「USBフロッピー LFD−31UE」(本誌未公開新ネタ)
{商品紹介}

    「USBフロッピー LFD−31UE」

    Logitec
    定価    ¥6100(税別)
    買値    ¥5479(税別)

USBで繋ぐフロッピードライブである。
今使っているPC(会社も家も)には全てFDが付いている。
にもかかわらずこれを買ったのにはそれなりの理由がある。

私は仕事柄プログラムの作成をX68000(CompactXVIおよび030Compact)で作ることが
多く、それをWindowsマシンへ移す必要がある。
(実行するわけではないが、ソースを印刷したりメイルで送る時など。)
X68のドライブは2HD(1.2Mバイト)なので、このFDを読ませるには
Windows機側にいわゆる3モードのドライブが必要となる。
今まで使っていたPCは3モードだったので行けてたのだが、
新しく買ったPCは2モードだったので読めなくなってしまった。

最近のWindows機ではこの3モードドライブを採用している物がほとんどない。
1.44M/720Kだけの2モードFDだけである。
(WindowsXPのOSレベルでのフォーマットを含む完全サポートは1.44Mだけになっている。)
NEC製のマシンではあるようだが、他社では皆無である。
その理由は、1.2Mフォーマットはもともと98(X68)だけのフォーマットであったためであり、
また本体価格を下げるにはほとんど用がない3モードにするより2モードの方が
良いからである。

そんなことで、1.2Mフォーマットでのやりとりが不可能になるところであったが、
たまたまX68側に1.44Mで読み書きできる外付けフロッピードライブを持っていたので
これを繋いでしのいでいた。

じゃあそれで良かったんじゃない?と言われそうだが、そうはいかなくなった。
なぜかこのドライブが書き込みエラーを出すようになってしまったのだ。
小さなサイズなら行けるのだが、大きなサイズをコピーしようとするとエラーが出る
ようになってしまった。
最初はヘッドが汚れたか?と思ってクリーナーをかけてみたが改善しなかった。
それでしばらくはDVD−RAMを使ってやりとりしていたのだが、
何せ使っているのがノートPCで、そこにSCSIのDVD−RAMドライブを
接続してのやりとりは面倒であった(X68側には常に接続されている)。

(SCSIで繋ぐ3モードフロッピードライブというかスーパーフロッピー;FDS-120相当も
ちまたにあるが、高いので買えない。)

非常に困った状況に陥っていたところ、このUSB3モードドライブを見つけ、
価格も手ごろだったので買ったのである。
これで全てうまくいくはずであった。がしかし・・・。

1.44M/720Kは難なく読み書きできる。が、どうやってもX68のフロッピーが読めない。
取説を見ると小さく「プリインストールのXPだと読み書きできない場合がある」
と書いてある。まさかこの「出来ない場合か」?

じゃあと思い、会社中を探してプリインストールでないXP=市販パッケージのXPマシン、
さらにWindows8seマシンにもつなげてみたがどちらもだめ。
WIN98seマシンは、内蔵3モードFDでは読めたからOS側の処理の問題ではない。

PCメーカー(DELL)にもLogitecにも問い合わせたが明確な回答はなかった。
プリインストールと市販パッケージ版XPの違い、どのドライバーを差し替えたら
良いのかなど聞いたが、わからないとのことであった。
(レジストリの設定の場合もあるとも言われた。)
試しにフロッピードライバらしき物のファイルを差し替えたがやはり状況は同じであった。

となると、ひょっとするとドライブの故障かも知れない。
でも、レシート=領収書は会社に請求するために提出してしまって交換も出来ない。
なんてこったい!

もうだめかと思ったが、一応念のため家のPC(これもXPマシン)でも試すことにした。
最初はうまくいかなかったが、ある時うまく読めた。

    「おぉ!!」

結局わかったのは、このドライブは正確に98フォーマットのフロッピーでないと
認識しないということであった。
今まではX68の1.2Mフォーマットでしか試してなかったが、
家にあった純粋な98フォーマットのディスクで試したら読めたのだ。
PC内蔵の3モードの場合は問題なく読めていたのが読めないのだから、
非常に限定された3モードだ。いや、3モードというより2モード+98モードな訳だ。

Win98seマシンでの処理を見ればわかるとおり、OS側はX68の1.2Mフォーマットでも読んでくれる。
MS-DOSでのFDフォーマットは、実はいろいろと変形があるので、OSとしてかなり柔軟に
読めるようになっているのだ。にもかかわらず、このドライブはそうはいかない。
ひょっとすると、入れられたディスクのフォーマットを自分で読んでモードを変更しているの
かもしれない。それが安さの秘密?

