「BJプリンター iP8600」(2004/11/22〜12/13号)
{商品紹介}

        「BJプリンター iP8600」

        キャノン
        
        買値 38181円(税込み、送料込み)

        USB1.1/USB2.0(HiSpeed)インターフェース
        4800*2400dpi

キャノンの2004年暮れプリンターシリーズの最上位機種である。
いわゆる複合機ではなく単体機。
複合機を買わなかったのは、
        スキャナはちょっと前に購入した(後日紹介)
        コピーはそんなにしない
        FAXは全くしない
        大きな物を置く場所はない
という理由から。

私が前回買ったプリンターは同社のBJ−S500であり、紹介もした。
2001年暮れの中堅機種である。
別にこれが壊れたから買ったのではない。

最近はデジカメの写真を印刷することも多いが、S500の打ち出す画像に
満足できなくなったからである。
S500は4色インクで解像度は2400*1200dpi。
色はすごく悪いというわけではないが、粒子が見えてしまうのが難点だった。
S500を買った当時のカラー印刷の目標は主にCGだったのでこれでも十分だったが、
デジカメ写真に移った現状ではつらいのだ。

「次回買うときには最上位機種を買おう。ただし買値で4万円を切るなら。」と思っていた。
新製品の発売直後はいろいろとあるので買わない方が良い。
そこで、発売後1月以上経って、価格もこなれた頃に購入した。

届いた物は想像していたよりかなりでかかった。
外観からはおよそプリンターには見えない(特に蓋を閉めたら)。真っ黒な箱。
ピアノ鏡面仕上げなので美しいが、逆に汚れは目立つ。
指紋が付いたらなかなか取れない。

S500より一回り以上大きいか。横幅で10センチ、奥行きで5センチほど大きい。
高さはほぼ同じ。しかもその大きさでほぼ完全な立方体なのだから密度が高い。
重量もそこそこある。
でもこの中に2系統の給紙機能まで入っていると思えばすごいことである。

        ・・・

これから印刷結果について述べる前に、ドライバーの不具合を1つ。
iP8600のプリンタードライバとアプリケーションをインストールすると、
起動時にCanonマイ プリンタというものが起動するようになるが、
この中にある「プリンタ」の設定からユーティリティシート内にある
自動電源定など各種設定しようとしても出来ない(場合がある)
(確認したのはWindowsXP Home SP1aとドライバーバージョン1.80)。
だが、別のルートでこの設定に来るとあっさり設定できる。

(1)コントロールパネル−プリンタとFAXからiP8600を選択、右クリックしてプロパティーを選ぶ
(2)「Canon PIXUS iP8600のプロパティー」シートが出る。
(3)ユーティリティシート内にある自動電源定などを設定する

同様に、マイプリンタから基本設定シート内の「印刷前にプレビューを表示」を
チェックしてもプレビューが表示されないが、これも上記(2)のあと、全般シートの中の
「印刷設定」から基本設定シートを開き、この中のプレビューをチェックすると
表示されるようになる。

これは、おそらくWindowsの管理者の権限の認識間違いだと思われる。
ヘルプを見ると「管理者でないと設定できない」とあるから。
しかし、管理者設定で立ち上げていても設定できないので不具合である。
Canonには早々に直していただきたい。

(同様の内容を「価格.com」で見た人がいるかも知れないが、
あれは私の投稿。最初の投稿者の方の状況とは異なっているかも知れない、
と投稿してから気が付いたけど、後の祭り。)

では印刷の結果について。
        「静か」
        「速い」
        「きれい」
まさにこの3語で言い表せよう。

「静か」。夜中に印刷しても全く気にならない。
というか、本当に印刷しているのか気になるくらい。
さらにこれより静かなサイレントモードがあるというのだから、音は全く問題なし。
いままで静かと思っていたS500がかなりうるさく感じる。

「速い」
「きれい」、光沢紙、インク乾燥「早い」、サイレントの設定でのA4印刷で2分くらいだろうか。
これだけ速ければ十分である。
なお、VIVIDを初めとする特殊効果は一切かけていない。
インターフェースはUSB2.0、WindowsXP、1GHz MobileAthlon、
512MBメモリーでの結果である。

