「FlexScan S1931SE」(2008/05/26)
{商品紹介}

        液晶モニター
        ナナオ(EIZO)
        「FlexScan S1931SE(BK)」
        http://www.eizo.co.jp/products/lcd/s1931se/index.html

        定価 66476円(メーカー直販価格)
        買値 59850円(会社の分;税別・送料込み)
           60109円(家の分;税・送料込み、代引き手数料除く)
        発売開始日 2006/11/9

会社のPCに付けるために買ってもらった19インチ液晶モニター。

会社で使っているPCはDELL Inspiron4100というノート機種だが、
もうモニターのバックライトがいかれてきているのか暗くて目につらかった。
そうでなくてもしんどい状況で、毎日「目が痛い」と涙を流しながら(事実)作業していたのだが、
課長に言うたら買ってもらえることになった。

内蔵が15インチで、マルチモニタのために15インチのモニタを外付けしてたのだが、
これで基本的には外付け1本になるため「大き目を」ということで一気に19インチにした。

液晶モニターは今や国内外のメーカーから多種多様に出ていて
価格もピンから切りまであるので、いったいどれが良いのか解らない。
店頭で見比べるという手もあるが、自分のPCで見る画像とは違うことも多いし、
また長時間利用しなければ解らないことも多い。

目は一旦悪くするとなかなか直らない。
また、目から来る疲れは肩こりなどにも影響するので、モニターはけちってはいけない、
というのが経験則である。
基本的にはPCと人間のインターフェースのうち、
モニター、マウス、キーボードはけちってはいけないのである。
それぞれ一番長く使うものであり、その善し悪しが直接体調に影響するからである。

ということで、価格.comでの評価や、ちょうど(ほぼ)同じモデルを扱っていた
JustMyShopでの記事(https://www.justmyshop.com/camp/nanao02/kengaku01.html)を参考に、
この機種にした。
結構あっさり決めたと言える。
このナナオのEIZOというブランドはモニターに関しては全般にかなり高評価のようである。
正直言うと「どうせ会社の金だし、高いの買っておけ」と言うことで
余り価格を気にせず買ったというのもある。

        ・・・

実際に物が来て思ったのは「重い」。
大きいより先に重いと思った。

しっかりしたスタンドが付いていて、これがなかなか良く動くので位置はすんなり決まった。
このスタンドは縦回転まで出来るほどの自由度があるが、
残念ながら、私の机は上棚があるため、余り上には上げられない。
当然縦回転も出来ない(縦回転して縦表示できるかどうかは本体のドライバによる)。
画面は下側を心持ち前に出して斜めにした方が見目がよい。垂直にすると逆に
上が前に出ているように見える。垂直の壁を目の前にすると迫って来るように見える目の錯覚の理屈だ。
こういう設置も可能な、このスタンドの出来の良さは特筆すべきだと思う。
(動かすときは後ろのスライドスイッチを押しながら動かす。このことを知らないと
「動かない!」となる。取説に書いておけ!)

解像度は1280*1024。
今までの内蔵および外付けが1024*768だったから単体では一回り以上広くなったことになる。
(もちろん2つ合わせた広さにはかなわないが。)
今回から内蔵と外付けの解像度が違うため、マウスのカーソルが移動しにくい
具体的には、外から内に移動するとき、内の解像度範囲にカーソルを持ってこないと
カーソルが画面間を移動してくれないという問題はあるが、
まあこれは慣れるだろう。

最初はメインモニタ(モニタ1)を内蔵、サブモニタをこの液晶にしていたが、
逆に出来るとが解ったので(設定仕方は機種毎に異なる)、今はメインがこれ、サブが内蔵になっている。
内蔵液晶には余り見ないソフトを開きつつ、
よく見るものはみんなこの画面上に開くようにしている。
こうすると、サブ側にマウスカーソルと動かすことはあまりないので実用上問題なくなる。
ただ、アプリケーションによってはマルチスクリーンを考慮していない物も数少なくあり、
サブ側に移動できないもの、手動でサブ側へ移動出来るが、再起動時には前の位置ではなく
メイン内に戻ってしまうもの、なぜかサブとメインの間をまたいで開く物などがある。
DVDプレイヤーのCinePlayer(SONIC社)に至ってはサブモニタ側ではエラーが出て起動できない。
位置を覚えてくれないくらいは何とかなるが(それでも毎回戻すのは結構面倒)、
移動してくれないのは困る。市販のアプリでも完全対応品は少なそうだ。

解像度だけでいうなら家のDELLの方が1680*1050と上だが、
15インチなので字が細かくなりすぎる。この19インチは文字も大きいので本当に見やすい。
家のはフォントサイズを大きくしているが、こちらは逆にサイズを小さく出来るので
情報量を増やせる。結局、15インチの1680*1050より19インチの方が情報量が
増えるのかもしれない(ソフトにも依るけど)。

