「Secure EasyDisk ED-S256」(2006/10/16号)
{商品紹介}

        「Secure EasyDisk ED-S256」
        アイ・オー・データ

        定価    7560円(税込み)
        買値    6300円(税・送料込み)

        http://www.iodata.jp/prod/usbmemory/easydisk/2005/ed-s/index.htm

セキュリティー機能付き、USBメモリー。
(このネタを書いてからだいぶ経つので、この機種自体は最新モデルではないはず。)

最近はよく、どこそこでPCが盗まれて個人情報が流出したとかいう話を聞く。
そういう場合に有効なのが、ファイルにパスワードかけたり、ファイルを暗号化
するという手段であるが、パスワードは、そういう機能があるプログラムのファイル
出ないとだめだし(Excel等)、仮にパスワードをかけても
メディアの中を直接見られたら無効な場合も多い。
暗号化は直接見られることに対しては有効だが、いちいち掛けるのが面倒。

ということで、その両方をいっぺんにやってくれるのがこのメモリー。
USBに差すとドライブとして認識されるので、
通常はそこへ読み書きするだけ。

差し込んだときにはパスワードを聞いてくるので答えなければ開かない。
5回間違えるとドライブの内容そのものが全て消える仕組み。
暗号化はハード的に行われているらしい。

私がそこまでのものをなぜ必要としたのか。

私は家と会社の間で、個人的データの入ったメモリーカードを持ち歩いて
「いろいろと」運用していた。
最近はあっちこっちに会員登録しているので、それぞれの設定を
全て頭でを記憶するのは不可能。ということでとあるファイルに書いてあるのだが、
これが盗まれたり、会社で勝手に見られたりすると非常にやばい。
また、実はこのネタを始めオタクラの原稿も、多くは会社のPCで書いているのが昨今であるが
これも会社では読まれたくない。

てな事情から、購入したわけである。
もちろん、価格的にも納得できる範囲に入ってきたからというのも大きな要因ではある。

このディスクにはいくつかの特徴があるので、それぞれを見てみよう。

・パスワードによる個人認証機能搭載パスワード
先にも書いたとおり、メモリを差すと自動的にパスワード入力画面が出てきて、
入力しないとドライブとしてアクセスできない。
ただ、基本的には差し込むと自動的にパスワードを聞いてくるが、なぜかこないことがある。
この場合は、「ED−S」と名前の付いたドライブをクリックする、または
タスクバーにあるED-Sのアイコンを右クリックして「ログイン」を選ぶとと聞いてくる。
ログアウトはWindowsの「ハードウエアの安全な取り外し」を使う。
マイコンピュータの「取り外し」は使えない。
(使えないことはないけど、最ログインするためには結局取り外しが必要となる。)

パスワードは5回間違えるとログインできなくなる。
解除するには管理ツールが必要とある。
(おそらくはパスワードロックを解除する物。)
ただし、解除時に内容が全て消されてしまうので要注意である。

・ハード暗号化
暗号化はソフトで行う方法もあるが、その場合そのソフトの介在が必須となるし
その分読み書きが遅くなる。普通に使う上で面倒さや遅さを感じるようではだめなので、
ハードで処理されるのはよいことである。
実際、読み書きに際して特に遅いという印象はない。

・最適制御で高寿命化
このメモリーはフラッシュメモリーという、電源を切っても内容が保存される
タイプのものであるが、このタイプのメモリーには公称約10万回という書き換え
回数の上限がある(実力値はもう少し上の場合が多い)。
10万回って多そうに思えるかもしれないが、
特にWindowsのファイル制御領域は頻繁に書き換えられるため10万回でも
少ないのではないかと思われる。まして、私のようにこのメモリーを
単なるファイル保存領域として使うのだけではなく、この上で
ファイルの編集をしていると余計に回数は増える。
1カ所に書き換えが集中するとそこが壊れて、結局全体が使えなくなるので、
集中を避けるように最適制御を行っているということである。
ちなみに、市販の他のメモリーカードも多くは内部でそういう制御を行っている。
(私の知る限りではSDは自動で行ってくれるが、スマートメディアは制御してない。)