「きれい」
綺麗を語る前に、ヘッド調整について語らねばなるまい。
少なくともS500以降のBJプリンターではヘッド調整というものが最初に必要である。
S500ではパターンを印刷して、その中で一番隙間なくベタに印刷できている
ものを選んで番号を入力していく。
この作業は手動で行う。

このヘッド位置調整、8600では「基本的に」自動になっている。
パターンを印刷すると同時にそのパターンを簡易スキャナで読み込んで自動設定するようだ。
(上蓋を開けるとスキャナ部分も見える。)
設定中に赤いランプが左右に動くのが見えた。
非常に楽。
・・・ということは、その印刷されたパターンが汚いと誤った設定をする可能性があるということで、
「普通紙」を使えと書いてあるが、高品位専用紙くらいを使った方が
良いんじゃないか?という気もする。
あぁ、でもそうするとインクの排出制御が変わるからだめかな?

実はそれ以前にこの自動設定がくせ者で、だいたいうまくいくのであるが、ばっちりではない。
このままA4の印刷などすると、用紙の横方向=ヘッドの動く方向に非常に細いが白い線
(隙間から紙が見える部分)が等間隔で出てしまうことがある。
目をこらさないと気が付かないかも知れないが、特に空など水色の部分で目立った。

うちでは、自動ではどうにもこの線が消せなくて、結局手動設定で調整した。
自動設定値と比較すると、いくつかのノズルが+1する必要があった。
その後の印刷は白線はなく非常に綺麗である。
(その代わり、印刷が重なる部分が少し濃い線となって出てきている。白線ほど
気にはならないが、これも再度手動調整していけば消せるだろう。)

8600の初期ロットには、このヘッド調整では直らない線が出る不良が
多発したらしい。この場合の線は、白ではなく赤になったそうである。

この調整後の用紙別印刷結果はこんな感じ。

・プロフォトペーパー
非常にきれい。
元となる画像の質が端的に表れるので、よほどきれいなものを使わないと「ばれる」。
特にA4印刷するとデジカメのブロックノイズまではっきり見えるほど。
恐ろしいまでの表現力。これで手持ちのデジカメの実力が分かった次第である。
紙の縦方向に擦り傷が見えるが、紙送りによって付いた傷と思われる。
(1枚手差しでやったので紙同士のこすれではない。)
実は、プリンターの設定に「用紙のこすれを防止する」という設定があるのだが、
これを設定すると「高品位な印刷が出来ない」と警告されてしまう。
で、仕方なくはずすのであるが、この擦り傷は光りにかざして見ないと解らない
程度なので問題ではない。
プロフォトペーパーは表面が光沢なので、かえって傷などちょっとしたことが目立つ。
きれいすぎる弊害か。
「用紙のこすれを防止する」をいったん設定して一枚印刷し、その後設定を外しても
以後擦り傷がなくなったという報告もあった。
裏写りはしない。

・光沢紙
これも非常に綺麗。
プロフォトペーパーに比べ安いので、普段はこれを使うのが良いかと思う。
これも表面は光沢だが、意外にも擦り傷は全く見られない。

・高品位専用紙
そこそこきれいだが、全体的に色はくすむ。
ヘッド調節は自動でもスジは見えない。というか直後は見えるがしばらくすると見えなくなる。
インクがしみこむことで消えるようである。
縦方向の擦り傷も見えない。
濃い部分で裏写りする。これは紙の質とインクの性質から行ってある程度仕方ないが、
かつてのEPSON PM770程ひどくはない。
(S500でもこの用紙だと少し裏写りする。)

・マッハフォトペーパー(縁なし設定)
十分きれいであるが、少し画面より色が濃い感じか
自動調整でもスジは全く見えない。
縦方向の擦り傷もない
裏写りはしない。


いずれも印刷直後はすごい匂いがしてる。インクの匂いだろうか。

S500との画質の差は、色合いというより粒子感にあると言える。
これはズバリ解像度の違いであると言っていいだろう。
8600でも粒子感が皆無ではないが、目をこらしてみない限り解らない。
S500ははっきり解ったことから思えば大きな差だ。
逆に、キャノンは4色インクでもそこそこの画質で印刷できる技術を持っているということでもある。
細かく見比べれば色合いの違いはあるだろうが、
コンパクトデジカメの、適当に撮った写真でその差が出るかどうか。