1280*1024の1:1表示の時の綺麗さは言うまでもなく、
元画像がそれ以下の解像度のでの拡大表示もなかなか綺麗。
少なくとも今まで見てきたどの液晶より拡大処理がうまい。
つないでないけど、X68をつないでもそれなりに見えるのではなかろうか。

画面縦横比は4:3のはずだが、ほぼ正方形に見える。
横が広いので、テキストエディターも横に2つ並べて表示可能。
(実際には半分くらい重ねておくのがちょうど良い幅になる。)
作業がはかどる。

主な機能や性能を列記しておくと
    * 10bitガンマ補正機能を内蔵し滑らかな階調表示を実現
    * リアルな黒を再現する高コントラスト比1000:1
    * 動画をシャープに表示するオーバードライブ回路搭載
    * 輝度を自動調整するBrightRegurator機能
    * 画像を自動調整するセルフアジャスト機能搭載
    * 画面位置を自由自在に調整できるEZ-UPスタンド搭載
ということである。

発色は非常によい。色合いも良いし、階調もよく出ている。
暗い中でも真っ黒なのか「黒いもの」なのかの区別が出来る。
エクスプローラーではファイル名部分とそれ以外の部分で微妙に色が違うのだが、
そういった微妙な違いもはっきり分かる。
これが如実に効くのが白黒写真を映したとき。グレースケールの出がとても綺麗だ。
さすがは10ビットパネル&高コントラスト。
今まで見てきた絵や写真も見違える。ホームページも「こんなに綺麗だったのか」
と思うことしきり。MH700よりも綺麗に見える。
まあ、至近距離で見ているという点は差し引かねばならないが。
デジカメ画像を表示すると若干マッハバンドが見えることがあるが、
性能が良すぎるから見える粗なのかもしれない。
(圧縮表示に伴うソフト上の問題び可能性が大)。

↓ここに階調を調べるためのチャートがある。
http://www.watch.impress.co.jp/nanao/subreview/review.htm
http://www.watch.impress.co.jp/nanao/review/070530/index.htm
このモニターではこれが全て識別できる。
会社のInspiron4100のモニターでは黒は識別できたが白は3段階までだった。
家のInspiron6400ではやはり黒は全て識別できたが、白は最後の3つが識別できなかった。
4100との差は歴然にあるが、6400とは僅差といえる。

表面は無反射処理がなされており写り込みも皆無。
会社の今までの外付けSHARPの液晶は無反射処理がなされていないてかり液晶だった。
一方DELL内蔵液晶は無反射処理で、この両者を比べたときはSHARPの方が圧倒的に綺麗だったので
「写真を見るならてかり液晶の方が綺麗」と思いこんで家のPCはてかり液晶にしたが、
これは勘違いだったといえる。

液晶のタイプはオーバードライブ付きVA方式という物らしい。
VAとはなんぞやということについては
http://plusd.itmedia.co.jp/pcupdate/articles/0510/07/news002.html
を読むと何となく解ると思うが、要するに、業務用高級品を除き、
液晶モニタにはVA方式とTN方式とがあり、VAの方が良いと言うことである。
多分DELLの液晶はTNなのだろう。

画面内における色・明るさむらもない。
隅から隅までくっきり。
DELLの内蔵液晶は結構明るさむらがあったから、家の6400のも。
さすがに高額だけのことはある。

文字もでかいので目の疲れも格段に減った。

筐体背面からの放熱はそれほどない。
全くないわけではないが、スタンドがあるので壁面にぴったり設置することは無理だから、
問題になることはないだろう。

こうなると家にも置きたい気がむくむくとわき上がってきた。
会社での購入した価格は、価格.comの最安価格より「見た目」安かった。
常々購入取引のある会社との間の物品購入ではこういう特別割引があったりする。
しかし、よく見るとそれは「税抜き価格」で、税込みだと高くなると解った。
最初そこで買おうと思ったが、早まらなくて良かった。

うちの家のモニタはまだ新品同様で綺麗だし、家ではプログラムは組まないので
マルチスクリーンは要らないと思っていたが、最近はOCR作業をするることが多く、
このときは細かい文字をつぶさに見るので画面が大きい方がよいし、
(OCRでの文字認識違いを探すのはかなり目の疲れる作業である)
取り込み結果と修正作業の一太郎を同時に開きたい。
ということで、置き場も考えずに購入してしまった。

会社でも家でも接続はアナログRGB端子にしている。
デジタル接続するには別途カードが必要だし、アナログでも十分綺麗なので当面これでよい。
接続ケーブルはそのアナログRGBケーブルとUSBが1本必要。
USBは制御用だ。このために1ポート使ってしまう。モニタにハブ機能があれば良かったのだが。
ただ、画質はスイッチでも設定できるし、細かい調整をする必要がないならUSBは
つなぐ必要はないと思う。USBをつないでいると、アプリケーション別画面設定変更などが
出来るし、PC上から画質設定が出来て便利だが、そういうことは最初しかしないと思う。
一応つないでるけど。

