世代交替したかわからない。
ゆえに、5万円は決して安くはないが、古いのを我慢して使うよりさっさと
新しい物を買った方が良い。

        電池無し光学                      野外液晶        実質
        重さ   ズーム マクロ 速度 液晶 見やすさ ホールド 画素
4700Z   255     3      20cm    遅い 2.0  ×          中      100
Z1      309     10    4/10    速い 1.5  ○          良      310
F700    190     3      9       速い 1.8  ?          中      320

          操作性
        オート マニュアル 実売価 メディア メディア価格
4700Z   ○      ×       2.5万  スマートメディア     安
Z1      ○      ○       4      SD            中
F700    △      ?       4.5    xD            高

マクロは4700Zが20センチに対しZ1は標準で10センチ、
スーパーマクロモード(ズーム固定)で4センチまで寄れる。
これはかなりの差である。さらに、Z1には光学ズーム10倍もあるので、
近寄れなくても大きく撮れる(3倍と10倍の差はかなり大きい)。
山に行くとわかるのだが、がけに生えていたり立ち入り禁止の場所の
花は近づいて撮影できないものもある。
こういうとき10倍ズームは効く。
実際の所、こういう場所では3倍程度ではほとんど役に立たない。

野外で撮影では液晶の見やすさも大きく問題となる。
私も4700Zを野外で使うまでは気にならなかったが、
実際野外の炎天下で液晶を見ようとすると全く見えない。
映像の確認が出来ないのだ。
これが花の写真の失敗が多い理由である。
一応撮影後に確認しようとしているのだが、よく見えないので
中途半端な確認になってしまうのだ。
が、いくらよく見えても1.5型はさすがに小さい。
だいたいの結果は見えても細かいぶれや白飛びの確認には
最低1.8型、出来れば2型は欲しい。
(1.6でもそこそこ見える。)

電池の持ちは、Z1がアルカリ電池も使えることからもわかるとおり
かなり良い。新品のアルカリ電池4本で100枚(128MのSDカード1枚分)
以上は確実に撮れる。いや、200枚近く行くのではなかろうか。
ただし、アルカリ電池は温度が低くなると放電特性が悪くなるのか
急に電池警告が出ることがあるので注意が必要である。
(秋の紅葉狩りでの撮影でそうなった。)
また、4700Zが(単3電池相当)電池2本であったのに対し、
4本も使うので、重くなるのが欠点である。

ここで1つ注意すべきは、電池の長持ち=消費電力が少ないとは言い切れない
ことである。
電池4本ということは1.5*4=6V (またはニッケル水素電池の場合は
1.2*4=4.8V)なので、ニッケル水素電池2本の4700Zの1.2*2
=2.4Vに対して倍の電圧がある。ということは、同じ消費電力でも
電流を半分に出来るので電池の持ちが良くなる。
電池は電流量によって消費するからである。
もっとも、Z1の場合は確かに消費電力も下がっているようではあるが。
(電池を食う液晶が小さいし。)

ただ、同程度のCCDや液晶を積むの他社製品に比べるとZ1の消費電力は多いと思われる。
なぜなら、Z1は液晶が秒60枚表示であり、CCDも秒30枚でフレーム走査している
からである(DVDプレイヤーの紹介で書いたが、2フィールド。
1フレームである)。
その2つの動きが、他の一般的な機種に比べ倍早いのだ。
このおかげでオートフォーカスが速かったり、液晶表示がもったりせず
見栄えがよいのだが、消費電力が増えたらあまり良いとは言えない。
Z1では1分間何も走査をしないと液晶画面が消える。
液晶が消えると言うことはCCDも走査を止めていると言える。
これによって消費電力を下げている。
(更に数分おいておくと休止モードに入る設定も出来る。)

        ・・・欠点・・・

さて、このカメラの欠点を上げていこう。
Z1はほとんどの点でZ1は4700Zを凌駕しているが、
いくつかの点では劣っている。
・液晶が小さい
・重い
・電池が入れにくい
・セルフタイマーが使いにくい
・暗い場所に弱い