ここで1つ注意がある。
「速い」「きれい」はカラーについてのみ言えることである。
モノクロは圧倒的にS500の方が速いし綺麗。

8600の黒は遅いし、少し灰色ががって見える。
遅いのはS500が完全双方向印字なのに対し、8600は単方向だから。
8600がUSB2でS500がUSB1なのに、S500の方が速いのだから、
いかに8600の黒印刷が遅いかが分かる。
はっきり言って、モノクロ印刷主体なら8600は適さない。
同時期に発売になったiP4100が完全双方向印字+インクの質の違いでモノクロに強そうなので、
そちらを選んだ方が良いだろう(カラーもそこそこきれいなそうだ)。

灰色に見えるのはインクの質によるものと思われる。
8600のインクは8色構成で「染料タイプ」である。

染料インクと顔料インクの違いはここ↓
        http://www.kishugiken.co.jp/topics/ink/index.html
にそこそこ説明があるが、成分構造的には、

        顔料インク
        ・50ナノメーター〜数ミクロンの粒子として溶剤中に分散している
        ・インクは不透明で光を表面で反射する
        ・紙の表面に色が乗っかることで発色(粒子自身が発色)
        ・色数は少ない

        染料インク
        ・色材が溶剤に溶けている
        ・分子レベルでの着色(染める)
        ・色数が多い

である。
わかりやすい例でいえば、化学的にいうところの「溶液」=完全に溶けているが染料、
混ざっているだけが顔料である。従って、醤油は染料、泥水は顔料と言える。
どちらにも水性と油性があるので、水に溶ける/油に溶けるという意味ではない。

「発色」とあるが、印刷物の場合、実際には見えている色以外の色を吸収=
目的の色だけを反射することによってその色が見えている。色の合成は減色混合で
行われる。この場合、すべて混ぜると黒になる(全部の色が吸収されるから)。
従って、顔料でも染料でも、正確にはインク自身が色を出しているのではない。
これに対し、ブラウン管などの「発色」は、目的の波長そのものを発生しており、
色の合成は加色混合である。この場合、すべて混ぜると白になる(全部の色が放射
されるから)。

実使用上で見ると、

        顔料インク
        長所
        ・色あせしにくい
        ・にじみにくい
        ・耐光性に優れている
        ・耐水性に優れている
        短所
        ・階調性の表現がやや劣る
        ・光沢感が出にくい
        ・用紙によっては、こするとはがれやすい

        染料インク
        長所
        ・色彩に優れる
        ・階調性の表現に優れる
        短所
        ・色あせしやすい
        ・にじみやすい(水に弱い)

となっている。

8600のインク、BCI−7は染料。
S500のインク、BCI-3eは顔料で、S300のBCI24もそう。

一般には顔料はモノクロ印刷に向き、染料はカラー印刷に向くとされてきたが、
それぞれの短所を克服したインクがキャノンからもエプソンからも出てきているので、
一概にどちらが良いとは言えない。

iP8600のインクの場合、色あせしやすいという短所を
キャノン純正写真用紙との組み合わせに置いて100年にまで耐久性を上げたとしている。
まあこれには他にもいろいろと条件が付くので、実用上どうかはわからないが、
従来より伸びたのは確かなのであろう。
ちなみに、顔料インクといえども、たとえばBCI−3eでカラー印刷した物でも
3年でかなり色が落ちた実績(?)がある。

インクタンクは、S500のインクと比べカラーはほぼ同じだが、黒は半分くらいの大きさしかない。
でも値段はカラーで200円、黒で300円ほど高い。

キャノンのプリンターの方式であるバブルジェットはインクそのものが加熱によって気泡を発生し、
その圧力で噴出する方法だから、インクの違いはエプソンなどのヘッドによってインクを押し出す
方法に比べ非常に大きな変更を意味する。
8600のインクが現在高いのは、その開発費用がかなりかかったためと想像される。

画質はもう写真に並んだと言っても過言ではないが、
それでも、やっぱり写真屋での印刷の方がきれいだし結果的に安いと思う。
家でプリンターを買って印刷して元を取るのは、よほどたくさん打たない限り無理。
本体代を3万として、それだけ写真屋で印刷してもらうなら一体何枚できることやら。
1枚30円としても1000枚も出来る。
家でこれだけ印刷しようもんなら、インク代も紙代もかかるから、もっと差は開く。
わざわざ店に行く手間を省くことは出来るけど。
結局「時間」をどう考えるか。
これは自家用車も同じこと。

