「LotusSuperOffice/2001」(本誌未公開)
{ソフト紹介}

        「LotusSuperOffice/2001」

        日本アイ・ビー・エム
        ¥6800(税別、ただしバージョンアップ)
         現在はソースネクスト(株)から¥3,980で発売中

MS-DOS時代には表計算のデファクトスタンダードであったLotus123を中心とした
統合オフィスソフト。
        表計算ソフト「1-2-3」
        ワープロソフト「ワードプロ」
        住所録/スケジュール管理ソフト「オーガナイザー」
        プレゼンテーションソフト「フリーランス」
        データベースソフト「アプローチ」
からなる。ロータス社がIBMに買収されたので今はIBMの製品。

Windows時代になって完全にExcelに立場を取って代わられたが、
MS-DOS時代のファイルがある職場では未だに使われている。
私もそういった関係から+表計算は必要だがマイクロソフトの製品は入れたくなかった
ので買った(最初同2000を買って、2001にバージョンアップした)。

それにしても、DOS時代にはあれほど使われていたのになぜWindowsになって
使われなくなったのであろうか。
1つの理由はWindowsと同じ会社のだからということが日本では一番大きかろうが、
他にMS-Office95がPCに標準添付されたことが多かったとか、
乗り換えキャンペーンがあって安く手に入ったとかもあるし、
それよりも大きいのは「性能が良かった」からであろう。
(一太郎も同様であるが、これは性能より前3者であろうが。)
はっきり言って、一度Excelに慣れたらもう123には戻れない。
(今のMS-Officeはくそソフトだが、Office95は非常に良くできていた。
MSにしてはバグも少なく、軽くて軽快だったし。)

その理由は123が使いにくいからである。
それは単にExcelに慣れているというだけの問題ではない。
たとえば以下のような仕様(バグ)?だけでも123の使いにくさを象徴する。

・非表示にしているセルは置換対象にならない
ほとんどバグとも言える仕様

・セル内容を選択して別のシートにコピーすると、勝手に元のシートへ絶対形式参照が入るため、
 相対参照に書き換える必要がある。
=同じような内容のシートの複製が難しい。その上先のバグがあるので
変更したつもりがうまくいってなかったりして問題解決までに時間がかかる。

・印刷範囲をいちいち設定しなければならない
Excelは基本はカレントワークシート印刷なので使い勝手が良かったが、123は
直前に指定した範囲(CUT&PASTE等)や貼り付けた画像などだけが印刷対象になるので、
波に指定をし直さないと印刷失敗を起こすことになる(これで何枚紙を無駄にしたか)。
さらに、ワークシート全体を印刷範囲にすると必ずハングする。

・シートごとの印刷設定ができない(用紙の縦横など)
・他のシートに移動しても印刷範囲が移動しない
=別のシートに移動したのにプレビューで見ると元のページだとか、それで印刷すると
元のページが印刷される。
とにかく印刷系が弱すぎる。というよりデバッグしてないじゃないか?

・関数は豊富そうで必要な関数がなかったりする
2進数変換関数などが標準であるのに日付文字列化関数がない(ExcelのTEXT()など)

・シートの丸ごとコピーが出来ない
必ずシートを新規作成して全体をコピーするしかない。

・セルの結合が出来ない
文字列のみ複数のセルにまたがって中央寄せ出来るが、あくまで「文字列」だけなので、
数字はいったん@string()で文字列化しないといけない=非常に面倒。
たぶんセルの基本的構造の仕様の問題なので簡単には直らないのじゃないか。

・マウスのホイールが効かない
・とにかく遅い
セル幅の変更や削除をするのにExcelの何十倍(何百倍)も時間がかかる。
場合によっては、分のオーダーでかかってくる。
非常にいらいらする。

・修正するたびにファイルサイズがふくれあがる事がある
セル幅を変更するだけでファイルサイズがドンドン大きくなっていく。
全く同じ内容のファイルで、セル幅が異なるだけで20倍もファイルサイズが
大きいってどういう事だ?バグか?(画像を貼り付けて、それを削除した後におかしくなる。)

・セルの大きさに限界がある
1つのセルの幅は自由設定ではなく255段階まででそれ以上には設定出来ないし、
しかもその1段階が結構大きな変更になるので、微妙な幅設定が出来ない
=Excelの様に小数点以下も使えるポイントによる設定が出来ない。

このほか、数字と文字列の区別が厳密だというのもちょっと使い勝手を下げている
(Excelは適宜相互変換してくれる)が、これはバグを減らすためには良いような気もするので、
気にしないでおこう。

SuperOfficeは統合ソフトであるから、ワープロやプレゼンテイター、スケジュール管理など
他のソフトもあるが、私は123以外は不要なのでほとんど使わなかった。

というより、本当は使うつもりだったが使えなかったといった方がよい。
このSuperOffice2001の売りには「MS-Officeとの高い互換性」があり、
これを当てにして買ったのだが、実際にはこれが全く「役立たず」だったからである。

私が持っていたMS-Offceのファイルのほとんどすべてが読めなかった。
私はそんなにマクロとかは使わないから、ごくごく単純なファイルだ。

最初からだめだと言い切れば期待もしないが「ばっちり」と書きながらその実
「全くだめ」なのは許せない。操作系だけの互換でもいいのに。
MS-Officeについているサンプル文書の変換だけが出来るんじゃないか?
それ以外ではテストしてない方に賭けても良いぞ。

こういう意味では1つ前のバージョンのSuperOffice2000で十分。2001は不要。

しかし、触れば触るほどExcelの方がよく出来ている。
ユーザーの数だけ使い勝手が練られていると言うことか、
それとも123が意固地になって独自仕様を守ろうとしすぎなのか。

ロータスの製品は、全てにおいてそういう傾向があるので、高性能な割に嫌われる所があると思う。
(LotusNotesもそう。右ダブルクリックで画面を閉じるとか、特にあの文字列入力欄が嫌い。
コピー出来ない部分が多すぎる仕様とか。)

 Excelはよくハングアップするとか文字削除が異常に遅くなることがあるとか
マクロウイルスが怖いとかあるけど、やはり良くできている。MSのソフトの中では一番良い。
さすがは(唯一)自社製だけのことはある。

 使い勝手に関してはExcelの方が上なのでIBMはこのことを素直に認めてまねして欲しい。
シェアウエア(フルセットで¥3980と安いからね)だと思って我慢するしかないか。
いやいや、今ならOpenOffice(http://oooug.jp/mirror/index2.html)という完全無料
オフィスソフトもある(しかもSuperOffice2001より高い互換性がある)ので、もう引退
させるべきなのかもしれない。
(実際、もうバージョンアップはされてないようだけど。それとOpenOfficeには住所録と
データベースはないけど。)

        おすすめ度      30%

どうしてもMS-Office以外の住所録とデータベースがほしい人向けかな。
ちなみに今のうちのオフィス系ソフトの構成は、
        ワープロ                一太郎13
        表計算                  三四郎9
        図形描画                花子13
        プレゼンテーション      Impress(OpenOffice)
というところ。もうすでに123環境は完全に廃棄した。
三四郎はExcelとの互換性が結構あって良いぞ。
(画像付きのファイルを読み込ますと画像が消えてしまうのは大弱りだけど。)
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