液晶は1.5型と今のデジカメの中では主流の大きさであるが、
はっきり言って小さすぎる。
最低1.8型、出来れば2型は欲しい。
デジカメは多くの場合液晶でピントや撮影後の映像の確認をするので、
あまり小さいと役に立たないのだ。
電池の持ちをよくするのとコストダウンと軽量化のためだろうが、
やめていただきたい。電池の持ちは液晶表示を出来るだけ切るようにする
事で何とか出来るはずだし、コストダウンはこういうところではするべきではない。
小さな液晶に画像以外に多くの情報を載せて表示するのでかなり見づらい。
情報表示は一発で消せはするが。
(4700Zは情報用液晶が別にあったので、映像用液晶上には
あまり情報は載らず、余計に見やすかった。)
ただ、Z1の液晶は大きさを除けば、見やすさ自体は4700Zを遙かにしのいでいる。

デジカメの重量の中でかなりのウエイトを占めるレンズが光学10倍なので
大きいことと、電池も本数が倍な事も相まって4700Zより、ちょうど
単三電池4本分重い。手に持つとその差は歴然である、
とはいえ、500g台だと思うので、かえってしっかり持てていいのかも知れない。
女性には重いだろうけど。
1眼レフのように首から提げていて特に重たいという感じはない。
(私の持っている1眼レフはニコンF401。)

電池が入れにくいのは、電池ボックスの大きさがぎりぎりすぎるのと
電池ボックスの蓋が柔なせいである。
このおかげで電池を入れた状態で蓋を閉めるのがかなり難しい。
無理に閉めようとすると蓋のヒンジを折ってしまいそうなほど。
取っ手の部分に納めるというデザイン重視のためこうなったようだが、
はっきり言ってこれは設計ミスだ。
電池の持ちがよいので救われるが、これで4700Z並に電池交換が
頻発する機種ならたぶんクレーム続出だろう。

セルフタイマーが使いにくいのは、4700Zではキー一発で
(実際には2つのキーの同時押し)で設定できたのが、
Z1ではメニューキーを押して
        下カーソルでドライブモード〜右カーソルでモード変更
                〜下カーソルでセルフタイマー〜決定
と5キーも押さなくてはならない。セルフタイマーは一人で旅行に行くときや
自分の写真を撮るとき(デジカメを買ってから、証明写真の類は全て家で
撮っている)には多用するだけにこの面倒さは許せない。
しかも1シャッター毎に解除されるからなおさら。
せめて継続したセルフモードがあればよいのに。リモコンでも良いかな。

「暗い場所に弱い」については、4700Zとその力量にあまりの差があるので
困っている。
4700Zは感度ISO200〜800の機械であった。
これだけの感度があると、夜60W蛍光灯の明かりの下でも
フラッシュ無しで十分撮影できる。ちょっと暗いどころか、
かなり綺麗に。フラッシュたくとかえって白飛びする。
ところが、Z1はISO50〜400なので、真っ黒になってしまい無理なのである。
レンズはZ1の方が若干明るいにもかかわらずこれなので、
CCDの明るさに対する性能差が大きいと言わざるを得ない。
この点、富士のハニカムCCDは、他者の物に比べ面積が4倍ほど大きく
感度が高いので圧倒的である。
最低ISO感度が使われているCCD感度の基本と考えて良いから、
それ以上は後は電気的増感となり、ノイズが出る=積極的には使いがたい。
そういう意味でもISO50:200の4倍の差は歴然である。

この差はオートフォーカスにも及んでおり、Z1はこういう暗い場所では
フラッシュをたいてもオートフォーカスがぶれることがある、
というより「多い」。4700Zでは暗くてもCCDが見えているのでオートフォーカスが
あうのだが、Z1はフラッシュをたくまでCCD上は真っ暗なので合わせられないのだ。
フラッシュをたいてからのわずかな時間では、いくらZ1のオートフォーカスが
速いとはいえ併せきれないことが多いわけだ。
Z1は基本的に夜間はマニュアルフォーカスで使うしかないのかも知れない。
(というより昼間用カメラといってもいいかも。)

性能とは関係ないが、そのデザインは評価が分かれるだろう。
最初見たときは気に入らなかったが、勝手しばらく見ていれば慣れた。
今ではむしろかっこいいと思うくらいである。
ある意味、私のかつて乗っていた北摂の名車、ダイハツアプローズに似ている。
わかる人にはわかるデザインである。