実際のところ、モノクロや簡易の写真印刷ならS500で十分で、
それ以上の画質が欲しいなら写真屋に出す、というのが一番安いしきれいなのだと思う。
自分で映像作品を作り出す人なら別だろうけど。

この機種のもう1つの大きな特徴は「2Way給紙」と「両面印刷」である。
2Way給紙は、普通のプリンターと同じく後ろからの給紙に加え、
前面トレイからの給紙が出来ると言うことである。
給紙をどちら側からするかはドライバーからでも本体のスイッチでも選択できる。
たとえば後ろにA4、前にはがきを入れるという設定が出来るため、
印刷のたびに用紙の入れ替えをするということが減って便利。
うちでは特に、後述するがプリンターの2台重ねをしている関係上
後ろへの紙補充がやりにくいので余計。

ちなみに、前面トレイへの紙の入れ方は「印刷面が下」である。
内部的に、トレイから引き出した紙をぐるっと回してきてひっくり返して
印刷するからなのであるが、コピー機などの給紙トレイに入れる時は
この逆、「印刷面が上」である。
最初そのつもりで紙を入れたらどうにも色がおかしくて、調べたら逆だった。
更に言えば、葉書の場合は切手が本体奥側を向く(プリンターの前面側が葉書の下)。

トレイの中には最初、紙の入れ方(トレイのどの隅に対して紙の端を合わせて入れるべきか)
を書いた紙が入っているが、「裏表はどうか」「葉書の場合切手はどちら向きか」に
ついては書かれていない。これは非常に大きな落ち度だと思う。
取説には確かに書いてあるが本文をじっくり読まないと解らないような書き方である。
葉書の切手の向きに関しては読んでも解らない。
葉書の印刷で、2枚も失敗してやっと切手の向きが解った。試し用紙だったからいいものの、
そうでなかったら怒っていた(でも裏表の間違いで別に2枚無駄にしたのだが)。
もう一度書いておくが、「前面トレイは印刷面が下」「切手が奥」である。

前面トレイからの給紙に際しては紙を一度丸める動作が入るはずなのだが、
意外にも出てきた紙にはそういう癖はほとんど付いてこない。
普通紙では全くと言ってよく、葉書やフォトペーパー系のような厚い紙でもほんのわずかである。
余程優秀なのだと思う。

8600は、実は後ろの給紙がちょっとしづらい。
用紙受けが浅いのでしっかり固定されないのだ。
背面蓋は開けるだけでなく、更に紙受け部分をしっかり伸ばさないと
A4用紙はしっかり入らない。
S500ではこんなことはなかったと思う。
ここは要改善点ではなかろうか。

従来の多くのプリンターではどうしても紙を入れる場所が開いてしまうため
ほこりが溜まりやすかったが(うちでは長期利用しないときは紙を抜いて、
その紙を横にしてふたにしていたが)、8600では蓋を閉めれば完全にそこも
塞げるのでほこり対策にもなるだろう。
紙を抜く必要はあるけど。

蓋を閉めれば完全な「箱」になるが、
印刷時は、前面トレイを使ったとしても排紙部分は開けておく必要がある。
前面を軽く押して開くだけではあるが。

ちなみに、背面にもカバーがあるが、ここは紙が詰まったときに開ける場所なので、
通常は締めたままである。

両面印刷はその名の通りだが、自動的に裏返して印刷してくれる機能である。
メーカー曰く「はがきの両面印刷が楽」とあるが、実際には裏返すのに時間がかかるので遅い。
だから、1枚だけならまだしも、大量印刷の時は表と裏を別々にやった方が良い。
(うちならさらに、宛名面はS500にまかせる。)
従って、主にA4などでの少量印刷で紙の節約をしたい、という用途に限られるだろう。
フルカラー印刷では裏写りをするので、両面印刷は難しいと思われる。
かつては両面印刷(が標準)と言えばHP社であったが、
これからはキャノンがこの面でも有利といえるのであろう。