スピーカーも内蔵しており、使うならスピーカーケーブルもつなぐ必要があるが、
私は会社はノイズキャンセルヘッドフォン、家では外付けスピーカーを使っているのでつないでない。
スピーカーなしで少しでも安い機種があったら良かったのに。
というか、せっかくUSBつなぐんならそれで音も送ればいいのに、もったいない。

BrightReguratorというのは、周囲の明るさを見て画面の明るさを調節する機能。
なかなか良い感じで調整してくれる。
基本輝度は輝度調整で設定する必要があるが、後はこの機能がそこからの微調整をしてくれる。
明るさセンサが画面枠下部にあるので、ここを遮らないようにする必要がある。
この機能、なんと経年変化=バックライトの劣化による輝度の変化も自動的に補正してくれるそうである。
買った直後からそんなこと考えたくはないが、ぎりぎりまで、「見た目」初期性能を維持してくれる
ということなので、まあ良い事なのだろう。

マウスカーソル移動の問題は、家のは本体側の方が広いので発生しない。
いや、会社では外→内で移動に制約が出たが、家では内→外で制約が出る。
もっとも、内縦1050、外1024と30ドットの違いなので、会社ほどの違和感はない。
この液晶で一杯に広げたウインドウを内蔵側に移動させると
小さく表示されるのが面白い。

この液晶モニタは周りの枠が非常に狭い。上下左右とも1センチほどしかない。
ゆえに、ノートPCと並べると2つのモニタ間が余り離れないことになり、
目の移動が少なくて良い。
(残念ながら、会社ではノートPCの液晶が後ろに下がって横並びに出来てない。
小さい画面の方が後ろにあるのでちょっと見にくい。)
そもそも、こういう枠が狭いのはデザイン的にも綺麗だ。
色は白と黒があるが、黒の方が枠が目立たず良いだろう。

動画にも強いと言うことだが、
ゲームやDVDで見ると、確かに液晶で問題とされる残像感はほとんどない。
MH700と比べると、プレイヤーが異なるのでモニターそのものの性能差だけではないが、
色合いはこっちの方がきれいだと思う。
こちらは10ビットパネルだが、MH700は8ビットも出てない。
その差が出ている。
Ysオリジンをやったときのその絵の美しさには感動した。
はっきり言ってDELL Inspiron6400内蔵液晶よりずっと淡い色が再現されている。

取説は非常にわかりにくい。
何をなんのために接続すればいいのかすら解らない。
まあ、モニタなのでなくてもだいたい解るが、特にUSB接続の意味とかが。
ソフトの説明書はないのでヘルプを見る必要があるが、これもわかりにくい。

もう1つ欠点があった。それは「揺れる」事。
液晶部分の重量が重いため、スタンドを上げる=画面を高い位置にすればするほど
揺れるようになってしまう。キーを打つと机が揺れて、それでモニターが揺れるという感じ。
家のPCラックは特に揺れやすいので困っていたが、これに関しては
ラックと液晶の間に緩衝材を噛ますことで押さえ込んでいる。
見た目にはちょっとあれだが、揺れるよりかはまし。
何か良い方法があればいいのだが。

あと、DELL6400では時々画面が瞬く(一瞬黒くなってまた戻る)現象が発生するが、
これはどうやっても直らない。Windowsを再インストールしても。
DELL4100では発生しないので、6400固有の問題のようだ。ドライバーかハードかどちらの問題かはわからないが。
(現在利用中のEPSON機でも発生しない。)

        ・・・

まあ、揺れに弱いのと取説の問題などあるし高いけど、性能は抜群である。
やっぱり目に良い物を買わなきゃ。
5年保証もあるし、長く使えまっせこれは。

1つ追記。
商品は税・送料込み価格だったが、カード払いが出来ない店だった。
そうなると銀行振り込みか代引きになるが、
銀行振り込みなら「他行」扱いなので手数料315円、一方代引き手数料は615円で、
しかもeコレクトという、佐川の代引き時のJ−Debitによるカード払いが使える。
さんざん悩んだのだが、到着日が金曜日の夜か土曜日の違いということを重視して代引きにした。
金曜日の夜なら遅くても土曜日の朝から設置できるが、土曜日なら来るまで待たなければならない。
しかも土曜日は配送時間の指定が出来ないと言うことで、
その土曜にには花見をしたかったので余計に待つのはいやだったからである。
(でも実際に花見が出来たのは日曜なんだけど。)

eコレクトを使うのは初めてだったが、簡単だった。
J−Debit対応カードが必要だが、キャッシュカードであれば暗証番号の入力は要らない。
サインだけ。これで普通の代引きと同じ値段なのだから、本当に便利だ。

実は、本当はもう少し早く買う気になってれば、JusyMyShopで57800円
という破格で(しかもディスプレイクリーナー付きで)購入できたのだが、惜しいことをした。

        お勧め度        92%

後、うちはキーボードが問題だな。ノートのキーボードはさすがに長文を打つにはつらい。
これも「そのうち」何とかしよう・・・そのうち・・・?(次回へ続く)
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