しかし、キー配置は必ずしも良くない。
特にズームレバーがモード切替ダイヤルと重なっているため、
モード切替が親指しにくい。
(ズームはしやすいが。)
まあモード切替は目で見てやらないと出来ないので、今の位置でも
実質的な問題ではないが、4700Zのやりやすさに比べれば劣る。
ズームレバーをほんの少し下げ、しかも大きくすると良かった思うのだが。
(致命的な欠陥ではない。)

取説についても一言。
Z1の取説は4700Zに比べて数倍分厚く大きい。
にもかかわらず読みにくく感じるのはまとめ方が悪いから。
必要な情報がバラバラに書いてある気がする。

        ・・・より使いやすく・・・

このカメラに惚れ込んだ人が、改良をしているサイトがある。
http://f7.aaacafe.ne.jp/~hirai/photo_19.html

この中で、一部のボタンにホットメルトでぽっちを付けるのは
すぐにやってみた。たしかにキー配置が指先の感覚だけで
わかるようになるの勝手はすこぶる良くなる。
ここで紹介されている場所に加え、QuickViewのボタンにも付けると
更に操作性は上がると書いておこう。
ただし、シャッタースイッチには付けない方が良い。

このほか、アイカップを付けてファインダーの覗き具合を良くしたり、
レンズにフィルター付けて保護したりの改造もされているようである。
Z1はレンズが大きいので触ってしまいやすい。
これを防ぐためにフィルターを付けてはる。
いい考えではあるが、光量が減るので考え物。
アイカップに関してはやってみようと思う。

        ・・・まとめ・・

Z1はデジカメ2代目としては満足いくものである。
特にシャッターをほぼ思ったときに押せるのはすばらしい。
電池の持ちの良さも特筆ものだ(4700Zが悪すぎただけかも知れないが)。
が、オートフォーカスが若干甘いのと感度不足というかダイナミックレンジの
狭さを感じる場面が結構あるのも事実である。

結局、今一番欲しいのは、Z1とF700を足して2で割ったような機種である。
CCDを自社で作っているのは富士フイルムとソニーと松下くらいだから、
(キャノンもそうかな?)他の会社は他社から買ってくるしかなく
そのおかげで感度に関しては似たり寄ったりになる。
富士がデジカメ用としてその独自CCDを外販することはないだろうけど、
やって欲しいと思うのは私だけではあるまい。
(組込用としては、低画素数物ではあるが外販している。)

3代目をいつ買うかわからないが、その時までにこのあたりが解決されていると
いいのだが。宝くじでも当たったら、F700も買うかな。

        おすすめ度      83%

少なくとも4700Zと比べれば遙かに使いやすいので、
そういう意味では買って良かったと思うが、
各性能を細かく見ていくと評価は微妙なところ。

機能的には十分なのだが、やはりダイナミックレンジの狭さが難点。
特にFinePixのその広さを知っているだけにそう思う。
マニュアル操作を駆使すればもう少しましになるのだろうが、
自動設定時の映像の比較では、やはりその撮影しやすさは
FinePixに軍配が上がる。
さらに、夜間や室内も多い人にはもっと低くである。

そうそう、動画の評価をしてないが、私はデジカメの動画は
おまけ程度にしか考えてないので余程でないと使わない。
4700Zでは1回の記録時間に制限があったが、Z1はメモリー空き容量いっぱいまで
連続できるらしい。いざというときには便利かも。

        ・・・

ちなみに、これを書き上げた時点ではなかったが、
現在はZ2という後継機種が発表されている。
画素数が400万となったほか、ジェットAFに動体予測という機能が追加され
されにピントが合うようになっているとか、レンズも改良されている。
デザインはほぼ同じ。
一応上位機種の位置づけなので値段も高いが、
今買うならそちらも検討すべきだろう。

        ・・・Z1テクニック・・・

・赤っぽく写る
→.ホワイトバランスが「オート」なら「昼光」にする

・花火を写す
→Mモード、ピント無限遠、ISOは50または100固定、WBは昼光
 F値は5.0〜8.0前後、シャッタースピードは2〜10秒程度
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