ここで印刷上の注意点。
印刷指示した用紙サイズと、実際に入れてあった用紙のサイズが異なる場合、
特に実際の紙が指定より小さい場合、紙の外側まで印刷が掛かり、プリンター内部を汚すことになる。
いったんこの状態になると、なかなかきれいにならない。
これ以降入れる紙に盛大にインク汚れが付くことになる。
(このインク汚れ、光沢紙などの裏側に付くとなかなか乾かないので、
手や他の紙を汚す原因となる。早々にちり紙などで拭き取った方が良い。)
片面印刷ならまだ裏側なので我慢も出来るが、両面だと使い物にならないだろう。
「インク拭き取りクリーニング」というものがあるが、これを20回くらいかけても
まだ完全にきれいにならない。
インターネットのサポートによると、これを3回やってもだめなときは修理の必要がある
場合もあると書いてあるが、用紙設定間違いくらいで壊れられたら安心して使えない。
はっきり言えばそんなのは欠陥商品だ。

この場合、インク拭き取りクリーニングをするより、上蓋を開けて
漏れインクを直接綿棒で拭き取った方が良さそうである。
実際蓋を開けてみると、インク拭き取りクリーニングでだいたいきれいになったと思った
後でも、本来付いていてはいけないと思われる部分に大量のインクが残っているが見える。
私はこれを拭き取った後、カセットデッキのピンチローラー用アルコールで拭き、
ついでに下の漏れインク吸い取りスポンジに吸われているインクも綿棒で
出来るだけ吸い出しておいた。
こうすることで、翌日にはきれいな印刷が出来た。

特にこの機種の場合2Way給紙なので、印刷をどちらの紙で行うかをしっかり
把握しておかないとこの失敗をすることがある。
要注意である。
紙の大きさを自動的に検知して、範囲外は一切印刷しないようにしてくれればいいのに。
プリンタードライバー側で印刷前のプリビュー設定が可能なので、
これを必ず設定してそこで食い止めるのが常套手段となるだろう。

後もう1つ。
プリンタブルと書かれているCD−RやDVDのレーベル面への印刷も出来るようになっている。
プリンタブル仕様のそれらは、表面が白くざらついていて、インクを定着させられる。
この仕様以外のそれらを使うとインクが垂れて内部が汚れるので絶対に使わないこと。

専用トレイに入れて前面から入れ、専用ソフトで印刷する。
CD−R等は当然真ん中に穴が空いているから、その辺りに重要なものが映っていない
映像を使うことになる。全面に印刷しようと思うと意外に制約は大きい。
半分だけにすれば結構行けそうなのだが、調整し方が解らなかった。
印刷には向きがあるので、元の板に印刷がある場合はそれを考慮すること。

印刷結果はちょっと癖のある絵になる。
色合いは強調気味(緑が強いように思う)、細かい部分は落ちる。

印刷は1枚2分くらいだろうか。
いったんトレイが中に入ってから出てきながら印刷する。
また、印刷が終わってからインクが乾くまでにはだいぶ時間が掛かるので、
印刷面はしばらく触らないこと。
大量印刷には向かないが、ちまちま作っていく分にはおもしろそう。
たぶん私は使わないだろうけど。

家で試したのは

        CD−R        TDKのプリンタブル
        DVD−RAM  Panasonic LM−AF120
                        (殻無しタイプ)

である。
CD−Rは問題なかったが、インクが完全に定着するまでには1日以上掛かると思われる。
しばらくは印刷面には触れてはいけない。
また、いったん乾燥後も水分には弱いと思われるので取り扱いは要注意だ。
(CDクリーナーなどを使う場合が危ない。)
DVD−RAMは推奨品には入ってなかったが、表面がプリンタブルに近かったのでやってみた。
でも結果は全くだめ。一見乗っている色もあるが、全体的にはインクが玉になって浮いてしまうし、
数字簡単手も全く乾燥せず、触ると完全にインクが取れる。

そういえばインクの持ちであるが、フォトペーパーにA4 10枚程、L版20枚ほど、
さらに年賀状60枚印刷した時点でフォトマゼンタだけが1/3ほどになり、
あとはそれほど減っていない。Canonプリンターのドライバーには
インク量のモニター機能があるが、これはあまり段階が細かくないので、
このように見える(1/3、2/3、後は細かく、ではないかと思う)。
Canonのプリンターは前回の利用から1日(もしくは数日)経過するとき同時に
自動的にヘッドクリーニングするようだが、それを考慮してもインクの減りは非常に
少ないと言える。かつてのエプソンPM770Cが以上にインクを消費した
時には怒りすら覚えたが、Canon S500もこれもインク持ちに関しては
非常に優秀であると言える。
(S300はタンクが小さい&カラーは独立タンクでないことがネックになるのか、
あまり持ちは良くない。)