・ログアウトしたら自動的に消去される「VOLATILE」ディレクトリ
中にVOLATILEというディレクトリがあって、ここは一次利用の領域。
ここのファイルを書き込むと、ログイン中は存在するが、
ログアウトすると消えてしまう。しかも、単にゴミ箱に捨てるようなことではなく
二度と復活できないように完全に消す。
昔のPCにあったラムディスク(本体メモリーの一部をディスクに見立てたもの)に近い。
でも、私には余り使い道は思い浮かばない。

・ファイルを分割して暗号化するe-割符 SU
PCとメモリーとそれぞれ独立して移動して、合わせて復元などという使い方をするのであろう。
私はメモリしか持ち歩かないので無用であるが、
別のメモリカードと合わせて使うという技も出来よう。

・ホコリにも強い「安全ボディ」
「コネクタに負荷をかけない、ボディ部にキャップを固定する構造です。
また、ボディにはスイッチ等がなく、内部にホコリが進入することはありません。
気軽にカバンやポケットにいれて持ち運べる、安心設計です。」
って書いてあるけど、スイッチのあるメモリーカードなんて私は知らない。
あっ、書き込み禁止はあるかな?
確かにコネクタがむき出しだとそこから静電気が入ってメモリーを破壊する
可能性もあるからコネクタのキャップは有効なんだろうけど。

というような感じである。
最初にパスワードがある以外は、余りセキュリティーを意識する必要がないので
楽ではある。

ということで使い勝手は悪くはないが、あえて言えば
・ログイン/ログアウトはメディアの抜き差しではなく別の方法でも出来るようにして欲しい
 自席を離れるときにいちいちメディアを抜くのは面倒。
 かといって、ログインしたままでは不用心。
 会社内といえども安心は出来ないから。
 VOLATILEなんて要らない。こちらの方がよほど重要。
 出来れば、アクセスなく一定時間経てば勝手にログアウトする機能があれば一番良い。

・本体の厚みを半分に
本体がおよそ1.5センチもの厚みがある。
このため、USBスロットが上下に付いている場合他方が事実上使えなくなる。
スロットに余裕がない状況ではこれかなり不便。
まあ、こういう傾向はUSBメモリーカードスロットには共通する課題ではあるので
これに限ったことではない(延長ケーブルを使うと良い)が、何とかして欲しい。

データを持ち運びする可能性のある人にはそれなりに勧められるけど、
上記2点は結構気になるので出来れば確認したいところ。
もっとも、この手のメモリーカードは店でも試用することが出来ないから
困ったもんなんだけどねぇ。

        お勧め度        75%

余り高くしてないのは、セキュリティーがあろうがなかろうがメモリーにすぎないから。
悪くはないが、これを買って良かった!と言うこともない。
一応毎日使ってるんだけど。
もっとも、それが解るのはなくしたり盗まれたときであって、
そういうことはないに越したことはないからでもある。

私の買ったのは一番低容量の256MBタイプだが、実際には上に
        ED-S512         512MB   ¥13,000
        ED-S1G          1GB     ¥24,500
        ED-S2G          2GB     ¥55,000
の種類がある(これを買った当時の価格)。
そうそう、USBは2.0である。

なお、このメモリーはWindowsXP/2000のみ対応なので注意。

        ・・・2006/12/21追記・・・

このメモリー、差し込むと2つのドライブを作るが、
1つ目が制御用で書き込み禁止、2つめが記録可能なドライブとなる。
ログイン時にこの1つめのドライブに(エクスプローラーで表示するなど)アクセスしていると、
パスワードを入れても「ログインエラーとなる」ので注意。

        ・・・2007/06/26追記・・・

最近ログインが非常に遅くなってきた。1分くらいかかる。
おそらく、劣化が始まっているのだろう。
まだエラーは出てないが、快適な速度で使えたのはおよそ2年間であったと言える。
その間ほぼ毎日読み書きしていたから、FATなど管理領域の書き込み回数が
10万回を超えたことは想像に難くない。フラッシュメモリは消耗品なので
仕方ない。
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