とりあえず、98フォーマットならX68からも読み書き可能なので、このディスクを使うことにする。
X68上では、いったんX68で普通にフォーマットして、これに98フォーマットディスクの
内容を丸ごとコピーすることで読み書きできるフロッピーが作れる。
面倒だが仕方なかろう。
(98フォーマットと言ってもIPLセクターは不要のようなので、コピーするべきは
BPBだけだろう。そういうプログラムなら作れるかも知れない。)
どうせやりとりだけの一次保存なので、そんなに多くの枚数は必要ない。

さらにこのドライブにはいくつか問題点があった。
(1)PCに接続して読めるはずの1.2Mディスクを入れてもエラーが出て読めないことがある。
こういう時は、一度1.44Mの読めるFDを入れてアクセスし、その後1.2MのFDに
入れ替えてアクセスする必要がある。どうもFDの識別に(根本的に)問題があるようだ。
特に、電源投入後の最初のアクセスにはまず100%失敗する。
要するに絶対に1.44Mもしくは720Kディスクも持ってないとだめだと言うことだ。
むっちゃ面倒(大阪弁)。
・・・2003/09/03追記
WindowsXPにおいて、WindowsUpdateをいくつかかけているうちにこの現象は出なくなった。
1.2Mフォーマットもいきなり読める。
Windows側の問題だったようだ。

(2)これはドライブの問題ではないかも知れないが、Windows側でロングファイル名で
書き込み、X68側でそれを(ショートファイル名で)削除し、その後に
X68側でファイルを書き込むと、そのファイル名が見えずに消したはずのファイルの
ロングファイル名が出てくることがある。Windowsにおけるロングファイル名と
ショートファイル名の結びつけ判定はチェックサムが入っていたりして結構厳しいので
こういうことは起こらないと思っていたが、現実に起こってしまった。XPでは判定が
甘くなっているのかも知れない。

いったんこの現象が出ると、もう通常の手段では直せなくなるので、
ディスクの再フォーマット相当が必要である。がしかし、再フォーマットすると
X68フォーマットになってしまうので読めなくなる。98(ディスクの新品)を持ってないなら、
結局、ディスクエディターなどでディレクトリエントリを直接書き直す
(ロングファイル名エントリの先頭に$E5を書き込んでファイル削除相当にする)しかない。
最初からこれを回避するには、Windows側でログファイル名を使わないか、
X68側でそういったファイルを削除しないかである。

何にしても、このドライブは故障ではなかったが、かなり癖のあるドライブだ。
こういう情報はメーカーは教えてくれないので要注意だ。
(メーカーにはX68など眼中にないのだ。)

これ以外の仕様をざっと見ておく。

ドライブ自体はUSB(2.0対応)でバスパワー対応なので外部電源は要らない。
接続だけでよい。また筐体も薄型で軽く(300g以下)、そういう意味では使いやすい。
ケーブル長も80センチあるので引き回しに困ることもない。

WindowsXP(Meもそうらしい)ではドライバの必要もなく直接接続できる。
Windows98ではドライバーが添付されているのでそれを入れるだけ。
WindowsだけでなくMacでも使えるらしい。

お勧め度

    PCにFDドライブがない、もしくはCD(DVD)ドライブと共用ベイで同時に使えず
    困っている人で、1.44(2HC)もしくは720K(2DD)だけでいい人・・・80%

    X68しか持ってなくて3モードドライブでFDを読ませたい人・・・・0%

    X68を持っていて98のフロッピーもある人 ・・・・・・・・・・・60%

他社からも同様のドライブが出ているが、他社ドライブではこういう事はないのかは
不明である。持っている人は是非調べて頂きたい(でもX68も持っている人は少ないか。
貸してくれれば調べるんだけど)。

同じシリーズに、読み書きが倍速になっているタイプLFD−31U2というのもある
(¥8500)。まあ私の場合は常時FDに書く訳じゃないからここまでは必要なかった
ので買わなかったのだけど。
<戻る>