実はこれを書いているのは、購入してまだ3〜6日目である。
よってあまり使い込んでない状況での紹介であるが、
それでもこれだけ書かせる機種である。

これから年賀状やオタカレを印刷していけば、さらに多くの情報が得られるかも知れない。
が、年賀状印刷前にこそプリンターを紹介する意義が在ろうと思い、
急いで書いた次第である。

        お勧め度        80%

あまり上げてないのは、8600の性能が悪いわけではなく
少なくともうちの画像装置との組み合わせでは過剰性能なのと、
利用状況から考えてコストが割に合わないこと。
2Way給紙など便利な機能を考慮してもこれくらい。

私には、6色インクのiP8100(これ購入時にはまだ発売されてなかったけど)や、
5色のiP7100でも十分だったような気がする。
いやいや、さらに下のiP4100でも良かったのかも。
iP7100なら実売価格で1万の差がある。
まあ、こういうのも買ってみなければ分からないことではあるが。

この性能を引き出せる装置群を持ち、枚数も印刷する人には良い機種であろう。
こんな機種が4万円を切る価格で手に入る時代になったのだから、すごいことである。

        ・・・

ということで、S500は現役続行である。
簡易なカラー印刷と黒印刷においては顔料インクのS500はまだまだ使える。
更にコストもこちらの方が安い、黒に関しては特に。

ただ、プリンター2台の置き場確保は大変で、結局台を作って2段重ねにした。
(無印良品の紙パイプ棚。これを少し切って大きさを調整。)
大きさの関係上、下が8600、上がS500である。
高さを取れないので、8600の後ろ側の給紙口が閉じられないのが難点であるが仕方ない。
(ついでに言えば先のインク拭き取りもインク交換もこのままでは出来ないので、
8600から電源・USBケーブルを外し、本体を取り出して作業という大作業が必要である。)

それにしても私(もしくは親)が買ったプリンターもX1時代から数えると、

        シャープ プロッタプリンタ(CZ81PSと思う)
        シャープ ドットプリンタ(CZ-8PD2と思う)
        シャープ MZ−1P17(熱転写プリンタ)
        キャノン BJ−130J(初代BJプリンタ)
                 BJプリンターと言えばBJ-10Vを初代だと思っている人が多いが、その前にも1機種あったのだ。
        キャノン BJ−220JC
        キャノン BJC−400J                      〜〜〜〜〜↑X1/X68 ↓Windows
        エプソン PM−770C
        キャノン BJ−S500
        キャノン PIXUS iP8600

という台数になるのか。こう見るとキャノンが多いなぁ。
この他、借り物でNECのPC−PR201(卒論印刷!)とかキャノンのBJ−10Vも使ったっけ。
(この他にポケコン用のが2台あった。)
会社ではBJ−S300が直接接続、あとネットワークでレーザープリンター類がたくさんつながっているが、
それはまた別。

用途も
        プログラム印刷
        CG
        ワープロ
        写真(年賀状のような写真付き葉書も含む)
と大きく変わった。
でも、もうこれ以上の性能もいらないから当面は買わないと思う。

現在、Windowsで印刷を選ぶとプリンターが4台もある。
S500、8600、PDFCreator、後は子供会の印刷機(のドライバーが入れてある)。
後者2つは実機はないけど、まさか個人で複数台持つことになるとはね。

その気になれば、パラレルポートでBJC400JかBJ220JCもつなげられるけど、
それはそれで全くの無駄なので(^_^;)
(その前に、それらはXP用ドライバーがないか、たぶん。)

「情報」
・紙別発色傾向
        コニカ「フォト光沢 超厚手」     肌にやや薄いピンクがかかり、綺麗な発色
        富士「写真仕上げAdvanceHi厚手」 モニターで見る色、そのままにプリントされる

・色スジ発生時必要作業項目
        ヘッドリフレッシングを2回
        プリントヘッドを一回外して再び取り付ける
        手動ヘッド位置調整
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